1. Fily
  2. Food
  3. Encyclopedia
  4. ウォッカとは?製法や歴史、種類、銘柄を完全解説

ウォッカとは?製法や歴史、種類、銘柄を完全解説

公開日

更新日

ウォッカとは?製法や歴史、種類、銘柄を完全解説

「ロシアの強いお酒」というイメージがあるウォッカ。製造方法や種類、飲み方、有名な銘柄など、ウォッカに関する様々な情報をこの記事では紹介します。

ウォッカはスピリッツの一種

ウォッカは、大麦、小麦、ライ麦、ジャガイモといった穀物などの原料を加工して造られる蒸留酒(スピリッツ)の一種です。蒸留酒はアルコール度数が高く、火をつければ燃えることから、「火酒(かしゅ)」と呼ばれることもあります。

スピリッツとは

蒸留酒は高温で熱して造る「火の酒」であり、火の酒は人間の魂にはたらきかけ、肉体を目覚めさせ、また活力を与えることから、蒸留酒はスピリッツ(spirits)と呼ばれるようになったようです。
 
ウォッカ以外にもブランデー、ウイスキー、焼酎、ジン、ラム、テキーラも蒸留酒であり、広い意味ではこれら全て「スピリッツ」と呼べますが、日本において「スピリッツ」とはウォッカ、ジン、ラム、テキーラを指すことが多く、この4種類のお酒は「世界4大スピリッツ」とも呼ばれています。

日本における狭い意味での「スピリッツ(ウォッカ、ジン、ラム、テキーラ)」という呼称は、1953年に制定された酒税法における分類によって形作られたようです
1953年当時、蒸留酒のうち、既に日本である程度の知名度があった「ブランデー」、「ウイスキー」、「焼酎」は個別の分類とし、それ以外(ウォッカ、ジン、ラム、テキーラ等)が「スピリッツ」に分類されました。
ちなみに、日本の酒税法における分類としての「スピリッツ」は、やや複雑な定義にはなりますが、「焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール以外の蒸留酒類で、エキス分が2度(2%)未満のもの」とされています。
 
なお、海外では蒸留酒は専ら「liquor(リカー)」と呼ばれています。

ウォッカはどんな味?甘い?

ウォッカは製造過程において、白樺の木炭などのフィルターで濾過する工程があり、これによって雑味が取り除かれるため、無味無臭ですっきりとした味わい、まろやかな爽快感が特徴的で、世界4大スピリッツの中では最も癖のない風味と言われています。
 
なお、クリアさが特徴的なウォッカですが、香りや味を加えた「フレーバードウォッカ」もあり、世界中で様々な味のウォッカが流通しています。
 
これらの特徴から、カクテルベースとして使われることが多いものの、ストレートやロックなど、様々な飲み方で嗜まれています。

ウォッカのカロリー

ウォッカのカロリーは、100ml(95g)で、228kcalです。
 
同じ量のビール(38kcal)日本酒(104kcal)よりも高カロリーですが、ウォッカのカロリーのほとんどは、炭水化物やたんぱく質、脂質といった栄養素由来ではない、アルコールのカロリーで、摂取後はすぐに熱として消費されてしまい、体内に蓄積されることはないと言われています。
 
ただし、アルコールのカロリーが優先的に消費される分、他の食事で摂った分が体内で蓄積されることになり、肥満に繋がってしまいます。また、アルコールが肝臓で分解される際に中性脂肪の合成が促され、体内に蓄積されるうえに、アルコールには脂肪の分解を抑制する効果もあります。加えて、アルコールには食欲を促す作用があるため、飲みすぎによっておつまみを食べ過ぎることでカロリー摂取に繋がってしまいがちです。このように、過剰摂取は肥満の原因となるため、飲酒量には注意が必要です。
 
とはいえ、ウォッカ自体がストレートやロック、カクテルベースとしての少量の摂取が多く、ビールのようにたくさんの量を飲むお酒ではないので、実際に飲む際の摂取カロリーはそこまで大きくないでしょう。ただし、カクテルベースとしてジュースやコーラで割って飲むのであれば、割り材のカロリーや糖分の過剰摂取に要注意です。

