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ザーサイとピクルスの違い。原料・味・作り方・食べ方を比較

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ザーサイとピクルスの違い。原料・味・作り方・食べ方を比較

ザーサイとピクルスの違いをご存知でしょうか。本記事ではザーサイとピクルスの違いを詳しく解説します。

ザーサイとピクルスの違い

ザーサイは、アブラナ科アブラナ属のからし菜の変種「ザーサイ」と呼ばれる植物の茎を塩漬けにした中国発祥の漬物です。もともとザーサイという植物を指す言葉ですが、現代では「ザーサイ」といえば漬物にした状態で販売されているものを指します。

ピクルスは、塩漬けにしたきゅうりやキャベツなどをさらに砂糖や香辛料を加えて酢漬けにした西洋風の漬物の総称です。日本でいうところのらっきょうや紅生姜などがピクルスの一種にあたります。

ピクルスとザーサイはどちらも漬物であるという点では共通していますが、ピクルスは酢漬けの総称なのでザーサイよりも意味が広いです。例えば塩漬けにしたザーサイを酢漬けにした場合はピクルスになります。

ザーサイとは

ザーサイ(漬物)

ザーサイの原料

ザーサイ(植物)

「ザーサイ」と聞くと、漬物を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は植物そのものの名前でもあります。

原産国は中国で、中国語で「搾菜」と表記します。

ザーサイはアブラナ科アブラナ属の植物です。からし菜の変種であり、高菜の仲間に分類されます。アブラナ科の植物にはキャベツなどがありますが、ザーサイは全体の2/3がこぶのような茎であり、葉ではなく茎が可食部になります。

つまり「ザーサイ」として販売されている漬物の原料は、その名の通りザーサイという植物の茎です。ザーサイの茎を塩で漬け込んでいます。

ザーサイの歴史・由来

ザーサイは1898年に中国の四川省の陵(フーリン)で栽培されはじめ、農民がザーサイを使って漬物を作ったことがきっかけで1930年頃より四川省陵の特産品としてザーサイの漬物が流通するようになりました。

ザーサイが流通されはじめた当初は中国の四川省でしか栽培できない特産品とされていましたが、からし菜の変種であると判明して以降、四川省以外でも栽培されています。日本でも茨城県のつくば市や神奈川県の三浦市などで商業生産されていますが、販売されているザーサイの漬物の多くは中国産です。

本場四川省で生産されるザーサイの漬物は、茴香(ウイキョウ)や肉桂(シナモン)、山椒、唐辛子などの香辛料と一緒にかめに入れて漬け込んだもので、重石をのせて塩水を搾るという製造工程に由来して「搾菜」と呼ばれるようになったといわれています。

現在では香辛料を入れずに塩漬けにし一度塩水を搾って味付けをしたものもあり、塩漬けにしたものを「搾菜」、香辛料を入れて塩漬けしたものを「四川搾菜」と区別しています。

ザーサイの食べ方

ザーサイは漬物にした状態で販売されていることがほとんどです。

一度塩漬けしたものを塩抜きし、味付けをしてから食べやすい大きさにカットして瓶詰にしているものや、細かく刻んで袋詰にしているもの、塩漬けにしたものをそのままパック詰めしたホールタイプのものなど様々あり、販売状態によって扱い方が異なります。

日本で一般的にスーパーで見かけることが多いのは桃屋から発売されている瓶詰の商品です。桃屋のザーサイは四川搾菜を塩抜きしたものに独自の味付けをして薄切りにして瓶詰めされているので、瓶から取り出してすぐに食べることができます。

一方ホールタイプのザーサイは塩漬けが済んだあとのザーサイをそのままパック詰めしており、塩辛くそのままでは食べることはできません。そのため下処理として塩抜きをする必要があります。

ザーサイはそのままお酒のおつまみにして食べたり、ラーメンのトッピングや冷奴のトッピングにして食べることが多いです。

ピクルスとは

ピクルス

ピクルスの原料

ピクルスの原料は野菜や果物と、酢や砂糖、香辛料などを混ぜ合わせた調味液です。

ピクルスには様々な野菜や果物が使われ、日本でピクルスとして販売されているのは単小のきゅうりを酢漬けにしたものです。ピクルスといえばきゅうりを思い浮かべる方が多いかと思いますが、玉ねぎやカリフラワー、人参、トマト、ビーツ、いんげん、ピーマンなど端切れの良い様々な野菜が原料として使われます。

ヨーロッパやアメリカでは、すいかやバナナなどの果物の他、マッシュルームやヒヨコ豆といった豆類もピクルスにして食べることがあります。

ピクルスの由来・歴史

ピクルスは、メソポタミアで4000年以上前から存在していたといわれる歴史ある食べ物です。当初はヤシ科に属する高木のナツメヤシの実やぶどうを原料として作られていたといわれており、冷蔵庫などがない時代に食材を長持ちさせる保存方法でもありました。

紀元前2000年頃にはインド原産のきゅうりを使ったピクルスが食べられるようになり、その後ヨーロッパ全土、アメリカへ伝わり一般的に食べられるようになりました。酢漬けは野菜のみずみずしさを保ちながら長期保存ができるため、現在でも長期保存したいときに使われています。

「ピクルス」という名前はオランダ語で「塩水・漬け汁」を意味する「pekel」だといわれています。

ピクルスの食べ方

ピクルスは調理をせずにそのまま食べることが多いです。さっぱりとした味わいで、肉料理や魚料理の前菜として食べられることもあります。

また、小さくカットしてサンドウイッチやバーガーの具材として使われることもあります。日本でもマクドナルドのハンバーガーに短小きゅうりのピクルスが使われています。

さらに、みじん切りにしてマヨネーズと和えてタルタルソースにして食欲増進や味に変化をつけるために使われることもあります。