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みかんの栄養と効能。どこに多い?効果的な食べ方も解説

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みかんの栄養と効能。どこに多い?効果的な食べ方も解説

みかんの栄養素について解説していきます。

みかんの栄養の概要

みかん100gあたりに含まれる主な栄養素

みかんで特に豊富な栄養素はビタミンCです。ビタミンCは水溶性なので、生のまま食べるのがベストです。糖代謝に欠かせないビタミンB1も含まれています。みかんの酸味の元であるクエン酸には疲労回復の効果があります。

みかんの三大栄養素

三大栄養素とは炭水化物・脂質・たんぱく質を指します。

温州みかん可食部100gあたり

  • エネルギー...49kcal

  • 水分...86.9g

  • たんぱく質...0.7g

  • 炭水化物...12.0g

  • 脂質...0.1g

  • 食物繊維...1.0g

糖質は11.0gです(炭水化物から食物繊維を引いた値)。

他の果物と比べてみると、

  • いちご:糖質11.9g、31kcal

  • メロン:糖質9.8g、40kcal

  • りんご:糖質14.3g、53kcla

  • バナナ:糖質21.4g、93kcal

です。他の果物と比べると、みかんのカロリーと糖質は平均的です。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

みかんの主な栄養素・成分

β-カロテン

β-カロテンは体内で必要量がビタミンAに変換されます。皮膚や喉など全身の粘膜を健康に保ち、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぐことで免疫力をアップします。また、抗酸化作用もあるので、アンチエイジング効果が期待できます。

変換されたビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。視力を正常に保つ役目や視力低下の抑制効果、他にも皮膚の健康維持に関与していることから乾燥肌やニキビ肌の改善など美肌効果も期待できます。

ビタミンC

ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。

そのほか、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせない栄養素です。

ビタミンB1

日本人が不足しがちなビタミンB1が含まれています。

糖質がエネルギーに変わるときには酵素が働きますが、その酵素の働きを促す補酵素の役割を果たすのがビタミンB1です。糖質の分解をサポートし、体を元気にします。

また、糖質は脳や神経系のエネルギー源ですから、イライラを抑える作用もあります。

カリウム

カリウムはミネラルの一種です。

カリウムはナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。

そのほか、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。

β-クリプトキサンチン

β-クリプトキサンチンはカロテノイドの一種です。カロテノイドは赤・オレンジ・黄色の天然色素で、強い抗酸化作用を持ちます。

β-クリプトキサンチンはみかんなんどの柑橘系に含まれる黄色い色素で、体内蓄積期間が他のカロテノイドよりも長いのが特徴です。さまざまな健康機能がある成分で、まず骨密度や骨質、骨代謝の改善が期待できます。抗酸化作用が強いため免疫力を高めたり、美肌効果も期待できます。

リモネン、テルペノイド(苦味成分)

リモネンはみかんやレモンなどに多く含まれるモノテルペン類の一種で、果実の皮に多く含まれています。柑橘系の甘酸っぱい爽やかな香りはリモネンによるものです。それによりリラックス効果や覚醒効果があるとされています。お気付きの方も多いかと思いますが、このリモネンの語源はレモンです。

テルペノイドはみかんやレモンなどの柑橘系に含まれている苦味成分です。

リモネンもテルペノイドも、植物由来の化学成分であるファイトケミカルのひとつで、抗酸化力が高く、第7の栄養素と言われています。ファイトケミカルは体内で作り出すことは出来ないため、食事から積極的に摂取したい成分です。ちなみにファイトケミカルは、植物が紫外線や害虫、有害物質などから自分の身を守るために作り出す成分です。

参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス

みかんの栄養に関する知識

薄皮や筋には栄養たっぷり

みかんのすじには、なんと実の300倍ものビタミンPが含まれています。他にも薄皮にはペクチン(食物繊維)やヘスペリジンなどが含まれます。

みかんの皮も有効活用すべし

みかんの皮にはビタミンCをはじめとするビタミンが豊富に含まれています。干して乾燥させたみかんの皮は漢方にも用いられてきました。よく乾燥させた皮を細かく刻んで、お湯にお砂糖と溶き飲むと、咳や痰、胃もたれ、吐き気などに効果があると言われています。

さらに、乾燥させた皮をガーゼやお茶パックに入れて入浴剤として使うこともあります。香りも良く肌にも効果が期待できます。

みかんと呼ぶ基準は皮のむきやすさ?

