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シットアップで首が痛い原因とは?対処法と正しいフォームを解説

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シットアップで首が痛い原因とは?対処法と正しいフォームを解説

シットアップは正しいフォームで実施しないと首が痛くなることがあります。そこで本記事ではシットアップで首を痛めない方法を解説していきます。

シットアップで首が痛い原因

首の後ろの手の力で上体を起こしている

シットアップで首が痛くなる原因として、手で首を過度に引っ張ってしまっている可能性が挙げられます。

教科書的なシットアップは、手を頭の後ろに配置して実施します。このとき、腹直筋が十分に発達していないと手で頭を無理に引っ張るような状態が発生します。このような状態が発生すると、頭の付け根である首に無理に負担がかかることになり、シットアップで首が痛くなる原因になります。

この問題を防ぐためには、手で頭を過度に引っ張らないようにする必要があります。具体的には、基本的に手は頭の後ろに添えるだけで実施する必要があります。そのためには、腹直筋がある程度発達した状態でシットアップを実施する必要があります。

首に力が入っている

1つ目の原因とも関連しますが、シットアップで上体をうまく動かせないと身体全体が力み、それに伴って首にも無駄な力が加わる可能性があります。

首に無駄な力が入っているということは、首を痛める原因になります。トレーニングレベルが上がるにつれて、首も鍛えられることから、首に力を入れても首が痛くなるということはほとんどなくなりますが、特にトレーニング初心者の方は注意が必要です。

この問題を防ぐためには、首に力を入れない必要があります。具体的には、身体全体が力まないようにするために、腹直筋の力をしっかりと使ってシットアップを実施する必要があります。そのためには、1つ目の原因と同様に、腹直筋がある程度発達した状態でシットアップを実施する必要があります。

頭だけ上がっている

1、2つ目の原因とも関連しますが、シットアップで上体をうまく動かせないと比較的軽い頭だけ上がり、それに伴って首に無駄な力が加わる可能性があります。

頭だけが上がっている上体というのは、頭で上半身を引っ張っているような上体であり、必然的に頭と上半身の付け根である首に無駄な力が加わります。

この問題を防ぐためには、頭だけが上がらないようにシットアップを実施する必要があります。具体的には、腹直筋の力を使って上半身を上げる必要があります。そのためには、1つ目の原因と同様に、腹直筋がある程度発達した状態でシットアップを実施する必要があります。

首が動いている

効果的なシットアップでは、トップポジションにおいて顎を突き出すようにして実施する必要がありますが、これを過度に実施すると首が必要以上に動いてシットアップを実施することになり、それに伴って首に無駄な力が加わる可能性があります。

基本的に、シットアップではトップポジションにおいて顎をやや出すようにすることで腹直筋の収縮を高めますが、これを意識しすぎると、「顎を出す」というよりも「首を動かす」というような動きになってしまい、首を痛める原因となります。

この問題を防ぐためには、あくまでも首は固定するという意識を持つことが重要です。顎を出すのは、ほとんど顔面だけの動作で、首が大きく動きに関与しないように注意するようにしましょう。

身体がかたい

正しいフォームでシットアップを行っても身体が硬い人は首に無駄な力が入ることで首を痛める可能性があります。

身体が硬い場合、シットアップで身体を丸めようとする動作でも実施することが難しく、無理に身体を丸めようとすることで、動きやすい首周りに力が加わり、首を痛める原因となり得ます。

この問題を防ぐためには、身体の柔軟性を上げる必要があります。また、柔軟性は、一朝一夕で改善することは難しいため、レッグレイズなどの首に負担がかかりにくい腹直筋を鍛えるエクササイズを実施することがおすすめです。

首を痛めないシットアップのやり方

まずはストレッチ

シットアップを実施する際に、過去に首を痛めたことがあるという方は、シットアップを実施する前に、首をしっかりとほぐすためにストレッチを行うことが重要です。首のストレッチですが、軽く首を回すこと、上下左右に首を動かすことで首はかなりストレッチされます。これにより、不用意に首が動いてしまっても首にかかる負荷を小さくすることが期待できます。

手を胸の前に設定

手で頭を引っ張って首を痛めてしまっている方は、手を胸の前に設定してシットアップを実施するようにします。これにより、腹直筋の筋肉量が足らず、首に力が入ってしまっても、手で頭を引っ張るということがなくなるため、少なくともその理由で首を痛める可能性を低減することが期待できます。具体的には、右手で左肩を、左手で右肩を触るように設定するのがおすすめです。この状態でしっかりとシットアップができるようになったら、手を頭の後ろに配置してシットアップを実施するようにしましょう。

負荷を下げる

先に述べた通り、シットアップを実施して、上半身が上がらなくなると身体全体が力んで首に無駄な力が入ってしまい、首を痛める場合があります。これを防ぐためには、シットアップの負荷を減らす必要があります。このためには、シットアップの可動域を狭くすること、回数を減らすこと、トップポジションでの収縮するための静止時間を減らすことなどが挙げられ、無理のない範囲内でシットアップを実施することが重要です。

