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ヘーゼルナッツパウダーとは?使い方や代用品、栄養素、原料を解説

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ヘーゼルナッツパウダーとは?使い方や代用品、栄養素、原料を解説

ヘーゼルナッツパウダーはヘーゼルナッツを粉状にしたものです。お菓子作りをするときに使われることが多いです。本記事ではヘーゼルナッツパウダーの原料や用途、栄養素、代用品などを解説します。

ヘーゼルナッツパウダーの原料・製造方法

ヘーゼルナッツパウダーはヘーゼルナッツを粉状にしたものです。

英語で「hazelnut powder」と表記します。ヘーゼルナッツフラワー、ヘーゼルナッツプードルといわれることもあり、フラワーは英語で「粉・粉末」という意味があり、プードルはフランス語で「粉末」という意味があります。

ヘーゼルナッツパウダーの原料であるヘーゼルナッツは、カバノキ科ハシバミ属の落葉低木の果実です。硬い殻の中に丸い実が入っていて見た目はドングリと似ていますが、ドングリはブナ科の植物なので種類が異なります。ヘーゼルナッツは、アーモンドとカシューナッツに並ぶ「世界三大ナッツ」といわれています。

ヘーゼルナッツの原産国はトルコ北部で、そこからヨーロッパへと広がっていったといわれています。現在でも全世界の生産量の約75%をトルコが占めており、日本に輸入されているのもトルコ産のものが多いです。

ヘーゼルナッツパウダーには皮ごと粉末状にしたものと、皮を剥いて粉末状にしたものがあります。日本で販売されているヘーゼルナッツパウダーのほとんどは皮付きで、皮なしのヘーゼルナッツパウダーと比較してより風味が強くなります。

ちなみに、ヘーゼルナッツをペースト状にしたものもあります。ペースト状にしたものも、ヘーゼルナッツパウダーと同じようにお菓子作りなどで使うことができます。

ヘーゼルナッツパウダーの用途

焼き菓子

ヘーゼルナッツパウダーは、クッキーやシフォンケーキ、スコーン、マフィン、タルトなどの焼き菓子を作るときに薄力粉などの小麦粉と一緒に使われる事が多いです。

焼き菓子を作るときの生地にヘーゼルナッツパウダーを入れることで、ヘーゼルナッツの甘みと芳醇なナッツの香りをプラスすることができるので贅沢な味わいになります。また、ヘーゼルナッツにはグルテンが含まれていないのでクッキー類はサクサクの食感に仕上がり、パウンドケーキやマフィンなどはヘーゼルナッツの脂分によりしっとり感が出てきます。

ヘーゼルナッツを使ってフィナンシェを作ることもできます。フィナンシェはアーモンドパウダーで作るのが主流ですが、ヘーゼルナッツで代用可能です。ヘーゼルナッツパウダーで作ったフィナンシェは「フィナンシェノワゼット」といいます。「ノワゼット」はフランス語でヘーゼルナッツを意味します。

ジャンドゥーヤ

ヘーゼルナッツパウダーを使ってジャンドゥーヤを作ることもできます。

ジャンドゥーヤは、ナッツ類をペースト状にしたものと溶かしたチョコレートを混ぜ合わせたイタリアの銘菓です。アーモンドやくるみ、ピスタチオが使われることもありますが、基本的にはヘーゼルナッツが使われます。チョコレートにヘーゼルナッツを混ぜることで旨味が増します。

パン

パンを作るときに強力粉と一緒にヘーゼルナッツパウダーを使うと香り豊かなパンに仕上げることができます。ただし、ヘーゼルナッツにはグルテンが含まれていないためヘーゼルナッツを多く入れすぎてしまうとパンが膨らまなくなってしまいます。また、生地がまとまりにくくなってしまうので注意しましょう。

飲み物

ヘーゼルナッツパウダーをコーヒーに入れることで、手軽にフレーバーコーヒーを楽しむことができます。コーヒー粉に加えても良いですし、コーヒーを抽出した後に加えてもOKです。

ちなみにファミリーマートに置かれているヘーゼルナッツシュガーとヘーゼルナッツパウダーは異なるものです。ヘーゼルナッツシュガーは販売されていないようなので、自宅でもヘーゼルナッツのフレーバーコーヒーを楽しみたいという方は、ヘーゼルナッツパウダーで代用してみてください。

コーヒーだけではなく、チョコレートドリンクに入れても美味しく飲めます。

サラダ

オーブンで軽く色がつくまで空焼きすることで、サラダにふりかけて食べることもできます。

焼き菓子を作るときには火を通すので空焼きは不要ですが、空焼きしてから使うことでより香ばしい風味に仕上げることができるのでおすすめです。

ヘーゼルナッツパウダーの栄養素・カロリー

ヘーゼルナッツパウダーの栄養素やカロリーは文部科学省の食品成分データーベースなどにも記載がないため不明ですが、ヘーゼルナッツを粉状にしたものなのでヘーゼルナッツの栄養成分を記載します。

