サイコロステーキとは、一口大にカットされたステーキのことをいいます。サイコロステーキは食べるときに切り分ける必要がないため、小さなお子様でも食べやすいです。本記事ではサイコロステーキの焼き方について詳しく解説。
サイコロステーキとは、一口大にカットされたステーキのことをいいます。
豚肉を使って作ることもできますが、日本では一般的にステーキ用の牛肉を使って作るものを指すことが多いです。使われる部位は、サイコロステーキの種類によって異なります。
一口大であるため一般的なステーキよりも調理をしやすいことや、ナイフとフォークで切る必要がなく手軽に食べることができるといった点で人気があります。
サイコロステーキには大別して2種類あります。それぞれ異なる性質や特徴があるので、どちらか理解した上で焼くことが大切です。
純粋肉は、サーロインなどの純粋肉を一口大にカットしたものです。
使われる部位は肩から続く背中の部分の肉である「牛リブロース」や、牛リブロースよりも下の背中の肉である「牛サーロイン」、腰から尻にかけての肉である「ランプ」、助骨の内側の肉である「牛ヒレ」です。特に肉質が柔らかく脂肪が多い牛サーロインが使われることが多いです。
人工的に四角く成型していないため形は不揃いですが、牛肉そのままの味を堪能できるというメリットがあります。また、ステーキと同じように値段は高くなります。
スーパーなどで販売されていることもありますが、大きさや形が不揃いになってしまうことが多いため不平等にならないよう精肉店では取り扱っていないことが多いです。主に自宅で肉をサイコロ状に切って焼いて食べるか、レストランなどで食べることができます。
成型肉は、牛肉の細かいくず肉や内臓肉を結着剤で固めるなどしてサイコロ状にカットしたものです。
純粋肉とは異なり、大きさや形がしっかりと揃っています。値段は純粋肉よりも安く、スーパーでも手軽に購入することができます。また、筋などを切断して加工しているものも多く、純粋肉よりも柔らかく小さなお子様でも食べやすいという特徴があります。
パッケージに「成型肉」と記載されていることが多いので、見た目では純粋肉との判断がつかないという方はパッケージをチェックしてみましょう。また、糖類や乳、たまご、大豆など様々なものを混ぜ合わせて作られていることもあるため、アレルギーをお持ちの方は必ず確認してください。
出典:全国食肉公正取引協議会お肉の表示ハンドブック
自宅で牛サーロインなどの一枚肉を一口大に切ってサイコロステーキにした場合の美味しい焼き方を紹介します。
一枚肉をサイコロステーキにするときは、まず常温に戻してから切ります。冷蔵庫や冷凍庫から取り出してすぐに焼いてしまうと、肉の外と内の温度差で火が均一に通らなくなってしまうためです。
常温に戻ったら叩いて厚さを均等にしてから、できるだけ大きさが均一になるようにカットすることがポイントです。厚さや大きさが揃っていると均一に火が通ります。
また、肉は加熱により水分量が少なくなるとお肉の繊維がギュッと収縮されます。このお肉の繊維の収縮によってお肉は固くなります。肉を叩いておくことで繊維がほぐれるため加熱したときの繊維の収縮が抑えられ固くなりにくくなります。
より柔らかく仕上げたいという方は、ひと手間かかりますがたんぱく質を分解する作用のある酵素が含まれている塩麹やすりおろした玉ねぎに浸けておくと良いです。
お肉の繊維はたんぱく質でできているため、酵素が含まれている食材に漬け込むことで繊維が分解されて細くなり、柔らかくなります。さらに酵素がたんぱく質を分解する際に出るアミノ酸によって旨み成分が増すという利点もあります。
まず、フライパンを中火で熱して油を引きます。油を引いたら一口大に切った肉に塩コショウで味付けをします。下味を早くつけすぎてしまうと、加熱した際に肉の水分と一緒にうま味が出てしまいパサつきやすくなってしまうため、下味は焼く直前につけることが大切です。