ウォッカのアルコール度数

ウォッカはそのアルコール度数の高さでもよく知られていますが、具体的には40度前後のアルコール度数で売られている製品が多くなっています。飲む人の好みに合わせて37度前後のウォッカや、50度以上のウォッカも販売されています。後の項目で紹介しますが、アルコール度数96度の「スピリタス」というポーランド産のウォッカもあります。
 
ちなみに他のお酒のアルコール度数は、ビールが5度前後、ワインが14度前後、日本酒が15度前後、焼酎が20度・25度です。この数字からもウォッカがアルコール度数の高いお酒だということがわかります。
 
なお、お酒の主成分であるエタノールの凍る温度(凍結温度)は0℃よりも下で、アルコール度数が高いお酒ほど凍結温度が低くなることから、ウォッカは氷点下でも凍らないため、ロシアなどの低温地域で重宝されてきた歴史があります。

ウォッカの語源

ウォッカの語源については様々な説がありますが、中世の人々が蒸留酒を指す言葉として使っていた、「生命の水(ラテン語:アクア・ヴィテ、ロシア語:ジーズナヤ・ヴァダー)」という言葉の後ろの部分「ヴィテ、ヴァダー」がロシアやポーランドで変化していき、ウォッカという呼称になったと言われています。
 
なお、ロシアなどでは「ウォッカ」とは単に「蒸留酒」を表す一般名詞であり、ロシアの少数民族で飲まれていたような蒸留酒も、ロシア語ではすべて「ウォッカ」と区分されています。

スピリタスって?

スピリタスは、ポーランドで造られるアルコール度数96度のウォッカで、世界最高アルコール度数かつ、世界最高純度のお酒です。その度数の高さゆえにアメリカのいくつかの州では販売が禁止されています。
 
96度という度数は、70回以上蒸留を重ねる製法によるものです。成分のほとんどがエタノールで、日本ではガソリンと同じレベルの危険物という扱いです。
 
使い方・飲み方としては、アルコール度数が非常に高いため、短期間で果実の美味しさが引き出されることから、果実酒を漬け込むために良く使われるほか、カクテルベースとしても使われています。また、古くから消毒剤としても使われているようです。

ウォッカの原料と製法

原料

伝統的な原料は大麦、小麦、ライ麦などの穀物やジャガイモですが、国や地域によって様々な原料から造られています。しかし、ウォッカは純度の高い蒸留酒であり、製造の工程で濾過も行うため、原料によって味や香りに大きな差が生じるということはなく、わずかな違いが生じる程度となっています。ただし、このわずかな違いがウォッカの良し悪しや、選ぶ決め手にもなるので、各メーカーは原料にこだわって製造しています。
 
なお、EU(欧州連合)では、サトウキビやブドウなどを原料とする蒸留酒をウォッカと認めるか意見が分かれていたようですが、最終的には原材料を明記することによって、ウォッカと認めることになりました。現在ではミルクやフルーツなど様々な原料から造られるウォッカが流通しています。

従来の無色透明でスッキリとした風味の「ピュアウォッカ」は上記の原料のみが使われていますが、「フレーバードウォッカ」と呼ばれる風味づけされたウォッカには、香り付けにハーブやスパイス、フルーツのフレーバーが使われています。

製法

ウォッカは、穀物などの原材料を発酵・蒸留し、水を加えたものを濾過することで造られています。ウォッカの場合、濾過の過程が一番の肝で、白樺などの木炭を使って濾過することでウォッカならではのすっきりとした味わいになります。
 
ただし、現在ではメーカーによって濾過のフィルターは様々で、木材でもアカシアを使っているメーカーもあれば、ダイヤモンドやステンレスなどの金属をフィルターに使用しているメーカーもあります。
 
なお、フレーバードウォッカは、濾過の前後にハーブやスパイス、フルーツなどで香り付けされています。

発祥の地

発祥の地はロシアとポーランドの2説あり、12世紀にはロシアの地酒として飲まれていたといわれ、11世紀頃のポーランドにはすでに穀類からつくる蒸溜酒が存在していたともいわれています。
 
両国はウォッカの起源が自国であると裁判で争っていましたが、1982年に国際調停裁判所はウォッカの起源をロシアと認定し、ロシアのオリジナルアルコール飲料として宣伝の権利を認めています。
 
