1. Fily
  2. Food
  3. Encyclopedia
  4. 美味しいレタスの選び方。新鮮な葉や芯の特徴とは?

美味しいレタスの選び方。新鮮な葉や芯の特徴とは?

公開日

更新日

美味しいレタスの選び方。新鮮な葉や芯の特徴とは?

生で食べることが多いレタスは、できるだけ新鮮で美味しいものを選びたいですよね。本記事では美味しいレタスの選び方を解説します。腐ったレタスの特徴や正しい保存方法などもあわせて紹介します。

美味しいレタスの選び方【見た目】

芯の切り口が10円玉大で白い

品種によっても芯の切り口の大きさは異なりますが、一般的にスーパーなどで販売されているレタスは10円玉サイズのものが良いといわれています。

レタスは成長するにつれて芯が大きくなっていくので、大きすぎるものは成長しすぎていることが考えられます。成長しすぎているレタスは、栄養が花に取られて葉が硬くなってしまっていたり、苦味の元となるポリフェノールの含有量が増えて苦みが強い傾向があります。

芯は大きさだけではなく変色していないかチェックすることも大切です。ポリフェノールは空気中の酸素に触れて酸化することで赤→茶色→黒と変色していきます。芯の色が赤色になっていることもありますが、これはポリフェノールの酸化が原因で、鮮度が落ちている状態です。変色しているものは選ばないようにしましょう。

芯の高さが低い

レタスの芯には生長点という部分があり、収穫後も成長を続け、芯が伸びていきます。そのため、芯に高さがあるものは、収穫されてから時間が経っている印です。芯の高さが低いもののほうが、収穫から時間が経っていない鮮度の良いレタスなので、芯の高さもチェックして購入すると良いです。

葉の巻きがゆるくて軽い

キャベツの場合はギュッと葉が巻かれていて重みのあるものが良いとされていますが、レタスの場合は反対に巻きがゆるく軽いものが良品といわれています。

ギュッと巻かれていて重みがあるレタスは、葉が固くなっていて苦味が強いことが多いです。葉が固いレタスは加熱してもシャキシャキとした触感が損なわれにくいメリットがあるものの、レタスはサラダにするなど生食することが多い野菜ですし、苦味があると食べにくいので葉の巻きがゆるくて軽いものを選ぶと良いです。

2/1カットなどで販売されているレタスも、断面をみて葉が重なりすぎていないものを選ぶと良いです。

葉にハリがありみずみずしいもの

レタスは95%が水分です。新鮮なレタスは水分が多く含まれているため葉にハリがあり、みずみずしさがあります。収穫されてから時間がたって、水分が抜けていってしまうと葉にハリがなくなりしおれていきます。

しおれていても腐敗しているわけではないので、食べることができますが傷むのが早いため購入する際は葉にハリがあってみずみずしいものを選びましょう。

葉が鮮やかな緑色

新鮮なレタスの葉は、淡緑色をしています。色が薄すぎたり、濃すぎたりしない鮮やかなものを選ぶようにしましょう。特に色が濃すぎるものは、苦味が強くなっていることがあります。

切り口がみずみずしく変色していない

2/1カットなど、カットされて販売されているレタスは切り口がみずみずしく変色していないものを選ぶと良いです。みずみずしさがないものは、収穫から時間がたって水分が飛んでしまっています。

また、上述したように切り口が赤や茶色、黒に変色しているものもポリフェノールが酸化してしまっているので、収穫してから時間が経っていることが考えられます。酸化してしまっているレタスは、苦味を感じやすいです。腐敗するのも早いので、変色していないものを選びましょう。

美味しいレタスの見分け方【旬・産地】

レタスの旬は春〜初夏

レタスには平坦地春撒きで5月〜6月に収穫される春レタスと、高冷地夏撒きで7月〜10月に収穫される秋夏レタス、暖地秋冬撒きで12月〜4月に収穫される冬レタスがあり、一年中市場に出回っていますが、気温が15~25℃付近で質のよいものができるといわれていて旬は春~初夏といわれています。