カンキツ属のなかで、皮がやわらかくて簡単に向けるものを「みかん」と呼びます。日本に多く流通しているのは温州みかんで、全国的に栽培されています。

みかんは1日1〜2個

食事バランスガイドを参考にすると、みかんの1日摂取目安量は1〜2個です。果物の1日の摂取目安量は2つ(SV)で、約200gです。SVとはサービングのことで、料理を1つ2つと数える、食事バランスガイド独自の数え方です。みかん1個は1つ(SV)に換算されるので、多くても2個までを目安にしましょう。ただし、他の果物と合わせて2つ(SV)食べる方が良いので、みかん1個と他の果物で2つ(SV)になるようにしましょう。果物に限らず様々な食材からバランスよく栄養を摂る方が良いとされています。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

みかんの効果的な食べ合わせ

たんぱく質と一緒に摂ることで美肌効果アップ

前述した通り、ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。みかんにはビタミンCが含まれているので、たんぱく質が豊富な食材と食べ合わせましょう。

また、カルシウムはたんぱく質が豊富な食材と一緒に取ることで、筋肉の修復や合成を促進しやすくなります。

ビタミンEも一緒に

ビタミンA・C・Eの3つはビタミンエースと呼ばれており、抗酸化3大ビタミンです。免疫力が高まり、サビついた細胞の修復を助けてくれます。みかんにはビタミンA(β-カロテン)とビタミンCが含まれているので、ビタミンEも一緒に摂取することで抗酸化作用の効果がアップします。


ビタミンEが豊富な食材には、アーモンドや落花生、ヘーゼルナッツなどのナッツ類があります。他にもかぼちゃやさつまいもにもビタミンEは含まれます。

鉄を含む食品と

ビタミンCは、鉄の吸収率をアップさせます。

鉄は、吸収率が低いと言われています。そのためビタミンCを含む栗を食べるときは、鉄を含む食材を一緒に食べるようにするといいでしょう。鉄を多く含む食材にはレバーや赤身肉があります。他にもカツオや鶏卵、あさりや牡蠣、野菜では小松菜に多く含まれています。

みかんの長持ちする保存方法

みかんの常温保存

みかんは常温で約1ヶ月ほど保存することができます
常温の保存方法を紹介していきます。

かごに入れて

みかんを1個ずつキッチンペーパーで包んで保存する

みかんを1個ずつキッチンペーパーで包みます。ヘタ部分が下になるように保存するので、キッチンペーパーの巻き終わりがヘタの部分になるように包むと◎。

キッチンペーパーで包んだみかんをかごに入れて、風通しがよい冷暗所で保存します。直射日光が当たる場所や室温が高くなる場所での常温保存はNGです。自宅だと玄関や廊下、暖房を使用しない部屋などでの保存が◎。

段ボールに入れて

新聞紙を敷いたダンボールにみかんを保存する

みかんを大量に購入した場合は、ダンボールに入れて保存する方法もあります。

ダンボールからみかんを全て取り出し、ダンボールの底に新聞紙を敷きます。その上にみかんを並べますが、ヘタが下になるように置いてください。一段並べ終わったら新聞紙を敷き、その上にまたみかんを並べていきます。みかんの重みで傷みやすいので、重ねるのは2段までにしましょう。2段並べ終わったら最後に上から新聞紙をかけて保存します。

