レタスとキャベツは見た目がよく似ている野菜ですが、レタスとキャベツの違いをご存知でしょうか。本記事では、レタスとキャベツの違いを詳しく解説します。
レタスはキク科アキノノゲシ属の植物です。
レタスには、玉レタスやサニーレタス、ロメインレタスなど様々な種類があります。スーパーなどで販売され、一般的に使われているのは球体の形をした玉レタスです。
レタスは英名「lettuce」 から取られたものです。「lettuce」の由来はラテン語で「牛乳」を意味する「Lac」 で、レタスを切ると茎から白い液体が出ることが由来となっています。
レタスの和名は、「チシャ(萵苣)」です。古名の「乳草(ちちくさ)」を略して「チシャ」といわれるようになったといわれています。
キャベツはアブラナ科アブラナ属の植物です。
キャベツにも夏に種を蒔き冬に収穫する冬レタスや秋に種を蒔き春に収穫する春レタス、高原キャベツなど様々な種類がありますが、最も市場に多く出回っているのは冬キャベツです。
キャベツという名前は英名「cabbage(キャベジ)」から取られたもので、「cabbage」には「頭上の野菜」という意味があります。語源は「頭でっかち」を意味する古いフランス語の「caboche(カボジュ)」やラテン語で「頭」を意味する「caput(カプト)」といわれています。
キャベツの和名は「球菜(たまな)」「甘藍(かんらん)」です。「球菜」は葉の部分が丸い玉のようになっているキャベツの形に由来しています。「甘藍」は中国語で「葉牡丹」という意味があります。キャベツが日本に輸入されはじめた頃のキャベツの種類の見た目が葉牡丹と似ていたことから「甘藍」と呼ばれるようになったといわれています。
レタスの原産国は地中海沿岸地方から西アジアで、紀元前6世紀頃には栽培されていたといわれています。
日本には平安時代に中国から茎から葉を掻き取る「カキヂシャ」といわれる種類のレタスが伝わり、多くの地域で栽培されていました。現代でお肉を包んで食べる「サンチュ」がカキヂシャにあたります。
当時のカキヂシャは葉に苦味があるため生食には向かず、漬物にしたり煮て食べていました。
幕末〜明治時代には、リーフレタスや玉レタスなど現代でも食べられているレタスが日本に輸入されるようになりましたが当時はあまり普及せず、一般的に食べられるようになったのは戦後です。
現在のレタスの約3分の1が長野県産のもので、茨城産や群馬県産のものも多く販売されています。
キャベツの原産国は西ヨーロッパで、紀元前4世紀には栽培されていたといわれています。
栽培当初のキャベツは現在のような葉が密に詰まってボール状になる結球性(けっきゅうせい)ではなく、葉牡丹のような形をしていました。現在の形になったのは紀元初めごろで、イタリアで栽培されはじめたのが始まりです。
キャベツが日本に伝わったのは19世紀半ばの江戸末期です。明治時代から本格的に日本でも栽培が始まり、大正時代にトンカツにキャベツを添えるようになったのを皮切りに広く食べられるようになりました。
現在のキャベツは冬は愛知県産、春は千葉県産、夏は群馬県産のものが多く販売されています。
レタスとキャベツはどちらも球体で色もよく似ているため、普段料理をする習慣がない人の中には「見た目では区別がつかない」という方も多いのではないでしょうか。レタスとキャベツを見た目で区別するポイントを紹介します。
レタスの色はキャベツより濃い緑です。
葉の一枚一枚がキャベツと比較して薄く、やや開き気味にふんわりとした球体になっています。レタスの葉は簡単にちぎれてしまうほどやわらかく繊細です。そのため、スーパーでは葉を痛めてしまわないようフィルムに包んで販売されていることが多いです。
また、葉をよく見てみるとレタスの葉脈(はみゃく)といわれる植物が水分や養分を循環させるための通り道は細く、葉全体に細かく行き渡っていることがわかります。
レタスの芯は収穫してから時間が経つと赤っぽく変色します。スーパーに並べられているものは収穫してから時間が経っていることが多いので、芯の色も区別するポイントになります。
キャベツの色は、レタスと比較して明るい緑色で、芯に向かって色がクリーム色になっています。
葉の一枚一枚が厚く、隙間なく重なりぎゅっと詰まった球体になっています。キャベツの葉も手でちぎることができますが、レタスと比較して硬いです。スーパーで販売されているキャベツは、二分の一にカットされているものなどを除き、フィルムには包まずそのまま販売されていることが多いです。
キャベツの葉脈は太くしっかりとしています。