一般的にいわれる旬とは、野菜や果実が全国的に露地栽培でよく収穫され、味が美味しい時期を指します。露地栽培とは、ハウスなどの施設を使わず屋外の畑で栽培する方法のことです。

レタスの主な生産地は長野県

レタスは、暑いこの時期は長野県や北海道、群馬県など寒い地域、それ以外は兵庫県や福岡県などの暖かな地域で栽培されています。収穫量が最も多いのは長野県、次に茨城県、群馬県と続きます。

生産地別の収穫量は下記の通りです。

  • 長野県(182,200トン)

  • 茨城県(91,700トン)

  • 群馬県(54,800トン)

出典:令和3年産指定野菜(秋冬野菜等)及び指定野菜に準ずる野菜の作付面積、収穫量及び出荷量(農林水産省)

レタスの種類

レタスには大別して「結球レタス(玉レタス)」、「非結球レタス」、「立ちレタス」、「茎レタス」の4種類があり、日本では、古くからこれらを総称して「レタス」または「チシャ」と呼んでいます。

結球レタス 

結球レタスは、葉が結球しボール状に丸くなるタイプのレタスです。一般的に「レタス」と呼ばれるのは、結球レタスです。「玉レタス」や「玉チシャ」といわれたり、みずみずしくパリっとした食感であることから「クリスプヘッドレタス」といわれることもあります。

主な品種には「エスラップ」や「シスコ」などがあります。

また、巻きがゆるく結球するのは芯の部分だけですが、「サラダ菜」も結球レタスの一種です。「バターヘッドレタス」とも呼ばれます。

非結球レタス

非結球レタスは、丸く結球しないタイプのレタスです。非結球タイプのレタスには、グリーンカールやサニーレタス、フリルレタス、ブーケレタス、サンチュなどがあります。

普段私達が「レタス」として食べているものよりも、葉が柔らかいのが特徴です。

非結球レタスは、葉先が細かく縮れているものが良質とされています。

立ちレタス

立ちレタスは、緩く結球するタイプのレタスで、葉が上にまっすぐのびていくのが特徴です。立ちレタスにはロメインレタスなどがあります。「コスレタス」とも呼ばれることもあります。

ロメインレタスの葉は濃い緑色でボリュームがあり、軸は肉厚でやや苦味があるのが特徴です。

立ちレタスの選び方も結球タイプとほぼ同じです。葉の色が鮮やかでみずみずしくハリがあるものを選ぶと良いです。

茎レタス

茎レタスは、普段よく食べる結球タイプのレタスとは異なり、太い茎を食用にするレタスです。「ステムレタス」や「チシャトウ」とも呼ばれます。

茎は淡い黄緑色をしていて、直径が3cm〜5cm、長さは20cm〜30cmほどです。茎なのでシャキシャキとした食感を楽しむことができ、ほのかな苦味があります。

茎レタスは、葉がピンとして張りがあり、茎がきれいな黄緑色で重量感を感じるものが良質とされています。

腐ったレタスの特徴

見た目

腐敗したレタスの見た目の特徴は下記の通りです。

  • カビが生えている

  • 全体的に変色している

  • 葉が溶け出している

  • 茶色い汁が出ている

レタスにフワフワとしたホコリのようなものがついている場合は白カビ、黒く変色している箇所がある場合は黒カビが生えています。じゃがいものような根菜は表面のみにカビが生えていて中まで侵食していなければ、変色している箇所を取り除けば食べることができるといわれていますが、レタスなどの葉物野菜は見えない部分まで侵食しやすいため破棄するのが無難です。カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状を起こすこともあるため注意が必要です。

レタスが変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に茶色くなっていたり黒くなっている場合は腐敗している可能性が高いです。溶け出している箇所があったり、茶色い汁が出ているなどの異変が見られることもあるので、このような場合は破棄しましょう。

