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ほうれん草をフライパンで茹でるメリットとは?正しい茹で方も解説

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ほうれん草をフライパンで茹でるメリットとは?正しい茹で方も解説

ほうれん草はフライパンを使って茹でることができることをご存知でしょうか。本記事ではほうれん草をフライパンで茹でるメリットやフライパンでほうれん草を茹でる方法などを解説します。

フライパンでほうれん草を茹でるメリット

節水

フライパンでほうれん草を茹でると、鍋でほうれん草を茹でるのと比較すると少量の水で茹でることができるので節水になります。少量の水で済む上に、フライパンの形状上吹きこぼれにくいというメリットもあります。

これはほうれん草を茹でるときだけではなくパスタを茹でるときなどにも当てはまることです。茹でる=鍋と思われがちですが、フライパンは炒めるだけではなく茹でるときに使うこともできるので覚えておくと良いでしょう。

時短

上述したようにフライパンは少々の水で茹でることができるため、沸騰するまでの時間も早く鍋を使うよりも時短になります。また、沸騰するまでの時間が短いためガス代の節約にもなります。

丸ごと茹でやすい

フライパンには様々な大きさのものがありますが、一般的に家庭で使われていることが多いサイズは22cm〜26cmと言われています。鍋の場合は小さいとほうれん草をカットしないと茹でられないことがありますが、フライパンであれば比較的丸ごと茹でやすいというメリットもあります。

ほうれん草はカットしてから茹でることもできますが、カットしてから茹でると切り口からビタミンCなどの水溶性の栄養素が流出してしまいやすいです。丸ごと茹でることで栄養素の流出を最小限に抑えることができます。

ほうれん草を茹でる理由

アクを抜く

ほうれん草を茹でる一番の理由は、やはりシュウ酸を取り除くことです。シュウ酸は栄養素というよりも老廃物で、えぐみや苦味を感じさせ料理の味を損ねるいわゆるアク(灰汁)となる成分です。たけのこや里芋などにも含まれていることで知られています。

シュウ酸のデメリットは苦味やエグミを感じさせて料理の味を損ねるだけではありません。シュウ酸は大量に摂取することで結石を作る原因になるといわれています。

シュウ酸は水溶性なので茹でたり水にさらすことで、取り除くことができます。

ちなみにシュウ酸は単に加熱をするだけでは取り除くことはできません。そのためレンジで茹でる場合は加熱をした後、水にさらしてアク抜きをする必要があります。炒めものにする場合も、茹でたり水にさらしてアク抜きをしてから使った方が良いです。

口あたりをよくする

ほうれん草を茹でることで、シュウ酸を取り除くことは口あたりをよくすることにも繋がります。

ほうれん草のシュウ酸を取り除かずに食べると、シュウ酸が歯のカルシウムと結合し歯が微妙にキシむような感触になって後味が悪くなってしまいます。

色鮮やかにする

ほうれん草を茹でてから冷水にさらすと、鮮やかな緑色になり見た目が良くなります。

ちなみに、ほうれん草の緑色の素はクロロフィルと呼ばれる成分によるものです。クロロフィル酸に触れると分解されて緑色でなくなってしまう性質があります。例えばおひたしにするときに使う醤油のほか、味噌や酒などは酸性のものが多いため、ほうれん草が色あせて黄褐色になってしまうことがあります。そのため、おひたしにする場合などは、食べる直前に調味料と和えるようにすると変色を防ぐことができます。

フライパンでほうれん草を茹でる方法

ほうれん草を綺麗に洗う

流水で洗っているほうれん草

まずは、ほうれん草を綺麗に洗います。

ほうれん草を洗うときは根に十字の切り込みを入れます。ほうれん草は根の部分に最も砂や土がついています。そのため、根に十字の切り込みを入れて洗うことで根についている汚れを綺麗に落とすことができます。また、根は葉と比べて火が通りにくいですが、切り込みを入れておくことで火の通りが早くなるメリットもあります。

