スイカダイエットが流行していますが、スイカには本当にダイエット効果があるのでしょうか?カロリー・糖質をはじめ、ダイエット効果が期待できる栄養素にも注目します。
スイカの可食部100gあたりのエネルギー量は41kcalで、糖質は9.2g(炭水化物から食物繊維を引いた値)です。水分は89.6g、たんぱく質は0.6g、炭水化物は9.5g、脂質は0.1g、食物繊維は0.3gです。
スイカはやはり糖質が高めです。ちなみに赤いスイカと黄色いスイカはカロリーと糖質の値は同じです。また他の三大栄養素の数値も同じです。
他の果物の100gあたりのカロリー(エネルギー量)と糖質は、上表の通りです。
メロンはカロリー40kcal、糖質9.8gで、スイカと近い数値です。いちごのカロリーは31kcalと低く、バナナはのカロリーは93kcalもあります。果物は全体的に、糖質とカロリーが高いのがわかります。
果物と比較しましたが、スイカは野菜もしくは果実的野菜に分類されます。果実的野菜とは農林水産省によって定められているもので、野菜に分類されながら一般的には果物として認識されているものを言います。農林水産省では概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするものを果物として定義しています。そのため栽培方法でいうとスイカは野菜に分類されます。これはメロンやいちごも同様です。
ちなみにスイーツは、ミルクチョコレート(100g)は550ckal・糖質59.3g、ショートケーキ(一切れ)は308kcal、糖質41.5g、おまんじゅう(1個)でも130kcal・糖質28.1gと、カロリーも糖質も果物よりさらに高いです。
スイカはごはんよりカロリー・糖質が低いだけではなく、ダイエット効果が期待できる栄養素も多く含まれているので、解説していきます。
シトルリンはスイカから発見されたアミノ酸で、ウリ科の植物に多く含まれています。シトルリンには血流促進の働きがあると報告されています。血流が改善すれば身体の隅々まで栄養や酸素がいきわたり、代謝がアップし肥満を予防する効果があると期待されます。
また、スポーツ時はアンモニアを取り除き、乳酸の消費を促進するため、パフォーマンスアップや疲労回復などの効果が報告されています。ダイエット中に運動する人は積極的に摂取したい栄養素の一つです。
トマトの栄養素として有名なリコピンがスイカにも含まれています。
リコピンの抗酸化作用により血液中の血栓ができにくくなり血流が改善することができると考えられています。血流が改善すれば身体の隅々まで栄養や酸素がいきわたり、代謝がアップし肥満を予防する効果があると期待されます。
また、リコピンには脂肪細胞の増加を防ぐことができるのではないかとも考えられています。
スイカには少量ですが食物繊維が含まれています。
食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、特に水溶性食物繊維がダイエットの強い味方です。
水溶性食物繊維は、消化管で糖質を取り囲み、糖質の消化・吸収をブロックし、血糖値の上昇を抑えます。また、コレステロールを吸着し排出することで血中コレステロール濃度を低下させます。
さらに、食物繊維が豊富な食品は食べごたえがあり、咀嚼に時間がかかります。たくさん噛むことで満腹中枢が刺激されてすぐにお腹がいっぱいだと感じやすくなります。その結果、食べ過ぎを防ぐことに繋がります。
ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。このコラーゲンですが、肌に弾力を与えるだけでなく、丈夫な骨を形成したり、丈夫な腱や筋肉をつくったり、関節の動きをよくしたり働きもあります。ビタミンCとたんぱく質を一緒に摂取すると筋肉量が増え、代謝が上がり、痩せやすい身体になります。
また、コレステロール値を下げる作用もあります。さらに、ビタミンCはストレスを感じると大量に消費されます。そのため、ダイエットでストレスを感じる方には積極的に摂取したい栄養素です。
ビタミンCが不足すると肌荒れが起きるだけでなく、貧血や倦怠感など体調不良も引き起こすことがあるので注意しましょう。
