白菜の断面が黒や茶色に変色してしまった経験がある方は多いのではないでしょうか。食べられるのか腐敗しているのか判断に迷いますよね。本記事では切り口が黒や茶色に変色してしまった白菜について詳しく解説します。
カットした白菜を保存していると切り口が茶色や黒色に変色することがあります。これは、白菜に含まれているポリフェノールがカットしたことにより空気に触れて酸化するためです。ポリフェノールが酸化すると、赤色〜茶色〜黒色と変色していきます。
これは白菜以外にも起こる現象で、例えばカットしたりんごが茶色く変色してしまうのも同じくポリフェノールが空気に触れて酸化することによって起こります。
白菜をカットしたときに中心が茶色に変色している場合は、芯腐れ症にかかっている可能性があります。芯腐れ症は過度の水分不足や肥料過多によってカルシウムが欠乏することによって起こる生理障害です。
酸化の場合は白菜をカットしてから時間が経つと茶色や黒に変色していきますが、芯腐れ症の場合はカットするとすでに茶色く変色しています。
出典:土壌水分がハクサイ芯腐れ症の発生に及ぼす影響
白菜の中心には生長点があります。この生長点に向かって白菜の栄養素や旨みが集まり、収穫後も成長を続けようとします。白菜は成長すると白色〜黄色だった色が緑色になっていき、盛り上がってきます。
時間が経つにつれて切り口が緑色に変色していくのも生理現象の一つです。
腐敗が進んでいることが原因で、黒色や茶色などに変色してしまうこともあります。腐敗が原因の場合は切り口が変色するだけではなく、異臭がしたりヌメリが出ているなど通常の白菜にはない異変が起きていることも多いので、その他に腐敗のサインが出ていないかきちんと確認しましょう。
カットした断面が空気に触れることにより酸化し変色してしまっている場合は、腐敗しているわけではありませんので、変色した部分をカットすれば問題なく食べることができます。
しかし、酸化して変色しているということは鮮度がかなり落ちているということですので、酸化により変色してしまっている白菜は早めに食べきるようにしましょう。
また、芯腐れ症の場合は茶色くなってしまっている部分は腐敗してしまっているので食べることができませんが、変色していない部分は食べても問題ないとされています。ただし、症状が進行し全体的に変色していたり異臭がするなど腐敗のサインが見られる場合は残念ですがすべて破棄してください。
時間が経つにつれて白菜が成長し中心部分が緑色に変色するのも生理現象であり、腐敗ではないので食べることができます。
しかし、成長して中心部が変色し盛り上がっているということは、外側の栄養が中心部分に送られているということですので早めに食べきるようにしましょう。白菜は外側の葉から使う方が多いと思いますが、内側の葉から先に食べることで栄養や甘みがそのまま外の葉に蓄積されて美味しさが増します。
腐敗が原因で変色してしまっている場合は、残念ですが食べることはできませんので破棄しましょう。変色しているのが一部のみの場合は変色している部分を取り除けば食べることができますが、心配な方は破棄した方が無難です。
また、上述したように腐敗が原因である場合は、異臭がするなどその他の異変が見られることが多いので、そのほかの腐敗のサインが見られる場合は、変色しているのが一部のみであっても念のため破棄した方が安心です。
白菜の芯を中心に黒や茶色の斑点ができることがあります。パッと見て「黒カビが生えてしまった」「虫がついている!」と思う方も多いと思いますが、これは「ゴマ症」と呼ばれる生理現象であり、腐敗したり虫がついているわけではないので食べることができます。
白菜は生育中にストレスがかかるとポリフェノール類の色素が蓄積され、表面に黒い点として現れます。ストレスの原因となるのは、肥料過多によって白菜の中の窒素が多くなりすぎてしまうことや高温や低温、収穫期の遅れ、密植栽培、銅を含む殺菌剤の多用など様々です。収穫後に低温で保管することにより発症することもあります。
黒い斑点が一箇所にまとまって黒く変色しているように見える場合は、黒カビが生えています。また、白菜には白カビが生えることもあります。
