れんこんは表面や穴の中に泥や土がついていることがあります。本記事ではれんこんの泥の洗い方について詳しく解説します。
私達が普段「れんこん」として食べているのは、蓮(はす)の地下茎が肥大した部分です。土に埋まった状態で育っていて、掘り起こして収穫しています。そのため、れんこんには泥汚れや土汚れがついています。
れんこんを食べる際は、必ず泥汚れや土汚れは綺麗に落とす必要があります。泥汚れや土汚れにはボツリヌス菌などの細菌が分布している可能性があります。また、泥汚れや土汚れをしっかりと落とすことは農薬を落とすことにも繋がります。余計なものを口に入れないためにも綺麗に洗ってから食べるようにしましょう。
根菜は皮に筋が多く含まれているため、皮を厚く剥いて調理することが多いですが、れんこんの皮は薄いため皮ごと食べることができます。
れんこんにはポリフェノールが含まれています。特に多く含まれているのはポリフェノールの一種であるタンニンです。タンニンには消炎作用があり、胃炎や喉の傷みなどに効果的な他、血管の老化を防ぐなどの抗酸化作用に優れています。れんこんの皮には実の2倍もタンニンが含まれていると言われており、その他にも食物繊維やカリウムなどの栄養素も含まれています。皮を剥いて調理すると、皮に含まれているタンニンや食物繊維などを無駄にしてしまうので勿体ないです。
ただし、泥や土には細菌が分布している可能性があるため皮ごと食べる場合はしっかりと泥や土を落としてから食べるようにしましょう。
近年は泥汚れや土汚れを綺麗に洗い流した「洗いれんこん」も発売されていますが、洗わずに販売されていることもあります。泥汚れや土汚れがついていない綺麗なれんこんの方が見た目が美しいですし、泥や土を落とす手間が省けるため、洗いれんこんのほうが良いと思う方も多いのではないでしょうか。
れんこんをあえて洗わずに泥付きのまま販売するのは、鮮度を保つためです。れんこんは水中の土の中で育っている野菜なので、乾燥や日光を苦手とします。収穫して時間が経つとれんこんの表面が乾燥してしまい鮮度が落ちてしまいやすいのですが、土や泥がついたままであれば、表面を乾燥や日光から守ってくれるので鮮度を保ちやすくなります。れんこんを購入する際は洗いれんこんよりも、泥や土がついたものを選ぶと良いでしょう。
泥汚れや土汚れがびっちりついていて落としにくいときは、洗う前に水に浸けて置くと良いです。水やお湯に浸けておくことで汚れがふやけるため、落としやすくなります。
水につけておくことで、アク(灰汁)抜きにもなります。アクとは苦味やエグみ、臭みの原因となり料理の味を落とす成分の総称です。れんこんのアクとなる成分はポリフェノールです。ポリフェノールは植物の苦味や渋みの成分となる化合物の総称です。構造の違いによって様々な種類があり、れんこんにはタンニンが多く含まれていることで知られています。
ただし、水につけることでビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素も流出してしまうデメリットがあります。そもそもアクとなるポリフェノールにも抗酸化作用があり、体に害のある成分ではないので、栄養素の流出を最小限に抑えるためにも長時間水に浸けすぎないようにしましょう。
表面についている泥汚れや土汚れは、たわしやスポンジを使ってこすると綺麗に落とすことができます。凹凸があって落としにくい場合は、包丁を使ってこそげるようにすると良いです。
食品なので、清潔なたわしやスポンジを使うようにしましょう。清潔なたわしやスポンジがなければアルミホイルを丸めたものでこすっても良いです。
れんこんは表面だけではなく、穴の中にも泥や土が入り込んでいることがあります。穴に入り込んだ泥や土もしっかりと綺麗に落としましょう。割り箸を穴の中に入れて回すようにすると綺麗に落とせます。
箸は先端が丸いものよりも四角く角があるものが良いです。割り箸ではなく一般的に食卓で使われている箸でも良いですが、丸いものではなく角があるものを使った方が汚れが落ちるので、一般的に四角い形をしていることが多い割り箸をおすすめします。
穴が小さい場合は、竹串などの細いものでも大丈夫です。
穴の中の泥は落としにくいので、縦に切って溝に沿うように擦り洗いした方が綺麗に落とせますし、早いです。半月切りやいちょう切りで使う場合は、一度縦にカットして洗うのがおすすめです。
輪切りにして使いたい場合は縦に切ることができないので、上述したように穴の中に割り箸などを通すようにして洗いましょう。
れんこんを美味しく食べるためには、やはり新鮮なれんこんを選ぶのが良いです。ここからは新鮮なれんこんの特徴を紹介します。
新鮮なれんこんは淡い黄色がかった薄茶色をしています。真っ白いもののほうが見た目がよく、新鮮な気がしてしまいますが、真っ白なものは漂白されている可能性が高いです。
れんこんの形はまずふっくらと丸く、まっすぐなものを選ぶと良いです。ふっくらと丸くまっすぐとしたれんこんは、しっかりと栄養が行き届き、きちんと成長しているれんこんの印です。
丸みが少なかったり、曲がっているものは生育環境に何らかの理由があり、生育不良になってしまっている可能性があります。
外皮はみずみずしくツヤがあるものを選びましょう。れんこんは水中で育っているため収穫して時間が経つにつれて外皮が乾燥していきます。外皮にシワが寄っているなどみずみずしさがないものは、収穫してから時間が経って鮮度が落ちている可能性が高いので、選ばないようにすると良いです。
外皮はみずみずしさがあることも大切ですが、色ムラや傷がないかもチェックしましょう。黒ずんでいる箇所があるのは、れんこんに含まれているポリフェノールが酸化してしまっている可能性があります。傷が出来ている部分も空気中の酸素に触れることで酸化してしまうので、傷はない方が良いです。
ポリフェノールが酸化して変色してしまっても腐敗しているわけではないので食べることはできますが、鮮度は落ちています。鮮度が落ちてしまうと腐敗するのも早いので長く保存するためにも色ムラや傷がないものを選ぶようにしましょう。
