新鮮で美味しいじゃがいもの選び方をご紹介します。品種によって見分け方が若干異なりますが、全体的にいえることは、ふっくらと丸みを帯びているものや、傷がすくないもの、芽が出ておらず皮が茶色っぽいものを選ぶとよいです。芽が出ていたり、皮の一部が緑色になっているようなものは避けるべきです。
品種など関係なくすべてのじゃがいもに共通していえる美味しい条件を解説します。
じゃがいもの皮が薄いものを選ぶとよいです。皮に厚みがあったりかたくなっているものは、収穫から時間が経過している可能性が高いです。
じゃがいもの形がふっくらとしていて丸みのあるものは美味しいじゃがいもです。手に持った時にずっしりと重みがあるものを選びましょう。
じゃがいもの表面に傷があると、そこから菌が入り込んだりする可能性があります。そのため、じゃがいもの表面に傷が少ないものを選ぶと、美味しさが長持ちします。
じゃがいもに芽が生えてしまっているものは、収穫からしばらく時間が経っている可能性が高いです。芽が出ておらず表面がなめらかなものを選びましょう。
じゃがいもの皮が緑色になってしまっているものは、有毒物質であるソラニンやチャコニンが多く含まれています。皮が茶色っぽいものを選ぶようにしましょう。一部のみが緑色になってしまっているものも、皮を厚めにカットすれば問題なく食べることができます。
見た目だけでは判断できませんが、水分量が多いじゃがいもは美味しくいただけます。切った時に断面がみずみずしいものです。手に持ったときに全体的にブヨブヨしているようなものは、逆にじゃがいもの水分が抜けてしまっている証拠です。これはじゃがいもが腐り始めているサインなので、あまりにも柔らかいじゃがいもは食べないようにしましょう。
じゃがいもには様々な品種があります。品種によって美味しいじゃがいもの見分け方が違う場合があります。
品種によって、美味しいじゃがいものサイズは違います。
男爵いもやキタアカリ、とうやなどの品種を選ぶ際は、大きいものは避けましょう。元々、サイズが小さい品種なので、大きく育ちすぎているものは、スが入ってしまっていたり、中心部が空洞化している可能性があります。
メークインやホッカイコガネなどの品種は、大きいものでも美味しく食べることができます。
じゃがいもの表面にも注目しましょう。
例えば、メークインやホッカイコガネなどは表面の凸凹が少なくてなめらかなものを選ぶとよいです。
男爵いもやキタアカリなどは、元々表面がゴツゴツした品種なので、表面のなめらかさにはそこまでこだわらなくても問題ないでしょう。
全国で採れるじゃがいもの内、約8割が北海道で生産されています。2019年の北海道のじゃがいもの収穫量は1,890,000トンでした。
一般的にいわれる旬とは、野菜や果実が全国的に露地栽培でよく収穫され、味が美味しい時期を指します。露地栽培とは、ハウスなどの施設を使わず屋外の畑で栽培する方法のことです。
北海道では、春に植えて夏過ぎに収穫されるため、北海道産のじゃがいもの旬は秋ごろです。
北海道以外の土地では、冬に植えて夏前に収穫されるため、旬は春ごろとなります。
主な生産地と収穫量は下記の通りです。
鹿児島県・・・95,000トン
長崎県・・・90,900トン
茨城県・・・48,300トン
千葉県・・・29,500トン
長野県・・・19,300トン
福島県・・・17,300トン
青森県・・・15,500トン
静岡県・・・14,600トン
熊本県・・・13,300トン
じゃがいもの表面に白い粉の塊のようなものが付いている場合は、カビである可能性が高いです。ただし、カビを除けば、そのじゃがいもを食べることは可能です。
水洗いしてカビをしっかり洗い流し、カビが生えている部分を切って破棄します。他の部分に異常がないことを確認しましょう。
カビが広範囲に広がっていたり、実がブヨブヨしたり、悪臭がする場合は、廃棄しましょう。
腐っているというわけではありませんが、じゃがいもから芽が大量に生えている場合、食べるのは避けるべきです。
じゃがいもの芽やその周辺には、有毒物質である「ソラニン」や「チャコニン」が含まれています。ソラニンは、水にほとんど不溶で、加熱によっても分解されにくいです。そのまま食べると中毒を起こし、腹痛やめまいなどを引き起こす可能性があり、また苦味もあるため、調理の際にはきれいに取り除く必要があります。