黒い斑点が一箇所にまとまっているように見えるカビは黒カビ、ふわふわとした白い綿のようなカビは白カビです。
白カビの範囲が一部だけの場合は、その部分を取り除けば食べることは可能ですが、カビの胞子は目に見えないほど小さいため、カビが生えていない部分にもすでに移ってしまっている可能性もあります。カビは、カビ毒を発生させ、中毒症状を起こすこともありますので心配な方や小さなお子様、高齢者の方などは食べるのを避けた方が良いでしょう。
黒カビの場合は白カビよりも毒性が強いと言われているため、破棄した方が良いです。上述したように黒い斑点があってもゴマ症の場合は人体に害があるわけではないので食べることができますが、黒カビと区別がつかないほど広がってしまっている場合は破棄した方が無難です。
酸化による変色は、断面が空気に触れることによって起こるためカットをした後に水につけておくことである程度防ぐことができます。カットしたじゃがいもを水につけて変色を防ぐのと同じ原理です。白菜を水につけておくことでシャキシャキシャキとした食感も復活します。しかし、白菜は元々水分量の多い野菜ですので、長く水につけてしまうと水っぽくなってしまいます。長時間水につけたままにしたり、水につけたまま保存しないようにしてください。
塩水につけるのも良いです。塩水につけることで浸透圧によって白菜に含まれている水分が外に水分と一緒に出るため、白菜の苦味も軽減することができます。塩水につけた白菜はそのまま浅漬けにしても良いですし、水気をきらずそのまま炒めものにしても良いです。塩水と油が乳化して白菜をコーティングしてくれるので美味しく食べることができます。
上述したように、白菜は収穫後も白菜の芯(生長点)に向かって栄養が送られ続け、生長しようとしています。芯をそのままの状態で保存してしまうと、葉の栄養が中心に集まってしまい、中心部分が変色するだけではなく栄養が抜けた状態で食べることになってしまいます。
そのため、白菜を保存する際は芯に切り込みを入れるのがおすすめです。丸ごと1個の場合は、切り込みを入れるの難しいので、芯に爪楊枝を3〜4本ほど刺してから保存します。カットした白菜は、芯の両端から、三角錐になるようにカットし、手で芯を取り除きます。包丁で切り込みを入れるだけでもOKです。
白菜はカットした後、正しく保存することで酸化して変色したり腐敗して変色してしまうことを防ぐことができます。
カットした白菜は常温保存NGです。必ず常温保存以外の方法で保存しましょう。
カットした白菜を保存する場合は、白菜の生長を止めるために芯を切り落とします。カットした断面を濡れたキッチンペーパーで覆い、全体をラップで包みます。濡れたキッチンペーパーで覆い、全体をラップで包むことにより断面が空気に触れて酸化し変色するのを防ぐことができます。
キッチンペーパーで覆い、全体をラップで包んだら切り口を下にして野菜室で保存します。
カットした白菜は切り口から傷みやすいので1週間を目安に使い切るようにしましょう。
細かくカットして冷蔵保存することも可能です。
細切りやざく切りなど料理に合わせてカットし、密閉できる冷蔵用保存袋に入れて密封し冷蔵庫で保存します。
細かくカットした白菜は乾燥しやすく傷みやすいので、3〜4日を目安に食べきるようにしましょう。
カットして茹でてから冷蔵保存しておけば、調理時間が短縮できます。
ざく切りや細切りなど料理に合わせてカットした白菜をさっと茹でます。粗熱が取れたら水けを拭き取り、冷蔵用保存袋に入れて冷蔵庫へ。
ただし冷蔵方法の中では1番傷みが早いので、2〜3日以内に使い切るようにしましょう。
すぐに使い切れない場合は冷凍保存がおすすめです。冷凍すれば、約1ヶ月ほど保存することができます。
ざく切りなど使いやすい大きさにカットして冷凍用保存袋に入れ冷凍庫へ。冷蔵庫の急速冷凍機能を使えば、旨みをぎゅっと閉じ込めて冷凍することができます。急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。
凍ったまま調理に使用することができます。全解凍してしまうと、白菜の水分が流れ出てしまい、食感や味、栄養が落ちてしまいます。
