アルコール度数が高い、強いお酒としてよく知られているウォッカ。この記事では、ウォッカの度数や他のお酒との度数比較など、度数を基準とした様々な視点からウォッカを紹介します。
ウォッカは、大麦、小麦、ライ麦、ジャガイモといった穀物などの原料を加工して造られる、ロシア発祥の蒸留酒(スピリッツ)の一種です。蒸留酒はアルコール度数が高く、火をつければ燃えることから、「火酒(かしゅ)」と呼ばれることもあります。また、ウォッカは氷点下でも凍らないため、超低温地域で重宝されてきた歴史があります。
ウォッカは製造過程において、白樺の木炭などのフィルターで濾過する工程があり、これによって雑味が取り除かれるため、無味無臭ですっきりとした味わい、まろやかな爽快感が特徴的で、世界4大スピリッツ(ウォッカ、ジン、ラム、テキーラ)の中では最も癖のない風味と言われています。
なお、クリアさが特徴的なウォッカですが、香りや味を加えた「フレーバードウォッカ」もあり、世界中で様々な味のウォッカが流通しています。
これらの特徴から、カクテルベースとして使われることが多いものの、ストレートやロックなど、様々な飲み方で嗜まれています。
ウォッカはそのアルコール度数の高さでもよく知られていますが、製造している会社によって度数は様々ですが、その中でも、40度前後のアルコール度数で売られている製品が多くなっています。
スピリタスは、ポーランドで造られるアルコール度数96度のウォッカで、世界最高アルコール度数かつ、世界最高純度のお酒です。その度数の高さゆえにアメリカのいくつかの州では販売が禁止されています。
96度という度数は、70回以上蒸留を重ねる製法によるものです。成分のほとんどがエタノールで、日本ではガソリンと同じレベルの危険物という扱いです。
使い方・飲み方としては、アルコール度数が非常に高いため、短期間で果実の美味しさが引き出されることから、果実酒を漬け込むために良く使われるほか、カクテルベースとしても使われています。また、古くから消毒剤としても使われているようです。
イギリスの「ギルビー・ウォッカ」、ポーランドの「ズブロッカ」など、37.5度のウォッカもよく見られます。フレーバードウォッカでは低い度数の製品が多く、シロックの「ピーチ」や「アマレット」は35度、ズブロッカの「ズブロッカ・バイソンロゼ」は32度です。
世界4大スピリッツのウォッカ以外のスピリッツは、ジン:40~50度、ラム:40~50度、テキーラ:35~55度と、ウォッカと同程度のアルコール度数となっています。
近年、0.5度の微アルコールの製品など、様々な種類の製品が流通しているビールは、ほとんどの製品が5度前後のアルコール度数と、お酒の中では低い方の部類となっています。ビールは喉越しを楽しむためにアルコール度数が抑えられた製品が多くなっています。
ワインは素材によって様々な度数の製品がありますが、赤ワインは11~15度程度、白ワインは9~14度程度と、お酒の中では真ん中くらいの度数です。
ただし、甘口のフルーツワインなどは5度前後の製品が多く、じっくりと熟成された赤ワインでは16度以上の製品もあります。
日本酒も製品によって様々ですが、平均的な度数は15度とされています。5~10度の飲みやすいスパークリング日本酒もあれば、20度以上のアルコールの強い刺激を感じるような日本酒もあります。
なお、日本酒の度数は「22度未満」と法律で定められています。22度以上の日本酒もありますが、酒税法の分類では「リキュール」となります。
ウイスキーもジンと同じ蒸留酒で、度数も同程度の40度前後となっていますが、イギリスでは43度、アメリカでは40度が標準度数と定められています。
基本的にウイスキーは瓶詰めの際、樽で熟成したいくつかの種類をブレンドしますが、ブレンドを行わない「シングルカスク」と呼ばれるウイスキーは度数が高い製品が多く、60度以上の高い度数で売られているウイスキーもありますよ。
ジンと同じ蒸留酒である焼酎はおよそ20~25度となっています。蒸留酒の中では低めの度数で、飲みやすい蒸留酒としても知られています。
焼酎の中でも、甲類焼酎はウォッカとよく似たすっきりとした味わいなので、ウォッカの度数が高く感じる方は焼酎から挑戦してみるのもおすすめです。
ウォッカの有名な銘柄を度数別に紹介します。
アルコール度数96度のウォッカは、上記の項目でも紹介したポーランドの「スピリタス」のみとなっています。飲み方によっては少量でも急性アルコール中毒になってしまうので、要注意です。
45~50度のウォッカで有名な銘柄には、
「スミノフブルー(イギリス、50度)」
「ギルビーウォッカ(イギリス、45度)」 ※金色のラベルの方
「ベルヴェデール・ウォッカ・インテンス(ポーランド、50度)」
「ウヰルキンソン・ウォッカ(日本、50度)」
などがあります。少し強めのお酒が好みという方向けです。
40度はウォッカでは一般的な度数となっています。有名な銘柄では、
「スミノフ(イギリス、40度)」
「スカイウォッカ(アメリカ、40度)」
「ベルヴェデール(ポーランド、40度)」
「ストリチヤナ(ロシア、40度)」 ※ピュアウォッカタイプのプレミアムライン
「シロック(フランス、40度)」
「グレイグース(フランス、40度)」
「アブソルート(スウェーデン、40度)」
「ウヰルキンソン・ウォッカ(日本、40度)」
などが挙げられます。有名な銘柄がそろっているので、どれを選べばよいか迷ったときは40度のウォッカから選ぶと間違いないでしょう。
