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土臭い里芋は食べても大丈夫?下処理は?冷凍で臭みが消える?

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土臭い里芋は食べても大丈夫?下処理は?冷凍で臭みが消える?

里芋は元々土臭さを感じやすい野菜です。本記事では里芋が土臭い原因や里芋の土臭さを取る下ごしらえの方法などを詳しく解説します。

里芋が土臭い原因は?

里芋が泥臭いのは新鮮な証拠?

普段私達が食べている部分は、里芋の「塊茎」(茎の地下部)です。土の中で成長したものを掘り出して出荷しています。また、里芋は乾燥に弱いため、乾燥させないためにあえて洗わずに土がついた状態で出荷されたり、土がついたまま保管されることもあり、土臭さや泥臭さを感じやすいです。

カビにも土臭さや泥臭さを感じさせる種類があるので、土臭さや泥臭さのある里芋=新鮮な証拠というわけではありませんが、土がついたままで販売されたり保存されている里芋の土臭さや泥臭さは鮮度が保てている状態であると言えます。

カビが生えている場合は注意が必要ですが、単に泥臭いだけの場合は食べることができます。

里芋料理が泥臭いのは下処理ができてない

単に土臭いだけの里芋は腐敗しているわけではないので食べることができますが、調理をしても土臭さが残ることがあります。里芋料理が泥臭くなってしまう理由としては、下処理がしっかりとできていないことが考えられます。

里芋の泥臭さは下処理をしっかりと行うことである程度軽減することができるので、里芋料理が泥臭くなってしまうことを避けたい方はしっかりと下処理を行うようにしましょう。

里芋の土臭さを取る下ごしらえ

泥汚れを落とす

里芋の泥汚れを落とす

まず、里芋を流水で洗い表面についている泥をしっかりと落とします。皮を剥いた里芋に泥や土がつくと落ちにくく、料理が土臭くなってしまうので皮を剥く前にしっかりと落としておくことが大切です。

泥がこびりついてしまっている場合は、水に浸けてふやかしてから洗うと落としやすくなります。

皮を厚めに剥く

里芋の皮を厚めに剥く

里芋の表面についている泥汚れを落としたら、皮を厚めに剥きます。表面に黒カビや白カビが生えている場合は、しっかりとここで取り除くようにしましょう。

皮を厚めに剥いておくことで火も通りやすくなりますし、味も染み込みやすくなるので泥臭さが気になりにくくなります。

塩でもむ

里芋を塩で揉む

里芋の表面の泥汚れを落として皮を厚めに剥いたら、塩でもんで里芋のぬめりをとっていきます。ぬめりをしっかりとっておいた方が里芋の泥臭い独特の風味が軽減されます。

ぬめりを取るために効果的な方法は、塩でもみ洗いすることです。皮を剥いた里芋に塩を適量ふり手で揉み込みます。水で洗い流せばぬめりが取れます。ぬめりが取れることで中まで熱が通りやすくなりますし、味が染み込みやすくなります。またふきこぼれを防ぐこともできます。

里芋の独特のぬめりは「ガラクタン」などの成分によるものです。ガラクタンには免疫力向上作用が期待できます。煮物を作るときなど、あえてぬめりをとらずにとろとろに仕上げることもできますが、泥臭さを軽減したい場合はぬめりはとっておいた方が良いです。

下茹でする

里芋を下茹でする

ぬめりをとったら下茹でをします。里芋はえぐみや苦味の原因であるシュウ酸が含まれるので、そもそも下茹でをした方がよい野菜です。

下茹でをするときは、鍋に里芋を入れたら里芋がかぶるくらいの水を入れて中火で熱し、沸騰したら5〜6分茹でます。竹串などがスッと刺せるぐらいまで柔らかくなったら下茹で完了です。里芋の大きさによっても茹で時間は変わってくるので、大きさに合わせて調節してください。

冷凍すると泥臭さがとれる???