下味をつけたら、肉同士が重ならないようにフライパンに並べます。下の面に焼き目がついたら転がしてすべての面に焼き目がつくまで加熱します。焼き目がつくまで触らないようにするのがポイントです。
すべての面に焼き色がついたら、弱火にしてフライパンに蓋をし2分程度蒸らします。
加熱されてすぐの肉の内部は細胞内の水分が膨張している状態であるため、加熱後すぐにお皿に移してしまうと肉汁があふれ出してしまいます。蓋をして蒸らすことで火を通すことができるだけではなく、旨味を閉じ込めることができます。
切った時にうまみ成分を逃さないためにも中の水分が落ち着くまで寝かせておきます。
最後にワインを少々加えてフランベしても良いです。フランベをすることで風味や香りがよくなる他、旨みを閉じ込めることができます。アルコールは熱で飛ぶのでお子様でも食べることが可能です。
オーブンやトースターを使って焼くこともできます。オーブンやトースターで焼く場合は、天板にオーブンシートなどを敷いて塩コショウで下味をつけた肉を並べ焼きます。ただし、油が沢山出て引火してしまう可能性があるため注意が必要です。
純粋肉の場合は、焼き加減を好みで調節することができます。焼き加減には大別して「レア」「ミディアム」「ウェルダン」の3種類あります。
レアは肉の表面だけを強火で軽く焼いたもので、中はほとんど生の状態です。牛肉には寄生虫や菌は存在しないため完全に火が通っていなくても食べることができます。ただし、表面には菌が付着していることがあるので表面はしっかり焼きましょう。
ミディアムはレアよりは中まで火が通っていますが、断面にピンク色が残っている状態です。レアと同じく表面はしっかりと焼かれているため香ばしく、中はほどよく赤身が残っていて柔らかいため人気がある焼き加減です。
ウェルダンは中間でしっかりと火が通っている状態です。切ってもピンクの赤身はありません。加熱時間が長い分レアやミディアムと比較して水分が飛んで繊維収縮が起こりやすいため固くなりやすいですが、しっかりと火が通っていないと不安という方や、しっかりとした食べごたえがほしいという方におすすめです。
焼き加減の確認の方法には、金串を刺したり、お肉を押すなどがあげられます。
例えばフォークなどで刺した際に押してみて深くまで沈む場合はレア、全く押し込めないぐらい固くなっている場合はウェルダンです。
ただし強く押し込みすぎると肉汁が出てしまい、旨味成分が流れ出てしまうので注意してください。
成型肉の場合は予めサイコロ状にカットされているため、常温に戻したらそのまま焼くことができます。成型肉の場合、冷凍の状態で販売されていることも多いです。解凍しなくても加熱することができますが、冷蔵庫に移して常温解凍した後に、常温に戻して焼くと良いです。
成型肉はフライパンを中火で熱したら肉に油を引かず、塩コショウをふった肉を並べます。
成型肉は純粋肉と比較して油が多いため油を引くと油っこくなってしまいます。脂が少なくフライパンに引っついてしまう場合は、少量の脂を加えましょう。
成型肉をフライパンに並べたら、純粋肉と同じように全面に焼き目をつけます。成型肉の場合は脂が沢山出てくるため、余分な脂はキッチンペーパーなどで拭き取りながら焼いてください。
全ての面に焼き目がついたら、弱火にして蓋をして3分〜5分蒸らします。しっかりと火を通すため純粋肉よりも長めに蒸らしましょう。
成型肉の場合は、純粋肉とは異なり一枚肉を一口大に切り落としているわけではないため中までしっかりと火を通す必要があります。
純粋肉のようにレアやミディアムの状態では食中毒を起こす可能性があるので注意しましょう。
表面が焼けていても中心部分まで火が通っているとは限らないため、竹串などで刺して確認をすると安心です。竹串などを刺したとき透明の肉汁が出てくるのが中まで火が通っているサインです。赤い肉汁が出てきた場合は、火が通っていないのでフライパンで温め直すかレンジで再加熱してしっかりと火を通してください。
