ケバブとトルティーヤの違いをご存知でしょうか。本記事ではケバブとトルティーヤの違いを解説します。
ケバブとトルティーヤは全くの別の料理です。
ケバブは、肉や魚、野菜などをオーブンに入れて焼き上げたり、串に刺して直火で焼く料理の総称です。調理法や味付けは様々です。日本で一般的に食べられているのは「ドネルケバブ」と呼ばれる種類のケバブを生野菜と一緒にピタパンに挟んだケバブサンドで、日本でケバブといえばケバブサンドを指すことが多いです。
トルティーヤは、トウモロコシをすりつぶした粉を原料に作るメキシコの伝統的な薄焼きパンです。トルティーヤは野菜などを巻いて食べる料理と認識している方が多いですが、実は生地そのものを指す言葉で、トルティーヤを使った料理はタコスやブリトー、ケサディージャ(ケサディージャ)など様々あります。
ケバブを使った料理であるケバブサンドに使われている生地とトルティーヤが似ているため、ケバブはトルティーヤを使った料理であると思っている方も多いようですが、ケバブサンドに使われる生地はピタパンでありトルティーヤではありません。
ケバブは、肉や魚、野菜などをオーブンに入れて焼き上げたり、串に刺して直火で焼くトルコ発祥の料理です。
ケバブに使われる肉の種類は主に羊肉、牛肉、鶏肉の3種類です。
発祥の地であるトルコではイスラム教徒が多く、イスラム教の戒律では豚肉を食べることを禁止されているため豚肉は使われません。
基本的には羊肉のラムやマトンが使われますが、現在は羊肉の他にも鶏肉や牛肉なども使われるようになり、日本では入手しやすい鶏肉や牛肉が使われることが多いようです。また、複数の種類の肉を使った「ミックスケバブ」もあります。
ケバブの発祥については諸説ありますが、トルコや周辺国に住んでいた遊牧民が、飼っていたヤギや羊を串に刺して焼いて食したのがケバブのはじまりなどと言われています。
紀元前17世紀の現在のギリシャで串焼きをした跡が発見されており、その時代からケバブが食べられていたと推測できます。
「ケバブ」という名前の由来もはっきりとはしていませんが、古代アッカド語に「揚げる、焼く、燃やす」という意味で使われていた「カバブー」という言葉があり、これが「ケバブ」の語源だと考えられています。
ケバブ料理にはシシケバブやドネルケバブ、イスケンデルケバブ、パトゥルジャンケバブ、アダナケバブなど様々な種類があります。その中でも日本でも一般的に食べられているケバブを2つ紹介します。
シシケバブはケバブの最も基本的な調理法で、四角形に切った肉を金串に刺して炭火で焼いた料理です。
「シシ」はトルコ語で「串」を意味します。
本場トルコでは基本的に肉以外の具材は刺さずに炭火で焼き、肉とは別の串で焼かれた野菜や、ラヴァシュとよばれる薄焼きパンと一緒に食べるのが伝統的な食べ方ですが、肉と野菜を交互に串に刺してバーベキューのようにしているシシケバブもあります。
ドネルケバブは、味付けした鶏肉・牛肉・羊肉などの薄切り肉を重ねた塊を串にさして、グリルで回転させながら外側をローストする調理法です。
「ドネル」にはトルコ語で「回転」という意味があります。
お店では外側の焼けた部分を包丁で削り取ってお皿に乗せて提供します。屋台ではピタパンにキャベツなどの生野菜と一緒に挟んでオーロラソースをかけてケバブサンドにすることが多いです。日本で一般的に食べられているのもドネルケバブです。スパイスが効いたドネルケバブはスパイシーな食欲を誘う独特の香りが特徴で、ついつい買ってしまうという方も多いのではないでしょうか。
ドネルケバブは1930年代後半にトルコの都市カスタモヌから広がったとされていますが、実はドネルケバブと生野菜をピタパンに挟むケバブサンドはトルコ料理ではなく、ドイツ発祥のファーストフードです。ケバブサンドは「ドイツの国民的ファーストフード」と呼ばれるほど人気で、現在ではドイツに16000店舗ほどのケバブサンドを取り扱う店舗があります。
トルティーヤは本来「マサ」と呼ばれるトルティーヤ専用の粉を原料に作られます。
マサとは、トウモロコシを石灰水などのアルカリ水で下処理した粉末のことです。トウモロコシの栄養素が吸収されやすくなっており、また粘り気が出るためトルティーヤが作りやすいという特徴があります。