里芋は、冷凍すれば泥臭さがなくなるということはありません。

白菜や大根の場合は冷凍することで細胞が壊れて匂い成分が出て、解凍したときに水分と一緒に出てきてしまうので冷凍をすると匂いがきつくなるということがありますが、里芋の場合は里芋自体に匂いを出す成分は含まれていないので、冷凍すると反対に匂いがきつくなるということもありません。ただ、冷凍特有の匂いがすることはあります。

土臭い以外で注意すべき匂い

カビ臭い

里芋からカビの臭いを感じる場合は、カビが生えている可能性があります。

里芋には白カビや黒カビが生えることがあります。表面に白いふわふわとしたホコリのようなものがつくのが白カビ、黒く変色するのが黒カビです。白カビや黒カビなどのカビの胞子は目に見えないほど小さいので、カビが生えていないように見えてもカビの胞子が入り込んでいてカビの匂いがすることがあります。

里芋がカビ臭い場合は、表面などにカビが生えていないか確認しましょう。

一度カビの生えた食品は、カビを除いてもカビの菌などが内部に入り込んでいる可能性があるため基本的には破棄する必要がありますが、里芋のように固い野菜は密度が高いため表面にカビが生えただけで中身に異常が見られなければ、皮を厚めに剥きしっかりと取り除けば食べることができます。

しかし、里芋は皮が茶色く中が白い野菜ですので、表面に黒カビが生えていても発見しずらかったり、中に白カビが生えていても発見できないこともあります。カビの胞子は目に見えないほど小さいため、カビが生えていない部分にもすでに移ってしまっている可能性もあります。カビは、カビ毒を発生させ、中毒症状を起こすこともありますので、心配な方や小さなお子様、高齢者の方などは食べるのを避けた方が良いでしょう。

表面にカビが生えているだけではなく、中身までカビが侵食してしまっている場合は食べることはできませんので破棄してください。

酸っぱい臭い

酸っぱい臭いがしてしまっている場合は、腐敗している可能性が高いので破棄するのが無難です。

里芋に限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がしたりします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」と呼ばれます。

酸っぱい臭いがする場合は、微生物が増殖していて里芋本来の味や香りが損なわれている状態です。美味しく食べるのは難しいですし、微生物の中には吐き気や腹痛などの症状を起こす種類もいます。そのため、酸っぱい臭いがする里芋は食べない方が安全です。

腐ってる里芋の特徴

全体的に変色している

カットしたときに全体的に黒色や茶色など通常の色ではない色に変色してしまっている場合は、腐敗している可能性が高いです。

里芋は生理障害などが原因で茶色など様々な色に変色してしまうこともあり、必ずしも変色=腐敗というわけではありませんが、全体的に変色してしまっている場合はアクが強かったりなど味も食感も悪くなってしまっていることが多いので、美味しく食べるのは難しいです。

ぶよぶよになっている

生の状態の里芋は、生の状態のじゃがいもが固いのと同じように固いです。触ってみてすぐにヘコんでしまうなどぶよぶよとした感触がある場合は、中が腐敗してしまっている可能性が高いです。

表面には何の異変も見られなくても触ってみると妙に柔らかかったりすることがあるので、見た目だけではなく触って確認することも大切です。

溶け出している

里芋が溶け出して水っぽくべちゃべちゃしている場合は、かなり腐敗が進んでいる状態です。

里芋に限らず食材の多くは腐敗が進むと柔らかくなり、次第に溶け出していきます。溶け出すぐらいまで腐敗が進んでいると、異臭がしていることも多いです。

里芋の正しい保存方法

土がついた状態の里芋を購入した場合は、そのまま保存すると土臭くなってしまう気がしてしまいますが、土が付着していることで乾燥を防げるので鮮度を保つことができます。あえて土汚れは落とさずに、調理をする際にしっかりと泥汚れを落とすようにしましょう。

常温保存

里芋は常温での保存が可能です。直射日光が当たらない風通しのよい場所(玄関、廊下など)で保存しましょう。里芋を常温保存した場合は約1ヶ月ほど保存することができます。

