グラニュー糖がないときに代用品として使える砂糖や、その他の調味料を紹介します。
グラニュー糖は、サトウキビやテンサイなどの原料からつくられる砂糖です。製造方法の分類では、分蜜糖(下記参照)に該当し、その中のザラメ糖に属します。ザラメ糖は結晶が大きく、糖度が99%以上あるのが特徴です。グラニュー糖以外には、白ザラ糖や中ザラ糖がザラメ糖に該当します。
グラニュー糖の粒径は0.2〜0.7mmと、ザラメ糖の中では最も結晶が小さいです。グラニュー糖に含まれる水分は0.01〜0.02%と少ないため、サラサラとしています。
グラニュー糖の「グラニュー」は、英語の「granulated(粒状の、粗い)」に由来します。日本では砂糖というと白砂糖(上白糖)が一般的ですが、世界的にはグラニュー糖を指すことが多いです。
<製造方法による砂糖の分類>
分蜜糖
原料を絞った搾り汁(糖汁)から不純物を取り除き、濃縮して得られる白下糖(結晶と糖蜜の混合物)を分離させて、結晶だけを取り出して乾燥させた砂糖のことを指します。さらに分蜜糖はザラメ糖や車糖、加工糖などに細分化されます。
含蜜糖
原料の絞り汁(糖汁)から、不要な成分や不純物を大まかに除去し、そのまま加熱・濃縮して固化させた砂糖のことを指します。黒砂糖、きび砂糖、てんさい糖、パームシュガーなどが含蜜糖に分類されます。
グラニュー糖の100gあたりのカロリー(熱量)は、387kcalです。ちなみに、上白糖(白砂糖)のカロリーは384kcal、白ごはん100gのカロリーは168kcalです。
グラニュー糖は無機質(ミネラル)などを含む糖蜜を除いてつくられるため、ミネラル類はほとんど含まれていません。
またグラニュー糖のGI値は110であり、高GI値食品に分類されます。
GIとは、グライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後の血糖値の上昇度を表す値です。食品の炭水化物を50g摂取した際の血糖値の上昇度合いを、ブドウ糖(グルコース)を100とした場合の相対値で表します。55以下を低GI、56〜69を中GI、70以上を高GIと分類し、GI値が高ければ高いほど血糖値が急上昇します。急激な血糖値の上昇は、体に負担をかけるため、緩やかな上昇が理想的です。
グラニュー糖は大さじ1杯で12g、小さじ1杯で4gです。1カップ(200ml/200cc)では180gとなります。
グラニュー糖は結晶が大きめな砂糖なので、上白糖(白砂糖)と比較すると重くなります。上白糖の重さは、大さじ1=9g、小さじ1=3g、1カップ=110gです。
グラニュー糖は味にクセがなく、溶けやすく焦げにくい性質があります。また、水分量が少ないのも特徴です。
これら性質を活かし、紅茶やコーヒーなどの香りを大切にしたい飲み物の甘味料や、クッキーやケーキ、マフィン、マカロンなどの洋菓子作りに適しています。
メレンゲやホイップクリームを泡立てる際に、グラニュー糖を使用するとよく泡立ちます。グラニュー糖は水分量が少なく、粒が細かく溶けやすいためです。また、砂糖全般に卵白のたんぱく質の水分を抱え込み泡を安定させる作用があることから、しっかりとした泡をつくることができます。
グラニュー糖とよく比較される砂糖が「上白糖(じょうはくとう)」です。いわゆる「白砂糖」と呼ばれる砂糖です。上白糖は日本独自の砂糖で、国内の砂糖消費量の半分以上を占めています。料理全般や菓子、パンなど幅広く使われますが、加熱すると焦げやすいので注意が必要です。
上白糖には水分が0.8%とやや多く含まれており(グラニュー糖の水分量は0.01〜0.02%)、グラニュー糖よりも結晶が小さい(粒径0.07〜0.26mm)のが特徴です。糖の再結晶化を防ぐためにビスコと呼ばれる糖液を添加しているため、グラニュー糖と比較するとしっとりとしています。
グラニュー糖は淡白な甘さが特徴ですが、上白糖は濃厚な甘さがします。したがって、グラニュー糖の代用品として上白糖を使用する場合は、グラニュー糖の分量よりも少なめに使用するとよいでしょう。
