キャベツは蒸すと甘みが増し美味しく食べることができます。本記事ではキャベツの蒸し方について詳しく解説していきます。
キャベツは生の状態だとみずみずしくシャキシャキとした食感を楽しむことができますが、小さなお子様などキャベツの葉の固さが食べにくく感じたり、食感が苦手な方もいます。キャベツは蒸すと柔らかくなるため固くて食べにくいという方や食感が苦手な方も食べやすくなります。
野菜の細胞壁はセルロースからできた繊維が重なっており、その間をペクチンが塗り固めて固い壁を作っています。加熱をすることでペクチンが分解されるため野菜は柔らかくなります。
ペクチンが分解されると柔らかくなるだけではなく、味が染み込みやすくなるメリットもあります。
柔らかくする目的であれば「鍋を使って茹でれば良いのでは」と思う方も多いと思いますが、キャベツは鍋を使って茹でると、水溶性の栄養素が流出してしまうデメリットがあります。キャベツに含まれている栄養素は例えばビタミンCやビタミンU(キャベジン)、カリウムなどです。
蒸すのであれば鍋で茹でるのとは異なり水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えることができるので、栄養価を下げたくない方におすすめです。
生の状態だと沢山食べるのは難しいですが、蒸すことでカサが減るためたっぷり食べることができるのもメリットの一つです。
ただし、キャベツには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれており、食物繊維の摂り過ぎには注意が必要です。厚生労働省が発表してる日本人の食事摂取基準(2020年版)では、18〜64歳の食物繊維の1日あたりの目標量は男性が21g以上、女性が18g以上です。キャベツだと2玉以上分の食物繊維になります。
キャベツは蒸しても糖質量はかわりませんが、甘みが増します。
元々キャベツなどのアブラナ科の植物にはイソチオシアネートと呼ばれる辛味成分が含まれています。例えばだいこんやわさびのツンとした辛味もイソチオシアネートによるもので、辛味だけではなく苦味の元にもなります。キャベツは苦味が強くなることもありますが、苦味はイソチオシアネートが原因です。イソチオシアネートは人体に害がある成分ではないのですが、食べにくさを感じる原因になります。
キャベツを蒸すことで苦味を感じる場合も甘みが増すので食べやすくなります。
キャベツは、茎が伸びて実がなるトマトなどの野菜とは異なり、土に接した状態で成長します。そのため内側の葉は綺麗でも外側や根本付近には土で汚れていることがあり、土がついているということは土や堆肥(たいひ)に含まれる細菌がついている恐れがあります。食中毒といえば生肉や生魚などを食べることによって起こることが多いですが、実は土や堆肥にもボツリヌス菌などの食中毒の原因となる細菌がいる可能性があります。加熱をすることで死滅する菌もありますが、加熱をしても死滅しにくい菌もいるため、調理をする際にはしっかりと土汚れを落としておいたほうが良いです。
キャベツを丸ごと1つ購入し、洗う場合は外葉から一枚一枚剥がして洗います。
上部の頭のヒラヒラしたところから剥がしてしまいがちですが、下部にある芯の方に包丁で切れ目を入れて剥がすとちぎれることなく剥がすことができます。
丸ごとひとつ使い切る場合は芯を切り抜いて、芯をくり抜いたことでできる穴に水を流し入れて一気に洗う方法もありますが、すべて使いきらない場合は使う分だけ剥がして洗うのが基本です。
外葉も食べられる!
キャベツの外葉は汚れも気になりますし、固く苦味も強いため数枚剥がしてから食べる方も多いです。しかし、外葉は日光を最も浴びている部分であるため栄養素も多く含まれています。そのため、栄養面でいえば外葉を捨ててしまうのは勿体ないです。
きちんと洗えば問題なく食べることができますし、蒸せば柔らかくなり甘みも増すので外葉も食べやすくなります。
キャベツの葉を剥がしたら、一枚一枚流水で汚れを洗い流していきます。根元の部分には土汚れや泥汚れがついている場合は、指で優しくこすると綺麗に落とすことができます。
カットしてから洗うこともできますが、カットした状態だと断面から水溶性の栄養素が流出してしまうためカットせずに洗うのが栄養面的には良いです。ただし、1/2などカットされたキャベツを購入した場合は剥がそうとするとボロボロになってしまうことがあるので、料理や好みに合わせてカットしてからボウルに入れて水を変えながら流水で洗うのが良いでしょう。
キャベツの残留農薬が気になる方や、外葉の栄養も余すことなく摂取したいという方はホタテ貝やホッキ貝を原料に作られたパウダーを使って残留農薬を落とすのがおすすめです。特におすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。
ホッキ貝を高温で焼きパウダー状にしたものを水に溶かすことで、アルカリ水を作ることが出来ます。農薬の多くは酸性であるためアルカリ水につけることで農薬が中和されて落としやすくなります。
ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水に野菜を5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり油が浮いてきたりします。目にみえて残留農薬が落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。
キャベツを蒸す際は、キャベツ1枚のままでもOKですし、料理に合わせてカットして蒸してもOKです。例えば、ロールキャベツなどに使う際は1枚のまま、炒めものなどに使う際はざく切りなどにして蒸します。
栄養素的には1枚のまま蒸す方が、水溶性の栄養素の流出を防げるのでおすすめですが、カットキャベツの方が短時間で蒸しあがります。
一般的な蒸し器を使ったキャベツの蒸し方を紹介します。
まず、深めの鍋やフライパンに2cm〜5cm程水を入れて、加熱しお湯を沸かします。蒸気でキャベツに火を通していくので、水を沢山入れる必要はありません。キャベツが完全に水につかってしまうと茹でるのと変わらなくなってしまうので注意してください。
お湯が沸いて蒸気が出てきたら、キャベツを乗せた蒸し器を鍋に乗せます。蒸し器を入れたら、蓋をして蒸していきます。
蒸し器を入れたら蓋をして蒸していきます。蒸し時間はキャベツの切り方や量にもよりますが、5〜10分程度です。蒸したら火を消してそのまま5分程余熱で更に蒸らし、キャベツがしんなりしていたら完了です。
キャベツは蒸し器は蒸気を使って加熱するため、しっかりと柔らかく仕上げることができます。また、甘みや旨味成分も逃げ出さないのでキャベツ本来の味を楽しめます。
キャベツはフライパンを使って蒸すこともできます。
キャベツをフライパンで蒸すときは、フライパンにキャベツを入れたら水を大さじ2程度入れて蓋をします。
フライパンで蒸す場合も水を入れすぎると茹でるのと変わらなくなってしまうため、水の量には注意しましょう。加熱している途中に水分が蒸発してしまって焦げ付いてしまいそうな場合は途中で水を足せばOKです。
キャベツは葉をカットせずにフライパンに入れても良いですし、ざく切りなどカットしてから入れても良いです。カットして断面を広くすることで火の通りが早くなります。芯の部分は火が通りにくいためそぎ切りにしておくと食べやすくなります。
フライパンにキャベツと水を入れて火にかけ蒸していきます。蒸し時間はキャベツの切り方や量にもよりますが、全体で10〜15分程度です。まず中火で1〜2分加熱し、その後弱火にして10分前後蒸します。キャベツがしんなりとし透明になってきていたら完了です。
フライパンを使って蒸したキャベツは、お湯を使っていますが少量であるためそこまで水っぽくならずふんわりと仕上がり、甘みや旨味も残ります。蒸し器を使わなくても手軽に蒸すことができるので、おすすめです。
キャベツはレンジを使って蒸すこともできます。レンジを使うと加熱時間が短く済むので時短になりますし、栄養素の流出を最小限に抑えることができるのでおすすめです。
キャベツをレンジで蒸すときは、まずキャベツを耐熱皿の上に乗せたら水を大さじ1程度入れてふんわりラップをかぶせます。
キャベツはもともと水分量の多い野菜ですので水は入れなくても良いのですが、水を入れたほうがしっとりやわらかく仕上げることができます。
レンジを使う場合の加熱時間はキャベツの量やレンジのワット数によってもことなりますが、キャベツ100g(葉2枚程度)を600wのレンジで加熱する場合は、1分30秒程、200g(葉4枚程度)であれば3分程です。
加熱時間はあくまでも目安なので、様子を見て加熱時間は調整してください。柔らかくしようと加熱時間を長くしすぎてしまうと焦げてしまうことがあるで注意しましょう。
レンジを使って蒸したキャベツは、水っぽくならずに柔らかく仕上げることができ、キャベツのシャキシャキとした食感が残りやすいです。サラダにしたい場合など食感を残したいときはレンジを使うのがおすすめです。
蒸したキャベツは、シンプルにタレやソースにつけて美味しく食べることができます。例えば醤油とマヨネーズを混ぜ合わせたマヨ醤油ソースなどが手軽に作れます。
キャベツに含まれているリゾホスファチジン酸はレシチンによって活性化されます。レシチンは卵黄や大豆に豊富に含まれます。卵黄を含むマヨネーズとキャベツを一緒に食べると、リゾホスファチジン酸が2.4倍に増えるので栄養面的にも◎
ブロッコリーやじゃがいもなど、その他の野菜も一緒に蒸して温野菜にすると、美味しく野菜をたっぷり食べることができます。
サラダといえばカットした野菜を加熱せずにそのまま食べるイメージが強いと思いますが、蒸したキャベツを使ってコールスローなどを作ることもできます。サラダにして他の野菜と一緒に食べれば栄養価も高くなりますし、蒸すことで甘みが増しているので野菜嫌いなお子様にもおすすめです。
蒸したキャベツをポン酢やおかかとあえて和え物にしても美味しいです。
キャベツに含まれるビタミンKはカルシウムの吸収を助けてくれるので、カルシウムが含まれる食品と一緒に摂取することで骨粗しょう症の予防も期待できます。カルシウムが豊富なさくらえびや小魚などと合わせて和え物にするのがおすすめです。
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