なお、ウォッカを含む蒸留酒の製造自体は、中世のアラブの錬金術師が生み出し、ヨーロッパに伝来したものと言われています。

主な生産地

ロシア

ウォッカ発祥地のロシアでは、1794年に白樺の活性炭で濾過する製法が開発されて以降、一大生産地として現在まで生産が続けられています。なお、ロシアでは、ウォッカをほかの飲料で割って飲むことは邪道とされています。
 
シベリアなどの超低温地域では水が凍ってしまうため、氷点下でも凍らないウォッカは、古くから寒さしのぎや、ストレス解消のために文字通り水の代わりに飲まれていました。ただし、近年では過去の政権が出した禁酒の政令や、健康意識の上昇などから国内消費量は減少しているようです。
 

ポーランド

ロシアと並んで古くからウォッカを製造している中央ヨーロッパのポーランドは、世界最大数のウォッカのブランド数を誇り、世界最高のアルコール度数のウォッカ「スピリタス」や、バイソングラスという香草を使った「ズブロッカ」の生産国としてもよく知られています。
 
なお、ポーランド国内では、ロシアと異なり、ウォッカはカクテルベースとして使われることが多いようです。
 

アメリカ

20世紀に「スミノフ」の製造をきっかけにアメリカ産ウォッカの製造が始まり、現在ではウォッカの最大消費国及び最大生産国となっています。ただし、スミノフは現在、イギリスの会社が商標権を持っています。
 

イギリス

イギリスと言えばウイスキーのイメージが強いかもしれませんが、現在世界シェア1位のスミノフを製造しているディアジオ社はイギリスにあり、他にも世界的にポピュラーな「ギルビー・ウォッカ」が生産されているなど、ウォッカの生産も盛んです。
 

その他

上記の国の他にも、世界3位のシェアを誇るウォッカ「アブソルート」を生産しているスウェーデンや、ぶどうから造られるウォッカ「シロック」を生産しているフランスなど、ヨーロッパを中心に様々な国がウォッカを生産しています。
 
また、日本でもサントリーやアサヒなどの大企業や、地方の酒蔵などが国産ならではの高品質なウォッカを生産しています。

4大スピリッツの違い

いずれも原材料を発酵・蒸留して造られるという点でウォッカと同じですが、原材料や製造の過程に違いがあります。

ジン

ジン

ジンは西ヨーロッパで造られた蒸留酒で、元々は薬用酒として造られたお酒です。カクテルベースとしてよく使われる蒸留酒で、アルコール度数は40~50度程度の製品が多くなっています。日本でも近年人気が高まっており、CMなどで見かける機会が増えていますよね。
 
基本的な原料・製法はウォッカとほとんど同じですが、ジンは製造の過程において濾過が行われないことが多く、ジュニパーベリー(セイヨウネズ)という低木の果実を乾燥させたスパイスや、ハーブで香りづけするため、独特の風味があります。

ラム

ラム

ラムはサトウキビから造られる、カリブ地域原産の蒸留酒です。甘い香りや味わいが特徴的なお酒で、アルコール度数は40~50度程度の製品が多くなっています。
 
飲み方・使い方は多岐にわたり、ストレートやロックで飲んだり、カクテルのベース酒として用いたりする以外にも、ケーキ、タルトなど焼き菓子、紅茶の風味づけにも使用されています。レーズンをラムに漬け込んだ「ラムレーズン」がよく知られていますよね。

テキーラ

テキーラ

テキーラはメキシコ発祥の蒸留酒で、サボテンから造られるお酒とよく勘違いされていますが、アガベ(リュウゼツラン)という多肉植物から造られています。アルコール度数は、テキーラにおいては「35~55度」と認定機関の規則によって厳格に決められています。味は製造方法によって様々で、まろやかなものから苦みや渋みの強いものまでありますよ。
 
日本ではバーなどでショットとして嗜まれることが多いほか、カクテルの材料としてよく知られていますが、現地ではストレートで飲まれることが多く、ライムを口へ絞りながら楽しみ、最後にグラスにまぶした食塩を舐めるのが正統な飲み方とされています。

