里芋は茹でると灰色に変色することがあります。本記事では里芋がねずみ色になる原因や対処法などを解説します。
一般的にスーパーなどで販売されている里芋は、皮が茶色く中は白いですが、茹でることでねずみ色に変色することがあります。
里芋を茹でるとねずみ色に変色するのは、里芋に含まれているポリフェノールの一種である「タンニン」が化学反応を起こすためであると言われています。じゃがいもやれんこんでも起こる「水煮黒変」と呼ばれる現象です。
水煮黒変はタンニンと鉄分が結合し黒く変色する現象で、里芋の場合は元々の白い色と混ざって、ねずみ色に見えることがあります。
里芋を茹でたときにねずみ色に変色するのは、腐敗しているわけではありません。上述したように里芋のポリフェノールによる変色であるため、食べて大丈夫です。
見た目は悪くなってしまいますが、味や食感にも変化はありませんので美味しく食べることができます。
里芋が水煮黒変によりねずみ色に変色してしまった場合、残念ながら元の白い状態に戻すことはできません。食べても人体に影響はありませんので、そのまま食べましょう。
見た目が気になる場合は、マッシュにしてグラタンにしたりコロッケにするとねずみ色に変色してしまっていても気にならなくなります。
上述したように水煮黒変は里芋に含まれているタンニンと鉄が結合することによって起こるため、里芋を茹でたときに水色に変色させないためには、アルミや鉄製の鍋を使わないことが大切です。
タンニンと鉄の結合による変色を防ぎたい場合は、銅で作られた鍋かテフロン加工された鍋を使うと良いです。
里芋が緑色に変色してしまうのは、里芋が日光に当たることにより葉緑体が生成されるためです。日光の当たる場所に保存しているなどが原因で起こります。緑色に変色してしまった里芋も食べることができます。
日光に当たることで葉緑体が生成され緑色に変色する現象は、じゃがいもにも起こります。緑色に変色したじゃがいもの場合は、緑色に変色してしまった部分にソラニンやチャコニンといった天然毒素が含まれており、そのまま食べると吐き気や腹痛などの中毒症状が起こることがあるため取り除く必要がありますが、里芋の場合は天然毒素は含まれていないので食べても人体に害はありません。
しかし、里芋の緑色の部分はえぐみや苦味が強いため、食べるときは下茹でなどの下処理をする必要があります。下茹でをしてもえぐみや苦味が残ることもあります。気になる方は変色してしまっている部分をカットして調理するのが良いです。
里芋をカットしてみると赤い(ピンク)斑点ができていたり、赤い筋が入っていることがあります。この場合は腐敗が原因で腐敗しているわけではないので食べることができますが、鮮度が落ちている状態なので早めに食べきるようにしましょう。また、変色している部分は加熱しても固かったり味が落ちていることが多いので、気になるようであれば切り取って調理をすると良いです。
里芋に赤い斑点ができたり、赤い筋が入ってしまう原因は里芋に含まれている「アントシアニン」と呼ばれる成分が大きく関係していると言われています。アントシアニン(アントシアン)とは、ポリフェノールの一種で、主に植物の葉や花、果実などに含まれている成分です。抗酸化作用があると言われています。
アントシアニンは元々、紫色の色素です。例えば、なすや紫キャベツ、紫玉ねぎ、ブルーベリーなどが紫色をしているのはアントシアニンが多く含まれているためです。
アントシアニンは酸性の状態だと赤くなり、そのため空気に触れて酸化すると赤く変色します。さらに酸化が進むと茶色→黒色になっていきます。特に生育環境や保存環境などでストレスを感じるとアントシアニンの含有量が増えるため変色しやすくなります。
切り口が黒や茶色に変色している場合も、里芋に含まれているアントシアニンが酸化していることが考えられます。上述したように、アントシアニンは酸化が進むと茶色→黒と変色していきます。酸化が原因で変色している場合は、食べても問題ありません。
しかし、酸化が進むと腐敗が始まります。茶色や黒色に変色しているということは、かなり酸化が進んでいる状態ですので、異臭がしたり溶け出している部分があるなど腐敗のサインが見られないかきちんとチェックし腐敗している場合は残念ですが破棄しましょう。
また、栽培中に病気にかかったことが原因で茶色や黒に変色することもあります。この場合は、病状が進行し腐敗しているので食べることはできません。
里芋を変色させる病気には「乾腐病」などがあります。乾腐病は土壌から感染する病気で、生育中だけではなく貯蔵中にも発病することがあります。乾腐病に感染すると、断面に赤い小斑点ができはじめ症状がひどい場合には一面に赤点が見られることがあります。病状が進行すると腐敗していき黒く見えたり中心が空洞化します。
全体的に変色してしまっていて腐敗かどうか区別がつかない場合は、破棄した方が安心です。
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