芽が生えているところは、皮を厚く切って根元から取り除きましょう。
ちなみに、ソラニンはトマトなどにも含まれています。
じゃがいもの皮の一部が緑色に変色している場合、その部分には上記でご紹介した有毒物質「ソラニン」や「チャコニン」が多く含まれています。
緑の部分を厚く剥いて料理に使用しましょう。
また、皮がほとんど緑色になっていなくても、皮を剥いたら実の表面が緑色になっているということもあるので注意しましょう。
じゃがいも全体が緑色に変色してしまっている場合は、有毒物質が大量に含まれている恐れがありますので、食べずに廃棄することをおすすめします。
じゃがいもから茶色い液体が出ている場合は、全体的に腐っている可能性が非常に高いです。
そのため、食べるのは避け、すぐに廃棄しましょう。
本来じゃがいもはほぼ無臭に近いですが、明らかに異臭がする場合は腐っている可能性が高いです。
酸っぱい臭いなどがする場合、食べるのはやめて処分しましょう。
じゃがいもは本来硬いものですが、触ってブヨブヨしたり、粘り気が出ている場合は腐っていることが多いです。
じゃがいもがブヨブヨしている場合、じゃがいもの水分が抜けてしまっている状態です。これはじゃがいもが腐り始めている証拠なので、あまりにも柔らかくなってしまっているじゃがいもは食べずに処分しましょう。
じゃがいもを食べた時に、苦味やえぐみ、舌のしびれを感じるようであれば、ただちに食べるのをやめましょう。
このような味がするのは、じゃがいもに含まれる「ポテトグリコアルカロイド」という成分が原因といわれています。ポテトグリコアルカロイドは天然毒素の一種で、食べた時に舌がピリピリしたり、苦味などを感じます。
酸っぱい味がする場合も腐っている可能性が大なので、食べないようにしましょう。
じゃがいもは最も保存しやすい野菜の一つといわれており、常温での保存で秋・冬は3ヶ月、夏場でも1ヶ月は保存が可能です。
じゃがいもは水分が多い野菜ですが、貯蔵において低温に弱いわけではありません(低温で保存できないわけではありません)。しかし、0〜5℃の温度で保存すると、でんぷんが糖化し、ホクホクとした食感が損なわれてしまいます。そのため、冷蔵・冷凍保存にはあまり向かず、常温保存がおすすめです。
ダンボールや紙袋に入れ保存します。じゃがいもはそこまで乾燥に弱いわけではありませんので、一つずつ新聞紙やキッチンペーパー等で包む必要はありません。
りんごと一緒に常温保存するのがおすすめです。りんごから放出されるエチレンガスは果実の熟成を進めますが、じゃがいもの発芽を抑える効果があります。じゃがいもは暖かく明るい場所で発芽が進むので、繰り返しになりますが、冷暗所で保存するのが大切です。
前述した通り基本的には常温保存がおすすめなじゃがいもですが、下記の場合は冷蔵保存がおすすめです。
夏場に1ヶ月よりも長く保存したい(夏も安心して保存したい)
冬場であっても3ヶ月より長く保存したい
カットしたじゃがいもを保存したい
じゃがいもは正しく冷蔵すれば半年ほど保存することができます。また、じゃがいもは低温保存すると、収穫直後では少なかった糖分(0.1〜0.5%)が、増加(0.5〜2.5%)します。
じゃがいもを丸ごと保存する場合は一つずつキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて軽く口を締め、野菜室に入れます。カットしたじゃがいもは水に付けて保存します。傷みが早いため、2〜3日以内に食べるようにしましょう。茹でたじゃがいもはさらに傷みが早いため、極力その日のうちに消費するようにしましょう。
長期保存のためにする冷凍ですが、じゃがいもの場合は常温や冷蔵の方が長く保存できてしまいます。じゃがいもは丸ごと保存したり、生のまま保存すると、解凍後ブヨブヨになってしまい美味しくありません。下茹でしてマッシュしたりカットしたものを保存するには冷凍がおすすめです。色々な調理にすぐに使えるので便利です。
皮を剥いてひと口サイズに切って熱湯で15分ほど茹で、潰してマッシュポテトを作ります。しっかり粗熱をとってから、小分けにし平たくラップに包み、冷凍用ジッパー付きポリ袋に入れて、空気をしっかり抜いて冷凍します。ポリ袋に入れる前に金属トレイに乗せて急速冷凍すると、食感が損なわれにくくなります。ハムなど他の食材を入れると日持ちしなくなるので、混ぜないようにしましょう。