キャベツの芯は収穫してから時間が立つと茶色っぽく変色します。
レタスはキャベツよりも一回り小さく、上述したようにやや開き気味にふんわりとした球体になっているため、キャベツと比較してかなり軽いです。
手に持ってみると、レタスの葉が水分を多く含み柔らかいこともわかります。
レタスをカットした断面は葉の一枚一枚に空間があり、空間があるものが美味しいとされています。葉の枚数はおよそ30枚ほどとキャベツと比較して少ないのが大きな特徴の一つです。
キャベツはレタスと比較して大きく、厚い葉の一枚一枚がぎゅっと詰まっているためずっしりとした重みがあります。
キャベツをカットした断面は、葉の一枚一枚に空間がありません。レタスとは反対に空間なく詰まって見えるものが美味しいとされています。ただし、春キャベツなどの葉が柔らかい種類のキャベツには若干隙間があることがあります。キャベツの葉の枚数はおよそ50枚ほどです。
レタスの葉は柔らかくみずみずしさがあり、シャキシャキとした食感が特徴です。
甘みなどはなく、ほぼ無味ですが食べる部分によっては若干苦味があることがあります。どんな食材や調味料と合わせて使ってもレタスの味が邪魔をすることはありません。
キャベツの葉はレタスよりも厚いため、パリっとした食感です。
ほとんど味のしないレタスとは異なり甘みがあるのが特徴で、加熱することで更に甘味が増します。葉が厚いため火を通してもパリっとした食感が残りやすく、炒め物の具として使ってもしっかりとした存在感があります。
レタス可食部100gあたりに含まれる栄養素は下記の通りです。
たんぱく質…0.5g
脂質…0.0g
炭水化物…2.8g
食物繊維…1.1g
カリウム…200mg
カルシウム…19mg
マグネシウム…8mg
ビタミンC…5mg
ビタミンK…29μg
レタスの可食部100gあたりのエネルギー量(カロリー)は11kcalで、糖質が1.7gです。トマトは100gあたりカロリー19kcal・糖質3.7g、ピーマンは100gあたりカロリー22kcal・糖質2.8gと野菜の中で低いですが、それ以上にレタスはカロリー・糖質ともに低いです。
キャベツ可食部100gあたりに含まれる栄養素は下記の通りです。
たんぱく質…0.9g
脂質…0.1g
炭水化物…5.2g
食物繊維…1.8g
カリウム…200mg
カルシウム…43mg
マグネシウム…14mg
ビタミンC…41mg
ビタミンK…78μg
キャベツの可食部100gあたりのエネルギー量は21kcalで、糖質は3.4gです。キャベツはレタスよりも栄養素の含有量が多いですが、レタスよりもカロリーが高く糖質量も多いです。
レタスとキャベツの用途はほぼ同じです。どちらも生のままサラダにして食べたり、炒めものやスープの具にして食べることができます。
レタスの葉は柔らかく、生でも食べやすいためシャキシャキとした食感を楽しむために生で食べることが多いです。サラダの具として欠かせない存在ですよね。
一方でキャベツの葉は固く、上述したように火を通したほうが甘みが出るため加熱調理をして食べることが多いです。
レタスとキャベツはどちらも低カロリー・低糖質であるためダイエット食材としても人気ですが、どちらがダイエットに向いているのでしょうか。
カロリーや糖質量のみで見ると、キャベツのほうがレタスと比較してカロリーが高く、糖質量も多いのでレタスの方が同じ量を食べても太りにくいといえます。しかし、キャベツも他の野菜と比べれば低カロリー・低糖質であり、ダイエット向き食品です。
栄養に関してはキャベツに軍配が上がります。カリウムはどちらも変わりありませんが、それ以外はキャベツの方が2倍以上多く含まれています。ダイエット効果の見込めるビタミンCはなんと8倍以上です。
総合的に判断すれば、低カロリー・低糖質で栄養価の高いキャベツの方がダイエット中にぜひ取り入れたい野菜といえます。
レタスとキャベツの用途はほぼ同じであるため、お互いに代用可能です。
ただし、食感や味は異なるため全く同じになるというわけではありません。例えば、葉の薄いレタスはキャベツと同じように加熱するとしんなりとしてしまいます。炒めものにするときにキャベツの代用品にするときは、最後に加えてさっと火を通すなどの工夫をすると良いです。
葉の厚いキャベツをレタスの代用品として火を通さずに食べる場合は、千切りにするなど細かく切ったほうが食べやすくなります。
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