ニラと万能ねぎの違いをご存知でしょうか。見た目がよく似ているので間違えて購入したことがあるという方も多いのではないでしょうか。本記事ではニラと万能ねぎの違いを詳しく解説します。
ニラと万能ねぎはどちらもヒガンバナ科ネギ属に分類される植物です。
ニラはヒガンバナ科ネギ属に分類される植物で、ニラには大別して「葉ニラ」「黄ニラ」「花ニラ」の3つあります。
一般的にスーパーなどで販売されているのは「葉ニラ」に分類されるものです。ちなみに黄ニラはその名の通り色が黄色いのが特徴で、黄色なのは日光に当てないように栽培されているためです。
花ニラは、花が咲く前の黄緑色のつぼみと茎が可食部になるニラです。
万能ねぎもヒガンバナ科ネギ属に分類される植物ですが、ネギの一種です。
ネギには大別して根深ネギと葉ネギの2種類があります。一般的に「長ネギ」といわれているのは根深ネギで、「白ネギ」ともいわれます。上の部分は緑で下の部分が白くなっているのが特徴です。
葉ネギは、細く緑色の部分が枝分かれしているのが特徴で、「青ネギ」とも呼ばれます。葉ネギを若採りしたものを「小ねぎ」といい、万能ねぎは小ねぎの商品名です。「生でよし、煮てよし、薬味によし」という用途の広さから「万能ねぎ」と名付けられたといわれています。
ニラの見た目は緑色で、葉の形は平たいのが特徴です。また、葉は肉厚です。
パッとみただけでわかりくいかもしれませんが、葉の形は万能ねぎとはだいぶ違います。
一般的にスーパーなどでは根っこが切り落とされた、長い状態でゴムやテープで束ねて販売されています。
万能ねぎの見た目も緑色ですが、葉は筒状になっているのが特徴です。そのためカットすると中が空洞になります。
万能ねぎの場合はニラのように長い状態でゴムやテープで束ねて販売されていることもありますが、根っこがついた状態であることが多いです。また、万能ねぎは細かくカットされた状態でパックに入れて販売されてることも多いです。
ニラは独特の香りと辛み、苦味が強いのが特徴です。これは硫化アリルと呼ばれる成分によるもので、風味はにんにくに近いといえます。
そのため、ニラがもつ独特の風味を活かした料理に使われることが多いです。例えば、レバニラ炒めなどのスタミナ料理に使われ、チヂミやキムチといった韓国料理にもよく使われます。
ニラは生食することも多いですが、臭いや辛みを軽減するため加熱調理して食べることがほとんどです。
万能ねぎにもニラと同様に硫化アリルが含まれていますが、ニラほど含有量は多くなく風味は玉ねぎに近いです。見た目はよく似ていますが、香りや風味はニラよりも弱いです。
万能ねぎは、細かく刻んで薬味として使われることが多いです。冷奴に乗せて食べたり、そばなどのトッピングとして使われます。加熱調理して使われることもありますが、加熱すると風味が損なわれてしまうため生食されることがほとんどです。
ニラと万能ねぎの栄養素はほぼ同じです。栄養素ではβ-カロテンが豊富に含まれており、どちらも緑黄色野菜に分類されます。また、ビタミンCやビタミンKなどのビタミン類なども豊富に含まれています。
緑黄色野菜とは、原則として可食部100g中に600μg以上のβ-カロテンが含まれている野菜を指します。600μg未満の野菜は淡色野菜です。600μg未満でも、食べる量や回数が多いと緑黄色野菜に分類されます。
含有量でいえば、β-カロテンとビタミンKはニラのほうが多く含まれており、ビタミンCは万能ねぎのほうが多く含まれています。
ビタミンCは水溶性の成分なので茹でたりすると流出してしまいます。そのため万能ねぎは生食したほうが栄養面的には◎
ニラと万能ねぎはどちらも香りや風味、辛みの元である硫化アリルが含まれているのも特徴です。含有量はニラのほうが多くなります。
栄養素と呼ばれるのはたんぱく質と炭水化物、脂質の三大栄養素と、三大栄養素にビタミン類やミネラル類を追加した五大栄養素と呼ばれるものなので、厳密にいえば硫化アリルは栄養素ではありません。
しかし、硫化アリルと酵素が結合することで形成される「アリシン」には、血栓を予防する作用があるため食べると血がサラサラになるといわれています。また、血液中の悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす働きがある他、動脈硬化を遅くして心臓血管障害や脳血管障害を予防する効果が期待できます。
また、ある種の硫化アリルは胃の中に住み着いているピロリ菌を殺す作用も期待できます。さらには、血糖値の上昇を抑えて糖尿病を予防したり血圧を下げて高血圧を防ぐ効果があるといわれています。
ニラと万能ねぎは、どちらにも香りや風味、辛みの元になる硫化アリルが含まれており、似た風味をもつためお互いに代用することが可能です。
ただし、上述したようにニラはにんにくに近く、万能ねぎは玉ねぎに近い風味をもつので全く同じになるというわけではありません。例えば、万能ねぎのほうが風味は弱いのでニラの代用品に使うと物足りなさを感じることもあるかもしれませんが、ニラよりも臭いがきつくないぶんニラが苦手な人にとっては食べやすくなるでしょう。
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