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マコロンってどんなお菓子?発祥は?マカロンとは違う?

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マコロンってどんなお菓子?発祥は?マカロンとは違う?

和菓子の1つであるマコロン。似た名前のお菓子にマカロンがありますが、同じものなのでしょうか?本記事ではマコロンの原料や発祥、成分などを詳しく解説していきます。

マコロンは、泡立てた卵白に落花生の粗焼き・刻みと砂糖、小麦粉を混ぜて焼き上げた丸く小さな和菓子です。古くから食べられていた菓子で、現在でも安価で手軽に手に入れることができる駄菓子として人気があります。

マコロンの発祥・歴史

マコロンは、日本に伝来した時期や経緯は不明ですが、4世紀〜16世紀頃にフランスから日本に入ってきた「マカロン」が原型となって作られた日本独自のお菓子です。マカロンが日本に入ってきた当初、マカロンの材料であるアーモンドが日本では入手困難だったため、アーモンドの代わりに落花生を使用して作ったのが「マコロン」です。太平洋戦争前にはすでに各地の製菓会社で製造販売されていたといわれています。

マコロンの元祖は、1924年(大正13年)創業の100年近い歴史を持つ名古屋の「マコロン製菓」です。現在の社長である本田輝宜さんの父親がマコロンを作ったのをきっかけに東海地方を中心に次第に広まっていったといわれており、現在も「元祖本田マコロン」の製造・販売を行っています。

「渡辺製菓株式会社」で作られている「特上マコロン」も元祖といわれています。渡辺製菓株式会社は、宮城県仙台市にある1914年(大正3年)創業のメーカーです。昭和7年からマコロンの製造をしています。渡辺製菓で作られている「特上まころん」は、小麦粉は使用せず、原材料のほぼ半分が落花生であることが特長で、着色料と保存料を使用していません。

マコロンの有名製造メーカー

上述した「マコロン製菓」をはじめ、日本には有名なメーカーがたくさんあります。

伊藤食品工業所「仙臺まころん」

「伊藤食品工業所」も宮城県仙台市にある創業80年以上の歴史がある有名メーカーです。伊藤食品工業所で製造されている「仙臺マコロン」は、伊達政宗が広めた仙台駄菓子と呼ばれる和菓子の一種として地元民から愛され続けています。

東京製菓株式会社「マコロンサンド」

「東京製菓株式会社」は1949年(昭和42年)創業のビスケット専業メーカーです。マコロンの間にクリームを挟んだ「マコロンサンド」が有名です。

マコロンの原料・製法

マコロンの原材料は下記の通りです。

  • 卵白

  • 落花生

  • 砂糖

  • 小麦粉

落花生とは、ピーナッツのことです。落花生の他にもヘーゼルナッツやカシューナッツ、ココナッツが使われたり、バターやマーガリンなどを入れる場合もあります。また、プレーン以外にも抹茶味やごま味といった様々なバリエーションがあります。

マコロンは、泡立てた卵白に落花生と砂糖、小麦粉などの材料を混ぜて生地を作り、窯で焼いて製造します。
製造方法は、メーカーによって異なりますが全てを手作業で行っているメーカーもあります。

マコロンの成分・カロリー

マコロンの成分は、下記の通りです。

  • たんぱく質

  • 脂質

  • 炭水化物

マコロン100gあたりの糖質量はだいたい35gで、うどん1玉分に相当するといわれています。また、カロリーは約520kcalです。これは、ご飯1合分のカロリーに相当します。洋菓子のマカロンは100g約370kcalなので、マコロンのほうがカロリーが高いです。したがってマコロンは糖質量が多くやカロリーも高い食べ物なので、特にダイエット中の方は食べすぎてしまわないように注意しましょう。

マコロンの味・食感

マコロンは口の中に入れると落花生の香ばしい風味と甘さが広がります。「昔懐かしい素朴な味」と表現する人も多いです。見た目はカラメル焼きに似ていますが、マコロンの中は空洞になっているため、サクッとした食感があります。