40度未満のウォッカは、フレーバード系のウォッカが多くなっています。有名な銘柄では、
「ギルビーウォッカ(イギリス、37.5度)」 ※青色のラベルの方、ピュアウォッカです
「スブロッカ・バイソングラス(ポーランド、37.5度)」
「スブロッカ・クリア(ポーランド、37.5度)」
「ズブロッカ・バイソンロゼ(32度)」
「ストリチヤナ(オレンジ、シトラスなど)(ロシア、37.5度)」
などがあります。度数が低めで、フレーバードタイプなら香り・味付きなので飲みやすいウォッカが多く、ウォッカ初心者向けと言えるでしょう。
ウォッカの定番カクテルを、度数別に分類してみます。カクテルをお飲みになる際に参考にしてみてください。
ウォッカ・ソーダ(ウォッカ+炭酸水)
ウォッカ・トニック(ウォッカ+トニックウォーター)
スクリュー・ドライバー(ウォッカ+オレンジジュース)
ブル・ドック(ウォッカ+グレープフルーツジュース)
ルシアン・コーク(ウォッカ+コーラ+ライムジュース)
モスコー・ミュール(ウォッカ+ジンジャーエール+ライムジュース)
ブラッディ・メアリー(ウォッカ+トマトジュース)
エスプレッソ・マティーニ(ウォッカ+カカオリキュール+コーヒーリキュール+エスプレッソ)
ガルフ・ストリーム(ウォッカ+ピーチ・リキュール+ブルー・キュラソー+グレープフルーツジュース+パイナップルジュース)
キッス・オブ・ファイヤー(ウォッカ+スロージン+ドライベルモット+レモンジュース)
コスモポリタン(ウォッカ+ホワイト・キュラソー+クランベリージュース+ライムジュース)
ブルー・ラグーン(ウォッカ+ブルー・キュラソー+レモンジュース)
ボルガ・ボートマン(ウォッカ+チェリーブランデー+オレンジジュース)
ロングアイランド・アイスティー(ジン、ウォッカ、ラム酒、テキーラ、コーラなど)
ウォッカ・マティーニ(ウォッカ+ドライベルモット)
カミカゼ(ウォッカ+ホワイト・キュラソー+ライムジュース)
スレッジ・ハンマー(ウォッカ+ライムジュース)
バラライカ(ウォッカ+ホワイト・キュラソー+レモンジュース)
ホワイト・スパイダー(ウォッカ+ミント・リキュール)
ウォッカの飲み方を度数の高い方から順番に紹介します。
一番度数の高い飲み方はストレートです。ウォッカは、無味無臭ですっきりとした味わいなので、他の香りづけがされたお酒に比べ癖がなく、ストレートで飲みやすいと言われています。
ウォッカ発祥の地であるロシアでは、ストレート以外の飲み方は邪道とされています。これは、シベリアなどの超低温地域では水が凍ってしまうため、氷点下でも凍らないウォッカは、古くから寒さしのぎや、ストレス解消のために文字通り水の代わりに飲まれていたためで、日本人にとってはあまり馴染みのない飲み方でしょう。
ストレートはウォッカそのものの味や風味を楽しむことができますが、ウォッカ自体がアルコールそのものというべき風味であるため、お酒好きの方、上級者向けの飲み方といえるでしょう。なお、ストレートで飲む際は、ウォッカの瓶を冷凍庫に保存しておくとクリアでとろみのある独特な味わいを楽しむことができますよ。
ストレートで飲むのはちょっときつい、抵抗があるという方にお勧めなのがロックでの飲み方。時間が経って氷が溶け出すことでまろやかな味わいになり、飲みやすくなりますよ。レモンやライムといった柑橘類と合わせるとさらに飲みやすく、すっきりとした味わいになります。
ウォッカそのものを楽しみたいものの、ストレートやロックはちょっときついという方で、ウォッカをすっきりとヘルシーに飲みたい方におすすめです。炭酸がある分飲みやすく感じる一方、割材に味や風味がない分、アルコール感が強いので、アルコールの味が苦手という方はウォッカの分量を減らしたり、フレーバードウォッカをベースにするとよいでしょう。基本的な割合は、ウォッカ:炭酸水=1:3です。
トニックウォーターは炭酸水に柑橘類の皮から抽出されたエキスや糖分を加えたもので、ウォッカと割ることで「ウォッカトニック」となります。ウォッカソーダよりも味や香りがあるので、アルコールが苦手だけどさわやかにお酒を楽しみたい方におすすめです。お好みでレモンやライムなどを絞ると更にさわやかさが増しますよ。基本的な割合は、ウォッカ:トニックウォーター=1:3です。
一番飲みやすいのが、ウォッカをジュースなどで割るカクテルでしょう。オレンジジュースやコーラ、ジンジャーエールで割ればごくごくと飲めてしまうような飲みやすさになります。ただし、ウォッカベースのため意外と度数が高く、割材のジュース等の糖分を取りすぎてしまうので飲みすぎには要注意です。
Most Popular
中が茶色いじゃがいもは食べられる?空洞や輪になってる場合は?
食品事典
大根は中身が茶色に変色しても食べられる?原因と対処法を解説
食品事典
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
ハンバーグが固くなる原因と柔らかく作るコツを徹底解説
食品事典
スカスカなかぶは食べてOK?スが入る原因は?
食品事典
トマト缶は一缶でトマト何個分?サイズ別に解説
食品事典
冬におすすめの天ぷら具材36品。冬野菜や冬が旬の魚介類を紹介
食品事典
舞茸の茹で時間は何分?正しい茹で方&下処理を解説
食品事典
里芋は生で食べられる?生食のメリットと注意点を解説。
食品事典
エリンギが水っぽい...食べられる?濡れてる原因と対処法は?
食品事典