上白糖の100gあたりのカロリー(エネルギー量)は384kcalでGI値は109です。
上白糖の重さは、大さじ1杯で9g、小さじ1杯で3gです。
三温糖は上白糖と同様に日本独自の砂糖で、三温糖という名前は、「糖蜜を三度煮詰めてつくる」という工程に由来しています。グラニュー糖や白ザラ糖、上白糖と比較すると純度は低いです。三温糖を作る際の加熱によって黄褐色に色付き、カラメル成分が形成されるため、カラメル色になっています。
三温糖は甘味が強くカラメル風味がするのが特徴で、煮物や佃煮、角煮、菓子の甘味料に適しています。グラニュー糖の代わりに使用する場合は、グラニュー糖の分量よりも少なめに使用するといいです。
三温糖の100gあたりのカロリー(エネルギー量)は382kcalでGI値は108です。
三温糖の大さじ1杯の重さは9g、小さじ1杯で3gとなります。
白ザラ糖は、グラニュー糖と同じザラメ糖に該当する砂糖です。漢字表記は「白双糖」です。
白ザラ糖の結晶は1〜3mmとザラメ糖の中では最も結晶が大きく、平たい直方体になっています。結晶は無色透明です。クセがない淡白な甘味が特徴です(使い方は後ほどご紹介します)。
白ザラ糖は色がなく甘味にクセがないことから、焼き菓子や和菓子、飲み物(コーヒー、紅茶)、果実酒など幅広く使用することが可能です。また、結晶が大きいため溶けにくく、また100〜150℃で加熱しても着色しにくいといわれています。
白ザラ糖の100gあたりのカロリー(エネルギー量)は387kcalで、GI値は110です。
白ザラ糖の重さは、大さじ1杯で約13〜15g、小さじ1杯で約4〜5gとなります。白ザラ糖は結晶が大きいため、グラニュー糖よりも重みがあります。
中ザラ糖は、白ザラ糖(ザラメ糖、上双糖ともいう)に、カラメルで着色した結晶が大きい砂糖を指します。漢字表記は「中双糖」となります。
カラメルの香ばしい風味を生かして、煮物や照り焼きなどの和食に適しています。また、しょうゆとの相性も良いといわれています。
中ザラ糖のカロリーや重さは、白ザラ糖とほぼ同じです。
てんさい糖は、テンサイ(甜菜)という植物の根に含まれる糖からつくられる砂糖で、テンサイは「サトウダイコン」や「ビート」と呼ぶこともあります。
てんさい糖には天然のオリゴ糖が含まれているため、腸内環境を整える効果が期待できます。まろやかな甘さと風味、コクが特徴で、様々な料理や菓子などに使用することができます。
てんさい糖の100gあたりのカロリー(エネルギー量)は約380kcalで、GI値は65です。他の砂糖と比較してGI値が低いため、血糖値の急激な上昇を抑えやすくなります。
てんさい糖の重さは、大さじ1杯の重さは9gで、小さじ1杯で3gです。
「きび砂糖」の名称で販売されている砂糖は、日新製糖独自の砂糖です。「きび砂糖」と「きび」は日新製糖の登録商標です。日新製糖のきび砂糖と同じ原料や似たような製造方法で作られている砂糖もありますが、それらは「さとうきび粗糖」や「さとうきび糖」、「きび糖」などの名称で販売されています。
上白糖などの一般的な砂糖は精製工程が多いため、無色透明の砂糖に仕上がります。一方で、きび砂糖は製造工程が上白糖より少ないため、もともとサトウキビに含まれる成分や風味が残ります。また、きび砂糖の栄養素は、上白糖や三温糖よりも高く、カリウムやナトリウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
きび砂糖には、黒砂糖に似た独特の風味があり、まろやかな甘さが特徴です。そのため、黒砂糖よりも調理に適しており、色付きを気にしなければ、上白糖と同様に料理全般や菓子、コーヒーなど幅広く使用することが可能です。特に、筑前煮や照り焼きなど、コクを出したい和食の味付けに最適です。
きび砂糖の100gあたりのカロリー(エネルギー量)は396kcalです。
