にんにくの苦みの原因はいくつかありますが、主ににんにくの芽の部分であることが多いです。にんにくの芽には、苦み成分であるケルセチンが多く含まれています。また加熱することで苦みが強くなるとも言われています。この記事では、にんにくが苦いと感じる原因や対処法などを詳しく解説しています。
にんにくが苦いと感じる原因は、にんにくの芽にあることが多いです。にんにくの芽の部分には、苦味成分であるケルセチン(ポリフェノールの一種)が多く含まれていると言われています。そのため、にんにくの芽を取り除かずに調理すると、苦みを感じやすくなるのです。
また、にんにくの芽は焦げやすい性質があり、焦げによっても「苦い」と感じることがあります。
加熱調理をする際に、にんにくを加熱しすぎることでも苦みが増すともいわれてます。加熱することでにんにく全体が焦げ、その焦げによって「苦い」と感じます。
にんにくはきつね色になってから、完全に焦げた状態になるまでがとても早いです。薄切りやみじん切りにカットしていればなおさら焦げやすいので注意しましょう。
にんにくの芽の部分だけでなく全体的に苦みを感じる場合、それは栽培時の追肥が原因だと考えられます。
追肥とは、野菜や果物の生育途中に与える肥料のことです。にんにくは元々丈夫な野菜なので、多量の追肥は不要ですが、必要以上に追肥してしまうと苦くなる傾向があると言われてます。
特に、窒素が多い状態になると苦みが出やすいです。窒素を多く含む肥料を多量に与えることで、苦みが増してしまいます。
にんにくには様々な種類があり、品種によっては苦みが出やすいものがあります。
例えば「ジャンボにんにく」という品種は、他のにんにくと比べて苦みを感じやすいと言われてます。名の通りとても大きいにんにくなのですが、にんにく特有の香りや風味が弱く「無臭にんにく」とも呼ばれるほどです。一方で、ネギに似たような苦みが感じられます。特に生食すると苦みを強く感じやすいです。
にんにくが全体に苦い場合、もしかしたらにんにくが腐ってしまっているかもしれません。にんにくは保存性が高い香味野菜ですが、保存状態が悪いと腐りやすいです。カビが生えたり腐敗が進むことで、苦みやえぐみが出ることがあります。見た目や触感、香りなどに異変を感じる場合は食べずに処分する方が安全と言えます。
苦みを感じるにんにくは、基本的に食べてしまっても問題ありません。苦み成分が多く含まれているにんにくの芽自体は食べられますので、そのまま調理してしまってもOKです。ただし、焦げやすい性質があるので火加減には注意して調理しましょう。
一方で、腐っている場合は食べてしまうと食中毒などの健康被害が出てしまいますので、腐っているにんにくは食べないようにしてください。
上述した通り、にんにくの芽には苦み成分が多く含まれています。また、にんにくの芽は加熱により焦げやすい特徴もあるので、予め芽を取り除いてから調理するとよいでしょう。
にんにくの芽の取り方は、
縦半分に切り、包丁で取り出す
にんにくの頭とお尻の部分を包丁で切り、爪楊枝(太い方)を使って頭→お尻に向かって押し出す
などの方法があります。
加熱料理に使用する際、火を通しすぎないのもポイントです。上記で解説したように、にんにくは焦げやすいため、色が変わってきたらすぐに取り出すようにしましょう。
また、鍋やフライパンに入れる手順や火加減もポイントです。火を付ける前に入れることで、にんにくが一気に焦げるのを防ぐことができます。また、弱火でじっくり時間をかけてにんにくの香りを油に移しましょう。
色が変わったにんにくは一度取り出し、調理の最後に再投入するのもおすすめです。
にんにくを家庭菜園などで栽培する際は、追肥の種類や量に注意しましょう。
窒素過多状態になると苦みが出やすくなるので、窒素を与えすぎないようにします。また、窒素・リン酸・カリの配合率が同じになるように追肥するか、リン酸がやや多めのものを追肥するようにしましょう。
窒素過多の状態は、にんにくの葉の色で判断することができます。葉の色が濃くなってしまっている場合は、窒素が多すぎるサインです。球の肥大前であれば多量に水を与えて窒素を流し(窒素は水に溶けやすい)、肥大期以降であれば水を控え乾燥気味にさせ、窒素が溶けにくくなるようにしましょう。
上記で、ジャンボにんにくは苦みを感じやすいとご紹介しました。苦みを感じにくい品種を選ぶのもおすすめです。
苦みが少ない品種には、「生にんにく」や「極・いばらき高原にんにく」などがあります。一般に市販されているにんにくも、ジャンボにんにくと比較すると苦みが感じにくいです(ただし品質や生育状態などによっては苦みが出ることもあります)。
これらのにんにくも焦げやすかったり、芽の苦みが強いなどの点は共通しているので、調理の際は注意してください。
にんにくは、ヒガンバナ科ネギ属の多年草です。多年草とは、季節が変わっても枯れることなく毎年花や実をつけ、数年間そのサイクルを繰り返す植物です。
にんにくには強い香りや風味があり、香味野菜として使われます。球根部分は「にんにく」、茎の部分は「にんにくの芽(茎)」として販売されています。
ニンニクの原産地は中央アジア(現在のタジキスタンやウズベキスタン周辺)だと言われています。日本には古墳時代の360年代後半に百済との交流に伴い入ってきたと言われています。
にんにくの旬は5月〜9月です。地域によって収穫時期は多少ずれますが、にんにくの生産量が日本一である青森県では、梅雨に入る6月中旬あたりから収穫が始まります。北海道ではそれよりも少し早い5月中旬あたりから収穫期に入ります。
にんにくは、海外では中国の生産量がダントツで1位です。世界全体の3/4もの量が生産されていると言われています。ちなみに2位はインド、3位はバングラデシュ、日本の生産量は37位です。
国内では主に青森県や北海道、香川県などで栽培されます。特に日本産のにんにくの約7割が青森県産です。令和3年度の都道府県別の収穫量を見ると、青森県で13,500トン、北海道で898トン、香川県で751トンでした。
にんにくには、疲労回復や免疫力アップ、冷えの改善やアンチエイジング、動脈硬化予防などの効果が期待できます。その他下記のような効果・効能もあると言われています。
抗酸化作用
抗炎症作用
抗菌作用
血糖低下作用
コレステロール・脂質低下作用
血圧降下作用
強壮作用
にんにくの主成分であるアリシンは、体内でビタミンB1と結びついて(アリチアミン)、ビタミンB1の吸収率を上げ、糖分をエネルギーに変えることでスタミナ回復に効果的と言われています。
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