フライパンでサイコロステーキを焼く方法はおわかりいただけたかと思いますが、サイコロステーキはフライパン以外の調理器具を使って焼くこともできます。ここからは、フライパン以外の調理器具を使ったサイコロステーキの焼き方を紹介します。
ホームパーティーなどでサイコロステーキをふるまいたい時などにおすすめなのが、ホットプレートです。ホットプレートであれば面積が広いので、他の野菜も一緒に焼くことができます。
ホットプレートで焼くときは、サイコロステーキを常温に戻しホットプレートを予熱します。ホットプレートの場合はフライパンを温めるよりも時間がかかるため、十分にあたためておきましょう。
ホットプレートが温まったら、サイコロステーキに塩コショウをふりかけて下味をつけて焼いていきます。焼き目がついたら、ひっくり返しさらに焼きます。
ホットプレートの場合も純粋肉であれば焼き加減はお好みに合わせ、成型肉であればしっかりと焼きましょう。
オーブンを使ってサイコロステーキを焼くのもおすすめです。オーブントースターには、温度や時間を設定する機能がついている場合が多く、焼き加減を調整しやすいメリットがあります。
オーブンを使ってサイコロステーキを焼くときは、まずオーブンを200度に予熱します。予熱が完了したらサイコロステーキに塩コショウまぶします。
オーブン用の天板にオリーブオイルを薄く塗り、サイコロステーキを並べたら天板をオーブンに入れ、サイコロステーキを焼いていきます。
焼き時間は、焼き加減によって異なりますが、一般的には10分〜20分程度が目安です。成型肉の場合はしっかりと加熱し、不安であればカットして火が通っているか確認すると良いでしょう。
焼き上がったら、お好みでステーキソースなどをかけてお召し上がりください。
グリルパンとは焼き面が波状になっているフライパンのことをいいます。グリルマークがつくため、見た目も良く、香ばしく仕上げることができます。
サイコロステーキを室温に戻したらグリルパンを中火で加熱し、十分に熱くなったら塩コショウをふり両面を約2分ずつ焼きます。焼き目がついたら火を弱め、さらに数分焼きお好みの焼き加減になったらフライパンから出します。成型肉の場合はしっかり加熱してください。
フライパンから出したら、アルミホイルに包み5分程休ませたら完了です。
焼き加減の調整は、グリルパンの火加減やサイコロステーキの厚みによって異なりますので、焼きすぎにならないよう注意しましょう。
焼き肉を網の上で焼くように、焼き網を使ってサイコロステーキを焼くこともできます。焼き網を使ってサイコロステーキを焼くと余分な油を落とすことができるので、脂っこいのが苦手な方におすすめです。
焼き網でサイコロステーキを焼く場合は、サイコロステーキを室温に戻し、表面の水気をキッチンペーパーで取り除きます。
油が少ないお肉の場合は焼き網にこびりついてしまうことがあるので、オリーブオイルなどを薄く塗っておきましょう。常温に戻した肉を編みの上に乗せたら、約2分ほど焼き目がつくまで焼いたらひっくり返して同じように2分程焼きます。
しっかり焼き目がついたらアルミホイルに包んで5分ほど休ませたら完了です。火加減や網から火までの高さによっても焼き時間は異なりますので、様子をみながら焦げないように調節してください。
純粋肉のサイコロステーキをレアやミディアムにしたい、柔らかく仕上げたいという方にはスロークッカーの利用もおすすめです。
スロークッカーは低温で長時間加熱することで肉の繊維が柔らかくなるため、柔らかくジューシーに仕上げることができます。また、低温でじっくり加熱することで旨味がしっかり凝縮されるメリットもあります。
スロークッカーで調理する場合は、肉を入れてスイッチを押すだけです(スロークッカーの使い方はメーカーによっても異なるので説明書をよく読んで利用してください)。
時間はかかりますが、スイッチを押すだけなので手間がかかりません。
サイコロステーキはシンプルに塩コショウの味付けのみでも美味しく食べることができますが、焼き肉といえば焼き肉のタレにつけて食べることが多いように、サイコロステーキはステーキソースをかけて食べることも多いです。