大さじ1杯は9g、小さじ1杯は3gとなります。
ちなみに、「素精糖」はきび砂糖の一種で、沖縄県北部産のサトウキビを原料としてつくられるきび砂糖です。
黒砂糖は含蜜糖に該当する砂糖で、サトウキビの搾り汁を煮詰めてつくる黒褐色の砂糖です。「黒糖」と呼ぶこともあります。糖蜜を含むため固まりやすく、ブロックを砕いた塊状をなしています。サトウキビ栽培が盛んな一部地域(沖縄県、鹿児島県など)では、甘味料として使用されることが多いですが、それ以外の地域では健康食品として扱われることが多いです。
カルシウムやカリウム、鉄、亜鉛、ビタミンB1、B2などを豊富に含んでいるのが特徴です。独特な風味とコクを生かして、かりんとうや羊羹などの菓子や煮物の甘味料、焼酎の原料に使われることが多いです。ただし、黒砂糖の色が、料理や菓子の仕上がりに影響する可能性もありますので、見た目を重視したい場合は、別の甘味料の使用をおすすめします。
黒砂糖の100gあたりのカロリー(エネルギー量)は356kcalで、GI値は99です。
大さじ1杯で9g、小さじ1杯で3gです。塊の場合、塊の大きさによって重さが変わります。
氷砂糖は、グラニュー糖や白ザラ糖を溶かした水溶液を原料とし、2週間ほどかけて結晶を成長させてつくられる砂糖です。砂糖の中で最も結晶が大きい砂糖です。
氷砂糖はアクが少なく、まろやかな甘味があり、特に果実酒をつくるときに用いられます。すきやきなどにも適しています。結晶が大きい分溶けにくいので、普段の料理やお菓子作りにはあまり適していません。
氷砂糖の100gあたりのカロリー(エネルギー)は394kcalで、GI値は110です。
氷砂糖の重さは、結晶の大きさによって異なります。
コーヒーシュガーとは、コーヒー専用の甘味料として製造された砂糖のことを指します。加工糖の一種である氷砂糖にカラメル溶液(カラメル色素)で着色されているため、茶褐色をなしています。
中ザラ糖と比較すると粒が大きく、コーヒーに入れると少しずつ溶けます。そのため、時間がたつにつれてコーヒーの甘味が増します。コーヒーシュガーは、コーヒー専用につくられた砂糖ですが、コーヒーシュガー以外にもすき焼きや煮物などの料理、お菓子などに使用することが可能です。
コーヒーシュガーの100gあたりのカロリー(熱量)は387kcalです。
コーヒーシュガーは個包装タイプと、スタンドパックタイプで販売されています。一般的な個包装タイプの重さは、1本6gです。スタンドパックタイプ(個包装されていない砂糖)は、大さじ1杯で約12g、コーヒースプーン1杯で約5gです。
ちなみに「ゴールデンシュガー」は、コーヒーシュガーをさらに細かく砕いたもので、コーヒーシュガーより溶けやすいです。
角砂糖は、グラニュー糖にグラニュー糖の飽和溶液を加えて型に入れ、熱風で加熱して固めたものです。飽和溶液がセメントの役目をして、グラニュー糖を立方体型やドミノ型などの形に成型することが可能です。
角砂糖は蜜の香りがほとんどしないため、香りを大切にしたい紅茶やコーヒーなどに入れるテーブルシュガーとして使用されます。重さを測る必要がないので、計量スプーンなどがない場合の調理にも便利です。
角砂糖の100gあたりのカロリー(エネルギー)は387kcalです。
角砂糖1個あたりの重さは約3〜4gです。
粉砂糖は、白ザラ糖やグラニュー糖を粉砕し微粉状にしたものです。サラサラとしていますが、吸湿すると固まりやすいため、0.5%〜3.0%のコーンスターチを加えることもあります。コーンスターチを加えると風味が損なわれるというデメリットがあります。
粉砂糖は、パウダーシュガーともいいます。
主に装飾用として、ケーキなどの表面に模様を描いたり、アイシングとして使用します。
粉糖の100gあたりのカロリー(エネルギー)は386kcalです。
大さじ1杯で9g、小さじ1杯で3gです。
