トラットリア・リストランテ・オステリア・ビストロの違いについて解説していきます。
イタリアの料理を提供するお店には「トラットリア」や「リストランテ」、「オステリア」など様々な形態の飲食店があります。またよく見かける言葉に「ビストロ」もあります。これらの違いは下記の通りです。
トラットリア(trattoria)・・・イタリア料理を提供する大衆向きの飲食店
リストランテ(ristorante)・・・イタリアンレストランの中で最も高級な飲食店
オステリア(osteria)・・・ワインバー、日本の居酒屋のような飲食店
ビストロ(bistro)・・・フランス語で小さなフランス料理店
トラットリア、リストランテ、オステリアはイタリア料理店、ビストロはフランス料理店の種類です。この記事では、これらの言葉の違いについて詳しく解説しています。
トラットリア(trattoria)とは、イタリアンレストランの中でも、気軽に入れる大衆向きの小さな飲食店のことを指します。
本場イタリアでは、トラットリアといえば家族経営のカジュアルなレストランのことを指し、伝統的な郷土料理などを提供しています。イタリアのトスカーナ地域の伝統的なトラットリアでは、料理は質素ですが量が多く、ほとんどが地元のレシピに沿って作られています。近年では後ほどご紹介する、トラットリアよりも格式が高い「リストランテ」のような装いになっているレストランも多く、アットホームな雰囲気の場所は少なくなっているそうです。
トラットリアでは特にドレスコードは設けられておらず、カジュアルにイタリア料理を楽しむことができます。コース料理ではなく、前菜や主食などを単品で注文します。
リストランテ(ristorante)は、イタリアンレストランの中で最も高級な飲食店を指します。上記でご紹介したトラットリア(trattoria)よりも格式が高いです。リストランテのサービスはもちろんのこと、店内のインテリアや食器、カトラリーなどの質が高いです。基本的に予約するのがルールとされています。
リストランテではアラカルトではなくコース料理が提供されることがほとんどです。多くのリストランテではワインソムリエが在籍しており、高級なワインを楽しむことができます。料金が高いため富裕層の利用が多く、主に結婚式や誕生日などのお祝い事で利用されます。
ドレスコードが設けられている所が多く、男性はスーツやジャケットを、女性はワンピースやスーツを着用する必要があります。サンダルやハーフパンツ、ダメージジーンズなどカジュアルな服装では入店不可なことがあります。
近年ではドレスコードを設けていなかったり、値段がそこまで高くなかったりと、カジュアルなリストランテも増えています。すべてのリストランテが格式高いというわけではないようです。
オステリア(osteria)は元々ワインバーを意味していましたが、近年ではワインと軽食を提供する大衆的なお店のことを指します。日本の居酒屋に近い雰囲気のお店です。
お店によって提供している物や雰囲気ががらりと変わるのが特徴的で、飲み物のみを提供しているお店や男性客のみを対象としたお店、地方の音楽を店内で演奏するお店など様々な形態があります。
オステリアで提供されている食事は、トラットリアと比べてメニュー数が少ない傾向が強いです。地元の名物料理が提供されることがほとんどで、値段も良心的なお店が多いです。中には高級なオステリアもあるので、事前の確認が必要です。
一般的にはオステリアよりもトラットリアの方が格が高いとされています。また客層にも違いがあり、トラットリアは家族連れが多い一方で、オステリアはお酒を中心に提供するお店であることから大人の客が多いイメージです。ただしこれもお店の雰囲気や提供内容によって差があります。トラットリアもオステリアも、ドレスコードは基本的に無く、カジュアルな服装で入店できることがほとんどです。
イタリアではカジュアルなカフェの意味合いをもちます。基本的には立ち飲みスタイルの喫茶店で、バリスタが淹れるエスプレッソやカプチーノを飲んだり、朝食を食べたり、仕事帰りにお酒を飲んだりします。喫茶店としての機能だけでなく、バスや電車のチケットや宝くじ、タバコなどを販売しているお店もあります。
バールには様々な形態があり、コーヒー中心のバールを「カフェ・バール」、食事中心のバールを「リストランテ・バール」、アイスクリーム中心のバールを「ジェラテリア・バール」といいます。イタリアで「カフェ」というと、一般的にはお店ではなくエスプレッソのことを指します。