臭い・味

腐敗しているレタスの特徴は下記の通りです。

  • 酸っぱい匂い・味

  • 生ゴミのような臭い

  • カビ臭い

レタスは葉物野菜であるため、若干の青臭さはあるもののそこまで臭いのきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや生ゴミの臭い、カビ臭いなどあきらかに普段感じないような臭いがするときは腐敗しています。

レタスに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。

また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は、見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。

触感

腐敗しているレタスの触感の特徴は下記の通りです。

  • ぬめぬめしている

  • ネバネバしている

レタスから水分がぬけてしんなりしてしまっても腐敗しているわけではないので食べることができますが、表面がぬめぬめしていたりネバネバしている場合は、腐敗が進んでしまっている状態ですので食べないようにしましょう。

レタスの栄養素・成分

レタス100gあたりの主な栄養素

レタスは黄緑色をしていますが、β-カロテンの含有量が少ないため、緑黄色野菜ではなく淡色野菜に分類されます。

緑黄色野菜とは、原則として可食部100g中に600μg以上のβ-カロテンが含まれている野菜を指します。600μg未満の野菜は淡色野菜です。600μg未満でも、食べる量や回数が多いと緑黄色野菜に分類されます。

ビタミンA(β-カロテン)

β-カロテンは、皮膚や喉などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあり、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぐ事で免疫力をアップし病気にかかりにくくなります。また抗酸化作用もあるので、アンチエイジング作用があります。亜鉛が補酵素に入ると、β-カロテンがレチナールへ、さらにレチナールにナイアシンが結合することで体内に作用します。ビタミンAとしての働きを促すにはミネラルの亜鉛、ビタミンB群のナイアシンも必要になります。

変換されたビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。視力を正常に保つ役目もあり、夜盲症の予防や視力低下の抑制があります。また皮膚の健康維持に関与していることから、美肌効果もあります。皮膚の新陳代謝が高まることで、乾燥肌やニキビ肌の改善が考えられます。

ビタミンC

ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。

そのほか、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせない栄養素です。

カリウム

カリウムはミネラルの一種です。

カリウムはナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。

そのほか、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。

鉄分はミネラル成分のひとつです。体に必要な栄養素で、成人のからだには約3〜5gの鉄が存在しています。

鉄は大きく分けて2種類あります。ひとつは機能鉄といって赤血球のヘモグロビンの材料となり、酸素を運びます。

もうひとつは貯蔵鉄といって肝臓や骨髄、筋肉などに蓄えられており、機能鉄が不足すると体内に放出されます。また、酵素の構成成分で、エネルギー代謝を助ける働きがあります。

カルシウム

体内の99%のカルシウムは貯蔵カルシウムとして骨や歯の材料となります。骨の代謝に関わり骨の健康を保っています。

残りの1%は機能カルシウムとして、血液や筋肉、細胞内などに存在し、大切な情報の伝達を行っています。それによって筋肉のなめらかな動きをサポートしたり、精神を安定させたりします。

カルシウムが不足すると、骨が弱くなったりこむら返りを起こすことがあります。特に野菜などのカルシウムは吸収率が低いため、ビタミンKなどカルシウムの吸収を助ける栄養素と一緒に摂取するといいでしょう。

レタスの正しい保存方法

常温保存NG

レタスは乾燥に弱い野菜です。購入した後、そのまま冷蔵庫などで保存すると、すぐに葉がしなびてしまいます。傷みやすいレタスは常温保存はNG。購入後は冷蔵室や冷凍室で保存するようにしましょう。

冷蔵保存

購入したレタスは冷蔵保存することで1〜3週間ほど保存することができます。

芯の切り口に片栗粉を塗って丸ごと保存

レタスの芯に片栗粉を塗って保存すると鮮度をキープしやすい

レタスの芯の切り口に片栗粉を塗ることで、レタスの水分が蒸発するのを防ぐことができます。芯の切り口を数ミリ切り落としてから片栗粉などの粉類を2〜3mmほど塗ります。