サイコロステーキは醤油ベースのソースと相性がとても良く、醤油ベースのソースは白米にもよく合います。特に油っこくなりやすい成型肉にはさっぱりとした醤油ベースのステーキソースをかけて食べるという方が多いです。
醤油ベースのステーキソースはスーパーなどで購入することができますが、自宅で作ることもできます。自宅で作る場合は、しょうゆとみりん、すりおろしたニンニクを混ぜ合わせてサイコロステーキに絡めます。
また、バター醤油にしたりシンプルにわさび醤油につけても美味しいです。
みじん切りやすりおろした玉ねぎなどが入ったステーキソースも人気があります。たまねぎなどの野菜おろしが入ることにより、野菜の香りが肉の風味と旨味を引き立ててくれます。
野菜おろしベースのソースもスーパーなどで購入可能です。自宅で作る場合は、ポン酢に大根おろしを加えても美味しく食べることができます。だいこんおろしを加えることにより、さっぱりと食べることができます。
トマトケチャップやウスターソースをベースににんにくや砂糖などを加えたバーベキューソースは、甘味があり小さなお子様にも人気の肉料理定番のソースです。サイコロステーキにももちろんよく合い、アメリカンテイストのサイコロステーキを楽しむことができます。
自宅で作る場合は、トマトケッチャプにウスターソースまたは中濃ソースを加え、にんにくや醤油、はちみつを混ぜ合わせるだけで簡単に作ることができます。
サイコロステーキをお皿に盛る前に、お皿を湯煎で温めておくと肉の熱を奪うことがないのでより美味しく食べることができます。
高級料理店などで席の目の前の鉄板でステーキを焼いて出してくれるのは、このためです。自宅で高級料理店のように鉄板を使って焼くことは難しいですが、お皿を温めるひと手間を加えるだけで簡単に熱々の美味しさを楽しむことができます。
ホットプレートがある場合は、ホットプレートを使って焼いてすぐに食べるのも良いでしょう。
サイコロステーキのみをお皿に盛って食べても美味しいですが、トマトやにんじん、じゃがいもなどの付け合せを添えて一緒に食べると、彩りがよくなり栄養価も高くなります。また、付け合せを添えて一緒に食べることで油っこさが軽減されて脂っこいものが苦手な方でも食べやすくなりますし、付け合せも肉の旨味が加わりより美味しくなります。
ステーキソースをかけてそのまま食べるだけではなくご飯の上に乗せてサイコロステーキ丼にしたり、その他の野菜と一緒に炒めても美味しく食べることができます。
生野菜の上にサイコロステーキを乗せて、サラダの具材として食べても美味しいです。サラダの上に乗せることでさっぱりと食べることができますし、食べごたえが増し満足度も高くなる他、たんぱく質を摂取することができるため、ダイエット中の方にもおすすめです。ドレッシングは青じそドレッシングなどさっぱりとしたものと相性が良いです。
またカレーやシチューなどの煮込み料理にアレンジすることも可能です。煮込み料理にアレンジする場合は、火を通しすぎてしまうと固くなってしまうため、野菜などを煮込みあとに焼いたサイコロステーキを加えてサッと煮込む程度にしましょう。
Most Popular
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
変色した長ネギは食べられる?原因と対処法を色別に解説
食品事典
玉ねぎにカビが!食べて大丈夫?色別の種類と対処法も解説
食品事典
ほうれん草から黒い汁が出る原因と対処法。食べても大丈夫?
食品事典
ふきの下ごしらえ(茹で方・皮の剥き方・アク抜き)の方法を解説
食品事典
こごみの保存方法と期限。冷蔵・冷凍で長持ちするのは?
食品事典
ハンバーグの温め直し。固くならない方法はレンジ・フライパンどっちがおすすめ?
食品事典
腐ったレタスの見分け方。味やニオイは?原因も解説
食品事典
中が茶色いじゃがいもは食べられる?空洞や輪になってる場合は?
食品事典
もやしはお弁当に入れると腐る?原因と対処法を解説
食品事典