ウォッカの種類

ピュアウォッカ

ピュアウォッカ

ピュアウォッカは、いわゆる伝統的な製法を守って造られている、香りづけがされていないウォッカです。カクテルベースとして向いているほか、ストレートやロック、ソーダ割りなどの飲み方でウォッカそのものの味わいを楽しみたい方向けのウォッカです。

フレーバードウォッカ

フレーバーウォッカ

フレーバードウォッカは、ピュアウォッカに果実やハーブを漬け込んだり、香りを加えることで、ピュアウォッカよりも飲みやすいように加工されたウォッカです。ウォッカは糖質を含まないお酒なので、ソーダ割りやロックなどで飲めば、ヘルシーにお酒を嗜むことができますよ。

ウォッカの飲み方

ストレート

ウォッカは、無味無臭ですっきりとした味わいなので、他の香りづけがされたお酒に比べ癖がなく、ストレートで飲みやすいと言われています。ストレートで飲む際は、ウォッカの瓶を冷凍庫に保存しておくとクリアでとろみのある独特な味わいを楽しむことができますよ。

ロック

ストレートで飲むのはちょっときつい、抵抗があるという方にお勧めなのがロックでの飲み方。時間が経って氷が溶け出すことでまろやかな味わいになり、飲みやすくなりますよ。レモンやライムといった柑橘類と合わせるとさらに飲みやすく、すっきりとした味わいになります。

割って飲む(カクテル)

ウォッカはそのプレーンな味わいから、いろいろな飲み物で割って楽しむことができますよ。おすすめの割材やカクテルを紹介します。
 
※紹介している割合はあくまで目安なので、好みに合わせて調節してください。

炭酸水(ウォッカ・ソーダ)

ウォッカソーダ

ウォッカそのものを楽しみたい方で、ウォッカをすっきりとヘルシーに飲みたい方におすすめです。ただし、割材に味や風味がない分、アルコール感が強いので、アルコールの味が苦手という方はウォッカの分量を減らしたり、トニックウォーターを割材にするとよいでしょう。
 
ハーブやスパイス、フルーツの風味があるフレーバードウォッカを炭酸水で割ればピュアウォッカよりも飲みやすく、さわやかな味わいを楽しむことができます。
 
★割合は、ウォッカ:炭酸水=1:3

トニックウォーター(ウォッカ・トニック)

ウォッカトニック

トニックウォーターは炭酸水に柑橘類の皮から抽出されたエキスや糖分を加えたもので、ウォッカと割ることで「ウォッカ・トニック」となります。ウォッカ・ソーダよりも味や香りがあるので、アルコールが苦手だけどさわやかにお酒を楽しみたい方におすすめです。お好みでレモンやライムなどを絞ると更にさわやかさが増しますよ。
 
★割合は、ウォッカ:トニックウォーター=1:3
 

グレープフルーツジュース(ブル・ドック)

ブルドッグ

少々癖のあるグレープフルーツジュースですが、ウォッカとの相性は抜群で、グレープフルーツジュースで割った「ブル・ドック」は気軽に作れることから人気の高いカクテルです。グラスのフチに塩がまぶされたカクテルは「ソルティ・ドッグ」と呼ばれており、こちらも有名なカクテルですよね。
 
★割合は、ウォッカ:グレープフルーツジュース=1:2または3
 
また、ブルドックにソーダを加えれば「フレンチ・ドッグ」というカクテルに、少量のクランベリージュースを混ぜれば「シー・ブリーズ」というカクテルにもなりますよ。

オレンジジュース(スクリュー・ドライバー)

スクリュードライバー

ウォッカをオレンジジュースと割れば、居酒屋などのメニューでもよく見かける「スクリュー・ドライバー」になります。ウォッカ系のカクテルでは一番飲みやすいと言われるカクテルですが、ベースがウォッカということもあり、意外と度数が高く、女性を酔わせやすいキラーカクテルとも呼ばれているので要注意です。
 