ダンボールでの保存はカビが生えやすく、またみかんの重みで傷みやすくなるので、時々上下を入れ替えると◎。またダンボールにフタが付いていても、通気性をよくするために閉めずに開けたまま保存するようにしましょう。

みかんの冷蔵保存

冬以外の時期は常温以外の方法で保存するのが◎。みかんを冷蔵保存する場合、最長1ヶ月ほど日持ちします。

丸ごと

みかんを1個ずつキッチンペーパーで包みポリ袋に入れる

みかんを丸ごと1個冷蔵保存する場合も、1個ずつキッチンペーパー(もしくは新聞紙)で包み、ヘタを下にしてポリ袋に入れ、口を軽く閉じ冷蔵庫で保存します。

キッチンペーパーや新聞紙で包むことで乾燥を防ぎ、また冷気が直接みかんに当たるのを防ぎます。

皮なし

皮を剥いたみかんを保存容器に入れる

皮を剥いてから冷蔵保存することもできます。

皮を剥いたみかんを保存容器に入れ、蓋をして冷蔵庫で保存します。皮を剥いたみかんは傷みやすいので、1週間を目安に食べきるようにしましょう。

この時剥いた皮は捨てずに乾燥保存するのがおすすめです。乾燥保存の方法は後ほど詳しくご紹介します。

みかん冷凍保存

みかんは冷凍保存するのもおすすめです。冷凍することで常温や冷蔵とは違った食感を楽しむことができます。みかんは冷凍で約1ヶ月ほど保存することが可能です。

皮ごと(外皮)丸ごと

みかんを冷凍用保存袋に入れて冷凍する

みかんを皮ごと(外皮ごと)水洗いし、農薬や汚れを落とします。水けは取らず、濡れたままの状態で冷凍用保存袋に入れて2時間ほど冷凍します。2時間ほど経過したら一度袋から取り出し、みかんを再度水にくぐらせて濡らし保存袋に戻し入れ冷凍します。再凍結することで氷の膜ができ、みかんの果肉が乾燥するのを防ぐことができます。

金属トレイに並べて冷凍するみかん

冷凍用保存袋の代わりに、金属トレイを使用した冷凍方法もあります。

水洗いし濡れたままのみかんをラップを敷いた金属トレイに並べ冷凍します。2時間ほど経過したら再度水にくぐらせて濡らし、金属トレイに並べて再凍結させます。完全に凍ったら冷凍用保存袋にまとめて入れて保存します。

丸ごと冷凍させたみかんの解凍方法は、冷蔵庫に移して自然解凍するのがおすすめです。半解凍の状態で皮を剥いて食べるとシャーベットのような食感を楽しめます。

外皮を剥いて薄皮の状態で


みかんの皮(外皮)を剥いてから冷凍する

皮を剥いて冷凍すれば、解凍後すぐに食べることができます。

みかんの皮を剥いて冷凍用保存袋に入れて冷凍室へ。1個丸ごと冷凍する場合は完全に凍るまでに時間がかかるので、冷蔵庫の急速冷凍機能を使ったり、金属トレイの上にのせて冷凍するのがおすすめです。

冷蔵庫にうつして自然解凍すれば、水分が出過ぎることなく解凍することができます。

みかんの皮を剥いて一房ずつにして冷凍する

みかんの皮(外皮)を剥いて、一房ずつにして冷凍するのも◎。すぐに食べることができて便利ですよ。

一房ずつ冷凍する場合も、冷凍用保存袋に入れて保存します。みかん同士がくっつきやすくなるので、完全に凍る前に一度冷凍室から出してもみほぐすことで一房ずつバラバラに凍らせることが可能になります。

ペーストにして

みかんをペースト状にして冷凍する

みかんの外皮と薄皮を剥いてミキサーにかけてペースト(ジュース)状にし、冷凍用保存袋に流し入れ、冷凍室で保存します。

スムージーやシャーベット、ジュースとして美味しく食べることができます。