バスタオルを使う

あまり一般的ではありませんが、バスタオルを使う方法もあります。バスタオルを背中に敷き、お尻で端を押さながら、バスタオルの2つの角を両手でそれぞれ掴み、上体を起こすときにバスタオルを一緒に持ち上げます。そうすると首に力を入れなくても、バスタオルが一緒に持ち上げてくれます。確かに首の負担は小さくなりますが、腹直筋にしっかり力を入れないと、シットアップの意味をなさないので注意しましょう。

正しいシットアップのやり方

フォーム

シットアップを実施する人のイラスト

  1. 膝を立てて仰向けになる。
  2. 手を頭の後ろに回す。
  3. 腹直筋に負荷が入る部分まで状態を僅かに上げ、これをボトムポジションとする。
  4. 顎を出しながら上体を上げる。
  5. 顎を引きながらゆっくりボトムポジションまで戻す。

回数

初心者

筋トレ初心者の場合、シットアップは12〜15回を3セット実施します。

シットアップは、きちんと実施するとエクササイズ強度は比較的高いエクササイズです。そのため、一般的な筋トレで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施できるような重量を設定して行うようにしましょう。

少し慣れたら

シットアップに少し慣れた方の場合、シットアップは、ウォーミングアップのセット、仕上げのセットを追加して5セット実施するようにします。

シットアップに少し慣れた方の場合、まず、ウォーミングアップのセットを追加します。ウォーミングアップのセットは、12〜15回を実施します。次に、仕上げのセットを追加します。仕上げのセットでは、本番の3セットに対してより丁寧に動きを意識して15回きっちりと実施しましょう。

上級者

筋トレ上級者の場合、前述したやり方に加えて、アセンディング法、スーパーセット等を実施するようにします。

アセンディング法とは、別名ピラミッドセットと呼ばれる方法です。Max重量の50%で12回程度、Max重量の60%で10回程度、Max重量の70%で8回程度、Max重量の80%で6回程度、Max重量の85%で4回程度と徐々に重量を増やしていきながら、それに伴って実施回数を減らすやり方です。怪我を防止しながら高強度のトレーニングを実施できるため、おすすめの方法です。

スーパーセットとは、2種類の種目をインターバルなしで実施する方法です(3種目実施する場合にはトライセット、5種目以上実施する場合にはジャイアントセットと呼ばれます)。スーパーセットの種目の設定方法は様々であり、例えばシットアップと一緒に実施するならばクランチ、レッグレイズ、オブリーククランチなどを実施するのがおすすめです。回数設定に厳密な指定はありませんが、基本的には何れの種目も12〜15回実施できるようにしましょう。

シットアップの効果を高めるコツ

腹直筋に負荷が入る範囲で実施

シットアップに限らず、ほぼ全てのエクササイズではエクササイズ実施中、常に負荷が入っていることが重要です。

シットアップの場合、よく実施されているフォームは「背中が床についた状態」から「お腹が太ももに付く状態」まで「上げ切る」というものです。しかし、これではボトムポジション(身体が最も低い位置にある状態)とトップポジション(身体が最も高い位置にある状態)で負荷が抜けています。

これを防ぐためには、「背中が床に対してやや上がった状態」から、「腹直筋の負荷が抜けない状態」までを可動域と設定して実施する必要があります。このことから、通常の「一般的に実施されているシットアップ」に対して可動域がかなり小さくなることに留意して実施するようにしましょう。

トップポジションで顎を出す

シットアップなどの腹直筋を鍛えるエクササイズは、筋肉をしっかり収縮させることが重要とされます。

シットアップにおいてはトップポジション(上体が起き上がった状態)でしっかりと腹直筋を収縮させる必要があります。

具体的には、トップポジションに移行するに伴い「顎を出す」ようにすることで、自然と腹直筋が収縮します。逆にボトムポジション(上体が床に付きそうな状態)では顎を引くようにします。

腕の位置

シットアップの強度は、腕の位置も関係します。

教科書的なシットアップでは、手を頭の後ろに設定してシットアップを実施することが推奨されますが、このように実施すると腕の重さも加味されるため、エクササイズ強度が比較的大きくなります。

そのため、まず実施する際には胸の前に手を組む様にしてシットアップを実施するようにしましょう。これがきちんとできるようになってきたら、手を頭の後ろで組む様にして実施しましょう。

手を身体の横に配置して実施しても良いですが、そのように実施すると手の勢いを使って実施しがちになるため注意しましょう。

回数

一般的に実施されているシットアップは、30回、40回、場合によっては100回単位の高回数で実施されることがありますが、あまりおすすめできません。

なぜなら、正しいフォームでシットアップを実施すると、これだけの高回数で実施するのはまず不可能だからです。高回数でシットアップが実施できている場合は、フォームの崩れをまず疑いましょう。

また、シットアップは腰を痛めやすいエクササイズで、高回数を実施するのは危険です。

ダンベルシットアップは、通常のシットアップよりも負荷が高いため、なおさらこの傾向が顕著で、回数は多くても15回程度に留めるようにしましょう。

腹直筋の動きを意識

シットアップに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。

これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。

このため、最初は難しいですが、腹直筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での腹直筋の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。