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キウイフルーツの栄養と効能。ビタミンやミネラルを他の果物と比較して解説

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キウイフルーツの栄養と効能。ビタミンやミネラルを他の果物と比較して解説

キウイフルーツに含まれる栄養素を解説していきます。

キウイフルーツの栄養の概要

キウイフルーツ100gに含まれる主な栄養素・成分

キウイフルーツはビタミンCをはじめ、ビタミンE、食物繊維、カリウムなどを含み、美肌や疲労回復、ストレス解消などに有効とされています。たんぱく質分解酵素アクチニジンを含むのも大きな特徴です。

キウイフルーツの三大栄養素

三大栄養素とは炭水化物・脂質・たんぱく質を指します。

キウイのカロリーは?

キウイフルーツ(緑肉種)可食部100gあたり

  • エネルギー...51kcal

  • 水分...84.7g

  • たんぱく質...1.0g

  • 炭水化物...13.4g

  • 脂質...0.2g

  • 食物繊維...2.6g

糖質は10.8gです(炭水化物から食物繊維を引いた値)。

他の果物と比べると

  • いちご:糖質11.9g、31kcal

  • メロン:糖質9.8g、40kcal

  • 温州みかん:糖質11.2g、49kcal

  • りんご:糖質14.1g、53kcla

  • マンゴー:糖質15.6g、68kcal

  • バナナ:糖質21.4g、93kcal

です。他の果物と比べると、キウイの糖質は低めで、カロリーもそこまで高くないことがわかります。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

キウイフルーツの主な栄養素・成分

キウイはなんとフルーツの中で、栄養素充足率がナンバーワン!栄養素充足率とは、100gあたりに含まれる主要である17つの栄養素が基準値に対してどれだけ含まれているかを表した数値のことです。

ビタミンC

ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。

そのほか、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせない栄養素です。

ビタミンE

ビタミンEは強力な抗酸化作用があります。体内の脂質が酸化するのを抑え、老化の予防をしてくれます。ビタミンEは血液中の悪玉コレステロールの酸化を抑える働きがあり、酸化によって進行してしまう動脈硬化の予防に役立ちます。

さらにビタミンEは末梢血管の拡張させる働きがあるため、血行促進に繋がります。また副腎や卵巣の性ホルモンの分泌の調整にもビタミンEは関与しているので、生殖機能の維持にも役立ちます。

カリウム

カリウムはミネラルの一種です。

カリウムはナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。

そのほか、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。

カルシウム

体内の99%のカルシウムは貯蔵カルシウムとして骨や歯の材料となります。骨の代謝に関わり骨の健康を保っています。

残りの1%は機能カルシウムとして、血液や筋肉、細胞内などに存在し、大切な情報の伝達を行っています。それによって筋肉のなめらかな動きをサポートしたり、精神を安定させたりします。

カルシウムが不足すると、骨が弱くなったりこむら返りを起こすことがあります。特に野菜などのカルシウムは吸収率が低いため、ビタミンKなどカルシウムの吸収を助ける栄養素と一緒に摂取するといいでしょう。

アクチニジン

アクチニジンはキウイフルーツ特有の酵素です。

アクチニジンはたんぱく質分解酵素で、たんぱく質をアミノ酸などに細かく分解して体内で吸収されやすいようにする作用があります。消化に良く、大腸などの負担が軽減されます。そのため肉料理などを食べたあとのデザートにおすすめです。

食物繊維

食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられますが、キウイフルーツの食物繊維のほとんどが不溶性食物繊維です。

不溶性食物繊維は水分を吸って腸の中で大きく膨らみ、排便をスムーズにし、有害物質が体にとどまる時間を短縮させ、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。

ちなみに、水溶性食物繊維は、水に溶けることで食べたものの粘稠性を高めます。それによって食べたものの腸への移動がゆっくりになるため、血糖値の上昇をゆるやかになります。

また、食物繊維はお腹の中で膨らむため満足感が高く、先に食べることで他の食事の食べ過ぎを抑えることができます。

参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス

キウイフルーツの栄養に関する豆知識

ゴールドキウイの方がビタミンCが多い

キウイフルーツには緑色のグリーンキウイと黄色のゴールドキウイの2種類ありますよね。実は、ポリフェノール量、抗酸化作用、そしてビタミンCの含有量はゴールドキウイの方が圧倒的に多いんです。ビタミンCは約6倍以上とも言われています。ちなみに食物繊維はグリーンキウイの方が豊富です。

酵素がお肉をやわらかくする

キウイフルーツに含まれているアクチニジンという酵素は、たんぱく質を分解する働きがあります。なのでお肉をやわらかかうする効果があります。さらに胃の中でもこの働きがあるので、消化促進にも効果的です。お肉をがっつり食べたあとのデザートにキウイフルーツを食べるのがおすすめです◎

皮ごとの方が栄養価が高い

キウイの皮は剥いてしまう人がほとんどかと思いますが、実は皮や皮のすぐ下の部分には栄養が詰まっています。そのため本当は皮ごと食べた方が栄養価が高いんです。しかし、キウイにはうぶ毛が多く、皮ごと食べるとザラザラして食感があまり良くありません。そこで、丸めたアルミホイル表面を軽くこすすると簡単にうぶ毛が取り除けます。そのあと、薄く輪切りにすると皮があまり気にならずにおいしく食べられます。

また、スムージーにするときも皮ごと使うのがおすすめです。これはキウイフルーツに限らず、どのフルーツも野菜も皮に栄養が詰まっている事が多いので、なるべく使うようにしましょう。

キウイで猫が興奮する?

猫ってマタタビに興奮しますよね。それはマタタビに含まれるマタタビラクトンやアクチニジンという成分に、猫を興奮させる作用があるからです。実は、キウイはマタタビ科マタタビ属であるので、マタタビと同様の成分が含まれています。そのためキウイでも猫が興奮することがあります。果実だけでなく、枝や葉などに体をこすりつけたりじゃれたりする猫も多いようです。

キウイは鳥の名前!?

栄養素には関係ないですが、キウイフルーツの名前の由来は、ニュージーランドに生息する茶色い鳥の名前であるキウイから来ています。皮に茶色のうぶ毛がたくさん生えているところが、鳥のキウイに似ていることからつけられました。

キウイフルーツの効果的な食べ方

ビタミンAと一緒に

キウイフルーツに豊富に含まれるビタミンCとビタミンEは高い抗酸化作用があります。同じく抗酸化作用のあるビタミンA一緒に摂ることでさらに効力がアップします。これらは三大抗酸化ビタミンで、ビタミンACE(エース)と呼ばれています。

ビタミンAが豊富に含まれる食品にはうなぎやレバー、海苔、人参などがあります。

たんぱく質と一緒に

ビタミンCはたんぱく質との相性がとても良いです。前述した通り、ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。マンゴーにはビタミンCが豊富に含まれているので、たんぱく質が豊富な食材と食べ合わせましょう。

そのため、ヨーグルトに入れると良いでしょう。そこにビタミンEが豊富なアーモンドなども一緒に入れるとより良くなります。ヨーグルトとスムージーにしたりするのもおすすめです。