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長ネギは洗う?洗わない?冷蔵・冷凍保存する前は?

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長ネギは洗う?洗わない?冷蔵・冷凍保存する前は?

長ネギは洗うべきなのか否か、本記事では詳しく解説していきます。

長ネギは洗わずに食べられる?洗うべき?

長ねぎはごぼうや里芋などの根菜とは異なり、収穫後に泥を落とし外皮を剥いて綺麗な状態で店頭に並んでいることが多いので「洗わなくても食べられるのでは」と思う方も多いと思いますが、結論からいうと「洗うべき」となります。

洗うべき理由として下記の3点があげられます。

土汚れや細菌

長ねぎは青い部分は土から出ていますが、白い部分は土に埋まった状態で生長しています。そのため、土汚れがついていることが多くあります。上述したように一般的に販売されている長ねぎは洗って汚れがついている外皮を剥がして販売されていることが多いですが、洗わずに土付きの状態で販売されている長ねぎもあります。

土がついている場合、土や堆肥(たいひ)に含まれる細菌がついている恐れがあります。食中毒といえば生肉や生魚などを食べることによって起こることが多いですが、実は土や堆肥にもボツリヌス菌などの食中毒の原因となる細菌が分布している可能性があります。加熱をすることで死滅する菌もありますが、加熱をしても死滅しにくい菌もいるため、調理をする際にはしっかりと土汚れを落としておいたほうが良いです。

出典:「食品衛生の窓」(東京福祉保健局)

長ねぎは辛味成分である硫化アリルを豊富に含んでいる野菜です。硫化アリルは害虫の被害などから身を守るために生成されているといわれていますが、露地栽培されている場合はザミウマ類やヨトウムシ類、アブラムシ類、ネギ類を好むハエの仲間ネギハモグリバエなどがついてしまうことがあります。

害虫対策はしていますが、それでもアブラムシなどの虫がついている可能性は0ではありません。

「虫がついているのは新鮮な証拠」ともよくいわれますが、調理をしているときや作った料理から虫の死骸や卵がでてきたらやはり気持ちの良いものではありません。そうならないためにもやはり調理をする前にきちんと洗い流しておくことが大切です。

残留農薬

日本で栽培されている野菜の多くは栽培中の害虫の被害や病気などを防止したり、スムーズに成長するために薬剤が使われています。

日本で使われている農薬は、国に認められたもののみです。残留性が高く人体影響を及ぼすものや環境に影響を与えるほど毒性が強い農薬は、販売が禁止されていますし、使用が認められている農薬に関しても使用できる作物や時期、量などの使用基準が定められています。

農薬が使われているからといって神経質になる必要はありませんが、健康に良い影響を与えるかといえばそうではありませんので、できるだけ余計なものが口に入るのは避けたいですよね。

こんな長ネギは洗う?

有機栽培の長ネギ

無能薬や有機の長ねぎであっても、洗ったほうが良いです。

「無農薬野菜を購入すれば良いのではないか」と考える方も多いと思いますが、現状では農薬を使っていないことを証明できる基準や規定は存在しません。また、過去に使った農薬が土壌に残っていることや近隣の畑から農薬が飛んできているということもあるため完全なる「無農薬野菜」を作るのは非常に難しいといわれています。そのため、「特別栽培農産物」と呼ばれる節減対象農薬の使用回数が50%以下・化学肥料の窒素成分量が50%以下で栽培されている野菜はあるものの、完全に農薬を使わずに販売されている野菜はありません。

家庭菜園で農薬を使わずに栽培している場合は、残留農薬の心配はありませんが、やはり土汚れや虫がついていることも多いですので洗ったほうが良いです。

有機野菜は、指定の化学肥料や農薬などの「無機質肥料」を使わず、魚粉や油粕などの植物性・動物性由来の「有機物肥料」を使って育てられた野菜のことをいいます。農林水産省が定めた「有機JAS規格」の条件を満たしたもののみが「有機野菜」として販売することができます。有機野菜においても、JASが認定している31種類の農薬については使用が認められており、「無農薬」というわけではありません。また、虫がついていることもありますので洗って食べるのが安心です。

出典:

外皮を剥がして使う長ネギ

長ねぎを調理をするときは長ねぎの白い部分の外皮も食べることできますが、剥がして使うことを推奨します。やはり外皮は最も土汚れや目に見えない空気中の汚れ、農薬が残っていると考えられるためです。

外皮を剥がすなら洗わなくても食べられるような気がしてしまいますが、外皮を剥がして使う場合も洗ってから使ったほうが良いです。剥がしても汚れがついていないとは限りませんし、汚れがついているのは土に埋まっている白い部分だけではありません。青い部分にもついていますので、洗ってから調理をするようにしましょう。

