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ジャムとコンフィチュールの違い。形状・糖度・語源・使い方を比較

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ジャムとコンフィチュールの違い。形状・糖度・語源・使い方を比較

ジャムとコンフィチュールはとても似ていますが、違いがあります。コンフィチュールはジャムのおしゃれな言い方、ではありません!製法や味、語源、食べ方の違いを解説していきます。

ジャムとコンフィチュールの違い①製法・形状

ジャムとコンフィチュールの1つ目の違いは製法です。製法が違うため、その結果として形状も異なります。

ジャムは、砂糖と果実をゼリー状になるまで煮詰めて作ります。そのため、基本的に果物の形状が残らずとろみのある仕上がりになります。ジャムの中には果実の原形を保った「プレザーブスタイル」というジャムもあります。

果物に含まれる食物繊維の一種であるペクチンが、糖類と酸と適度に混合して加熱することで、ゼリー状になります(ゲル化)。原料に含まれるペクチンだけでは程よくゲル化するのが難しいため、市販のジャムには「ゲル化剤(ペクチン)」が含まれていることが多いです。ゲル化剤を含まないジャムも販売されており、通常のジャムよりもさらりとしています。

一方、コンフィチュールは、砂糖で果実の果汁を出して、果汁のみを先に煮詰めて、後から果物を追加して作ります。そのため、基本的にコンフィチュールは果物の形状が残りさらっとした仕上がりになります。

形状はコンフィチュールとプレザーブスタイルジャムはほぼ同じといえます。

ちなみに、コンフィチュールは香辛料やハーブなどを加えて作ります。

ジャムとコンフィチュールの違い②語源

ジャムは英語「jam」のカタカナ表記です。「jam」は「(狭い場所や小さい物に)〜を詰め込む」という意味の他動詞です。この語意からもジャムがどろりとした形状であることが想像できます。「プレザーブスタイル」の「プレザーブ」は英語「preserve」が語源で「保つ」という意味です。

コンフィチュールはフランス語「confiture」のカタカナ表記です。「confiture」の語源は、「保存する」を意味する「コンフィル(confire)」です。

コンフィチュールと似た言葉に「confit(コンフィ)」があります。「コンフィ」は、食材を低温の油でじっくり煮た料理のことを指します。コンフィは主に肉料理に対して使います。

3つの言葉の意味をまとめると下記です。

  • コンフィチュール...果物を低温の砂糖水でじっくり煮た料理。ジャムの類語

  • コンフィ...お肉を低温の油でじっくり煮た料理

  • コンフィル...「保存する」の意味の動詞

ジャムとコンフィチュールの違い③糖度・味・使い方

ジャムは日本農林規格では糖度が40度以上と定められています。コンフィチュールにはそのような決まりはなく、ジャムより糖度が低いことがほとんどです。

コンフィチュールの語源が「保存する」を意味する言葉でしたが、実は糖度が高いジャムの方が保存に向いています。

プレザーブスタイルジャムは形状はコンフィチュールに似ていますが、プレザーブスタイルジャムもジャムなので糖度はコンフィチュールより高いです。

さらに、コンフィチュールは香辛料やハーブなどを加えて作るため、ジャムよりも風味が豊かです。

ジャムとコンフィチュールの違い③食べ方・使い方

コンフィチュールはジャムよりも用途が広いのが特徴です。

コンフィチュールはジャムと同じように、パンに塗ったり、ヨーグルトにかけて使うことができます。

コンフィチュールは甘さが控えめなので、マフィンやスコーンなど甘いものにかけることもできます。果実のつぶつぶ感とした食感を活かして、パンケーキのソースにするのにも向いています。

紅茶やハーブティーなどのホットドリンクに入れるとジャムより甘さが控えめで飲みやすいです。ソーダ割りなどドリンクにしても◎。

果実のつぶつぶ感は見た目もおしゃれなので、おもてなし料理にもおすすめです。

さらに、コンフィチュールは香辛料やハーブなどの豊かな風味がありため、お肉料理にかけたり、バルサミコ酢と混ぜてサラダのドレッシングにしたり、カレーなど煮込み料理の隠し味にすることもできます。