名前の由来は、アメリカの油田の労働者がウォッカとオレンジ・ジュースをねじ回しでかき混ぜたのが始まりとされています。
 
★割合は、ウォッカ:オレンジジュース=1:2または3
 
ちなみに、ソーダを適量加えることで「ウォッカ・オランジーナ」というカクテルになり、パイナップルジュースを加えれば「ウォッカシンデレラ」という、さらにフルーティで口当たりの良いカクテルになります。また、「ガリアーノ」というハーブ系のリキュールを少量混ぜれば「ハーヴェイ・ウォールバンガー」という本格的なカクテルにもなりますよ。
 

トマトジュース(ブラッディ・メアリー)

ブラッディマリー

トマトジュースと割ることで、赤い見た目が鮮やかな「ブラッディ・メアリー(マリー)」というカクテルになります。トマトジュースに含まれるリコピンという成分には酔いを穏やかに進める効果があるなど、やや健康志向なカクテルです。お好みでレモンジュース、タバスコ、ウスターソース、塩、コショウを加える方もいるようです。
 
★割合は、ウォッカ:トマトジュース=1:3
 

アップルジュース(ビッグ・アップル)

ビッグアプル

フルーツジュース系の中では一番さっぱりしているアップルジュースとウォッカと割ることで、「ビッグ・アップル(ウォッカ・アップル)」というカクテルになり、ウォッカをさっぱりと楽しむことができますよ。
 
特に、ポーランド産の「ズブロッカ」とはとても相性が良く、ズブロッカをアップルジュースで割ったカクテルは「シャルロッカ」という独自の名前が付けられています。
 
★割合は、ウォッカ:アップルジュース=1:2または3
 

ジンジャーエール(モスコー・ミュール、ウォッカ・バック)

モスコミュール

ウォッカ+ジンジャーエール+ライム果汁のカクテル「モスコー・ミュール」も言わずと知れた有名カクテルの1つで、飲みやすさから大衆人気のあるカクテルです。ジンジャーエールは甘口と辛口がありますが、どちらで割っても違った美味しさがあります。ライムがなくても十分美味しいですよ。
 
レモンを絞れば「ウォッカ・バック」というカクテルになります。よく聞く「~バック」というカクテルは、お酒をジンジャエールで割り、レモンを絞ったカクテルの呼び方です。
 
★割合は、ウォッカ:ジンジャーエール=1:2または3(+ライム果汁(適量))

コーラ(ルシアン・コーク)

ルシアンコーク

コーラと混ぜれば「ルシアン・コーク(ウォッカコークとも呼ばれる)」というカクテルにもなります。コーラの風味が強く、とても飲みやすいのでゴクゴクと飲めてしまいますが、ウォッカベースなので度数が高く、コーラは糖分量が多いので、飲みすぎに注意です。
 
★割合は、ウォッカ:コーラ=1:2または3

カルピス(ウォッカ・カルピス)

カルピスはビールなどで割ってもおいしいですが、ウォッカとの相性も良いですよ。こちらもごくごく飲めるタイプのカクテルなので、飲みすぎに要注意です。水以外にもソーダや、オレンジジュースなどのフルーツジュースを加えて割るのもおすすめです。
 
★割合は、ウォッカ:カルピス:水=1:1:3または4
 

ウーロン茶(ウォッカ・ウーロン)

ウーロン茶

ウォッカをウーロン茶で割れば、落ち着きのある味わいになります。炭酸系やジュース系が続いた後の箸休めとしてもおすすめです。
 
緑茶で割ってもおすすめです。ホットでもおいしいですよ。
 
★割合は、ウォッカ:ウーロン茶=1:3
 

ライム(ウォッカ・ライム)

ウォッカライム

カクテルでは定番のライムもウォッカとの相性は抜群です。ウォッカにライム果汁を絞ればそのまま「ウォッカ・ライム」になります。
 
★割合は、ウォッカ20mlに対し、ライム1/3
 
また、ウォッカ・ライムにソーダを加えれば「ウォッカ・リッキー」、オレンジリキュールを加えれば「カミカゼ」というカクテルになります。
カットライムではなく、ライムジュースで作れば「スレッジ・ハンマー」に、シュガーシロップを加えれば「ウォッカ・ギムレット」になります。
 

カルーア(ブラック・ルシアン)

カルーア

女性に人気のあるコーヒーリキュールのカルーアをウォッカと割れば「ブラックルシアン」というカクテルになります。コーヒー風味で甘くて飲みやすいカクテルですが、度数が高いので要注意です。
 
