アルコール度数の高いイメージのあるジンですが、カロリーはどのくらいなのでしょうか。この記事では、ジンのカロリーや、ジンをベースにしたカクテルのカロリーなどについて紹介します。
ジンは、「飲む香水」とも呼ばれる、ヨーロッパ生まれの蒸留酒(スピリッツ)の一種です。蒸留酒はアルコール度数が高く、火をつければ燃えることから、「火酒(かしゅ)」と呼ばれることもあります。
ジュニパーベリーを始めとしたスパイスやハーブ、フルーツなどの「ボタニカル」による香りづけが特徴的で、スパイシーで爽やかな独特の香りを持つ、切れ味のあるクリアな味わいです。製造しているメーカーで香り付けに使用している原料が異なるので、製品ごとに違った味わいが楽しめます。
また、ジンには様々な種類がありますが、現在「ジン」と言えば、ほとんどの場合イギリス生まれの「ドライジン」を指します。定番の「ドライジン」以外には、まろやかな甘みを特徴としたオランダ産の「ジュネヴァ」、バランスの良い風味のドイツ産の「シュタインヘーガー」、甘めのドライジンともいえるイギリス産の「オールドトムジン」があります。また、生産されている地方によって風味の異なる「クラフトジン」が近年人気を博しています。
製品は40~50度のアルコール度数で売られている製品が多くなっていますが、飲む人の好みに合わせて37度前後、50度以上のジンも販売されています。ちなみに、EU(欧州連合)ではジンのアルコール度数は「37.5度以上」と定義づけられています。
ジンのカロリーは、グラス1杯分(100ml、95g)で267kcalです。
同じ量のビール(38kcal)や日本酒(104kcal)よりも高カロリーですが、ジンには炭水化物(糖質)、脂質、タンパク質は含まれていません。また、ジンのカロリーのほとんどはアルコールのカロリー(エンプティカロリー)です。
エンプティカロリーとは、名前からゼロカロリーと同じ意味だと勘違いされがちですが、正しい意味は「栄養がほとんど含まれていない、高い値のカロリー」のことで、肥満につながりやすいカロリーという意味で使われることの多い単語です。ただし、アルコールのカロリーは摂取後はすぐに熱として消費されてしまい、体内で蓄積されることはないと言われています。
しかし、アルコールのカロリーが優先的に消費される分、他の食事で摂った分が体内で蓄積されることになり、結果として肥満に繋がってしまいます。
また、アルコールには、カロリー以外に肥満へ繋がる作用がいくつかあります。
アルコールが肝臓で分解される際に中性脂肪の合成が促され、体内に蓄積されるうえに、アルコールには脂肪の分解を抑制する効果もあります。加えて、アルコールには食欲を促す作用があるため、飲みすぎによっておつまみを食べ過ぎることでカロリー摂取に繋がってしまいがちです。このように、アルコールにはカロリー以外にも肥満の原因となるため、飲酒量には注意が必要です。
よく飲まれるアルコール飲料の100mlあたりのカロリー及び糖質は以下の通りとなっています。
ビール/淡色:カロリー40kcal、糖質3.1g
缶チューハイ/レモン風味:カロリー51kcal、糖質2.8g
白ワイン:カロリー73kcal、糖質2.0g
赤ワイン:カロリー73kcal、糖質1.5g
日本酒(純米酒):カロリー103kcal、糖質3.6g
紹興酒:カロリー127kcal、糖質5.1g
梅酒:カロリー156kcal、糖質20.7g
焼酎(甲類):カロリー203kcal、糖質0g
ウイスキー:カロリー222kcal、糖質0g
ブランデー:カロリー225kcal、糖質0g
ウォッカ:カロリー228kcal、糖質0g
ジン:カロリー267kcal、糖質0g
ラム:カロリー228kcal、糖質0.1g
テキーラ:カロリー231kcal、糖質0g
ただし、それぞれのよく飲む量での1杯あたりのカロリーは下記のとおりです。
ビール/淡色(1缶:約350ml):カロリー140kcal、糖質10.5g
缶チューハイ/レモン風味(缶1本:約350ml):カロリー179kcal、糖質9.8g
白ワイン(グラス1杯:約125ml):カロリー94kcal、糖質2.5g
赤ワイン(グラス1杯:約125ml):カロリー91kcal、糖質2.0g
日本酒(1合:約180ml):カロリー193kcal、糖質8.8g
紹興酒(シングル1杯:約30ml):カロリー38kcal、糖質1.5g
梅酒(コップ1杯:約180m):カロリー293kcal、糖質39.1g
焼酎(ロック60ml):カロリー124kcal、糖質0g
ウイスキー(シングル1杯:約30ml):カロリー68kcal、糖質0g
ブランデー(シングル1杯:約30ml):カロリー68kcal、糖質0g
発泡酒(コップ1杯:約180ml):カロリー79kcal、糖質6.5g
ウォッカ(シングル1杯:約30ml):カロリー72kcal、糖質0g
ジン(シングル1杯:約30ml):カロリー80kcal、糖質0g
ラム(シングル1杯:約30ml):カロリー72kcal、糖質0.1g
