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小松菜の旬は何月?栄養価が高くスーパーで安い時季はいつ?

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小松菜の旬は何月?栄養価が高くスーパーで安い時季はいつ?

一年中スーパーなどで販売されている小松菜ですが、より美味しく食べられる旬の時期をご存知でしょうか。本記事では小松菜の旬や品種、新鮮な小松菜の特徴などを解説します。

小松菜の旬はいつ?

小松菜の旬は冬

小松菜は夏まき用とそれ以外の品種があるため通年市場に出回っていますが、元々は秋に種を撒き冬から初春にかけて収穫される冬野菜です。霜に当たると甘味が増すため、小松菜の旬は冬と言われています。

一般的に言われる「旬」とは、野菜や果実が全国的に露地栽培でよく収穫され、味が美味しい時期を指します。露地栽培とは、ハウスなどの施設を使わず屋外の畑で栽培する方法のことです。

旬の小松菜の特徴

小松菜は寒さに強い野菜で、冬に旬を迎える小松菜は糖分を蓄えているため甘みが増しています。さらに葉も柔らかくなっていて、おひたしやすまし汁にするのに適しています。

また、野菜は一般的に旬の方が栄養価が高いとされます。旬の時期にはハウス栽培ではなく露地栽培がされ太陽が多く当たることで、特にβ-カロテンやビタミンCの含有量が多くなるためです。

小松菜の生産地と収穫量

小松菜の原産地は日本です。小松菜はカブの一種である茎立菜(クキタチナ)を先祖とし、現在の東京都江戸川区で誕生しました。

現在日本の主な生産地は茨城県や埼玉県、福岡県、東京都、神奈川県などで、令和3年度の全国の収穫量は119,300トンでした。

産地別の収穫量は下記の通りです。

  • 埼玉県(14,300トン)

  • 福岡県(10,400トン)

  • 東京(8,360トン)

  • 神奈川県(6,710トン)

出典:令和3年産指定野菜(秋冬野菜等)及び指定野菜に 準ずる野菜の作付面積、収穫量及び出荷量(農林水産省)

小松菜の品種

小松菜は店頭に並ぶ際に品種名が明記されないことも多いですが、様々な品種があります。近年では耐寒性と耐暑性を併せ持ち、通年栽培することができる交雑種が増えてきており、小松菜とキャベツを掛け合わせた「千宝菜(せんぽうさい)」や、小松菜とチンゲン菜を掛け合わせた「友好菜」や「べんり菜」なども販売されています。

楽天小松菜

楽天小松菜は周年の栽培・収穫が可能で、市場に出回ることが多い品種です。育てやすいため家庭菜園にも人気があります。特に低温期によく生長する品種で、一般的に旬は冬と言われています。

楽天小松菜の葉は鮮緑色の長丸葉で、葉柄は太めで柔軟性があり、食味が良いです。

浜美2号

浜美2号も周年の栽培・収穫が可能な品種で、暖かい時期であれば種を撒いてから1ヶ月ほどで収穫できるので、比較的育てやすく人気があります。旬の時期は5〜12月頃と言われています。

浜美2号は一般的な小松菜よりも小さく、短い楕円形をしているのが特徴です。茎は太いですが楽天小松菜などと比較して筋が少なく、口の中に残りにくいため食べやすいです。

よかった菜

よかった菜は3月〜6月と10〜12月の2回収穫時期を迎える品種で、1年の半分以上の期間は市場に出回っています。冬でも茎の伸びが良いのが特徴で旬の時期はやはり冬です。

よかった菜の葉は濃い緑色をしていて葉と茎に光沢があるのが特徴です。葉は肉厚で、炒めものなどの加熱料理に適しています。茎も葉と同じようにしっかりとしていてしおれにくいため、収穫してから店頭に並ぶまで鮮度を保ちやすいという点でも人気がある品種です。

サラダ小松菜

サラダ小松菜はシュウ酸と呼ばれる苦味を感じさせる成分の含有量が少なくなるように品種改良された品種です。苦味やエグみを感じにくいので、その名の通りサラダにして食べるなど生食するのに適しています。

苦味が少ないだけではなく葉が柔らかく、一般的な小松菜と比較して茎もやや細めで、食べやすいのが特徴です。「サラダ小松菜」と名がついていますが、一般的な小松菜と同じようにお浸しや炒め物にして食べることももちろんできます。

ちぢみ小松菜

ちぢみ小松菜は、 小松菜とちぢみ菜を交配した冬のみ販売される小松菜です。あえて霜が立つ土の中で成長させることで甘みを凝縮させています。旬の時期はもちろん冬です。

一般的な小松菜よりも葉が厚く、その名の通り表面が縮んでいるのが大きな特徴です。茎は太さがあり、みずみずしくシャキシャキとした食感を楽しむことができます。ちぢみ小松菜は栄養価が高いことでも知られており、カルシウムはほうれん草の約5倍含まれると言われています。その他にもビタミンやミネラル類が豊富に含まれています。