★割合は、ウォッカ:カルーア=1:1
 
生クリームを浮かべれば「ホワイト・ルシアン」というカフェオレに近い味わいのカクテルにもなりますよ。

ウォッカの代表的な銘柄

ウォッカは有名な銘柄がたくさんありますが、その中から10の銘柄に絞って紹介します。

スミノフ(イギリス)

「スミノフ」は、ウォッカ発祥の地、ロシアで1860年に製造が始まった銘柄で、かつてはロシア皇帝御用達でもあった正統派プレミアムウォッカで、現在、世界90カ国以上で、最も売れているウォッカです。製造・販売は、時代の変遷とともにフランス、アメリカと移り変わり、現在はイギリスのディアジオ社によって製造・販売がおこなわれています。
 
スミノフは、3回の蒸留、白樺活性炭で10回・8時間以上濾過されることによって、濁りや雑味のない無色透明の、とてもクリアな味わいが特徴的なピュアウォッカです。 ほのかな甘みがあり、この甘みがカクテルベースとしてミックスしたものをより引き立てます。これまでに数々の定番カクテルを生み出し、カクテル文化を世に浸透させたウオッカとも言われています。
 
スタンダードな「スミノフ(40度)」のほかに、度数高めの「スミノフブルー(50度)」、リッチな少量生産バージョンの「スミノフブラック(40度)」がラインナップされています。また、低アルコール度数で様々なフレーバーを展開している「スミノフアイス」シリーズも世界中で人気です。飲み方は、カクテルベースがおすすめで、どんな割材にもマッチしますよ。

ギルビーウォッカ(イギリス)

1857年にイギリスのロンドンでギルビー兄弟が製造を始めた、「ギルビー」ブランドのウォッカとジンは、世界的にポピュラーな銘柄で、「ギルビーウォッカ」は1956年に商品化され、「ギルビージン」とともに、世界中で根強く愛されています。ラベルに記された5つの星マークは、W&Aギルビー社の歴史と製造のこだわりの証です。
 
ギルビーウォッカは、伝統的な白樺活性炭で濾過する製法で造られています。ウォッカの中ではスタンダードな、雑味が取り除かれたクリアな味わいが特徴的で、どんな割材にも合うので、カクテルベースにおすすめですよ。リーズナブルかつ日本でも手に入りやすいので、ウォッカ初心者におすすめの銘柄です。
 
なお、本製品(青いラベル)のアルコール度数は37.5度ですが、アルコール度数45度の製品(金色のラベル)もラインナップされています。ウォッカ本来の味わいを知りたい方は37.5度、強めのウォッカにチャレンジしてみたい方には45度がおすすめです。

スカイウォッカ(アメリカ)

美しいコバルトブルーのボトルが印象的な「スカイウォッカ」は、1992年サンフランシスコ生まれで、100%アメリカ産の原料を使用し、4回蒸溜・3回濾過という画期的な製法によって造られているため、透明度が高いのが特徴です。
 
アルコール度数は40度で、雑味のないさわやかな柑橘の風味を感じるキレのよいクリア感があり、後味もすっきりしています。不純物を含まないため、 悪酔いや二日酔いのしないウォッカとも言われています
 
飲み方は、カクテルベースがおすすめです。柑橘類との相性が良く、特に、グレープフルーツジュースと塩を加えたソルティ・ドッグや、ジンジャーエールとフレッシュライムジュースを加えたモスコー・ミュールが好相性です。

ベルヴェデール(ポーランド)

かつてポーランドの王族が住んでいた「ベルヴェデール宮殿」にちなんで名付けられた「ベルヴェデール」は、1996年に誕生した銘柄です。厳選された最高級のライ麦と、井戸水を硬度0になるまで精製した超軟水から造られており、ラグジュアリーさを売りにしている銘柄です。「ベルヴェデール」は、ポーランド語で「最も美しいもの」を意味し、国際コンペティションで25以上のゴールドメダルに輝いています。
 
