1. Fily
  2. Food
  3. Encyclopedia
  4. メンマとザーサイの違い。原料・味・作り方・食べ方を比較

メンマとザーサイの違い。原料・味・作り方・食べ方を比較

公開日

更新日

メンマとザーサイの違い。原料・味・作り方・食べ方を比較

メンマとザーサイの違いについて詳しく解説していきます。

メンマとザーサイの違い①原料

メンマ

メンマの原料はイネ目イネ科マチク属の植物で、たけのこの一種である「麻竹(マチク)」です。麻竹を乳酸発酵させています。

麻竹はたけのこの一種なのですが、120cm程度まで成長させて使うのが一般的にたけのことして販売されているたけのことは異なる点です。麻竹はメンマに加工するために栽培されるたけのこで、採取できるサイズに生長するまでに1年程かかります。

ザーサイ

ザーサイ(植物)

「ザーサイ」として販売されている漬物の原料は、その名の通りザーサイという植物の茎です。ザーサイの茎を塩と酢で漬け込んでいます。

ザーサイはアブラナ科アブラナ属の植物です。からし菜の変種であり、高菜の仲間に分類されます。アブラナ科の植物にはキャベツなどがありますが、ザーサイは全体の2/3がこぶのような茎であり、葉ではなく茎が可食部になります。

メンマとザーサイの違い②歴史・由来

メンマ

メンマは台湾で麻竹を茹でて発酵して食べられるようになった後、日本では明治時代から一般的に食べられるようになったといわれています。

メンマはラーメンなどのトッピングとして使われることが多く、ラーメンの「メン」と麻竹の「麻」を合わせて「メンマ」と呼ばれるようになったといわれています。漢字では「麺麻」と表記します。

また、メンマは「シナチク」ともいわれます。第二次世界大戦前後の日本では中国のことを「支那(シナ)」と呼んでおり、中国の支那で栽培されたたけのこを原料に作られているということから「支那竹(シナチク)」と読んでいました。現在でもその名残で「シナチク」とよばれることもありますが、「メンマ」とよぶのが一般的です。

ザーサイ

ザーサイは1898年に中国の四川省の陵(フーリン)で栽培されはじめ、農民がザーサイを使って漬物を作ったことがきっかけで1930年頃より四川省陵の特産品としてザーサイの漬物が流通するようになりました。

本場四川省で生産されるザーサイの漬物は、茴香(ウイキョウ)や肉桂(シナモン)、山椒、唐辛子などの香辛料と一緒にかめに入れて漬け込んだもので、重石をのせて塩水を搾るという製造工程に由来して「搾菜」と呼ばれるようになったといわれています。

現在では香辛料を入れずに塩漬けにし一度塩水を搾って味付けをしたものもあり、塩漬けにしたものを「搾菜」、香辛料を入れて塩漬けしたものを「四川搾菜」と区別しています。

メンマとザーサイの違い③見た目

メンマ

メンマ

メンマの見た目は、たけのこのような薄茶色で、長方形にカットされています。切り口が直角になっていて縦に原料である麻竹の繊維が入っているのが見えます。

メンマには「穂先メンマ」と呼ばれるその名の通り柔らかい穂先の部分だけをカットしたメンマもあります。こちらは一般的なメンマとは異なり、細長くカットされていてしんなりとしています。

ザーサイ

ザーサイ

ザーサイの見た目は、緑がかった茶色です。

ザーサイの原料となるザーサイの茎はこぶ状に膨らんでいて、ゴツゴツしています。このゴツゴツとした茎をカットして作られているため形はいびつになり、メンマのように綺麗に揃ってはいません。

ザーサイとメンマの見た目は大きく異なるので、目視で判断できるでしょう。

メンマとザーサイの違い④味・食感

メンマ

メンマは醤油などで薄く味付けして炒め煮にしたり、ラー油に和えたりして調味されていることが多いです。食感は、繊維質でシャキシャキとした食感を楽しむことができます。

たけのこを思い浮かべていただけるとわかりやすいかと思いますが、たけのこの水煮よりもしっかりとした食感が特徴です。

ザーサイ

ザーサイは、ザーサイの茎を塩と酢で漬け込んでいます。

ザーサイは味付けをしなくてもピリっとした辛さがあるのが特徴で、コリコリとした食感を楽しむことができます。その食感は海の幸であるアワビに似ていて、「畑のアワビ」といわれています。