美味しい小松菜の選び方

緑色が濃く、葉に厚みがある

小松菜の葉はしっかりとした緑色をしていて、厚みがあるものは新鮮な小松菜です。

小松菜は収穫後の損耗が激しい野菜で、ほうれん草よりも傷みが早く、すぐに葉が黄色くなってしまいます。黄色く変色しているものは収穫から時間が経ち鮮度が落ちていることが考えられますので、選ばないようにしましょう。さらに鮮度が落ちて傷み始めるとどんどん茶色く変色していきます。

また、小松菜の葉はほうれん草と比較して厚みがあるのが特徴です。葉が薄いものは生育不良の可能性があるのでしっかりと厚みがあるものを選ぶと良いです。

葉脈がきれいに整っている

小松菜の葉は、厚みだけではなく葉脈にも注目しましょう。実は葉脈は根と同じ形をしており、葉脈を確認することで土に張る根の状態がわかります。

葉脈がきれいに整っているものはしっかりと根を張っていたことを表していて、根から養分や水分をうまく取り入れることができていたサインです。しっかりと養分や水分を吸い取って生長した小松菜は栄養価も高く美味しいので、葉脈が綺麗に整っているものを選ぶと良いです。

全体的にみずみずしい

小松菜は乾燥に弱い野菜で、乾燥してしまうと傷んでしまいます。そのため、小松菜を選ぶときは全体的にみずみずしさがあるものを選ぶようにしましょう。

葉がしおれていて張りがない小松菜は、乾燥している状態です。腐敗のサインが見られなければ食べることができますが、食感も損なわれている状態ですので、生食をするときには水分が飛んでいないみずみずしいものを選ぶと良いです。

茎が短く太くピンとしている

小松菜は葉だけではなく、茎も食べることができるので選ぶ際は、葉だけではなく茎の状態をチェックすることも大切です。

茎も葉と同様に張りがあってみずみずしいものが新鮮な小松菜のサインです。また、しっかりとした太さがあるものは栄養が十分に行き届ききちんと育っています。新鮮な小松菜の茎はシャキシャキとした食感を楽しむことができるので生食におすすめです。

茎の長さは、短い方が良いです。長い方が可食部が多く得をしたような気分になりますが、育ちすぎて栄養価が下がっている可能性が高いですし、シュウ酸の含有量が増えて苦味やエグみを強く感じることがあるので避けましょう。

根元の株が大きく張り出して、太いもの

根本の株が大きく張り出していてしっかりとした太さがあるものは、しっかりと育って収穫された証拠です。こすれたり、つぶれたりしていないかもしっかりとチェックしましょう。

小松菜に豊富に含まれる栄養素

小松菜100gに含まれる主な栄養素

小松菜はたんぱく質・炭水化物・脂質の三大栄養素の他に、β-カロテン、ビタミンCに加えて、ミネラルも豊富に含む栄養価の高い野菜です。特にカルシウムに富み、鉄も多く含まれているのが特徴です。カルシウムが不足することで起こる骨粗しょう症や、鉄が不足することで起こる貧血を予防するのに効果があると言われています。

β-カロテン(ビタミンA)

β-カロテンは、皮膚や喉などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあり、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぐ事で免疫力をアップし病気にかかりにくくなります。また抗酸化作用もあるので、アンチエイジング作用があります。亜鉛が補酵素に入ると、β-カロテンがレチナールへ、さらにレチナールにナイアシンが結合することで体内に作用します。ビタミンAとしての働きを促すにはミネラルの亜鉛、ビタミンB群のナイアシンも必要になります。

変換されたビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。視力を正常に保つ役目もあり、夜盲症の予防や視力低下の抑制があります。また皮膚の健康維持に関与していることから、美肌効果もあります。皮膚の新陳代謝が高まることで、乾燥肌やニキビ肌の改善が考えられます。

ビタミンC

ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。

その他、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせない栄養素です。

鉄分はミネラル成分の一つです。体に必要な栄養素で、成人のからだには約3〜5gの鉄が存在しています。

鉄は大きく分けて2種類あります。一つは機能鉄といって赤血球のヘモグロビンの材料となり、酸素を運びます。

もう一つは貯蔵鉄といって肝臓や骨髄、筋肉などに蓄えられており、機能鉄が不足すると体内に放出されます。また、酵素の構成成分で、エネルギー代謝を助ける働きがあります。

カリウム

小松菜はカルシウムが注目されがちですが、カリウムの含有量も特筆ものです。

カリウムはミネラルの一種です。

カリウムはナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。

その他、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。

カルシウム

小松菜のカルシウム含有量は、なんとほうれん草の3〜4倍以上で、野菜の中で飛び抜けて多いです。ほうれん草のカルシウムはシュウ酸と結合して体内で吸収されにくいですが、小松菜のカルシウムは水溶性なので吸収されやすい特徴があります。