塩もみをして冷凍すれば、色や食感がキープしやすく、また白菜の水分が抜け長持ちします。
生のまま細切りにした白菜を塩(適量)でもみ、水けを絞ります。小分けにしてラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。なるべく薄く、平らに包むことで、短時間で凍らせることができます。
食べる際は、前日に冷蔵庫に移して自然解凍がおすすめです。塩の味がついているので、そのまま和え物などに使用したり、スープやチャーハンなどの具材にも使用できます。凍ったまま使ってもOKです。
冷凍する前に茹でることを「ブランチング」と言います。ブランチングすることで変色しづらく、食感も悪くなりづらいというメリットがあります。
ざく切りや細切りなど、お好みの大きさにカットし固めに茹でます。粗熱が取れたら水けを絞り、小分けにしてラップで包み冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。
前日(または半日前)に冷蔵庫に移して自然解凍し、おひたしや和え物などに使用できます。凍ったままの状態でスープや炒めものの具材として調理するのも◎。
下味をつけてから冷凍することもできます。
白菜をざく切りにして熱したオリーブオイルでさっと炒め、塩こしょうで味付けをします(醤油、酒、砂糖の味付けでも可)。粗熱が取れたら小分けにしラップで包んで冷凍用保存袋に入れ、冷凍庫へ。
凍ったままの状態で野菜炒めなどに使用したり、鍋の具材として使うのが◎。蒸した鶏や豚肉などを加えるだけで簡単に一品料理も作れます。
その他にも乾燥させて保存する方法もあります。
通常の白菜は外側の色が緑色で、中の葉は黄色っぽい色をしています。(品種によってオレンジ色のものもあります)
上述したように変色が葉だけの場合や切り口のみの場合は食べることができる場合がありますが、全体的に変色している場合は腐敗してしまっている可能性が高いため破棄した方が良いです。
白菜は元々水分量が多い野菜ですので、芯の部分がヌルヌルしてるのはよくあります。新鮮な白菜である場合は問題ないのですが、購入してから時間が経っている場合や元々水分が出ていなかったのに保管中に水分が出てきてヌルヌルしてきたといった場合は、腐敗が原因の可能性が高いです。
表面に異常が出ていなくてもカットしてみたら中が腐敗していることもありますので、他に腐敗のサインが出ていないか確認をして腐敗しているようであれば破棄しましょう。
水分が出てくるということはありますが、茶色い汁が出てくるのは通常の白菜にはないことです。茶色い汁が出てくるのは、腐敗が進行し溶け出していることが原因であると考えられます。
このような場合は、完全に腐敗してしまっているので食べずに処分しましょう。
葉が溶け出してドロっとした状態になってしまっている場合は、内側も腐敗した状態であることがほとんどなので、残念ですが破棄した方が良いです。
上述したように葉の一部が茶色っぽく変色しているぐらいであれば、取り除けば食べることができますが溶け出してしまっている場合は食べないようにしましょう。
普段感じないような酸っぱい臭いがする場合は腐敗している可能性があります。
食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がしたりします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象があるときに「腐敗」と呼ばれます。
腐敗が進むと生ゴミのような臭いがすることもあります。あきらかに異臭がすると感じる場合は破棄しましょう。
ちなみに浅漬けやキムチの場合は発酵しているため酸っぱい臭いがしても腐敗しているというわけではありません。
白菜に限ったことではありませんが、表面や内部など特にカビが生えているように見えなくても、カビ臭い臭いがすることがあります。この場合はカビが目に見えない状態でも胞子が入り込み生育している可能性が高いです。この場合は早めに食べきるか、心配な方は破棄するのが無難です。
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