ちなみに、れんこんの表面に赤茶色になっている部分があることがあります。これは「赤シブ」と呼ばれるもので腐敗しているわけではないので食べても問題ありません。
れんこんに多く含まれているポリフェノールの一種、「タンニン」は、鉄分とくっつくことで酸化鉄になる性質があります。鉄分を多く含む土壌で育っていると、土壌の鉄分とタンニンが結合し酸化鉄となり、空気に触れて酸化することで赤く変色します。収穫する前に葉を取り(カラ刈り)、酸素が供給され酸化による変色を防止する対策をしていますが、完全には防げないため赤くなってしまうことがあるのです。
手にとって重みを確認することも大切です。れんこんは手に持ったときにずっしりと重みがあるものを選びましょう。ずっしりと重みがあるものは、水分がしっかりと含まれていて新鮮なれんこんです。
鮮度が落ちているれんこんは、水分が抜けて重みがありません。水分が抜けているということは食感もよくありませんので、選ばないようにしましょう。
れんこんは塊がいくつも連なっている形状をしています。このような形状になるのは節から茎が生まれ、それを繰り返しながら成長しているためです。スーパーなどでは一節ごとにカットして販売されていることも多いですが、両端にある節の部分が残っているものの方が良いです。
節が残っていない状態のものは、断面が空気にさらされてポリフェノールが酸化しやすく鮮度が落ちやすいです。家庭で保存する際にも節があった方が鮮度が落ちにくいので、カットされたれんこんを購入するのであれば両端の節の部分が残っているものを選ぶのが理想的です。
節がカットされているれんこんを購入するときは、穴のサイズが揃っているものを選ぶと良いです。穴の大きさもれんこんによって異なりますが、小さいものの方が良質とされています。穴の小さいものは土壌に養分が沢山あった印です。しっかりと育ち良質なれんこんに育っています。
カットされているれんこんを購入する際は、穴が変色していないかも確認しましょう。上述したようにれんこんに含まれているポリフェノールは空気に触れて酸化すると、変色してしまいます。穴が黒ずんでいたり茶色っぽくなってしまっているものは、酸化していて鮮度が落ちています。
カットしてしまうと鮮度が落ちやすいので、変色している部分がないかきちんと確認して購入しましょう。
泥がついていて黒っぽく見えたり茶色っぽく見えるれんこんは、泥汚れを落とせば問題なく食べることができますが、下記のような特徴があるれんこんは腐敗しているので破棄しましょう。
腐ったれんこんの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的に変色している
れんこんに白いフワフワとしたホコリのようなものがついている場合は白カビ、黒く変色している場合は黒カビが生えています。表面だけに生えていて中まで侵食していない場合は食べることができると言われていますが、カビはカビ毒を発生させて下痢や嘔吐などの中毒症状が起こる可能性があります。心配な方や高齢者、小さなお子様が食べる場合は破棄するのが無難です。
新鮮なれんこんは淡い黄色がかった薄茶色をしています。(真っ白なものは漂白されている可能性大)変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に黒色や茶色に変色してしまっている場合は腐敗している可能性が高いので注意が必要です。
腐っているれんこんの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい臭い・味
生ゴミのような臭い
カビ臭い
れんこんは土に埋まった状態で育ち、掘り起こして収穫するため多少の泥臭さはあるものの、そこまできつい臭いのする野菜ではありません。酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
れんこんに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象があるときに「腐敗」と呼ばれます。明らかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐っているれんこんの感触の特徴は下記の通りです。
柔らかい
ぬめりがある
新鮮なれんこんはハリがあって固いですが、腐敗が進むと柔らかくなっていきます。これは、れんこんの水分が抜けてしまったことや、上述した通りバクテリアが活動することで形が崩れ始めていることが原因であると考えられます。手で押したときに簡単にヘコむなど、柔らかくなってしまっている場合は注意が必要です。
れんこんには粘りを出す成分が元々含まれていますが、皮を剥いたり調理をしていないのにも関わらず表面にぬめりを感じる場合は、腐敗している可能性が高いです。ぬめりが出るほど腐敗が進んでいるれんこんは、変色や異臭などの腐敗のサインが見られることも多いですので、よくチェックしてから腐敗しているようであれば破棄しましょう。
泥がついたれんこんは、洗わずにそのまま保存するのが良いです。上述したように泥はれんこんを乾燥や日光から守ってくれるので鮮度を保つことができます。
れんこんは室温が25℃以下になる秋や冬であれば常温での保存が可能です。れんこんを常温保存する場合の保存期間の目安は2〜3日です。
れんこんを新聞紙で包みザルなどに入れ、風通しのよい冷暗所で立てて保存します。横にした状態で保存すると、ストレスがかかってしまい鮮度が落ちやすくなってしまいます。畑で育った環境にできるだけ近づけてあげることで、鮮度を保って保存することができます。
室温が高くなる季節や、カットしたれんこんは常温以外の方法で保存するようにしましょう。
れんこんを丸ごと冷蔵保存する場合、約1週間ほど日持ちします。
乾燥と低温障害の発生を防ぐためにれんこんを新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて口を軽く閉じ冷蔵室で立てて保存します。
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