ヘーゼルナッツ100gに含まれる成分は下記の通りです。

  • たんぱく質…13.36g

  • 脂質…69.3g

  • 炭水化物…13.9g

  • 食物繊維…7.4g

  • ビタミンB1…0.26mg

  • ビタミンB2…0.28mg

  • ナイアシン…1.0mg

  • カルシウム…130mg

  • リン…320g

  • 鉄…3.0g

  • ナトリウム…35mg

  • カリウム…610mg

  • マグネシウム…160mg

  • 亜鉛…2.0mg

  • 銅…1.64mg

ヘーゼルナッツには三大栄養素とよばれるたんぱく質・脂質・炭水化物を含み、中でも脂質を多く含みます。

脂質が多いと「太ってしまうのではないか?」と思われる方も多いかと思いますが、ヘーゼルナッツの脂質にはオリーブオイルなどと同じ一価不飽和脂肪であるオレイン酸が多く含まれています。オレイン酸は抗酸化成分が多く、活性酸素の影響による脂肪細胞の増加を抑制する他、代謝を促進する働きがあります。

その他にも便秘の解消や予防に繋がる食物繊維や、糖質を燃やしてエネルギーに変える働きがあるビタミンB類などが含まれています。

ヘーゼルナッツ100gのカロリーは684kcal、糖質量は(炭水化物から食物繊維を引いた値)は6.5gです。脂質量が多いためカロリーは高くなりますが、糖質量は少ないです。

例えばクッキーなどの焼き菓子を作る際にヘーゼルナッツパウダーを入れると、良質なたんぱく質や脂質をプラスすることができる他、糖質量を減らすことができます。

ヘーゼルナッツパウダーはどこで買える?

ヘーゼルナッツパウダーは製菓材料専門店や業務スーパーで購入することができます。

残念ながらイオンや西友などのスーパーでは取り扱っている店舗が少ないため、近くに購入できる店舗がないという方はAmazonや楽天などのインターネット通販の利用をおすすめします。

ヘーゼルナッツパウダーの値段は製造メーカーによって異なりますが、小麦粉などの粉物の中でも高価です。例えば製菓材料専門店の「富澤商店」では、100g730円で販売されています。

ヘーゼルナッツパウダーの賞味期限・保存方法

ヘーゼルナッツパウダーの賞味期限は製造メーカーによっても異なりますが、製造日から3ヶ月〜4ヶ月程です。

未開封の場合は、直射日光の当たる場所や高温多湿の場所を避けた冷暗所で常温保存することができます。開封をしたら、密閉できる容器に移し替えて冷蔵保存しましょう。

ヘーゼルナッツは劣化しやすく風味が落ちてしまうため、開封をしたら2〜3週間で使い切るのがベストです。

ヘーゼルナッツパウダーの代用品

アーモンドパウダー(アーモンドプードル)

アーモンドパウダーはヘーゼルナッツパウダーと用途が同じであるため、代用品になります。

ただし、ヘーゼルナッツパウダーとは原料が異なるため風味などに違いがでます。アーモンドパウダーを使うとアーモンド特有の風味とコクがでます。どちらを使っても食感などに違いはないため、好みで使い分けると良いでしょう。

アーモンドパウダーはアーモンドを粉状にしたものです。

ヘーゼルナッツパウダーと同じように皮付きタイプと皮なしタイプがあり、スーパーなどでは一般的に皮なしタイプが販売されています。焼き菓子などを作る際にアーモンドパウダーを加えることで、アーモンドの風味と香ばしさをプラスすることができます。

ひよこ豆パウダー(ベサン)

ひよこ豆パウダーはヘーゼルナッツパウダーの代用品になります。

ただし、ヘーゼルナッツパウダーとは原料が異なるため風味などに違いがでます。例えばひよこ豆パウダーを使ってクッキーを作るとナッツの風味はしませんが、噛めば噛むほど味わいがあります。

ひよこ豆パウダーはひよこ豆を粉状にしたものです。

ひよこ豆は日本でよく見られる大豆とは異なり、ゴツゴツとした形をしています。豆のちょうど真ん中の部分に鳥のくちばしのような突起があり、ひよこの頭に見えることから「ひよこ豆」という名前がついています。

ひよこ豆パウダーは植物性のたんぱく質を多く含むという特徴があり、小麦粉の代用品として焼き菓子を作ったり揚げ物の衣として使われることが多いです。