冷凍マッシュポテトは前日に冷蔵庫に移して自然解凍か、電子レンジで加熱して解凍します。電子レンジを使うとホクホクとした食感になります。ポテトサラダやポタージュ、コロッケなどに使えます。
じゃがいもを乾燥して密閉容器に入れて常温保存した場合の賞味期限は1ヶ月です。
通常の野菜は干すことで保存期間が伸びますが、じゃがいもには当てはまりません。しかし、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。密閉容器に入れて常温で1ヶ月ほど保存できます。
乾燥される方法で一番おすすめなのは天日干しです。天日干しすることでビタミンDが増加します。じゃがいもの皮を剥き、1cm幅に切って硬めに塩茹でします。その後、重ならないようにザルに並べて3日ほど干します。ねっとり、もっちりした食感が楽しめます。切り方を変えれば料理の幅が広がります。
乾燥させたじゃがいもは素揚げが一番おすすめです。そのままオイルをかけてトースターで焼くのも美味。煮物やスープに入れてもいつもと違う食感が楽しめて◎。
天日干しできない場合は、下茹でしたじゃがいもをオーブンで乾燥させたり、レンジで乾燥させる方法もあります。
保存用に味を濃いめに漬けたじゃがいもは冷蔵で2週間ほど保存できます。
じゃがいもを塩や味噌、油などに漬けて保存することができます。浸けることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。保存用なので味は少し濃く、水で洗ってからならご飯のお供にも。大量消費にもおすすめです。
おすすめは、醤油漬けとオイル漬けです。醤油漬けの場合、千切りしたじゃがいもをさっと下茹でし、冷ましたら密閉容器に入れて、しょうゆ:酒:みりん=1:1:1の割合で作った漬けだれをじゃがいもがひたひたになるくらいまで入れます。冷蔵で2週間ほど保存できます。
そのまま食べる場合はしょっぱいので水で洗ってから水けをとって食べましょう。そのまま野菜炒めなどに使うのもおすすめです。
オリーブ漬けの場合、千切りしたじゃがいもをさっと下茹でし、冷ましたら密閉容器に入れて、オリーブオイル100mlに対して塩小さじ1弱の割合で作った漬けだれをじゃがいもがひたひたになるくらいまで入れます。
こちらも炒め物などに使えます。漬けたあとにオリーブオイルはじゃがいものビタミンCが滲み出て栄養価が高いので、無駄にせず使うようにしましょう。
新じゃがは、普通のじゃがいもと比べて水分が多く含まれていることから、普通のじゃがいもよりも賞味期限が短いといわれています。
普通のじゃがいもと同様に、常温での保存が基本です。直射日光や高温多湿を避けて保存します。
常温で保存した場合、1週間〜10日間ほどの保存が可能です。しかし上述したように、新じゃがは水分が多いため、なるべく早めに使い切ることをおすすめします。
実は、じゃがいもは畑のりんごと言われるほどビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。また、ビタミンCはシミのもとになるメラニン色素の生成を抑えたり、肌に弾力やハリをもたらすため、美肌づくりにも重要な栄養素です。
さらに、ビタミンCの抗酸化力はトップクラスですので、細胞を酸化から守り老化や生活習慣病の予防にもなります。白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。
また抗ストレスビタミンと言われているように、ストレス時に副腎に働きかけてアドレナリンの分泌を促す作用もあり、ストレスを撃退します。
多くの動物が体内でビタミンCを合成することができますが、人間は合成に必要な酵素がないため食品から摂取するしかありません。ビタミンCは吸収率が高いですが、一定量を超えると吸収されないまま排出されてしまいます。1日100〜200mg程度摂取すると吸収率は80〜90%と高いですが、1g以上摂取すると50%以下に低下します。また喫煙者はビタミンCの消費が激しいので、一般成人の2倍は摂ることをおすすめします。
日本人が不足しがちなビタミンB1が含まれています。