新聞紙に包んで紙袋

里芋を新聞紙に包んで紙袋に入れて常温保存

泥がついた状態で(泥が洗い流されている場合はしっかり乾燥させてから)1個ずつ新聞紙で包みます。新聞紙がない場合はキッチンペーパーでもOKです。新聞紙やキッチンペーパーが里芋を乾燥から守り、かつ湿気を吸収する役割を果たしてくれます。

里芋を紙袋に入れ、口を軽く折って常温で保存します。紙袋の方が風通しがよく、湿度を吸収するため常温での保存には◎。ポリ袋などは風を通しにくいので、水分が溜まって傷みの原因になりかねませんので避けましょう。

大量購入ならダンボールで

里芋をダンボールに入れ新聞紙を被せて常温保存

旬の時期に里芋をまとめて購入した場合は、ダンボールに入れて常温保存します。ダンボールの底に新聞紙を敷き、その上に里芋を並べ、里芋の上から新聞紙を被せます。新聞紙で里芋を挟むことで乾燥を防ぎ、湿度を吸収することが期待できます。

ダンボールの蓋は完全に閉じる必要はありません。通気性が悪くなってしまいます。また、ダンボールの代わりに発泡スチロールに入れて保存するのもOKです。

土に埋めて保存も◎

里芋を常温で保存する際、土に埋めておくという方法もあります。土に埋めて保存する方が、より長く保存することができ、約2ヶ月ほど日持ちします。

30〜40cmほどの深さの穴を掘り、そこに里芋を入れ土を被せて保存します。土の中では温度や湿度が一定に保たれるので◎。プランターでも保存可能なので、ベランダなどでも保存が可能です。

冷蔵保存

気温が高い時期は冷蔵保存がおすすめです。泥付きの里芋は2〜3週間、泥が洗い流されている里芋は1週間ほど保存が可能です。

冷蔵温度が高めに設定されている野菜室での保存が◎。

皮付き丸ごと

里芋を1個ずつキッチンペーパーに包んでポリ袋に入れて冷蔵保存

冷蔵保存時は、低温障害を防ぐために里芋を1個ずつ新聞紙もしくはキッチンペーパーに包みます。ポリ袋に入れて口を軽く閉じ、野菜室で保存します。

泥が洗い流されている里芋を冷蔵保存する際は、水分が残っていることで里芋が傷みやすくなるため、天日干しなどをして表面をよく乾かしてから保存するようにしましょう。

新聞紙やキッチンペーパーが湿ったら取り替えるようにしましょう。

皮を剥いた里芋

里芋の皮を剥いて水にさらして冷蔵保存

料理で使いきれなかった里芋は、水に浸して冷蔵保存します。

皮を剥いた里芋を3〜5分ほど酢水につけ変色を防ぎます。密封保存容器に里芋を入れ、かぶるくらいの水を加えて蓋をして冷蔵保存します。

皮を剥いた里芋は傷みが早いので、2〜3日を目安に食べきるようにしましょう。

皮剥き茹でも保存可

里芋の皮を剥いて茹でて保存容器に入れ冷蔵保存

火を通した里芋も冷蔵保存することができます。予め茹でておくとすぐに調理に使えて便利です。

冷蔵保存する際は茹でた里芋を冷ましてから保存容器に入れ、蓋をして保存します。皮を剥いた里芋と同様に2〜3日以内に食べきるようにしましょう。

冷凍保存

里芋をより長く(冷蔵と比べて)したい場合は、冷凍保存がおすすめです。里芋を冷凍保存する場合の保存期間目安は約1ヶ月です。

生のまま冷凍(丸ごと・皮付き)

里芋を皮付きのまま丸ごと冷凍保存

一番手軽な冷凍保存の方法は、皮付きのまま丸ごと冷凍する方法です。泥を洗い流し、キッチンペーパーで水けをしっかりと拭き取ります。1個ずつ(小さい里芋は2〜3個ずつ)ラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。ラップで包むことで霜がつくのを防ぎ、また解凍時にそのまま電子レンジで加熱することが可能です。