テキーラ(シングル1杯:約30ml):カロリー73kcal、糖質0g
以上のことから、ジンは1度に飲む量が少ないので摂取カロリーは多くなく、糖質も含まれていないため、比較的太りにくいお酒だということがわかります。どちらかと言えば、アルコールによる作用によって肥満に繋がりやすいということがわかるでしょう。
代表的なジンのカクテルのカロリーを紹介します。割る割合や銘柄でカロリーや糖分量は変わるので要注意です。
ジン・ソーダは、ジン・30ml+ソーダ水100mlで作ると約80kcalになります。糖分量は0で、カロリーもカクテルの中では最も低い部類です。
ジン・トニックは、ジン30ml+トニックウォーター100mlで作ると約118kcalになります。トニックウォーターには100mlあたり9gの糖分が含まれており、意外と糖分が含まれているので、飲みやすい一方でそれなりに糖分を摂取することになりそうです。
オレンジ・ブロッサムは、ジン30ml+オレンジジュース100mlで作ると約123kcalになります。オレンジジュースには100mlあたり10.5gの糖分が含まれています。オレンジ・ブロッサムは、ジンのカクテルでは飲みやすいカクテルですが、飲みすぎは糖分の過剰摂取に繋がってしまうでしょう。
ブラッディ・サムは、ジン30ml+トマトジュース100mlで作ると約98kcalになります。トマトジュースには100mlあたり3.3gの糖分が含まれています。ブラッディ・サムは、トマトジュースに含まれるリコピンという成分には酔いを穏やかに進める効果があるなど、やや健康志向なカクテルとしても知られています。
ジン・コークは、ジン30ml+コーラ100mlで作ると約128kcalになります。コーラには100mlあたり11gの糖分が含まれています。ジン・コークは、炭酸の爽快感も相まってゴクゴクの飲めてしまうカクテルですが、飲みすぎは糖分の過剰摂取に繋がってしまうでしょう。炭酸特有の食欲増進にも気を付けたいところ。
ジン・バックは、ジン45ml+ライムジュース20ml+ジンジャーエール適量(100ml~)で作ると約174kcalになります。ジンジャーエールには100mlあたり16gの糖分が含まれています。ジン・バックは、さっぱりとした飲み口のカクテルですが、ジュース系のカクテルではカロリー・糖分量ともに一番高いので要注意です。
ジンを飲む際、注意すべきなのは「ジン以外のカロリー摂取を避ける」、この1点に尽きます。
上記の項目で紹介した通り、糖分を多く含むジュースでジンを割ることで飲みやすくなりますが、糖分(=カロリー)の摂取量が増えてしまいます。飲んで酔いが進み、さらにたくさん飲んでしまうことも多々あるので要注意です。
炭酸水には、飲んで胃に入った炭酸ガスが胃壁を刺激することによって、一時的に食欲を増進させる作用があるとされています。また、口の中に広がる爽やかな刺激により、食事の味わいを引き立てる効果もあります。ソーダ割のお酒を飲むことでおつまみを摂取する量が増え、カロリーの過剰摂取に繋がりがちなので要注意です。
食事をある程度摂って満腹感のある状態で飲み始めることで、食べ過ぎ・飲み過ぎを防ぐことができます。ただし、アルコールには食欲を促す作用があるため、飲みすぎてまた何か食べたくなってしまったら意味がありません。
高カロリーなおつまみを避けることでカロリー摂取を抑えることができます。高カロリーなおつまみは下記のとおりです。
揚げ物:天ぷら、から揚げなど
スナック菓子:ポテトチップス、コーンスナックなど
チーズ類:スモークチーズ、カマンベールチーズなど
ナッツ類:アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツなど
加工肉製品:ベーコンやサラミなど
ちなみに、低カロリーなおつまみは下記のとおりです。
野菜類:枝豆、キムチ、漬物、野菜スティックなど
魚介類:するめ、小魚、たこわさびなど
鶏肉:サラダチキン、ささみジャーキーなど
大豆製品:豆腐、大豆を代用肉として使ったジャーキーなど
アルコール代謝を助けるおつまみを食べることで、中性脂肪の蓄積を緩和する効果が期待できます。
たんぱく質の豊富な食品:お肉、魚介類、豆腐など、たんぱく質が豊富な食品は、アルコール代謝を促進する働きがあります。
ビタミンB群の含まれる食品:レバー、豚肉、卵、乳製品、海藻類など、ビタミンB群が豊富な食品は、アルコール代謝を助ける働きがあります。
酢の物:キュウリ、ナス、納豆などの酢の物は、アルコール代謝を促進する働きがあります。
オリーブオイル:オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、肝臓の機能をサポートし、アルコール代謝を促進する働きがあります。
果物:パイナップル、キウイ、グレープフルーツなど、アルコール代謝を促進する働きがある酵素を含む果物は、おつまみとしてもおすすめです。
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