タベルナまたはタヴェルナ(taverna)はイタリア語で食堂や居酒屋のことを指します。日本でいう居酒屋やバル、飲み屋のようなお店です。またギリシャではギリシャ料理を提供する飲食店を指します。タヴェルナはイタリアよりもギリシャで多く見かけます。
上述したオステリア(osteria)との明確な違いはありません。どちらでもお酒や簡単な食事が提供されます。家族連れよりも大人の客が多いです。
タベルナと似た単語にタベルネッタ(tavernetta)という言葉がありますが、タベルネッタはレクレーションルームやナイトクラブ、個人宅の部屋などの意味合いをもつ言葉です。
イタリアの飲食店には上記の他にエノテカやピッツェリア、スパゲッテリア、パスティッチェリアなどがあります。これらの違いについてはこちらの記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ここまでご紹介したトラットリア、リストランテ、オステリアはすべてイタリアンレストランの種類でしたが、ビストロはイタリアンではありません。
ビストロ(Bistro)はフランス語でフランス料理店を指す言葉で、居酒屋やカフェ、カジュアルレストランなど気軽に利用できるような料理店のことを指します。イタリアンレストランでいうと「トラットリア」に近いイメージです。
元々はフランス料理を提供する小さな料理店という意味で、フランスの家庭料理が良心的な価格で提供されていましたが、現代ではフランス料理以外の料理を提供するお店もビストロということがあります。
日本で「ビストロ」という名前のお店はたくさん存在しますが、高級レストランのような場所でも「ビストロ」と名乗るなど、明確なルールがあるわけではありません。
グランメゾン・グランドメゾンとは、日本で超高級なフレンチレストランのことを指す和製仏語です。フランスを含め世界的には使われない言葉です。ミシュラン3つ星クラスのフランス料理店を指します。
イタリア料理店でいう「リストランテ」と同等の飲食店です。グランメゾンも高級なレストランなので、リストランテと同じようにドレスコードが設けられています。
仏語では「grande maison」と表記し、直訳すると「大きな家」という意味になります。そのため、日本ではマンションなどの住居に「グランメゾン」と名付けていることもあります。
レストラン(restaurant)は、西洋料理を提供する料理店を意味するフランス語です。元々はリストランテのように、ドレスコードや入店の年齢制限が設けられてるような高級な料理店を指す言葉でした。
日本の「ファミリーレストラン(ファミレス)」は、本来の「レストラン」の定義には該当しないということになります。どちらかというとファミリーレストランは「ビストロ」に近いといえます。
現在は「レストラン」という言葉はフランス語でも(英語でも)、日本語の「レストラン」と同じように、一般的な料理店に対して使われます。
ブラッスリー(brasserie)はビアホール(ビールと軽い食事を提供する飲食店)やビール製造所を指します。イタリアンでいうバールやタベルナと同じようなイメージの飲食店です。
ブラッスリーではお酒をメインで提供しており、ビールを飲むお店といったイメージです。お酒に合うような簡単な料理も提供されます。
レストランやビストロなどとの違いは明確ではありませんが、レストランより庶民的、ビストロよりもさらにカジュアルな飲食店といった立ち位置にあるのがブラッスリーです。また、カフェよりも上の格式、カフェやレストランと同じ格式といった見方もあります。
カタカナではブラスリーやブラスリと表記することもあります。
オーベルジュ(auberge)は宿泊施設付きのレストランを指します。
オーベルジュは郊外や地方にあることが多いです。客は遠方から車で来店しますが、食事とともにお酒を嗜むため、その日に帰路につくのが困難になります。食事を思う存分楽しんでほしいというレストランのオーナーやシェフの思いから、客に空きスペースを宿泊所として提供したことがオーベルジュの始まりといわれています。
オーベルジュとホテルの違いは目的にあります。オーベルジュは食事が目的で訪れる場所である一方で、ホテルは宿泊するために訪れる施設です。ホテルにあるレストランをオーベルジュと呼ぶことはあまりありません。
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