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りんごの保存方法と期間|常温・冷蔵・冷凍|カットや冬ではどのくらい?

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りんごの保存方法と期間|常温・冷蔵・冷凍|カットや冬ではどのくらい?

秋から冬にかけて旬を迎えるりんご。旬の時期にまとめて購入する方も多いと思います。今回は、りんごの正しい保存方法を詳しく解説していきます。りんごは乾燥に弱いため、キッチンペーパーや新聞紙で包んだり、密封袋や容器に入れて保存するのが◎。りんごから放たれるエチレンガスにも注意が必要です。

りんごの保存のポイント

乾燥に弱い

りんごは乾燥に弱い食材です。水分が失われてしまうと、りんご特有の食感や味が落ちてしまいます。りんごを保存する際は、キッチンペーパーや新聞紙などに包んでから保存することで、乾燥を防ぐことができます。

りんごを保存する上での理想温度は0〜5℃、湿度は85〜90%といわれています。秋や冬では常温での保存も可能ですが、直射日光が当たらない冷暗所での保存が必須です。室温が高くなる場合は、寒い季節でも冷蔵や冷凍での保存がおすすめです。

エチレンガスに注意

りんごを保存する際に注意したいのが、りんごが放出するエチレンガスです。エチレンガスとは、野菜や果物が放つ成熟ホルモンとも呼ばれる成分で、追熟を促進する作用があります。追熟させるには効果的な成分ですが、追熟が進むと老化や腐敗へと繋がる危険性も。他の野菜や果物へ悪影響を及ぼさないためには、エチレンガスが漏れないように保存することが大変重要になります。

エチレンガスの栄養を受けやすい野菜や果物には、キウイや柿、マンゴー、すいか、キャベツ、レタス、きゅうりなどがあります。これらの食材と一緒に保存する際は、りんごをポリ袋に入れてしっかりと密封してから保存するようにしましょう。具体的な保存方法はこの記事の下部で詳しく解説しています。

エチレンガスを多く放出する野菜や果物には、りんご以外にバナナやアボカド、メロン、梨、桃、ブロッコリーなどがあります。

新鮮なリンゴの見分け方

当たり前ですが、新鮮なりんごを購入した方が、より長く美味しく保存することができます。新鮮なりんごには下記のような特徴があります。

  • 赤みが強く、おしりの部分が黄色っぽい(赤系のりんご)

  • 全体が黄緑がかっている(青系のりんご)

  • 上から見るときれいな円形で、軸が中心にある

  • ヘタがピンとしていて枯れていない

  • 固くて傷がない

品種による保存期間の違い

りんごには様々な種類がありますが、品種によって保存期間が異なります。

りんごが開花してから熟すまでの日数で分けられていて、早生品種は100〜120日、中生品種は130〜150日、晩生品種は150日以上を要するものもあります。一般的に、早生種は保存性が低く、晩生種は保存性が高いといわれています。例えば、早性品種「つがる」の保存期間は20〜30日、中生品種「シナノゴールド」は3〜4ヶ月、晩生品種「ふじ」は5ヶ月程度保存することが可能です。なお、保存期間の日数は低温貯蔵を行った場合のものです。

出典:長野県果樹試験場

皮ごと食べるのがおすすめ

りんごの皮が赤いのは、色素成分のアントシアニンによるものです。アントシアニンはポリフェノールの一種で、抗酸化作用や疲労回復効果などが期待できます。また、アントシアニン以外の栄養素もりんごの皮や皮の近くに集まっている傾向があるので、りんごは皮ごと食べるのがおすすめです。

ただし、農薬やワックスなどが付いている場合があるので、食べる前は野菜用洗剤などを使うと安心です。無農薬で栽培されたりんごならより安心して食べることができます。

りんごの保存方法と期間【常温】

気温が低くなる秋・冬は常温での保存も可能です。常温での保存期間目安は約1ヶ月です。乾燥しないように新聞紙やキッチンペーパーなどに包んでから保存しましょう。

丸ごと(1ヶ月)

りんご常温丸ごと保存

りんご丸ごと1個を新聞紙もしくはキッチンペーパーで包みます。かごに入れて直射日光が当たらない冷暗所で保存します。

秋・冬でも、暖房などを使用して室温が高くなる場合は、常温での保存は避け冷蔵保存がおすすめです。

また、カットしたりんごは常に常温保存は避け、冷蔵や冷凍での保存を行いましょう。

箱買いした場合(1ヶ月)

