冬に旬を迎えるみかん。みかんは一般的に温州みかんを指します。国内の柑橘類の中で最も生産量が多く、愛媛県や和歌山県などで栽培されています。みかんは常温で保存する以外に、冷蔵や冷凍、さらには乾燥や砂糖漬けにして保存する方法もあります。みかんの保存方法と保存期間をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
みかんの保存の最適温度は3〜10℃、湿度は85%といわれています。
みかんは乾燥や湿度、高温に弱いため、適切に保存することが大切です。気温が低くても丸ごとそのまま保存すると乾燥が進み味や食感が落ちやすくなります。また、購入時のビニール袋に入れたまま保存すると、みかんから出る水分がこもり腐ってしまう可能性もあります。直射日光や温度が高い環境での保存もNGです。
みかんを保存する際は、新聞紙やキッチンペーパーで包むのが基本で、常温であれば直射日光が当たらない冷暗所で保存します。
出典:農林水産省
みかんを皮付きのまま保存する際は、ヘタを下にして保存することでより長く鮮度をキープすることができます。みかんのヘタの部分が一番固く丈夫なので、ヘタを下にすることで圧力によるダメージを抑えることができます。
ちなみにみかんは、転がしたり揉んだりと何かしらの衝撃を加えることで傷みが早くなりますので、保存の際は丁寧に扱うようにしましょう。
みかんを箱買いした際は、そのまま保存するのではなく、みかんの状態をしっかりと確認するようにしましょう。
2段や3段などに重ねられて箱詰めされている場合、通気性が悪くカビが生えやすくなっています。そのため、箱単位で購入した場合は一度全てのみかんを取り出し、傷んでいないか、カビが生えていないかをチェックしましょう。
傷んでいたりカビが生えているみかんは取り出して、早めに食べるようにしましょう。
みかんの実が入っている袋や白い筋を取って保存したり食べたりする方がいますが、実は栄養素的には非常にもったいない!
みかんの白い筋には、実のなんと300倍ものビタミンPが含まれています。聞き慣れない栄養素ですが、ビタミン様物質と呼ばれるポリフェノール一種で、ビタミンCの吸収率を高めたり血管を強くしてくれる作用があります。みかんの実のビタミンCを効率よく摂取するためには、白い筋も一緒に食べるのが◎。
さらにみかんの袋や筋には、便秘改善効果がある食物繊維や、コレステロール値を下げる作用のあるペクチンも多く含まれています。
みかんの皮は捨ててしまっている方がほとんどかと思いますが、実は保存して様々な場面で使用することができます!
ただしみかんの皮には農薬やワックスがついていることがほとんどなので、皮を使う場合は野菜用洗剤などを使ってしっかりと洗い流すようにしましょう。さらに安心なのは無農薬栽培のみかんを使うことです。残留農薬の心配がなく安心して食べることができます。無農薬栽培のみかんも、使う前はしっかりと水洗いして汚れを落としましょう。
当たり前ですが、新鮮なみかんを購入する方がより長く美味しく保存することができます。新鮮なみかんには下記のような特徴がありますので、スーパーなどで購入する際の参考にしてください。
オレンジ色が濃い
平べったい形をしている
ヘタが小さく緑色で乾ききっていない
皮のキメが細かく薄い
皮と実の間に隙間がない
みかんは常温で約1ヶ月ほど保存することができます。
常温の保存方法を紹介していきます。
みかんを1個ずつキッチンペーパーで包みます。ヘタ部分が下になるように保存するので、キッチンペーパーの巻き終わりがヘタの部分になるように包むと◎。
キッチンペーパーで包んだみかんをかごに入れて、風通しがよい冷暗所で保存します。直射日光が当たる場所や室温が高くなる場所での常温保存はNGです。自宅だと玄関や廊下、暖房を使用しない部屋などでの保存が◎。
みかんを大量に購入した場合は、ダンボールに入れて保存する方法もあります。
ダンボールからみかんを全て取り出し、ダンボールの底に新聞紙を敷きます。その上にみかんを並べますが、ヘタが下になるように置いてください。一段並べ終わったら新聞紙を敷き、その上にまたみかんを並べていきます。みかんの重みで傷みやすいので、重ねるのは2段までにしましょう。2段並べ終わったら最後に上から新聞紙をかけて保存します。
ダンボールでの保存はカビが生えやすく、またみかんの重みで傷みやすくなるので、時々上下を入れ替えると◎。またダンボールにフタが付いていても、通気性をよくするために閉めずに開けたまま保存するようにしましょう。
冬以外の時期は常温以外の方法で保存するのが◎。みかんを冷蔵保存する場合、最長1ヶ月ほど日持ちします。
みかんを丸ごと1個冷蔵保存する場合も、1個ずつキッチンペーパー(もしくは新聞紙)で包み、ヘタを下にしてポリ袋に入れ、口を軽く閉じ冷蔵庫で保存します。
キッチンペーパーや新聞紙で包むことで乾燥を防ぎ、また冷気が直接みかんに当たるのを防ぎます。
皮を剥いてから冷蔵保存することもできます。
皮を剥いたみかんを保存容器に入れ、蓋をして冷蔵庫で保存します。皮を剥いたみかんは傷みやすいので、1週間を目安に食べきるようにしましょう。
この時剥いた皮は捨てずに乾燥保存するのがおすすめです。乾燥保存の方法は後ほど詳しくご紹介します。
みかんは冷凍保存するのもおすすめです。冷凍することで常温や冷蔵とは違った食感を楽しむことができます。みかんは冷凍で約1ヶ月ほど保存することが可能です。
みかんを皮ごと(外皮ごと)水洗いし、農薬や汚れを落とします。水けは取らず、濡れたままの状態で冷凍用保存袋に入れて2時間ほど冷凍します。2時間ほど経過したら一度袋から取り出し、みかんを再度水にくぐらせて濡らし保存袋に戻し入れ冷凍します。再凍結することで氷の膜ができ、みかんの果肉が乾燥するのを防ぐことができます。