加熱調理する長ネギ

薬味として生で食べることも多い長ねぎですが、炒めものなど加熱調理して食べることも多いですよね。加熱をすれば洗っていなくても良いのではないかと思われがちですが、加熱する際も洗ったほうが良いです。

農薬は加熱をしても残ることがあります。また、細菌の中には加熱をすることで死滅する種類もありますが、例えば土や泥に含まれている可能性があるボツリヌス菌は熱に強い細菌です。加熱をすれば洗っていなくても安全に食べられるというわけではないので、しっかりと洗ってから調理をするほうが安心です。

出典:食品中の残留農薬―残留農薬は調理加工により減少するかー(J-stage)

冷蔵・冷凍保存する前の長ネギ

保存する前の長ねぎは洗わなくても大丈夫です。洗ってから保存することで、痛みやすくなってしまうこともあるので基本的には洗わずに保存し、調理をする前に洗えば良いです。

ただし、水にさらして辛みを抜いてから保存したい場合は、水にさらす前に洗いましょう。水にさらした長ねぎはしっかりとキッチンペーパーなどを使って水気を切ってから冷蔵庫や冷凍庫に入れます。

長ネギのネバネバは洗い流す?

長ねぎについているネバネバしたゼリー状の物質がついていることがあります。これは、フルクタンと呼ばれる成分で、体に害がある成分ではないので洗い流す必要はありません。

フルクタンは、複合多糖類の食物繊維の1つです。フルクタンには免疫細胞を活性化する働きがあるため、免疫力を高める効果が期待できます。さらに血糖値の上昇を抑えると言われている体に良い成分です。

むしろ洗い流してしまってはもったいないので、洗い流さないようにしましょう。

長ネギの洗い方【基本】

一般的に販売されている長ねぎはある程度泥汚れを落としてから店頭に並べられているため、全体を流水で洗い流せばある程度汚れを落とすことができます。

青い部分の付け根を優しく開いて流水で洗い流す

長ねぎの青い部分を指で開いて洗う

長ネギの青い部分の付け根には、最も土汚れや泥汚れが入り込んでいることが多いです。そのため、まず青い部分の付け根を優しく開いて流水で汚れを洗い流していきます。

白い部分の汚れを流水で洗い流す

長ねぎの白い部分を流水で洗う

白い部分はそれほど汚れはついていないので、さっと流水で洗い流す程度で大丈夫です。根元の部分は土汚れがついていることがあるので、汚れがついている場合は優しく手でこすって落としましょう。

農薬が気になる方はこちらがおすすめ

残留農薬が気になる方は、ホタテ貝やホッキ貝を原料に作られたパウダーを使って残留農薬を落とすのに有効的です。特におすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。

ホッキ貝を高温で焼きパウダー状にしたものを水に溶かすことで、アルカリ水を作ることが出来ます。農薬の多くは酸性であるためアルカリ水につけることで農薬が中和されて落としやすくなります。

ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水に野菜を5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり油が浮いてきたりします。目にみえて残留農薬が落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。

長ネギの洗い方【バラバラにする】

長ねぎの青い部分の付け根は上述したように泥汚れが溜まりやすい部分です。ここに泥汚れが溜まっているのが気になる方は、バラバラにして洗うのがおすすめです。

青い部分と白い部分を切り離す

長ねぎを青い部分と白い部分に切り分ける

まず、青い部分と白い部分の境目を包丁でカットし、青い部分と白い部分を切り離します。

青い部分の付け根にある薄皮を剥がす

長ねぎの青い部分の薄皮を剥がす

青い部分と白い部分を切り離したら、青い部分の付け根にある白い薄皮を剥がします。

泥汚れを流水で洗う

長ねぎの青い部分の付け根を広げて流水で洗う

青い部分の付け根の薄皮を剥がすと、付け根のところに泥汚れが見えるので、流水で綺麗に洗い流していきます。バラバラにして青い部分の付け根の泥汚れを綺麗に落としておくと、食べたときジャリっとすることがなくなります。

白い部分を洗う

長ねぎの白い部分を流水で洗う

青い部分の汚れを落としたら、白い部分の汚れを流水で洗い流して完了です。

長ネギの洗い方【泥付き】

泥付きで販売されていたり、家庭菜園で育てた長ねぎを収穫した際の洗い方を紹介します。

外皮を1〜2枚はがす

泥付きの長ねぎを購入した際や家庭菜園で育てた長ねぎを収穫したときは、まず流水で流しながら外皮を1〜2枚剥きます。

外皮を1〜2枚剥くだけで、表面の泥汚れはだいたい落ちて白い状態の長ねぎになります。

青い部分と白い部分の汚れを落とす

外皮を1〜2枚剥いたら、基本的な長ねぎの洗い方と同じように青い部分の付け根についている泥汚れや白い部分に付いている汚れを流水で洗い流して完了です。