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桃の栄養と効能。栄養は皮に多い?効果的な食べ方も解説

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桃の栄養と効能。栄養は皮に多い?効果的な食べ方も解説

桃に含まれる栄養素について解説します。

桃の栄養の概要

白桃100gに含まれる主な栄養素

水分量と果糖が多く、ビタミン・ミネラル類があまり豊富な果物ではありません。果糖は体内への吸収が早く、効率のよいエネルギー源となります。果物の中では血圧を安定させるカリウムの含有量が多い方です。

皮の近くにはポリフェノールの一種であるカテキンが含まれています。カテキンには強い抗酸化作用があると報告されています。

桃の三大栄養素

三大栄養素とは炭水化物・脂質・たんぱく質を指します。

白桃可食部100gあたり

  • エネルギー...38kcal

  • 水分...88.7g

  • たんぱく質...0.6g

  • 炭水化物...10.2g

  • 脂質...0.1g

  • 食物繊維...1.3g

糖質は8.9gです(炭水化物から食物繊維を引いた値)。

他の果物と比べてみると、

  • いちご:糖質11.9g、31kcal

  • メロン:糖質9.8g、40kcal

  • 温州みかん:糖質11.2g、49kcal

  • りんご:糖質14.3g、53kcla

  • バナナ:糖質21.4g、93kcal

です。他の果物と比べると、桃のカロリーと糖質は低めです。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

桃の主な栄養素

ビタミンC

ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。

そのほか、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせない栄養素です。

ビタミンE

ビタミンEは強力な抗酸化作用があります。体内の脂質が酸化するのを抑え、老化の予防をしてくれます。ビタミンEは血液中の悪玉コレステロールの酸化を抑える働きがあり、酸化によって進行してしまう動脈硬化の予防に役立ちます。

さらにビタミンEは末梢血管の拡張させる働きがあるため、血行促進に繋がります。また副腎や卵巣の性ホルモンの分泌の調整にもビタミンEは関与しているので、生殖機能の維持にも役立ちます。

カリウム

カリウムはミネラルの一種です。

ナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。

そのほか、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。

カテキン

カテキンはポリフェノールの一種で、主に緑茶に含まれています。渋みや苦味の元となる成分です。カテキンの詳しい含有量は不明です。

カテキンには、血中のコレステロールの増加を防ぐ働きがあり、高血圧や糖尿病などの生活習慣病予防の効果が期待できます。さらにカテキンには抗酸化作用もあるため、活性酸素の増加を抑え生活習慣病予防に役立ちます。

また、血糖値の上昇を抑える効果があります。消化酵素の働きを抑え、時間をかけて消化を行うようになるので、血糖値の上昇を抑えます。さらに、体脂肪を減少させる働きや肥満・脂質異常症に対する効果もあるので、肥満予防も期待できます。

食物繊維

桃は不溶性食物繊維も水溶性食物繊維もどちらもほぼ同じくらい含まれます。

不溶性食物繊維は水分を吸って腸の中で大きく膨らみ、排便をスムーズにし、有害物質が体にとどまる時間を短縮させ、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。

水溶性食物繊維は、水に溶けることで食べたものの粘稠性を高めます。それによって食べたものの腸への移動がゆっくりになるため、血糖値の上昇をゆるやかになります。

食物繊維はお腹の中で膨らむため満足感が高く、先に食べることで他の食事の食べ過ぎを抑えることができます。

参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス

桃の栄養に関する豆知識

桃の皮には2倍のポリフェノール

桃の皮には実の2倍のポリフェノールが含まれています。ポリフェノールは抗酸化作用が高いので、アンチエイジング効果が期待できます。他にもビタミンEやナイアシンなどの栄養素が豊富で、桃1つ皮ごと食べると、うなぎ1/4切れ分のスタミナが摂れるんです。

桃農家の人たちは皮ごと食べています。布などで優しく表面をこすって産毛を落とし、しっかりと洗えば皮ごとおいしくいただけます。どうしても皮の口あたりが苦手な場合は、ミネラルウォーターやお酢、ワインなどに漬けてドリンクにしてしまうのもおすすめです。また、細かく切って食べるなど工夫してみてください。

桃の種には有害物質が

桃の種には、アミグダリンやプルナシンという天然の有害物質が含まれています。果肉には何の問題もありませんが、種は食べないようにしましょう。

白桃と黄桃の栄養素の違いは?

桃には白桃と黄桃がありますよね。栄養素にも違いがあります。

特に大きな違いがあるのはβ-カロテンです。白桃100gあたり5μgなのに対し、黄桃には210μgも含まれています。

食べるちょっと前に冷やす

桃は冷やしすぎると甘みが落ちてしまうので、桃を冷やして食べたいときは食べる2〜3時間前に野菜室で冷やすといいでしょう。また、皮を剥いて食べる場合は、1度熱湯に10〜30秒ほど浸し、その後冷水につけると、つるんと綺麗に剥けます。

加熱すると栄養素が減る

桃のコンポートやジャムっておいしいですよね。しかし加熱することでビタミンCやカリウムなどの栄養素が減少してしまう恐れがあります。栄養面を考えると、生のまま食べる方がおすすめです。

食後に食べるとビタミンEの吸収率アップ

ビタミンEは脂溶性のため、脂質と一緒に摂るとビタミンEの吸収率がアップします。そのため食事のあとに桃を食べると、食事に含まれる脂質が桃のビタミンEの吸収を高めてくれます。肉料理など特に脂質の多い食事のときはデザートに桃を選ぶといいでしょう。