フロストシュガーは、白ザラメ糖やグラニュー糖を溶けやすいように顆粒状に加工糖に該当する砂糖です。加工糖に分類される砂糖には、フロストシュガー以外に角砂糖や氷砂糖、粉糖などがあります。これらはすべて、分蜜糖を加工したものです。フロストシュガーは顆粒状糖ともいいます。
フロストシュガーには優しい甘さがあり、低温でもさっと溶けて固まりにくいため、フルーツやヨーグルト、ドレッシングなどに使えます。
フロストシュガーの100gあたりのカロリー(エネルギー)は386kcalです。
大さじ1杯で8g、小さじ1杯で3gです。
メープルシュガーは、サトウカエデと呼ばれるカエデ科の落葉高木(ある季節に葉を落とす)の樹液からつくられた砂糖です。
1kgのメープルシュガーをつくるには、40リットルの樹液が必要といわれています。そのため、メープルシュガーは他の砂糖と比較して高価な傾向があります。
メープルの風味とやさしい甘さが特徴です。メープルシュガーは、トーストやヨーグルトのトッピング、お菓子作りや煮物の甘味料に適しています。
メープルシュガーの100gあたりのカロリー(熱量)は378kcalです。
メープルシュガー(粉末状)の重さは、大さじ1杯で約11g、小さじ1杯で約3.6gです。
はちみつ(蜂蜜)は、ミツバチが集めた蜜が巣の中で熟成されたものを指し、人類最古の甘味料といわれています。
はちみつの主成分は糖分(果糖とブドウ糖)で、ビタミン類や鉄、カルシウム、マンガンなどのミネラル分を豊富に含みます。
花の種類によって味や色、香りに違いがありますが、一般的にはちみつはすっきりとした甘さや風味が特徴です。パンやホットケーキにかけたり、コーヒーや紅茶などの飲み物に入れたりして用いられます。
はちみつの甘味の強さは温度により変わりやすいため、調味料としては不向きといわれていますが、甘みを加えるといった意味では、グラニュー糖の代用が可能です。
はちみつは、蜂の蜜であるため、ヴィーガン食品としては認められていません。
はちみつの方がグラニュー糖よりも甘さが強く感じられるため、グラニュー糖の代用品としてはちみつを使用する場合は、グラニュー糖の分量よりも少なめに使用しましょう。
カエデ科のサトウカエデの樹液から採った糖液がメープルシロップ、樹液を濃縮して水分を飛ばしたものがメープルシュガーです。
カロリー(エネルギー量)はグラニュー糖より低く、様々なミネラル分が豊富に含まれています。はちみつのような香りがあり、メープルと特有の風味と甘味が特徴です。メープルシロップは、樹液の採取時期などによって色が異なります。
パンケーキやワッフルにかけたり、「メープルラテ」の風味付けなどに用いられます。なお、メープルシロップはヴィーガンです。ヴィーガンレシピで、はちみつの代わりによく使用されます。
グラニュー糖の方がメープルシロップやメープルシュガーよりも甘さが強いため、グラニュー糖の代用品として使用する場合は、グラニュー糖の分量よりも多めに使用しましょう。
近年、注目を浴びている甘味料の一つにアガベシロップがあります。アガベシロップは、メキシコを中心に分布している多肉植物「アガベ」から作られる甘味料です。アガベはテキーラの原料でもあります。
アガベシロップは、一般的な砂糖(上白糖、白砂糖)の1.3倍の甘さがあるのにもかかわらず、カロリーは75%と低く、またGI値は驚きの21です!血糖値の急激な上昇を抑えたり、アガベシロップに含まれるイヌリンが腸内環境を整えてくれます。健康や美容効果が期待できることから、注目を集めています。
アガベシロップの甘さにはクセがなく、後味がさっぱりとしてしつこくないため、様々な料理に使うことができます。メープルシロップと同様に、アガベシロップもヴィーガンです。シロップの色が濃いものもあります。アガベシロップは、他の甘味料と比較して値段が高価な傾向があります。
アガベシロップは一般的な砂糖よりも甘いため、グラニュー糖の代用として使用する場合少なめに使用することをおすすめします。
デーツ(なつめやし)は、ヤシ科に属する植物です。デーツシロップは、果実と水のみでつくられます。
