三温糖の代用になる食品を紹介していきます。
三温糖と上白糖はどちらも料理に甘みを与える調味料であるため、三温糖を上白糖で代用することができます。反対に、上白糖を三温糖で代用することももちろん可能です。
ただし、三温糖と上白糖は共に砂糖の一種ではあるものの、製法が異なるため甘さや風味、重さなどに違いがあります。そのため、三温糖を上白糖で代用すると甘みや風味が変わってしまうことがあります。
三温糖の糖度は96度、上白糖の糖度は97度です。糖度でいえば上白糖のほうが高いのですが、三温糖のほうが甘みが強いと感じる人が多いです。
これは三温糖に含まれる不純物質(ミネラル分、アミノ酸、有機酸など)の影響であると考えられます。特に、三温糖に含まれるミネラル分やアミノ酸は、味覚に影響する成分であり、甘みやコクを強調する効果があり甘さが強く感じる要因になっていると考えられます。
また、重さにも違いがあります。三温糖1カップあたり(200cc)の重さは170g、一方上白糖1カップあたりの重さは130gです。三温糖は糖蜜を加熱濃縮し、結晶化させて作られるため、水分が多く含まれていますが、上白糖は精製された砂糖であり水分が少ないためこのような差がうまれます。
一般的には三温糖が上白糖よりも重いため、重さで換算してから代用することが推奨されています。例えば三温糖1カップと記載のあるレシピを上白糖で代用する場合の量は3/4カップ程度となります。
三温糖を上白糖で代用すると、甘みを出すことはできてもコクを出すことはできません。そこで、上白糖でうまくコクを出す方法を紹介します。
1つ目は、上白糖を茶色くなるまで加熱し、水を加えて溶かしてから使う方法です。上白糖を加熱してから使うことで、三温糖のようなカラメルの風味になりコクを出すことができます。
2つ目は上白糖の一部をメープルシロップやはちみつ、黒糖などの代替甘味料に置き換える方法です。三温糖のコクはビタミンやミネラル、アミノ酸などの栄養素によるものです、そのためコクを出すことができるメープルシロップなどの代替甘味料を加えることで、三温糖に近い味わいを再現できます。
三温糖はグラニュー糖でも代用可能です。
ただし、グラニュー糖で代用した場合も上白糖で代用するときと同じように風味が異なります。また、三温糖のようにコクを出すこともできないので、代用する場合は全く同じ味になるわけではありません。
グラニュー糖で代用する場合も、上記で紹介したようにコクを出す工夫をするとより三温糖を使ったときの味わいに近くなります。
氷砂糖でも代用することができます。しかし上白糖やグラニュー糖と同じように三温糖と氷砂糖は甘さや風味が異なるため、完全に代用することはできません。
氷砂糖は甘さが強いですが、三温糖のような風味はあまりありません。しかし、三温糖を氷砂糖で代用する場合は氷砂糖の量を多めにすることで、近い風味を出すことができるといわれています。
一般的には、三温糖1カップ分につき、氷砂糖を1カップと1/4程度使用することをおすすめします。ただし、使用するレシピによっては、この比率が異なる場合もあります。料理やお菓子作りの際には味を見ながら調節していくことが大切です。
三温糖は普通の砂糖(上白糖)よりも甘みが強くコクがあるのが特徴です。上白糖・グラニュー糖以外でコクのある砂糖を紹介します。
てんさい糖は、糖蜜を含んだままの原料を煮詰めて結晶化させる含蜜糖に該当します。テンサイ(甜菜)という植物の根に含まれる糖からつくられる砂糖で、テンサイは「サトウダイコン」や「ビート」と呼ぶこともあります。てんさい糖は、分蜜糖を製造する際に得られる糖蜜のみを原料にしているメーカーもあります。その場合、分蜜糖と含蜜糖のどちらにも該当しないということになります。
てんさい糖はまろやかな甘さと風味、コクが特徴で、三温糖と同じようにコクを出すことができます。
きび砂糖はサトウキビの搾り汁から最低限の不純物を取り除き、煮詰めて作られます。自然な薄茶色をしています。
色付きは三温糖と似ていますが、きび砂糖と三温糖は異なる種類の砂糖です。きび砂糖の色は原料であるサトウキビの自然な色合いである一方、三温糖の色は、糖蜜を煮詰める際に焦げてつく色です。また、きび砂糖の栄養素は、上白糖や三温糖よりも高く、カリウムやナトリウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
きび砂糖にもコクがありまろやかな甘さが特徴です。そのため、黒砂糖よりも調理に適しており、色付きを気にしなければ、上白糖と同様に料理全般や菓子、コーヒーなど幅広く使用することが可能です。特に、筑前煮や照り焼きなど、コクを出したい和食の味付けに最適です。
黒砂糖とは、サトウキビの搾り汁を煮詰めてつくる黒褐色の砂糖です。「黒糖」と呼ぶこともあります。
製法による分類では、糖蜜を含んだままの原料を煮詰めて結晶化させる含蜜糖に分類されます。糖蜜を含むため固まりやすく、ブロックを砕いた塊状をなしています。
三温糖よりもカルシウムやカリウム、鉄、亜鉛、ビタミンB1、B2などを豊富に含んでおり、独特な風味とコクを出すことができます。
黒砂糖はかりんとうや羊羹などの菓子や煮物の甘味料、焼酎の原料に使われることが多いです。
中双糖は、白ザラ糖の表面にカラメルで着色した砂糖です。以前は、純度の低い着色した糖蜜からつくられていましたが、最近では時間短縮のために、このような製造方法になりました。