4回の蒸留の後、33回の品質管理検査が重ねられ、ボトルデザインも含めて製造工程にこだわりの限りが尽くされています。また、製造や原材料は世界で最も厳しい規制の一つとされる、ポーランド産ウォッカの法的規制によって統制されており、すべての製造はポーランド国内で行われています。
 
ラインナップはスタンダードな「ベルヴェデール・ウォッカ(40度)」に加え、強めの「ベルヴェデール・ウォッカ・インテンス(50度)」、濾過の工程をあえて行わないことで素材由来の優雅な風味が楽しめる「ベルヴェデール・ウォッカ・アンフィルタード(40度)」があります。
 
かすかに香るバニラの上品な香りが特徴的で、ウォッカそのものの風味を楽しめる、ストレートやロックでの飲み方がおすすめですよ。ウォッカ好きな方はもちろん、ウォッカ初心者の方にもおすすめの、高品質なウォッカです。

ズブロッカ(ポーランド)

「ズブロッカ」は、ポーランド随一と言われている「ピリッツメーカー・ポルモス・ビャウィストク社」の銘柄です。同社はポーランド政府から唯一、世界遺産である「ビャウォヴィエジャの森」に自生する香草「バイソングラス」を原料にしてウォッカを造ることを許可されたメーカーで、500年以上のウォッカ製造の歴史を持ちます
 
「ズブロッカ」は、日本の桜餅やよもぎ餅、青りんごに形容されるような、やわらかな香りと爽やかでまろやかな口当たり、淡いオリーブ色が特徴的です。ピュアウォッカが苦手な方でも、飲みやすいフレーバードウォッカです。
 
ズブロッカのラインナップは、バイソングラスを使用した定番の「スブロッカ・バイソングラス(37.5度)」、ビアウォヴィエジャの冬をイメージしたピュアウォッカタイプの「ズブロッカ・クリア(37.5度)」、ワイルドラズベリー、クランベリー、ローズヒップのエキスをブレンドしたやや低度数の「ズブロッカ・バイソンロゼ(32度)」があります。
 
飲み方は、ストレートやロックはもちろん、リンゴとの相性が良いので、アップルジュースと合わせたり、南アフリカで生産されているリンゴの炭酸飲料「アップルタイザー」で割ったカクテル「スパークリング・シャルロッカ」がおすすめです。

シロック(フランス)

「シロック」は、2003年にフランスで誕生したウォッカで、伝統的な大麦やジャガイモといった原料ではなく、100%フランス産のぶどうから造られている、革新的なウォッカです。
 
高級ワインの製法に用いられる、熱を加えないこだわりの低温製法と、独自の蒸留方法によって5回蒸留されるシロックは、ブドウの香りはもちろん、さわやかなシトラス系の香りもあり、まろやかさが際だつウォッカです。 ウォッカならではの高いアルコール度数も、ぶどう由来のやわらかな香りがアルコールの強さを抑えてくれます。
 
ラインナップはスタンダードな「シロック(40度)」以外に、フレーバードタイプの「ピーチ(35度)」、「フレンチバニラ(37.5度)」、「アマレット(35度)」が販売されています。
 
飲み方は、冷凍庫でよく冷やし、ストレートやロックで、温度の上昇とともに変化する味わいを楽しむのがおすすめです。カクテルベースとしては、割り材にはシンプルなものがおすすめで、ソーダやトニックウォーターで割ると良いでしょう。

グレイグース(フランス)

「グレイグース」は、1997年にアメリカで発売された、世界初のフランス産ウォッカです。現在では全世界で3600万本以上の販売規模を持つ高級ウォッカブランドとして人気であり、世界最大級の銘柄となっています。蒸留・濾過技術を極限まで高める東欧の製造過程とは対照的に、濾過を最小限にとどめ、素材の特徴を残すことに重点を置いた銘柄です。
 
原材料には、パティシエ御用達のベーカリー用小麦と、自然に濾過された不純物の少ない天然の湧水が使用されています。そのためグレイグースは、アルコールの香りが最小限に抑えられており、透明感のある花のような香りの中に、さわやかな柑橘系の香りも感じられます。口当たりも、柔らかく優しい甘さと柑橘系のさわやかな果実の味わいがあり、バランスの良い高級感あふれる舌触りとなっています。
 
