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いちごの栄養と効能。加熱で変化する?効果的な食べ方・食べ合わせも解説

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いちごの栄養と効能。加熱で変化する?効果的な食べ方・食べ合わせも解説

いちごの栄養素、そしてそれらの効能について解説します。

いちごの栄養の概要

いちごの栄養価で最も注目したいのはビタミンCです。粒の大きいものなら約4個で1日の推奨量が摂取できてしまいます。果物の中ではカロリーが低めなので、ダイエット食品としても人気です。ビタミンB群の一種である葉酸も豊富です。

いちごに豊富に含まれる栄養素

いちごは、ビタミンCが圧倒的に豊富であり、その他の栄養素は多く含まれていません。

ビタミンC

いちごはビタミンCの女王と呼ばれるほど、果物の中では多く含まれています。

ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。

そのほか、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせない栄養素です。

葉酸

葉酸はほうれん草の葉っぱから発見されたビタミンB群のひとつで、ビタミンB12と一緒に正常な赤血球をつくるのに必要な栄養素で造血ビタミンとも言われています。

また、たんぱく質や核酸の合成を助け、細胞の新生や増殖に深く関わっています。細胞分裂が活発な胎児期に必須の栄養素で、特に妊婦の方は葉酸を十分に摂ることでおなかの赤ちゃんの発達異常を防ぐ効果があるといわれています。

葉酸は水に溶けやすく、熱や光にも弱い性質があるため、葉酸を摂取したい場合は加熱せずに生野菜サラダや生搾りジュースがおすすめです。

カリウム

カリウムはミネラルの一種です。

カリウムはナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。

そのほか、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。

食物繊維

いちごの食物繊維は不溶性食物繊維の方が多いです。

不溶性食物繊維は水分を吸って腸の中で大きく膨らみ、排便をスムーズにし、有害物質が体にとどまる時間を短縮させ、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。

また、食物繊維はお腹の中で膨らむため満足感が高く、先に食べることで他の食事の食べ過ぎを抑えることができます。

アントシアニン

栄養素以外の機能性成分ではアントシアニンなどを含みます。

アントシアニンはポリフェノールの一種でブルーベリーの紫色(青色)の主成分になっている色素です。

ポリフェノールには抗酸化作用があり、体内の老化予防やアンチエイジングが効果が期待できます。さらにはコレステロール値を下げる働きもあると言われています。またアントシアニンには、目の網膜にあるロドプシンの再結合の作用があるため、眼精疲労の回復効果もあります。

肝臓の働きを活性化する効果もあります。

参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス

いちごの三大栄養素

三大栄養素とは炭水化物・脂質・たんぱく質を指します。

カロリーが低いのが特徴

可食部100gあたり

  • エネルギー...31kcal

  • 水分...90.0g

  • たんぱく質...0.9g

  • 炭水化物...8.5g

  • 脂質...0.1g

  • 食物繊維...1.4g

糖質は7.1gです(炭水化物から食物繊維を引いた値)。カロリーはさほど高くないですが、糖質がやや高いです。

他の果物と比べると

  • いちご:糖質7.1g、31kcal

  • メロン:糖質9.8g、40kcal

  • 温州みかん:糖質11.2g、49kcal

  • りんご:糖質14.3g、53kcla

  • マンゴー:糖質15.6g、68kcal

  • バナナ:糖質21.4g、93kcal

です。他の果物と比べると、いちごのカロリーと糖質は低いです。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

いちごの加熱による栄養素の変化

果物のビタミンCは加熱に弱い?

ビタミンCは熱に弱いと言われていますが、ビタミンC自体が熱に弱いわけではありません。ビタミンCには2種類あり、そのうちの1つが熱によって分解反応が加速してしまうためビタミンCが熱に弱いと誤解されています。

基本的に新鮮な果物や野菜に含まれるのは熱に強いビタミンCであるため、加熱によってビタミンCが大きく損失されることはありません。

いちごジャムは高カロリー

いちごジャムは、100gあたりのカロリーは250kcalにまで増えます。さらに、糖質は62gにもなるので、ジャムの食べ過ぎには注意しましょう。

いちごの栄養に関する豆知識

いちごはフルーツ?野菜?

農林水産省では概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするものをフルーツとして定義しています。そのためいちごは野菜として分類されます。ちなみに、スイカやメロンは栽培方法の定義から野菜に、アボカドはフルーツに分類されます。

表面のツブツブは種ではなく、ここが果実

実は、いちごは丸く大きくなった赤い部分は実ではありません。ここは実は花托なんです。そして、周りについてるツブツブが本当の実なんです。1粒のいちごには200〜300個の果実が集まっており、これを集合果といいます。

赤ければいいわけではない

いちごは真っ赤に熟れているものを買ってしまいがちですが、そういうわけではありません。赤さ=甘さなわけでもなく、糖度と甘さに関連はないんです。そのため真っ赤ないちごを買ったからと言って甘いわけではいんですよね。ちなみに、いちごは下部(ヘタがついていない細くなっている方)が甘くなっています。

また、完熟よりも一歩手前のいちごの方が、ビタミンCは豊富です。この七分くらい熟されたいちごのビタミンCが100だとすると、完熟では80くらいに減ってしまいます。若干青い部分が残るいちごを買うといいでしょう。

ヘタや葉っぱは栄養価が高い

捨ててしまいがちなヘタや葉っぱにも栄養価は含まれています。ヘタに関しては、果肉以上のビタミンCが含まれています。またいちごの葉にはカテキンの20倍以上の抗酸化作用を持つアグリモニインという成分や、美白成分なども含まれています。そのため、スムージーやフレーバーウォーターなどに入れるといいです。農薬が心配な場合はしっかりと洗ってから使いましょう。

いちごのヘタを包丁で切るのはNG

いちごは茎から栄養を受け取っているので、ヘタの真下の部分には栄養価がたくさん詰まっています。そのため包丁でヘタを切ってしまうと、栄養が詰まっている部分の切ってしまいます。

また、いちごのヘタは食べる直前にとりましょう。ヘタを取ってから水洗いすると水溶性の栄養素が流れ出てしまいます。

白いいちごがある

熟しても赤くならない、白い品種のいちごがあります。中でもよく出回っているのが「初恋の香り」です。酸味が少なく甘いのでとても人気です。赤いいちごと合わせて紅白にするなど贈答品としても人気が高いです。

いちごの効果的な食べ方

ジャムより生がおすすめ

ビタミンCは熱に弱いため、ジャムにするとビタミンCが現象してしまいます。またジャムは糖質とカロリーが高くなるので、食べ過ぎると太る原因となります。栄養面で考えても、いちごを食べる際は生のほうがおすすめです。

他のフルーツと一緒に

いちごだけだと栄養素は偏ってしまいます。そのため他のフルーツと一緒に食べるといいでしょう。また、カルシウムが豊富な食べ物も積極的に摂取する方が良いです。

たんぱく質と一緒に

ビタミンCはたんぱく質との相性がとても良いです。前述した通り、ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。いちごにはビタミンCが豊富に含まれているので、たんぱく質が豊富な食材と食べ合わせましょう。

そのため、ヨーグルトに入れると良いでしょう。そこにビタミンEが豊富なアーモンドなども一緒に入れるとより良くなります。ヨーグルトとスムージーにしたりするのもおすすめです。