りんご箱で常温保存

りんごを箱買いした場合は、りんごと新聞紙を交互に重ねます。新聞紙→りんご→新聞紙と、新聞紙でりんごを挟むように入れ直しましょう。

直射日光が当たらない冷暗所で保存します。室温が高い場合は、まとめて購入した場合でも常温以外の方法で保存する方が長持ちします。

りんごの保存方法と期間【冷蔵】

りんご丸ごとを冷蔵保存すれば、約2〜3ヶ月ほどは保存することが可能です。ただしカットしたりんごは傷みが早いためなるべく早めに消費するようにしましょう。

丸ごと(2〜3ヶ月)

りんご冷蔵丸ごと保存

キッチンペーパーか新聞紙でりんごを1個ずつ包み、ポリ袋に入れます。この時、リンゴの軸の部分が上、おしりが下になるように入れるようにしてください。逆さにしてしまうと、エチレンガスの発生が活発になるといわれています。ポリ袋の口を閉じたら野菜室で保存しましょう。

キッチンペーパーや新聞紙でりんごを包むことで乾燥を防ぐことができ、適度に温度や湿度の調整を行うことができます。また、りんごをポリ袋に入れることで水分の蒸発を防ぎ、りんごのエチレンガスが他の野菜や果物に悪影響を及ぶのを防ぐことができます。

半分カットしたリンゴ(2〜3日)

りんご半分カット冷蔵保存

カットしたりんごは切り口が空気に触れることで変色してしまうので、カットしてすぐにりんごの重さに対して1%の食塩水にくぐらせます。レモン汁をかけたり、ハチミツ水(ハチミツのペプチド化合物が酸化を防ぐ)に30秒ほどつけるのも◎その後、ラップで包み、ポリ袋に入れます。切り口が下になるように入れることで、乾燥を防ぐことが可能です。ポリ袋の口をしっかりと閉じたら冷蔵室(野菜室)へ。

カットしたりんごは酸化しやすく傷みやすいので、なるべく早く食べきるようにしましょう。また、食塩水やハチミツ水につける時間は短時間に抑えましょう。長時間浸けてしまうと、りんごの成分が流れ出てしまいます。

一口大カットしたりんご(2〜3日)

りんご一口大カット冷蔵保存

食べやすくカットしたりんごも冷蔵保存可能です。皮ごと食べやすい大きさにカットし、りんごの重さに対して1%の食塩水にりんごを浸け変色を防ぎます。その後、保存容器に入れ、フタをして冷蔵室(野菜室)へ。

カットした断面から乾燥しやすくまた傷みやすいので、なるべく早く食べるようにしましょう。

りんごの保存方法と期間【冷凍】

りんごは冷凍で保存することもできます。正しく保存すれば約3ヶ月ほど保存することが可能です。

りんごは水分を多く含む食材なので、そのまま冷凍すると解凍後の食感が変わりやすいです。そのため加熱してから冷凍すれば、食感を損ねることなくりんごの美味しさがキープしやすいです。

丸ごと(3ヶ月)

りんご冷凍丸ごと保存

冷凍方法で一番手軽なのは、りんごを丸ごと保存する方法です。丸ごと冷凍すれば約3ヶ月ほどは日持ちします。りんごを水洗いしキッチンペーパーで水けをしっかりと取ります。皮を剥かずそのままラップで包み、冷凍用保存袋に入れて密閉し冷凍室へ。丸ごと冷凍する場合は、熱伝導率が低く凍りづらいため、急速冷凍機能を使ってなるべく短時間で冷凍するようにしましょう。急速冷凍機能がない場合は、金属バットの上にりんごをのせて冷凍するのがおすすめです。

丸ごと冷凍したりんごは、ボウルに水を張って30秒〜1分ほど浸ければ、手で簡単に皮を剥くことができます。包丁でカットする際はかたいので、十分注意しましょう。

カット(3ヶ月)

りんごカット冷凍保存

カットして冷凍したりんごの保存期間の目安は約1ヶ月です。水洗いして水けを取ったりんごを食べやすい大きさに皮ごとカットし、冷凍用保存袋に重ならないように並べて入れます。密閉し冷凍庫へ。

皮や皮のすぐ下に栄養があるので、皮ごと食べるのが◎ですが、心配な方は皮を剥いてから冷凍するのもOKです。

しばらく常温に置いておけば、サクサクとしたシャーベットのような食感になります。

すりおろし(3ヶ月)

りんごすりおろし冷凍保存

すりおろしてから冷凍すれば、冷凍庫のスペースをそんなに必要としないので◎。りんごをよく水洗いし皮のままおろし(皮を剥いてもOK)、レモン汁を少々加えます(変色防止のため)。すりおろしが手間な場合は、フードプロセッサーなどを使用してもOKです。冷凍用保存袋に入れ、なるべく平らになるようにして密閉し冷凍室へ。

すりおろしたりんごは解凍してりんごジュース感覚で飲むのも美味しいですし、ヨーグルトなどに加えるのもおすすめです。また、カレーに入れるとまろやかな風味に仕上がります。凍ったまま加えてOKです。