冷凍用保存袋の代わりに、金属トレイを使用した冷凍方法もあります。
水洗いし濡れたままのみかんをラップを敷いた金属トレイに並べ冷凍します。2時間ほど経過したら再度水にくぐらせて濡らし、金属トレイに並べて再凍結させます。完全に凍ったら冷凍用保存袋にまとめて入れて保存します。
丸ごと冷凍させたみかんの解凍方法は、冷蔵庫に移して自然解凍するのがおすすめです。半解凍の状態で皮を剥いて食べるとシャーベットのような食感を楽しめます。
皮を剥いて冷凍すれば、解凍後すぐに食べることができます。
みかんの皮を剥いて冷凍用保存袋に入れて冷凍室へ。1個丸ごと冷凍する場合は完全に凍るまでに時間がかかるので、冷蔵庫の急速冷凍機能を使ったり、金属トレイの上にのせて冷凍するのがおすすめです。
冷蔵庫にうつして自然解凍すれば、水分が出過ぎることなく解凍することができます。
みかんの皮(外皮)を剥いて、一房ずつにして冷凍するのも◎。すぐに食べることができて便利ですよ。
一房ずつ冷凍する場合も、冷凍用保存袋に入れて保存します。みかん同士がくっつきやすくなるので、完全に凍る前に一度冷凍室から出してもみほぐすことで一房ずつバラバラに凍らせることが可能になります。
みかんの外皮と薄皮を剥いてミキサーにかけてペースト(ジュース)状にし、冷凍用保存袋に流し入れ、冷凍室で保存します。
スムージーやシャーベット、ジュースとして美味しく食べることができます。
みかんは砂糖などに漬けて保存することもできます。そうすることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。調味料が野菜に染み込み美味しくなり、ちょっとした副菜として楽しめます。みかんの漬け保存は、2週間ほど日持ちします。
みかんの外皮と薄皮を剥き、保存容器に入れます。その上からてんさい糖を全体的にまぶすようにかけ、蓋をして冷蔵庫で保存します。
砂糖漬けにしたみかんはそのまま食べると甘いので、ヨーグルトにまぜて食べたり、スムージーなどにして食べるのがおすすめです。
みかんジャムを作って保存するという方法も。
外皮と薄皮を剥いたみかん(300g)をミキサーにかけます。鍋にミキサーにかけたみかんとレモン汁大さじ1、てんさい100gを入れて中火にかけます。煮立ったら弱火にしてアクを取り、とろみがでるまで時々混ぜながら20分ほど煮ます。熱いうちに瓶に入れて蓋を閉め、逆さまにして粗熱を取ります。
粗熱が取れたら冷蔵庫で保存しましょう。冷めるととろみが強くなるので、少しゆるいくらいで火を止めましょう。
みかんは乾燥させてから保存することもおすすめです。乾燥させた後は密閉容器に入れ保存します。乾燥させたみかんは最大で約6ヶ月程度、常温保存することが可能です。水分が残っていると短期間で腐敗することがあるので注意しましょう。
皮(外皮)付きのまま、また皮を剥いて果肉・皮を分けて乾燥させる方法があります。
みかんの皮は漢方では陳皮(ちんぴ)といって薬効を持ち、風邪、食欲不振、吐き気、咳、痰などの改善効果の目的で使用されます。干したみかんの皮をミルサーで粉砕し、しょうがや砂糖を加えてお茶として飲んだり、ヨーグルトなどにかけて食べると◎。刻んでサラダや和え物、ドレッシングなどに加えても美味しくいただけます。また、お風呂に浮かべることで肩こり改善効果が期待できる入浴剤にもなります。
乾燥方法で一番おすすめなのは天日干しです。
外皮ごと水洗いし農薬や汚れを落とします。キッチンペーパーでしっかりと水けを拭き取り、厚めの輪切りにして重ならないようにザルに広げて並べ、途中上下を返しながら2〜3日ほど天日干しをします。
完全に乾燥したら、密閉容器に移して保存しましょう。
外皮を剥いて一房ずつ天日干しするのも◎。
外皮は剥いて薄皮はそのまま、小房に分けて天日干しします。剥いた外皮は捨てずに一緒に干すと◎。
晴天の午前10時から午後3時に天日干しするのがおすすめです。
天日干しができない方はオーブンで水分を抜くこともできます。鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上に外皮ごと輪切りにしたみかんを並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。
天日干しと同様に、一房ずつオーブンで乾燥させるのもOKです。
上の写真のように小房に分けたみかんを並べ100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。剥いた皮は燃えやすいのでオーブンでの加熱はNG。天日干しするか室内で乾燥させましょう。
乾燥が足りないようなら、さらに加熱させましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのがレンジで乾燥させる方法です。耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上に輪切り、もしくは小房に分けたみかんを並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
天日干しやオーブンでの乾燥と同様に、小房に分けたみかんをレンジで加熱するのもOKです。上の写真のように重ならないように並べ、600Wで5〜8分ほど加熱します。水分の残り具合を見て加熱時間は調節しましょう。
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