丸ごと冷凍する際は、凍るまでに時間がかかってしまうので、冷蔵庫の急速冷凍機能を使ったり、金属トレイにのせて冷凍することをおすすめします。

実は里芋は皮ごと食べることができるのです!素揚げしたり、グリルやオーブンでじっくり焼いて食べると美味しいですよ。

丸ごと冷凍した里芋の解凍方法は主に2つです。ラップに包んだまま電子レンジで2分(600W)加熱します。皮を剥く場合は、ラップから取り出し水に2〜3分ほど浸け、皮が柔らかくなったら手で剥きます。流水にあてながらだと、簡単に皮を剥くことができます。

生のまま冷凍(丸ごと・皮なし)

里芋の皮を剥いてから丸ごと冷凍保存

冷凍する前に皮を剥いておけば、調理時の下ごしらえの時間が省けて◎。

皮を剥いた里芋を軽く塩もみしてぬめりを取ります。水洗いをしてキッチンペーパーで水けを拭き取り、冷凍用保存袋に入れて保存します。

冷凍室の急速冷凍機能を使う+金属トレイにのせて冷凍させることで、より短時間で冷凍できます。

皮を剥いて丸ごと冷凍した里芋は、凍ったまま調理に使用してOKです。

カットして

里芋をカットしてから冷凍保存

皮を剥いた里芋をカットしてから冷凍保存する方法もあります。料理に合わせてお好みの大きさにカットして保存します。

皮を剥いた里芋を軽く塩もみし水洗いをします。キッチンペーパーで水けを拭き取り、輪切りなど料理に合わせてカットし、冷凍用保存袋に並べて保存します。輪切り以外には乱切りや半月切り、六方むきなどがあります。

カットして冷凍したのを煮物などに使う場合は、解凍せず凍ったまま使用します。急ぎの場合は電子レンジを使って解凍してもOKです。

加熱して冷凍

下処理に時間は要しますが、調理時の時間が短縮されるので◎。煮たり、味付けをしてから冷凍する方法をご紹介します。

煮る

里芋をカットし茹でてから冷凍保存

里芋をかために茹でて(基本の茹で方は下記参照)粗熱を取り、冷めたら冷凍用保存袋に入れて密封し冷凍室へ。

しっかりと冷めたことを確認してから冷凍するようにしましょう。解凍方法は、煮物などに使う場合は解凍不要で凍ったまま使用します。電子レンジで解凍してもOKです。

また、茹でる以外には電子レンジを使って火を通す方法もあります。

里芋の茹で方【基本】

1.里芋を水でよく洗い土をしっかり落とす

2.里芋の皮を厚めに剥く

3.ボウルに里芋と塩(適量)を入れ揉み込み、ぬめりを取る

4.大きい里芋は一口大にカットする

5.沸騰した湯(お米のとぎ汁ならさらに◎)で竹串がさっと通るまで茹でる

6.火が通ったら水で洗い流してぬめりを取る

味付け

里芋の味付けをしてから冷凍保存

里芋10個(約500g)の皮を剥き、だし汁1カップとめんつゆ大さじ2で竹串が通るまで煮ます。煮終わったら粗熱を取り、冷めたら煮汁ごと冷凍用保存袋に入れて冷凍保存します。

味を付けて冷凍した里芋は、煮物や炒め物などに使用すると◎。凍ったまま使用してOKです。

マッシュ

里芋をマッシュして冷凍保存

里芋を潰してから冷凍する方法も。

茹でた里芋を熱いうちに潰し、冷めたら冷凍用保存袋に平らになるように入れ冷凍室で保存します。

マッシュした里芋は、コロッケやグラタンなどに使用できます。解凍方法は、前日に冷蔵庫に移して自然解凍するか、電子レンジで2〜3分(600W)で加熱して解凍します。

その他にも、里芋を天日干したりレンジやオーブンで加熱して水分を飛ばし、乾燥させて保存する方法もあります。乾燥させた里芋は約1ヶ月ほど保存することができます。