加熱して(3ヶ月)

りんご加熱冷凍保存

冷凍する前に煮込んでコンポートにして保存しても◎。

りんご2個を洗って1cmの薄さにカットして鍋に入れます。そこにてんさい糖大さじ3、レモン汁大さじ1、白ワイン大さじ1を加えてフタをして中火にかけ、煮立ったら弱火で15〜20分ほど煮ます。粗熱が取れたら冷凍用保存袋に並べて入れ、密閉し冷凍庫へ。

冷凍したコンポートは、凍ったままの状態でデザートとして食べたり、前日に冷蔵庫に移して自然解凍し、アップルパイの具材として使用したり、そのままアイスやホットケーキなどに添えるのもおすすめです。

りんごの保存方法と期間【乾燥】

りんごは乾燥させてから保存することもできます。乾燥させてから保存する場合、常温または冷蔵で約2〜3週間ほど日持ちします。

りんごは乾燥させることで酸味がやわらぎ旨みが増し、栄養が凝縮する(ビタミンDが増加する)などのメリットがあります。

紅茶に入れたり、アイスやヨーグルト、ホットケーキ、マフィンなどのトッピングにもおすすめです。もちろん、そのまま食べるのも◎。

りんごの皮の部分に栄養素が含まれているので、皮ごと天日干しにするのがおすすめです。皮ごと食べるには無農薬りんごが安心して食べることができます。農薬が心配な方は野菜用洗剤などを使って農薬や汚れを落としてから食べると◎。

天日干し(2〜3週間)

りんご天日干し保存

水洗いしたりんごをうすくカットして塩水(りんごの重さに対して1%の塩)につけます(変色防止のため)。その後軽く水けを取り、ザルに重ならないように並べ、途中で上下を返しながら2日ほどかけて乾燥させます。乾燥したら保存容器などに移し密閉し、常温もしくは冷蔵で保存します。

オーブン(2〜3週間)

りんごオーブン乾燥保存

天日干しができない場合はオーブンで水分を抜くこともできます。

鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上に薄くカットして塩水につけたりんごを並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。

乾燥が足りないようでしたら、さらに加熱してみてください。

レンジ(2〜3週間)

りんごレンジ乾燥保存

オーブンよりももっとお手軽なのがレンジで乾燥させる方法です。

耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上に薄く切ったりんごを並べます。600Wで6〜8分ほど加熱します。

電子レンジで乾燥させる場合は、りんごの実が焦げる場合があるので、こまめに確認しながら実施してください。

りんごの保存方法と期間【漬物】

りんごは酢や砂糖などに漬けて保存することで、酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。また、りんごジャムを作って保存するのもおすすめです。

酢漬け(1〜2週間)

りんご酢漬け保存

りんごを水洗いし、皮付きのまま薄くカットします。塩水にさらし、キッチンペーパーで水けをしっかり取ります。保存容器にりんごを入れ、酢漬けダレ(酢150mlに対して塩小さじ1、砂糖大さじ1)をひたひたに注ぎ、箸でりんごと酢漬けダレをよくからませてふたをし冷蔵庫で保存します。

一晩置いたら食べ頃になります。酢のクエン酸によって疲労回復効果や、ミネラルの吸収促進効果が期待できます。ヨーグルトやアイス、炭酸水などに入れてお召し上がりください。もちろんそのまま食べても◎。

酢漬けしたりんごは約1〜2週間ほど保存できます。氷砂糖を一緒に入れてつければ、2週間ほどでリンゴ酢になります。

砂糖漬け(2週間)

りんご砂糖漬け保存

りんごを水洗いしくし形にカットしキッチンペーパーで水けを取ります。保存容器に入れててんさい糖(適量)をまぶしよくなじませてフタをし冷蔵庫へ。約2週間ほど保存できます。

砂糖漬けにしたりんごも、ヨーグルトやアイスなどに添えて食べると◎。

りんごジャム(6ヶ月)

りんごジャム保存

ジャムにして保存すれば、約6ヶ月ほど保存することが可能です。りんごジャムのレシピは下記です。

  • りんご

    2個(約400g)
  • ★てんさい糖

    100g
  • ★レモン汁

    大さじ2


りんごは水洗いして水けを取り、皮を剥いて1〜2cm角に切ります。皮は捨てずにお茶パックに詰めます。鍋にりんごと★を入れ混ぜ、そのまま30分置きます。30分経ったら中火にかけ、煮立ったらアクを取り、お茶パックに詰めた皮を入れ、フタをして弱火で15〜20分ほど加熱します。とろりとし煮汁が少なくなったら火を止め、熱いうちにビン(煮沸消毒済み)に詰め、フタをして逆さまにして冷まします。冷めたら冷蔵庫で保存します。