ビタミンB1は糖質がエネルギーに変わるのをサポートします。ビタミンBの中でもビタミンB1は糖質をエネルギーとして使うときに多量に必要とされます。使わずに放置されると脂肪として蓄積されてしまう糖質をエネルギーに変えるので、ダイエットを効率的に行う上で大切な栄養素といえます。
また、糖質は脳や神経系のエネルギー源なので、ビタミンB1には精神を安定させる作用があるといわれています。ダイエット中は精神面が疲労してしまうことがあるので、ビタミンB1が大事になります。
カリウムは体内で総量の98%が細胞内液に存在し、細胞外液にあるナトリウム(塩分)とお互いに作用しながら細胞の浸透圧を維持し、どちらか一方の水分量が多くならないように、バランスを調整しています。カリウムには利尿作用があり、塩分を摂り過ぎたときに、排泄する働きがあります。そのため、むくみ予防に繋がります。
カリウムは主に野菜に含まれています。糖質制限ダイエットやケトジェニックダイエットではおかずの食べる量が増え、塩分の摂取量が多くなります。そのため、野菜もしっかり食べるのが大切です。
また、カリウムには筋肉の収縮を調整する作用もあり、心臓機能や筋肉機能を正常に保つことができます。ダイエット中に筋トレを行う人には大変重要な栄養素です。
ダイエット効果というよりは、美容効果の強い栄養素です。ビタミンEは強い抗酸化力をもつため、シミやシワといった見た目の老化だけでなく血管などの体の内側の老化も防いでくれます。そのため若返りのビタミンとも呼ばれています。
スイカがごはん(100gあたりカロリー156kcal、糖質35.6g)よりカロリーが低いからといって「食事全体をスイカに置き換える」などといった極端なダイエット方法はおすすめできません。
摂取カロリーが抑えられるので、一時的には体重が落ちることが期待できますが、途中で炭水化物をドカ食いしてしまいリバウンドしたり、栄養バランスが崩れて体調を崩してしまう可能性があります。実は、炭水化物もダイエットに必要な栄養素で、適量ではあれば体を動かすエネルギー源になり、脂肪を燃やす役割を担います。
また、スイカは水分が多いので、食べ過ぎると体が冷えたり、下痢になってしまう可能性があるので注意しましょう。
スイカは確かにごはんよりカロリー・糖質は低いですが、他の野菜と比べると高いので、食べ過ぎると太る可能性があるので注意しましょう。
厚生労働省は、食事バランスガイドというものを発表しています。果物の摂取目安は1日2つとしており、1つの基準は果物の重量約100gです。そのため1日の摂取目安量は200g程度にするといいでしょう。
スイカは前述したようにお菓子よりもカロリーは断然低いです。そのため、食事後のデザートや間食をスイカに置き換えるのがおすすめの取り入れ方です。
スイカを食べる時間は夜より朝、昼がベターです。糖質は素早くエネルギー源になるため、1日の活動をスタートにぴったりだからです。活動量が減る夜に食べると太りやすいので注意しましょう。
大きく切ることで咀嚼回数が増え、満腹感がアップします。ジュースなどにしてしまうと食物繊維が壊れてしまい、血糖値が上がりやすくなってしまうので、なるべくそのまま食べるのがおすすめです。
スイカのダイエットにおすすめのレシピを紹介します。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
凍らせたスイカを氷代わりにいただきます。スイカの自然な甘さが◎。甘味料を使っていないので、ジュースなどより低糖質です。おやつ代わりにどうぞ。
すいかソーダのレシピはこちら
冷凍スイカで作る簡単ヨーグルトスムージーです。白砂糖よりGI値(食後の血糖値の上がりやすさを示した数値)が低いメープルシロップを使用しています。満足感が高いのでダイエット中にピッタリです。
すいかのヨーグルトスムージーのレシピはこちら
スイカの皮は捨ててしまう人が多いかと思いますが、ひと工夫でおいしい漬け物に大変身。スイカの皮(白い部分)は捨てずに漬物にするのがおすすめです。
すいかの白い皮の部分には、スーパーアミノ酸であるシトルリンが果肉の2倍も含まれています。シトルリンは血管を若返らせて血流をよくしてくれます。さらに、カリウムやリコピンなども多く含まれています。カリウムはむくみ防止、リコピンは血流促進が期待できます。
すいかの皮の漬物のレシピはこちら
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