片栗粉などの粉類を塗ったら、ポリ袋に入れて軽く口を閉じ、冷蔵庫で保存します。

レタスの芯が下になるように置くのもポイントです。レタスが栽培されていた時となるべく同じような方向で保存することで、余計なストレスがかからず、旨みが持続します。横にしたり上下逆さにして保存すると元の状態に戻ろうとして余計なエネルギーを消費し、味が悪くなってしまいます。

使う時は、外側の葉から1枚ずつ剥がして使うようにしましょう。

爪楊枝を刺して保存も◎

レタスの芯に爪楊枝を挿して鮮度をキープ

片栗粉を塗る方法以外に、爪楊枝を芯に刺して保存するのも◎。

レタスの芯には生長点という部分があり、この成長点を傷つけることで、収穫後のレタスの成長を抑え葉の鮮度が落ちるのを防ぐことができます。レタスの芯に2〜3本ほど爪楊枝を刺してから保存すれば、2〜3日で傷んでしまうレタスも1週間ほど鮮度を保って保存することが可能になります。

上の写真のように、芯に3〜4本ほど爪楊枝を刺します。1cmほどの深さになるように中までしっかり刺すのがポイントです。芯から飛び出た部分は、ハサミでカットします。

その後は新聞紙で包んでポリ袋に入れ、芯が下になるように置いて保存するようにしましょう。

1/2個や1/4個などのカットレタスは、切り口から傷みやすくまた水分が抜けてしまうので、濡らしたキッチンペーパーをかぶせてポリ袋に入れ、芯もしくは切り口を下にして保存します。これで5日ほどは冷蔵保存することが可能です。

カットしてタッパー

手でちぎったレタスを保存容器に入れる

手でちぎってから冷蔵するのも◎。保存容器に濡らしたキッチンペーパーを敷き、その上に4〜5cm四方にちぎったレタスを入れ、蓋をして冷蔵庫で保存します。

カットレタスは、丸ごとレタスよりも傷みやすいので、1〜2日を目安になるべく早めに食べきるようにしましょう。

冷凍保存

レタスは冷凍保存にあまり向きません。水分が抜けて生のレタスのようなシャキシャキ感が失われてしまうためです。冷凍する場合は、スープや味噌汁、炒飯など加熱料理に使用するのがおすすめです。冷凍レタスの保存期間の目安は1ヶ月です。

生のまま冷凍

レタスを生のまま冷凍保存する

4〜5cm四方などお好みの大きさにレタスをカットします。水洗いしキッチンペーパーで水けをしっかりと取った後、冷凍用保存袋に入れ冷凍室で保存します。

この時、冷凍室の急速冷凍機能を使うのがおすすめです。機能がない場合は、金属トレイにレタスを乗せて冷凍すると◎。

冷凍したレタスは、生食ではなくスープなどの加熱料理に使用すると美味しく召し上がることができます。加熱することでカサが減り、生の2倍以上の量を食べることができる=2倍以上の栄養を摂ることが可能です。

乾燥保存

レタスは乾燥させてから保存することもできます。乾燥させた後は、密閉容器に入れて常温で1ヶ月ほど保存できます。

乾燥させたレタスは乾燥したままスープに入れたり、水で戻して和え物や炒め物にして食べるのもおすすめです。

天日干し

カットしたレタスを天日干しする

乾燥方法で一番おすすめなのは天日干しです。芯をつけたままレタスを4等分にカットし(または1枚ずつ)水洗いしてキッチンペーパーで水けをしっかりと取ります。重ならないようにザルに並べ、3日ほど天日干しをします。

オーブンや電子レンジでは、葉が燃えてしまう可能性がありますので、必ず天日干しにて乾燥させるようにしてください。

レタスの保存方法については、こちらの記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。