近年ではマサと同じトウモロコシ粉末であるコーンフラワーやコーンミールを使用することが多いです。しかし、マサとは異なり生地として粘り気のある質感を得ることができないため、グルテンが含まれている小麦粉を加えることで質感を得ていることがほとんどです。
また、現在では小麦粉のみを使用して作ることもあり、トウモロコシで作ったものを「corn tortilla(コーントルティーヤ)」、小麦粉で作ったものを「flour tortilla(フラワートルティーヤ)」と区別します。
トルティーヤの発祥はメキシコです。オアハカではトルティーヤを作るための粘土盤が発見されており、紀元前500年前から食べられていたといわれる歴史ある食べ物です。
スペイン人がアメリカ大陸からトウモロコシをヨーロッパに持ち帰ってきたことがきっかけで広く食べられるようになりました。石灰を使ったトウモロコシの処理の仕方はヨーロッパ人の体質に合わずなかなか広まらなかったものの、メキシコ人は栄養失調症を予防するためにトウモロコシの食べ方を生活の知恵として受け継いできたといわれています。
「トルティーヤ」という名前はスペインの伝統的な卵料理「トルティージャ」に見た目が似ていることに由来します。しかし、トルティーヤとトルティージャは名前が似ているだけで全くの別物です。日本ではトルティージャは「スペイン風オムレツ」といわれることが多いです。
トルティーヤを使った料理には、タコスやブリトー、エンチラーダ、チミチャンガ、ナチョスなど様々あります。その中でも日本でも食べられる事が多い3つの料理を紹介します。
タコスは、トルティーヤに具材をのせて二つ折りにしたメキシコの国民食とも呼べるほどメジャーな料理です。
軽食を意味するスペイン語「taco」に由来して「タコス」と呼ばれるようになったといわれています。魚介類のタコを意味するわけではありません。
タコスは鉄板で焼いたトルティーヤに具を盛り、好みでライムの絞り汁やサルサをかけて食べます。使われる具材は牛肉などの肉類や海老や白身魚などの魚介類、野菜などです。
サルサは、細かく刻んだトマトやタマネギ、チリから作られる辛いソースです。サルサ以外にもアボガドを使ったワカモレとよばれるソースなど様々な種類があり、具材や味付けは地域や好みによって異なります。
ブリトーは、トルティーヤに具材をのせて春巻きのように筒状に巻いたメキシコ料理です。
地域によっては「ブリート」や「ブリータ」、「タコ・デ・アリナ」と呼ばれることもあります。
「ブリトー」の由来は諸説あり、見た目がロバの耳やロバの背中に積んでいる荷物の形に似ているといったことからスペイン語で「小さなロバ」を意味する「ブリトー」と呼ばれるようになったといわれています。
ブリトーもタコス同様に使われる具材やソース地域や好みによって異なります。例えば、メキシコでは牛肉のバーベキューとソーセージのチリトマト煮など比較的ボリュームのあるものが好まれます。アメリカ南西部ではスクランブルエッグやポテト、ベーコン、チーズなどが好まれます。日本では、セブンイレブンなどでハムとチーズを巻いたものやテリヤキチキンを巻いたブリトーが一般的に販売されています。
ナチョスは、トルティーヤを小さく切り揚げたトルティーヤチップスにチェダーチーズとひき肉・ハラペーニョなどをトッピングしたメキシコ料理です。
「ナチョ」や「ナーチョ」といわれることもあります。
メキシコにあるレストランでウエイター長をしていた男性が、手早く揚げたトルティーヤチップスにチェダーチーズをトッピングしてお客様に提供したことがナチョスのはじまりで、ウエイター長をしていた男性の愛称「ナチョ」に由来して「ナチョス」とよばれるようになったといわれています。
家庭で作られる場合は、耐熱皿または天板にトルティーヤチップスを敷きつめ、その上をおろしたチェダーチーズまたはモンテレージャックチーズをかけてひき肉などのトッピングを加え、オーブンか電子レンジでチーズが溶けるまで加熱して作ります。レストランでは、チーズソースまたはチリコンケソを小さなカップに入れてトルティーヤチップスとは別に提供することもあります。
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