デーツには食物繊維やミネラル類、たんぱく質を豊富に含んでおり、他の液体甘味料と比較すると、栄養価が高いです。デーツのフルーティーな風味がありながらも、黒蜜や黒砂糖のような甘さが特徴です。デーツシロップはメープルシロップやアガベシロップと同様にヴィーガンです。
メープルシロップと同じように、パンケーキやワッフル、ヨーグルトにかけたり、醤油との相性が良いため煮物などに使用すると美味しくいただけます。デーツシロップはとろみが強い液体で、はちみつやメープルシロップよりも濃い色をしています。そのため、料理などに使用すると、デーツシロップの色が移ってしまう可能性があります。
デーツシロップの100gあたりのカロリー(熱量)は302kcalで、GI値は31〜50です。カロリーは高めですが、低GI値食品に分類されます。
デーツシロップはグラニュー糖よりも甘みが強いので、少なめに使用し、味を確認しながら量を調整しましょう。
ヤーコンは、キク科に属する食用いもです。ヤーコンシロップは、食用部分の塊根をジューサーなどで粉砕し得られる液体を煮詰めてつくられます。なお、ヤーコン自体は梨のような歯ごたえと味覚が特徴的で、きんぴらやごま油漬けとして美味しく食べられます。茎や葉はヤーコン茶に利用されます。
ヤーコンにはフラクトオリゴ糖が多量に含まれており、ヤーコンの甘みはこのフラクトオリゴ糖によるものです。フラクトオリゴ糖には、整腸作用や便秘改善などの機能があるといわれています。また、ヤーコンには食物繊維やミネラル類、ビタミン類、ポリフェノールなどの栄養素も含有されています。
ヤーコンシロップははちみつよりもとろみが強く、醤油のように黒い色をなしています。様々な料理やお菓子にご使用いただけますが、ヤーコンシロップの色が仕上がりに影響する可能性もありますので、見た目重視の料理やお菓子には、アガベシロップやメープルシロップなどの方が適しています。ヤーコンシロップもヴィーガンです。
ヤーコンシロップの100gあたりのカロリー(熱量)は198kcalで、GI値は40です。
グラニュー糖と比較するとまろやかな甘さです。グラニュー糖よりも多めに使用するとよいでしょう。
調味料や食材などでも、料理やお菓子に甘みを加えることができます。ここでは、グラニュー糖の代用品としてよく使用される調味料や食材をご紹介します。
みりん(味醂)は、もち米や米麹、焼酎を原料としたお酒です。米麹と蒸したもち米、焼酎またはアルコールを混和して数ヶ月保って米の糖化を行ったのち、圧搾してつくられます。一般的にみりんとよばれるのは「本みりん」で、主に調理用として使用されます。糖分38%とエタノール13%を含み、甘みが強いのが特徴です。
みりんは、砂糖よりも高級な甘味料に位置づけられています。発酵による複雑なうまみが料理にコクをあたえます。また、身を引き締めたりテリを与えるなどの作用があるため、煮物や煮魚、照り焼き、おでん、天つゆなどの和食に使用することが多いです。お酒として飲むこともできます。
みりんの100gあたりのカロリー(熱量)は241kcalで、GI値は15で、低GI値食品に該当します。
みりんの甘さはもち米や米麹によるもので、グラニュー糖の甘さとは異なります。甘さは控えめなので、グラニュー糖の使用量よりも多めに使用するとよいでしょう。
甘酒は、お米と米麹または酒粕を原料とした日本独自の甘味飲料です。米麹や白米(玄米を原料としたものもあります)、水を混和して、50〜60℃で12〜24時間保温、糖化してつくられます。原料に酒粕を使用している場合は微量のアルコールが含まれますが、米麹の場合はアルコールは含まれていないため、子どもでも飲むことができます。
甘酒は、お米の甘みと酸味があるのが特徴です。炭水化物が主成分で、その他ビタミンB1やB2、ナイアシンなども少量含まれています。
甘酒の100gあたりのカロリー(熱量)は76kcalと、★グラニュー糖のなんと5分の1のカロリーです!
