里芋は蒸して食べるとおいしいですよね。蒸してから煮っころがしなどを作ると味が染み込みやすくなるというメリットもあります。本記事では里芋の蒸し方について詳しく解説します。
里芋は皮を剥かずにまるごと蒸しても良いですし、皮を剥いて蒸しても良いです。
里芋の皮付近にはぬめり成分である「ガラクタン」などが含まれています。ガラクタンには免疫力向上作用が期待でき、皮ごと食べた方が栄養価は高くなります。皮を剥かずに丸ごと蒸しても、蒸した後に簡単に剥くことができます。
一方、皮を剥いてから蒸すと火の通りが早くなります。
包丁に慣れていなくて皮を剥くのが苦手な場合や栄養価を高めたい方は、皮ごと蒸して時短をしたい方は皮を剥いてから蒸すと良いでしょう。
里芋にはシュウ酸やホモゲンチジン酸などのアク(灰汁)となる成分が含まれています。アクとは、一般的に苦味やえぐみ、渋みなど味を損ねる成分の総称です。シュウ酸は栄養素というよりも老廃物で、ほうれん草やたけのこなどにも含まれています。苦味やえぐみを感じさせるだけではなく、結石を作る原因となったりカルシウムの吸収を阻害すると言われています。
そのため、里芋を調理する際には下処理としてアク抜きをすることが推奨されています。シュウ酸やホモゲンチジン酸は水溶性の成分であるため茹でこぼしたり水に浸すことである程度取り除くことができます。蒸す前に茹でこぼしをしてしまうと食感が損なわれやすいので、蒸す場合は水に浸す方法がおすすめです。単に加熱するだけではシュウ酸を取り除くことはできません。
里芋のぬめりに関しては取り除かなくても大丈夫です。アクとぬめりは別ものです。ぬめり自体は体に害のある成分ではないのですが、茹でるときに吹きこぼれる原因となったり煮汁を濁らせる原因となるため、茹でたり煮るときは予めぬめりをとった方が良いです。
蒸す場合はぬめりによってお湯が吹きこぼれるなどの心配がないため、ぬめりを取らずに蒸しても問題ありません。
蒸し時間の目安は里芋の大きさや、皮を剥かずに丸ごと蒸すか、皮を剥いて蒸すかによって異なります。
里芋を皮を剥かずに丸ごと蒸す場合の目安は15分程です。大きい場合は30分程かかることもあります。里芋に竹串などを刺してスッと通ればOKなので、様子を見ながら蒸し時間を調節してください。
里芋の皮を剥いて蒸す場合の目安は10分程で、大きい場合は20分ほどかかることがあります。小さめにカットすることで早く火が通るので、時短したい方は皮を剥いて小さめにカットすると良いでしょう。
里芋を蒸してから煮る料理もあります。例えば煮っころがしを作るときは、里芋を蒸して余分な水分を飛ばしてから調理をすると、味をしっかりと染み込ませることができます。
ちなみに、里芋の頭を切って皮ごと蒸したり茹でたりする「きぬかずき」と呼ばれる料理もあります。里芋の茶色い皮と間から見える白い実が衣を着た女性の姿に似ていることから、「きぬかずき(衣被)」と呼ばれるようになりました。頭を切って蒸すことで皮がつるっと剥けるようになっており、食べるときには皮を剥いて食べます。塩やごま塩、味噌ダレをつけて食べると美味しいです。
蒸し器(せいろ)で蒸す方法を解説します。
まず、里芋の表面をよく洗います。里芋には泥汚れがついていることが多いです。皮を剥いてから蒸す場合であっても泥汚れをしっかり落としておかないと土臭くなってしまうことがあるので、どちらの場合も蒸す前に洗って汚れを落としておきましょう。
泥汚れを落としたら、水を張った蒸し器に並べて蓋をして強火で加熱します。里芋をぎゅうぎゅうにひきつめてしまうと火の通りが悪くなったりムラが出来てしまうので、ある程度間隔をあけるように並べます。
火にかけて蒸気が出てきたら、上述したように皮付きの場合は15分〜30分、皮を剥いた場合は10〜20分を目安に竹串などがスッと通るようになるまで蒸します。
蒸し器がない場合は、鍋やフライパンを使って蒸すこともできます。
鍋やフライパンを使う場合は、水を入れた上に蒸し板を乗せその上に里芋を置いて蓋をすれば蒸し器と同じように蒸すことができます。蒸し板もない場合は、平皿の上でも大丈夫です。とにかくフライパンや鍋に入れた水に里芋がつかないようにしましょう。
鍋やフライパンを使う場合も丸ごとの場合は15分〜30分、皮を剥いた場合は10分〜20分を目安に柔らかくなるまで蒸してください。
圧力鍋を使って里芋を蒸すこともできます。圧力鍋は、圧力をかけることにより一気に加熱をするため、通常の鍋で加熱するよりも短時間で蒸し上げることができるというメリットがあります。
圧力鍋を使う場合は、加圧することで一気に加熱するので水分が飛んでパサパサになりやすいので皮を剥かずに蒸すのが良いです。
圧力鍋を使う場合は、圧力鍋に2cm程水を入れ蒸しすのこをひき、その上に洗った里芋を並べていきます。付属の蒸し器があればそれでもOKです。
里芋を入れたら、蓋をして火をつけて加圧していきます。加圧ピンが上ったら、火を止めて自然に圧が下がるまで置いておき、圧が下がったら蓋をあけます。圧力鍋を使えば小さいものでは3分程で蒸すことができます。
里芋はレンジを使って蒸すこともできます。レンジを使う場合は、皮を剥かずに丸ごと蒸すと加熱ムラができてしまいやすいので、皮を剥いてカットしてから蒸すのが良いです。
レンジを使う場合は里芋を洗い皮を剥きカットしたら、耐熱皿の上にのせてふんわりとラップをかけ、レンジに入れて加熱します。里芋の大きさやレンジのワット数にもよりますが、目安は100g程度の里芋の場合600Wで2分ほどです。様子を見ながら柔らかくなるまで加熱してください。
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