メンマとザーサイの違い⑤栄養素・カロリー

メンマ

メンマ100gに含まれている栄養素は下記の通りです。

  • たんぱく質…1.0g

  • 脂質…0.5g

  • 炭水化物…3.6g

  • 食物繊維…3.5g

  • ビタミンA…0μg

  • ビタミンE…0mg

  • ビタミンK…Trμg

  • ビタミンB1…0mg

  • ビタミンB2…0mg

  • ナイアシン…0mg

  • ビタミンB6…0mg

  • 葉酸…1μg

  • パントテン酸…0mg

  • ナトリウム…360mg

  • カリウム…6mg

  • カルシウム…18mg

  • マグネシウム…3mg

  • リン…11mg

  • 鉄…0.2mg

  • 亜鉛…Trmg

  • 銅…0.02mg

  • マンガン…0.03mg

  • 食塩相当量…0.9g

メンマは食物繊維やナトリウム、カルシウム、カリウムといったミネラル類が多く含まれているものの、ザーサイには劣ります。

メンマ100gあたりのカロリーは15kcalで、糖質量(炭水化物から食物繊維を引いた値)は1gです。カロリーはザーサイと比較して若干低いです。

ザーサイ

ザーサイ(漬物)100gに含まれている栄養素は下記の通りです。

  • たんぱく質…2.5g

  • 脂質…0.1g

  • 炭水化物…4.6g

  • 食物繊維…4.6g

  • ビタミンA…12μg

  • ビタミンE…0.3mg

  • ビタミンK…24μg

  • ビタミンB1…0.04mg

  • ビタミンB2…0.07mg

  • ナイアシン…0.4mg

  • ビタミンB6…0.09mg

  • 葉酸…14μg

  • パントテン酸…0.35mg

  • ナトリウム…5400mg

  • カリウム…680mg

  • カルシウム…140mg

  • マグネシウム…19mg

  • リン…67mg

  • 鉄…2.9mg

  • 亜鉛…0.4mg

  • 銅…0.10mg

  • マンガン…0.34mg

  • 食塩相当量…13.7g

ザーサイは、三大栄養素といわれるたんぱく質・脂質・炭水化物の他にも、ビタミンB1 ・B6などのビタミンB群やカリウムや、マグネシウム、鉄などのミネラル類も含まれています。

ザーサイ(漬物)100gのカロリーは20kcalで、糖質量は0gです。低カロリーで糖質を含まないザーサイはダイエット中の方でも安心して食べることができます。

ただし、ザーサイの漬物は塩漬けしているため、塩分を多く含みます。食べ過ぎるとむくんでしまったり、高血圧になりやすいです。特に妊娠中の場合は塩分代謝機能が落ちているため、摂取しすぎないようにしましょう。

出典:厚生労働省日本食品標準成分表2020年版(八訂)

メンマとザーサイの食べ方はほぼ同じ

ザーサイとメンマは一度塩漬けしたものを塩抜きし、味付けをしてから食べやすい大きさにカットして瓶詰にしているものや、かっとして袋詰にして販売されていることがほとんどです。

しかし、塩漬けにしたものをそのままパック詰めしたホールタイプのものなどもあり、販売状態によって扱い方が異なります。

塩抜きして味付けされているものは、そのままお酒のおつまみにしたりラーメンなどのトッピングにして食べることが多いです。

塩漬けにしたものをそのまま販売されているものは、一度塩抜きをしてから好みの味つけをして食べます。

メンマとザーサイはお互いに代用できる?

メンマとザーサイは上述したように用途はほぼ同じなので、お互いに代用することができます。ただし、味や食感は異なりますので、全く同じにはなりません。

例えばメンマの代用品としてザーサイを使うと、メンマよりも柔らかくコリコリとしていますし、ピリッとしたアクセントが加わるので「なんか違うな」と感じることもあるでしょう。