甘酒は飲料だけでなく甘味料としても万能に働きます。例えば、肉に下味をつける際に使ったり、煮物や煮魚などの和食に使ったり、スムージーなどに入れたりして使えます。また、マフィンやクッキー、パンなどのお菓子の甘味料としても適しています。
市販されている甘酒の中には、砂糖が添加されているものもありますので注意しましょう。また、酒粕自体に砂糖が含まれている点から、米麹を原料とした甘酒を使用することをおすすめします。
米飴は、米を糖化して作られる甘味料です。使われるお米の種類によって、色が異なります。うるち米やもち米から作られる米飴ははちみつのような黄色で、玄米から作られる玄米飴はデーツシロップやヤーコンシロップのように濃い茶色(琥珀色)をなしています。
お米の穀物の風味と自然な甘さが特徴です。はちみつのようなとろみがあります。砂糖を一切使わないマクロビオティックでも利用されています。
飴としてそのまま食べたり、和菓子の甘みづけやつや出しに使われます。また、液体でとけやすいため、コーヒーや紅茶の甘味料としてもおすすめです。
米飴の100gあたりのカロリー(熱量)は338kcalです。
グラニュー糖よりも甘さは控えめなので、グラニュー糖の使用量よりも多めに使用するとよいでしょう。
フルーツピューレやフルーツジュースをグラニュー糖の代わりに使うことで、果物の自然な甘さを料理やお菓子に甘みをプラスすることが可能です。
バナナのピューレをマフィンに使ったり、りんごのすりおろしをカレーに入れるなどして甘さを加えます。熟している果物であれば、他の甘味料を入れなくても充分な甘さが出ます。
ひとつの調味料で様々な味をつけることができる万能調味料には、甘みづけとして砂糖が含まれていることが多いです。そのため、万能調味料を使用する時は、別途白砂糖やその他の代用品を使用しなくても、甘みをつけることが可能です。
万能調味料の一例は、ソースやめんつゆ、味噌、塩麹、コチュジャン、甜麺醤などです。
Filyではおすすめしませんが、本記事ではグラニュー糖の代用品となる人工甘味料にはどのような種類があるかをご紹介します。
1983年にイギリスで許可されて以来、EU諸国や米国で使用され、日本では2000年に食品添加物として許可されました。
アセスルファムカリウムは、砂糖の200倍の甘さがあるといわれています。
他の甘味料との併用で、甘味が増強される性質を持っています。飲料やガム、漬物などに使用されています。
1日の摂取許容量は、1.5mg(体重1kgあたり)です。
アスパルテームは、1983年に食品添加物として許可されました。
アスパルテームは、砂糖の100〜200倍の甘さがあるといわれています。
熱で甘味度が低下するため、加熱料理には向いていません。食卓用や清涼飲料水の甘味料として使用されています。
1日の摂取許容量は、40mg(体重1kgあたり)です。
ネオテームは、2002年にアメリカで甘味料及び風味増強剤として許可され、日本では2007年に食品添加物として認可されました。
ネオテームは、砂糖の10,000倍(!)の甘さがあるといわれています。
水にはやや溶けにくく、アルコール類には溶けやすいといわれています。熱にも強い性質も持ち、コーヒー飲料や清涼飲料水、ガム、ケーキ、ヨーグルトなどに使用されています。
1日の摂取許容量は、1mg(体重1kgあたり)です。
サッカリンは、1880年代に工業化された、歴史ある人工甘味料です。
サッカリンは、砂糖の300倍の甘さがあるといわれています。
サッカリン自体はエタノールには溶けますが、水には溶けにくいため、水に溶けやすいナトリウム塩を甘味料として用います。ダイエット食品やチューインガム、漬物、佃煮などに使用されています。
1日の摂取許容量は、1.5mg(体重1kgあたり)です。
スクラロースは、1982年にカナダで初めて食品添加物として認可され、日本では1999年に使用が認められた人工甘味料です。
スクラロースは、砂糖の600倍の甘さがあるといわれています。
水やアルコールに溶けやすいことから、飲料や菓子、ゼリーなどに使用されています。
