タルトタタンとアップルパイの違いを解説していきます。
どちらもりんごを使った焼き菓子であり原材料も非常によく似ていますが、タルトタタンはタルト生地を使っているのに対して、アップルパイはパイ生地を使っているという違いがあります。
次に、タルトタタンはりんごを大きく切りキャラメリゼにしますが、アップルパイはりんごを煮詰めるもののキャラメリゼにはしないため、味や食感が大きく異なります。
また、タルトタタンはタルト生地をかぶせて焼いた後ひっくり返して取り出すため、タルト生地が下でリンゴが上になります。一方、アップルパイはパイ生地の中にリンゴを包むように焼くため、上も下もパイ生地です。
さらに、タルトタタンは円形型に作りカットして食べるのが基本ですが、アップルパイは円形型の他にもパイ生地でりんごの甘煮を巻いたロール型、パイ生地でりんごの甘煮を挟んだだけのサンドイッチ型など様々な形状があります。
ちなみに、タルトタタンはフランス発祥の焼き菓子で、アップルパイはイギリス発祥の焼き菓子です。
タルトタタンの主な原料は、りんごと無塩バター、砂糖、タルト生地です。
無塩バターと砂糖で煮詰めキャラメリゼにした大きめにカットしたりんごを型に敷き詰めて焼いた後にタルト生地を被せてさらに焼く菓子で、焼き上がった後にひっくり返すのが大きな特徴です。
キャラメリゼとは糖を加熱したときに糖分が酸化するときに起こる「カラメル化反応」を利用した技法で、キャラメリゼにすることで特有の香ばしい香りと味を出すことができます。
タルトタタンは焼き上がった後にひっくり返すので、フランス語で「 tarte renversée(タルト・ランヴェルセ)」ともいわれます。「ランヴェルセ」には「逆さま」という意味があります。
タルトタタンはフランス発祥の焼き菓子です。
タルトタタンが誕生したきっかけには諸説あります。
一つ目は、ホテルで調理を担当していた姉のステファニーが、りんごタルトを作ろうとしたところりんごをいつもより長く炒めてしまい、失敗をカバーするためにりんごの入ったフライパンの上に生地をのせてそのままオーブンで焼き、出来上がったものをフライパンをひっくり返して取り出したところ、おいしそうだったのでそのままお客様に出したという説です。
もう一つは、ステファニーが焦がしてしまったりんごタルトを間違ってひっくり返してしまったことがきっかけで誕生したという説です。
また、タルト生地を忘れて焼いてしまったため、やむを得ず後から生地をかけて焼いたという説もあります。
どの説においても、りんごタルトを作ろうとしたときの失敗から誕生した食べ物であるということがわかります。そのためタルトタタンは「世界最高の失敗作」なんていわれています。
タルトタタンという名はタタン姉妹の名字「タタン」に由来して「タルトタタン」と名付けられました。
タルトタタンは、りんごをバターと砂糖で煮詰めているためりんごそのものはとろとろとしており、表面はパリパリとしています。りんごの甘酸っぱさの中にほろ苦さ、タルト生地の香ばしさがとてもよく合います。
本場のタルトタタンはりんごを使ったものですが、現在はりんごだけではなくバナナやブルーベリー、パイナップルなど様々な果物を使ったタルトタタンもあります。
タルトタタン一人前(直径24cm丸型1/8個分)のカロリーは329kcal、糖質量(炭水化物から食物繊維を引いた値)も41.2gです。カロリーは6枚切りの食パンを2枚食べたときと同じ値で、糖質量はビーフカレー1人前食べたときと同じ値です。
タルトタタンは、りんごの栄養素が多く含まれるため健康的に思えますが、一切れでもカロリーが高く糖質量が高いため、ダイエット中の食べすぎには注意が必要です。
ダイエット中の方でタルトタタンが食べたい!という方は、おからパウダーを利用して作ったり、バターを使わないなどカロリーを低くし、糖質量を少なくする工夫をすると良いでしょう。
アップルパイの原料は、りんごと無塩バター、シナモン、砂糖、パイ生地です。
本場のアップルパイはシナモンを使うことが多いですが、日本ではシナモンが使われていないアップルパイも多いです。
アップルパイはパイ生地に砂糖で甘く煮たりんごを詰めてオーブンで焼きます。
アップルパイもタルトタタンもりんごを煮詰めたものが使われていますが、アップルパイはりんごをキャラメリゼにはしません。また、アップルパイに使われるりんごはタルトタタンに使われるりんごよりも小さめにカットされます。
アップルパイはイギリス発祥の焼き菓子です。
「アップルパイのようにアメリカ的だ(As American as apple pie)」という慣用句もあるほど、アメリカの定番スイーツであるため、アメリカ発祥の焼き菓子だと思われていることが多いですが、最も古いアップルパイのレシピはイギリスに残されています。
アップルパイが誕生した当初は砂糖の入手が困難だった時代であったため、砂糖は使っておらずりんごの他にイチジクやレーズン、洋なしなどのフルーツも使われていたことがわかっています。
イギリスからオランダやフランス、イタリア、ドイツなど、ヨーロッパ各国に広まり、後にアメリカでも食べられるようになり、世界各国に独自のアップルパイの文化があります。
例えば、国によってアップルパイの形や味付けも様々です。オーストリアやドイツではりんごのフィリングを巻き寿司のように生地で巻いていたりします。日本でいうアップルパイは、パイ生地を網目状にして焼いたものが多いですが、これは日本特有の形なんだとか。また、アメリカのアップルパイはりんごを煮詰めず生のままパイ生地に包んで焼くこともあるそうです。大変奥が深い焼き菓子ですよね。
アップルパイは、タルトタタンと同じくりんごをバターと砂糖で煮詰めているため、りんごそのものはとろとろとしており、周りはパイ生地なのでサクサクとしています。
日本のアップルパイは上述したようにりんごを砂糖だけで煮詰めていることが多いですが、本場イギリスのアップルパイはシナモンやナツメグなどのスパイス類を加えて煮詰めています。そのため、りんごの甘酸っぱさと共に独特のスパイシーな味わいが楽しめます。
日本でもシナモンを使ったアップルパイが売られていることはもちろんのこと「アップルパイ味」の商品の多くはりんごのエキスとシナモンを使ってアップルパイの味を表現していることが多いです。
アップルパイ一人前(直径18cm丸型1/8個分)のカロリーは330kcal、糖質量は39gです。
アップルパイもタルトタタンと同じく糖分が高いりんごに加えてたっぷりと砂糖をつかっているためカロリーも高く糖質量も多いです。ダイエット中の方は食べすぎないように注意しましょう。
アップルパイのカロリーが高くなる理由はパイ生地にもあります。そのため、カロリーを抑えたい場合はバターを使わずに作ったり、パイ生地の代わりに春巻きや餃子の皮を使うとカロリーや糖質量を抑えることができます
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