体内の99%のカルシウムは貯蔵カルシウムとして骨や歯の材料となります。骨の代謝に関わり骨の健康を保っています。

残りの1%は機能カルシウムとして、血液や筋肉、細胞内などに存在し、大切な情報の伝達を行っています。それによって筋肉のなめらかな動きをサポートしたり、精神を安定させたりします。

カルシウムが不足すると、骨が弱くなったりこむら返りを起こすことがあります。特に野菜などのカルシウムは吸収率が低いため、ビタミンKなどカルシウムの吸収を助ける栄養素と一緒に摂取するといいでしょう。

小松菜の保存方法

常温保存はNG

小松菜の保存最適温度は0度、湿度は90〜95%と言われています。そのため、常温保存は適していません。

小松菜は収穫後の損耗が激しい野菜で、ほうれん草よりも傷みが早く、すぐに葉が黄色くなってしまいます。乾燥にも弱く、葉先からどんどん水分が蒸発して2〜3日でしなびてしまいます。また、小松菜を20度の環境で4日間常温保存した場合、葉身(ようしん、葉の主要部分)の1/3が消失してしまうとも言われています。常温保存することでビタミンCなどの栄養素も減ってしまいますので、すぐに食べる場合でも常温保存は避けるべきです。

冷蔵保存

小松菜を購入した後、すぐに食べる場合は冷蔵保存がおすすめです。冷蔵した小松菜は1週間ほど日持ちします。

立てて野菜室

小松菜をキッチンペーパーに包みポリ袋に入れ立てて冷蔵保存

根元を少し切って、水に4〜5分つけて吸収させ水揚げした小松菜の水けをキッチンペーパーなどでしっかりと拭き取り、湿らせたキッチンペーパーで包んで根元を下にしてポリ袋に入れます。ポリ袋の口を軽く閉じ、グラスやペットボトル(口部分をカットしたもの)などに入れて立てて野菜室へ。冷蔵庫のドアポケットに立てるのもおすすめです。横にした状態で保存すると、ストレスがかかり鮮度が落ちやすくなります。また、茎や葉の重さにより傷みやすくなってしまいます。

水につけたままの状態で冷蔵保存をすると、水溶性成分が流れ出てしまうのでNGです。

冷凍保存

小松菜をより長く保存したいなら、冷凍保存がおすすめです。冷凍した小松菜は約1ヶ月ほど日持ちします。生のまま冷凍してもOKですし、茹でたり味をつけてから冷凍保存する方法もおすすめです。

茹でてから冷凍が基本

小松菜を茹でてジッパー付きポリ袋に入れて冷凍保存

小松菜は茹でてから冷凍するのが基本です。茹でてから冷凍すると、小松菜のシャキっとした食感が残りやすいです。

水揚げした小松菜をさっと塩ゆで(水1リットルに対して塩小さじ1が目安)し、冷水にさらします。水けを手でしっかり絞り、食べやすい大きさにカット。小分けにラップし冷凍用保存袋にまとめて入れます。金属トレイにのせることで急速冷凍ができます。

汁物などに使用する場合は、凍ったままの状態で調理してOKです。おひたしに使う場合は、前日に冷蔵庫に移して自然解凍し、水けを絞って使いましょう。解凍時にお湯や水に浸けて解凍してしまうと、水溶性の栄養素が流れてしまうのでおすすめしません。

生のまま冷凍も可

小松菜を生のままジッパー付きポリ袋に入れて冷凍保存

小松菜は生のまま冷凍することもできます。ほうれん草とは異なりアクが少ないため、茹でずに食べることも可能です。冷凍することで細胞壁が壊れて食感が柔らかくなります。

水揚げした小松菜の水けをキッチンペーパーなどでしっかりと拭き取り、食べやすい大きさにカットします。冷凍用保存袋に平らになるように入れ、空気を抜いて密封し冷凍庫へ。

アク抜きの必要はないので、凍ったまま調理に使用するか、冷蔵庫で自然解凍してから使用しましょう。

調理してからも便利

小松菜を調理してから冷凍保存

調理をして味をつけてから冷凍すると、解凍後の調理時間が短く済みます。

水揚げした小松菜をさっと塩ゆでし、水けを取って食べやすい大きさにカットします。オリーブオイル大さじ1をフライパンに入れ加熱し、小松菜を加えて炒めます。塩こしょうで味をつけたら粗熱を取り、小分けにラップに包んで冷凍用保存袋に入れます。

調理してから冷凍した小松菜も、凍ったまま調理に使用するか、冷蔵庫で自然解凍してから使用しましょう。

そのほかにも、天日干しして水分を飛ばして乾燥保存したり、醤油や味噌につけて漬け保存することもできます。小松菜の詳しい保存方法についてはこちらの記事で紹介していますのでぜひ参考にしてください。