1日の摂取許容量は、15mg(体重1kgあたり)です。
アドバンテームは、味の素が開発した人工甘味料で、2014年に認可されました。
アドバンテームは、砂糖の20,000倍(!)の甘さがあるといわれています。日本で食品添加物として使用許可されている甘味料の中で最も甘味度が高いです。
乳製品や飲料、氷菓、チューインガムなどに使用されています。
1日の摂取許容量は、5mg(体重1kgあたり)です。
キシリトールは、1997年に食品添加物として認可された糖アルコールです。天然には野菜や果実、きのこなどに存在します。
キシリトールは、砂糖の0.97倍の甘さがあるといわれています。
溶ける時に吸熱する作用があるため、口中で清涼感を感じます。虫歯になりにくい「非う蝕性甘味料」として、ガムやタブレット菓子などに使用されています。
エリスリトールは、天然にはワインやしょうゆ、清酒などの発酵食品や果実、きのこなどに存在します。
エリスリトールは、砂糖の0.75倍の甘さがあるといわれています。
エリスリトールは生体内で代謝されず、ほとんどが尿中に排出されるため、エネルギー値は0kcalです。キシリトールと同様に溶ける時に吸熱する作用があるため、口中で清涼感を感じます。虫歯になりにくい「非う蝕性甘味料」として、菓子や清涼飲料水などに使用されています。
ソルビトールは、食品添加物としてはD-ソルビトール、D-ソルビトール液が甘味料として指定されています。天然には海藻や果実に存在します。
ソルビトールは、砂糖の0.6倍の甘さがあるといわれています。
キシリトールやエリスリトールと同じように、溶解時に吸熱作用があるため、口中で清涼感を与えます。カステラやあんなどの菓子や佃煮、煮豆などに使用されます。
パラチニットは、砂糖からつくられる糖アルコールです。
パラチニットは、砂糖の600倍の甘さがあるといわれています。
熱などに対する安定性が高く、低吸湿性なのが特徴です。キシリトールやエリスリトールと同じように、虫歯になりにくい「非う蝕性甘味料」として、キャンディやチューインガム、タブレットなどに使用されています。
マルチトールは、でん粉からつくられる糖アルコールです。
マルチトールは、砂糖の0.6〜0.75倍の甘さがあるといわれています。
マルチトールも他の糖アルコールと同様に、虫歯になりにくい非う蝕誘発性で、キャンディやケーキ、和菓子、佃煮などに使用されています。
マンニトールは、天然には海藻やたまねぎ、にんじんに含まれます。
マンニトールは、砂糖の0.6倍の甘さがあるといわれています。
非う蝕誘発性です。食品添加物として使用制限があり、ふりかけや調味料、あめ類、チューインガムなどに使用量が定められています。
ラクチトールは、乳糖からつくられる糖アルコールです。
ラクチトールは、砂糖の0.34倍の甘さがあるといわれています。
ラクチトールも非う蝕誘発性で、キャンディや菓子類などに使用されています。
グリセリンは、水やアルコールにとける無色透明の液体で、甘みがあります。食品添加物として、甘味料以外に保存料、保湿剤、増粘安定剤などの用途があります。
グリセリンは、砂糖の0.6倍の甘さがあるといわれています。
キシリトールやエリスリトールが持つ清涼感を打ち消す作用があります。非う蝕誘発性で、シリアルやお菓子などに使用されています。
イソマルトは、アメリカで1990年に使用が認められた糖アルコールです。
イソマルトは、砂糖の0.5倍の甘さがあるといわれています。
イソマルトは、スクラロースなどの甘みがより強い甘味料と混合して用いられます。
HSHは、いくつかの糖アルコールの混合物の総称です。還元水あめや還元澱粉糖化物、ポリグリシトールシロップ、加水分解水添デンプン、ソルビトールシロップ、マルチトールシロップなどがHSHに含まれます。
HSHは、砂糖の0.4〜0.9倍の甘さがあるといわれています。
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