ビタミンB1は糖質をエネルギーにする(体を元気にする)ために欠かせないビタミンです。不足すると、体のだるさや倦怠感、足のむくみ、動悸の症状、太りやすくなったりします。また、糖質は脳や神経系のエネルギー源なので、ビタミンB1には精神を安定させる作用があるといわれています。
昔、日本人の主食は精白米ではなく玄米で、その玄米にはビタミンB1が含まれていたために、意識していなくても摂取することができました。しかし、昨今ではビタミンB1が豊富に含まれている米ぬかの部分が、精白米にする段階でほとんど取り除かれてしまいます。他にもお菓子やジュースなどの過剰摂取でビタミンB1は不足するとも言われているため、積極的に摂取したい栄養素です。
ビタミンB6はたんぱく質の代謝や再合成に関わり、エネルギーや筋肉、血液などを作るときに必要な栄養素です。健康な皮膚や髪、爪、血液、粘膜を作っています。そのためたんぱく質を多く摂る人ほど必要な栄養素となっています。特に食事をしていないときや、運動していて肝臓や筋肉からエネルギー補給をするときに働きます。肝臓や筋肉でアミノ酸やグリコーゲンをエネルギーに変えるのですが、ここでビタミンB6がスイッチのような形で作用するため、ビタミンB6が不足すると運動時や睡眠中などにエネルギーが補充しづらくなります。
また、アミノ酸の代謝を促し、アドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質の合成を助けます。さらには血中のホモシステイン値を防ぎ、認知症のリスクを軽減します。
他にも、免疫機能を正常に保ちアレルギー症状を緩和する効果や月経前症候群を軽減する効果もあると言われています。
ビタミンB2と一緒に摂取すると効果アップが期待できます。いんげんにはビタミンB2も含まれているので相乗効果が期待できます。また、ビタミンB2を多く含む卵や納豆、肉や魚などの動物性の食品と一緒に摂るのもいいでしょう。
ナイアシンは糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素を代謝する際に、補酵素として酵素の働きを助けます。酵素の構成成分として、体内に最も多く存在するビタミンです。さらに、すべての酵素の2割がナイアシンを使って働きます。そのため、ナイアシンが欠乏すると口角炎や食欲不振、倦怠感、さらには不安感などの精神的な症状も出てしまいます。
また、血行促進作用があるため、冷え性を改善したり、血行不良による頭痛にも効果的です。さらに、アルコールの分解にも働き、2日酔いにも効果があるといわれています。ただその分大量にお酒を飲むとナイアシン不足になりやすいです。現在の日本の食生活でナイアシンが不足する心配はありませんが、お酒を飲む人は気をつけましょう。
カリウムは98%が細胞内液に存在し、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節など、様々な効果があります。腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑制し排泄を促進する働きがあるため、血圧を正常に保ちます。また、心臓や筋肉を動かし、熱中症やむくみの予防、また不要な老廃物を体外へ出す働きもあります。
また、カリウムは水に溶けやすい性質があります。根菜類やブロッコリーは比較的損失が少なくなっていますが、葉菜類は茹でると50%以上が失われてしまうのでスープなどにして汁ごと食べることがおすすめです。ただしナトリウムを摂りすぎないよう薄味にしましょう。
Most Popular
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
スナップエンドウは食べ過ぎNG?太る?1日の摂取目安量は?
食品事典
うるいの保存方法と期間。常温・冷蔵・冷凍で長持ちするのは?
食品事典
変色した長ネギは食べられる?原因と対処法を色別に解説
食品事典
ふきの下ごしらえ(茹で方・皮の剥き方・アク抜き)の方法を解説
食品事典
エリンギが水っぽい...食べられる?濡れてる原因と対処法は?
食品事典
ほうれん草から黒い汁が出る原因と対処法。食べても大丈夫?
食品事典
玉ねぎにカビが!食べて大丈夫?色別の種類と対処法も解説
食品事典
ハンバーグの温め直し。固くならない方法はレンジ・フライパンどっちがおすすめ?
食品事典
こごみの保存方法と期限。冷蔵・冷凍で長持ちするのは?
食品事典