カラメルで着色しているため三温糖と似た風味があり、コクを出すことができます。ただし、中双糖が粒が大きく溶けにくいため、中双糖で代用する場合は注意しなければいけません。
粗製糖(そせいとう)はサトウキビの絞り汁を前処理したあとに結晶化し、遠心分離により糖蜜を分離して得られる結晶です。粗製糖をさらに加工して、一般的に家庭で使われている上白糖(白砂糖)やグラニュー糖などが作られます。「粗糖(そとう)」や「原料糖(げんりょうとう)」と呼ばれることもあります。
粗製糖は砂糖を作るためのベースとして使われることが多いですが、そのままでの使用も可能です。
粗精糖は一般的に家庭で使われることが多い上白糖と比較して優しい甘みで、三温糖と同じようにコクがあるのが特徴です。上白糖を同じように様々な用途で使うことができますが、特に煮物などの日本料理によく合います。
赤砂糖は、上記で紹介した砂糖の原料となる「原料糖(粗糖)」と呼ばれる精製する前の砂糖と糖蜜をブレンドしたものです。
赤砂糖は、原料であるサトウキビの味と独特の甘味が残っており、甘味とコク、後味のバランスが良いのが特徴で、三温糖の代用に適しています。
ココナッツシュガーは、ヤシ科のココヤシ(ココナッツ)が原料に作られる砂糖です。
ココヤシは利用価値が高い植物で、茎は材木として、果実はココナッツパウダーなどの食品として、胚乳はココナッツジュースやココナッツミルクなどの飲料として、果実の皮はロープやたわしの繊維として、実の核の油は石けん原料やマーガリン、菓子などに用いられます。
ココナッツの風味がするのではないかと心配になる方も多いと思いますが、ココナッツシュガーの風味は黒砂糖に似ていて、優しい甘みが特徴です。そのため、三温糖の代用にぴったりです。
はちみつ(蜂蜜)は、ミツバチが集めた蜜が巣の中で熟成されたものを指し、人類最古の甘味料といわれています。
はちみつの主成分は糖分(果糖とブドウ糖)で、ビタミン類や鉄、カルシウム、マンガンなどのミネラル分を豊富に含みます。
花の種類によって味や色、香りに違いがありますが、一般的にはちみつはすっきりとした甘さや風味が特徴です。パンやホットケーキにかけたり、コーヒーや紅茶などの飲み物に入れたりして用いられます。
はちみつの甘味の強さは、温度により変わりやすいため、調味料としては不向きといわれていますが、甘みを加えるといった意味では、三温糖の代用が可能です。
はちみつは、蜂の蜜であるため、ヴィーガン食品としては認められていません。
はちみつの方が三温糖よりも甘さが強いため、三温糖の代用品としてはちみつを使用する場合は、三温糖の分量よりも少なめに使用しましょう。
カエデ科のサトウカエデの樹液から採った糖液がメープルシロップ、樹液を濃縮して水分を飛ばしたものがメープルシュガーです。
カロリーは上白糖(白砂糖)より低く、様々なミネラル分が豊富に含まれています。はちみつのような香りがあり、メープルと特有の風味と甘味が特徴です。
パンケーキやワッフルにかけたり、「メープルラテ」の風味付けなどに用いられます。なお、メープルシロップはヴィーガンです。ヴィーガンレシピで、はちみつの代わりによく使用されます。
三温糖の方がメープルシロップやメープルシュガーよりも甘さが強いため、三温糖の代用品として使用する場合は、三温糖の分量よりも多めに使用しましょう。
近年、注目を浴びている甘味料の一つにアガベシロップがあります。アガベシロップは、メキシコを中心に分布している多肉植物「アガベ」から作られる甘味料です。アガベはテキーラの原料でもあります。
アガベは、一般的な砂糖(上白糖、白砂糖)の1.3倍の甘さがあるのにもかかわらず、カロリーは75%と低く、またGI値は驚きの21です!血糖値の急激な上昇を抑えたり、アガベシロップに含まれるイヌリンが腸内環境を整えてくれます。健康や美容効果が期待できることから、注目を集めています。
アガベシロップの甘さにはクセがなく、後味がさっぱりとしてしつこくないため、様々な料理に使うことができます。メープルシロップと同様に、アガベシロップもヴィーガンです。シロップの色が濃いものもあります。アガベシロップは、他の甘味料と比較して値段が高価な傾向があります。
三温糖の代用として使用する場合、アガベシロップは一般的な砂糖よりも甘いため、少なめに使用することをおすすめします。
黒糖シロップは、沖縄などで伝統的に使用されてきた黒糖を加熱して水を加え、シロップ状にしたものです。
黒糖シロップは三温糖と同様にコクや風味があり、独特の深い味わいが特徴的です。そのため、黒糖シロップは三温糖の代用品としておすすめです。
黒糖シロップと黒蜜は原料は同じですが、別物です。黒蜜は黒糖シロップよりも濃厚で、風味も異なります。黒糖を三温糖の代用品にすることもできますが、黒蜜のほうが甘みが強いので少なめに使用するようにしましょう。
水飴は砂糖を水で煮詰めて作ったもので、優しい甘みがあるのが特徴です。
三温糖のようなコクはありませんが、水あめを使うと照りが出るため照り焼き料理の代用品にぴったりです。コクがない分物足りなさを感じてしまうかもしれませんが、コクを出したい場合ははちみつを一緒に加えるなどコクを出せる調味料と合わせて使うと良いでしょう。
その場合は甘すぎてしまわないよう分量を調節してください。
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