スタンダードの「グレイグース」のほかに、ハーブ・スパイス系の相性の良いオレンジ風味の「グレイグース ル・オランジェ」、ラ・フランスの味わいが楽しめる「グレイグース ラ・ポワール」、爽やかなレモン風味の「グレイグース ル・シトロン」など、ラインナップが豊富なのも特徴です。いずれの製品もアルコール度数は40度です。
 
飲み方は、高級感あふれるウォッカそのものを味わえるストレートかロックがおすすめです。パーティ等で飲まれることが多い高級ウォッカなので、お酒好きな方へのちょっとしたお祝い用としてもおすすめですよ。

ストリチナヤ(ロシア)

「ストリチナヤ」は、1901年にモスクワで製造が始まり、大統領主催の晩餐会でも供される、ウォッカの本場ロシアを代表するウォッカです。「ストリチヤナ」とはロシア語で「首都」を意味します。なお、現在はモスクワ以外のロシア国内の各都市や、隣国ラトビアの工場でも生産されています。
 
厳選された小麦やライ麦、トウモロコシといった穀物と、ミネラル豊富な天然温泉水から造られており、石英(せきえい)の砂と白樺の木炭で4回濾過することで、なめらかな舌触りとすっきりとした味わいになっています。甘いクリームの香りやホットペッパーのかすかな刺激、温泉水ならではのミネラルも感じられます。
 
ラインナップは、スタンダードな「ストロワヤ」をはじめ、純度の高い「エリート」、伝統的な製法の「ゴールド」といったピュアウォッカのプレミアムラインから、フレーバードウォッカの「キューカンバー(きゅうり)」、「オレンジ」、「シトラス」など、幅広いラインナップで展開されています。アルコール度数はプレミアムラインが40度、フレーバード系は37.5度となっています。
 
ロシア国内ではウォッカはストレート以外の飲み方は邪道とされていることもあり、おすすめの飲み方は、やはりストレートでしょう。冷凍庫でキンキンに冷やして飲んでみてください。

アブソルート(スウェーデン)

「アブソルート」は、1879年にスウェーデンで誕生したウォッカです。元々は「ブレンヴィン(スウェーデン語で燃えるワイン)」という名前でしたが、1917年に現在のV&S社を設立すると同時にブランド名も「アブソルート・レント・ブライヴィン」に変更しました。1985年にはアメリカで輸入ウォッカ第1位を記録し、現在も世界流通量3位と、高い知名度を誇っています。
 
原料には南スウェーデン産の小麦と天然水を使用し、連続蒸留法によって蒸留を何度も繰り返すことで、一切の不純物が取り除かれているので、クリアさが特徴的なウォッカの中でも、高級感のある滑らかさがあり、ドライフルーツのような香りが特徴的です。
 
スタンダードなピュアウォッカの他にも「シトロン」「マンダリン」「ペッパー」「ライム」「ヴァニリア(バニラ)」などのフレーバーウォッカも販売されており、様々なフレーバーの香りを楽しむことができます。いずれの製品もアルコール度数は40度です。

飲み方は、ストレートやロックはもちろん、気分に合わせて様々なカクテルを作って楽しむことができますよ。

ウヰルキンソン・ウォッカ(日本)

「ウヰルキンソン・ウォッカ」は、ウイスキーの生産で有名なニッカウヰスキーの醸造技術を活かして生み出された、国産ウォッカとして人気のウォッカです。
 
白樺の木炭でじっくりと濾過されているため、軽やかな味わいとなめらかな飲み心地が特徴です。
 
飲み方は、シンプルな味わいなので、ストレートやロックはもちろん、様々な割材との相性も良く、カクテルベースとしてもおすすめです。度数はスタンダードな40度と、強めの50度があります。価格もリーズナブルで、日本人によって造られていることもあり、ウォッカ初心者にも最適のウォッカですよ。
 
また、近年ではさらに原料や製法にこだわった「ニッカ・カフェウオッカ(40度)」が登場しました。麦芽のフローラルな香りととうもろこし由来のキャラメルのようなコクのある甘い香り、やわらかくコクのあるなめらかな口当たりが特徴的な高級モデルとなっています。ウォッカに慣れてきたらこちらのウォッカを選んでみるのも良いでしょう。