ひげ根がついている場合は、切り落としておきましょう。

次にお湯を沸かし塩を加える

沸騰した湯に塩を加える

ほうれん草を綺麗に洗ったら、フライパンに深さ2〜3cmほどの水を入れて沸騰させます。沸騰したら、塩を小さじ1加えます。

塩を入れる理由は、変色を防ぐためです。ほうれん草の鮮やかな緑色は「クロロフィル」と呼ばれる色素によるものです。クロロフィルは熱に弱い成分であるため、茹でることで変色してしまうことがありますが、塩を加えることで色素が安定するため変色を防ぐことができます。

フライパンにほうれん草を入れる

ほうれん草をフライパンで茹でる

沸騰したお湯に塩を加えたら、ほうれん草がお湯につかるように広げて入れて蓋をします。フライパンが小さく葉先が出てしまうようであれば、葉先を曲げても大丈夫です。

蓋をして30秒程したら、トングや菜箸を使って裏返して蓋をし再び30秒程茹でます。

冷水にさらす

ほうれん草を冷水にさらす

ほうれん草を茹でたら、ザルなどにあげてお湯を捨てましょう。お湯を捨てたらボウルに入れた冷水にさらします。冷水にさらすことでさらにしっかりとシュウ酸を落とすことができますし、変色を防ぎきれいな色を保つことができます。

冷水にさらしすぎてしまうとビタミンCなどの水溶性の栄養素も一緒に流出してしまうので、長時間さらしすぎないように注意してください。

水けを絞る

ほうれん草の水けを絞る

冷水にさらしたら、ほうれん草の根本を上にしても持ち、上から下へ握る位置をずらしながら水気を絞ります。水気を絞らないと料理が水っぽくなってしまいます。

食べやすい大きさ(4cm〜5cm)に切ってからさらに水気を絞ると、調味料が馴染みやすくなります。

フライパンでほうれん草を低温蒸し(70℃蒸し)する方法

ほうれん草は環境のストレスを受けると、自分の身を守ろうと栄養や糖を蓄えようという働きがあります。そのため低温でじっくり熱を加えることはほうれん草にとって適度なストレスとなり、ビタミンCが2倍にアップすると言われています。この低温蒸しの方法はそれぞれ適した温度は変わりますが、他の野菜でも効果があります。

ここからはフライパンを使ってほうれん草を低温蒸しする方法を紹介します。

ほうれん草をよく洗う

ほうれん草を流水で洗う

まず、フライパンを使って茹でるのと同様によく洗って泥汚れなどを綺麗に落とします。

洗ったほうれん草はザルに入れて、置いておきます。

フライパンに水を入れて沸騰させる

湯を沸騰させ網をのせる

ほうれん草を洗ったら、フライパンに水を5cm程いれ、沸騰させます。水は多めに入れておいた方が水温が安定しやすいので多めに入れましょう。

沸騰したら火は止めるか弱火にしてフライパンの上に網を置き、温度計をセットします。

ほうれん草を網の上に置いてボウルをかぶせる

ざるの上にのせたほうれん草

お湯の温度が適温(70℃)になったら、ほうれん草を入れたザルを網の上に置き(網の上に直接置いてもOK)、さらにザルが覆われるようにボウルもしくは鍋をかぶせます。

ごく弱火で蒸す

フライパンで蒸しているほうれん草

ほうれん草を網の上に乗せてボウルをかぶせたら、ごく弱火で蒸していきます。

60℃〜70℃になったら一旦火を止め、10度位下がったら再び着火します。蒸し時間はおよそ10分〜15分ほどです。

茹でたほうれん草の保存方法

茹でたほうれん草を冷凍

茹でたほうれん草は、小分けにしラップで包み、冷凍用保存袋にまとめて入れ冷凍保存がおすすめです。

茹でてから冷凍したほうれん草は、料理に応じて凍ったまま使ったり、自然解凍して使用します。スープや味噌汁などの汁物、炒め物などには凍ったままの状態で入れてOKです。おひたしを作る場合は、前日に冷凍庫に移して自然解凍してから使用しましょう。急いで使用する際は流水解凍を行いましょう。