落花生に風味が強く甘みがあるため、苦めのコーヒーと一緒に食べると美味しいとされています。また、ワインやウイスキーとも合います。

マコロンの販売場所・値段

マコロンは、コンビニやスーパなどで100gほどで200円〜400円程度で手軽に購入することができます。デパートなどで行われる物産展などで「仙臺マコロン」などの有名メーカーのマコロンが販売されることもあります。コンビニやスーパーなどで見つけられない場合は、Amazonなどでも購入することができるのでネット販売を利用してみてください。

マコロンとマカロンの違い

マカロンは、卵白とアーモンド、砂糖を材料に使って焼き、中にクリームを挟んだフランスのお菓子です。マカロンの元になっているのはスイートアーモンドとビターアーモンドを使ったイタリアの焼き菓子「アマレッティ」といわれています。当時流行っていた楕円形のクシ「Macaroon」に形が似ていることから「マカロン」と呼ばれるようになりました。

上述したようにマコロンはマカロンを元にして作られた日本のお菓子で、アーモンドの代わりに落花生を使用しているため、マカロンとは原料が異なります。

また、見た目にも多きな違いがあります。マコロンは茶色く表面にはひび割れがあり素朴な見た目をしていますが、マカロンはピンクや緑などカラフルで表面はつるつるとしていて派手です。

食感は、サクッとしているマコロンに対して、マカロンは表面はパリっとしていて中はしっとりとしているのが特徴です。

さらに、価格も異なります。安価なマコロンに対してマカロンは1個あたりの値段が高いです。アーモンド以外の原材料はほぼ同じなのになぜマカロンの値段が高いのかというと、マカロンは生地を作る・乾燥させる・焼くの全ての工程において高い技術が必要であり、作るのに手間がかかるからだと言われています。

マコロンの作り方

マコロンの一般的なレシピ

材料(10個〜20個分)

  • 粉末ピーナッツ…80g

  • 薄力粉…40g

  • 上白糖…40g

  • 卵白…卵一個分

粉末ピーナッツは、落花生の皮を向いたあとローストし粉末にしたものです。カルディなどで購入できます。まれにスーパーで売っていることもありますが、粉末ピーナツが手に入らないという方は市販のピーナッツをミキサーで砕き粉末にしたものでも大丈夫です。

砂糖は、三温糖にしても良いです。上白糖と三温糖どちらもさとうきびが原料の砂糖ですが、三温糖は上白糖が分離した後の糖液をさらに煮詰めることによって製造されています。そのため、上白糖と比べて甘みが強く独特の香ばしさがあり、コクが出るのが特徴です。

作り方

  1. ボウルに卵白を入れて軽く泡立てる。
  2. 上白糖を2〜3回に分けながらいれ、メレンゲを作る。
  3. 薄力粉をふるい入れて、粉気がなくなるまで混ぜる。
  4. 粉末ピーナッツを加えて混ぜ合わせて、ひと口大に丸める。
  5. 丸めた生地をクッキングシートを引いた鉄板の上におく。
  6. 130℃に予熱したオーブンで40分程度焼く。

まず、ボウルに卵白を入れて軽く泡立てます。軽く泡立ってきたら、上白糖を2〜3回にわけながらメレンゲを作ります。ツノがたち、ツヤと張りがある状態になるまで泡立ったらメレンゲの完成です。泡立て過ぎてしまうとボソボソとした食感になってしまうので気をつけましょう。メレンゲができたら、薄力粉をふるい入れて粉気がなくなるまで混ぜ合わせ、粉末ピーナッツを加えます。混ぜ合わさったら、生地を一口大の大きさに丸めて、クッキングシートを敷いた鉄板の上に並べます。130℃に予熱したオーブンで40分程度焼きます。(生地の焼成温度や加熱時間は、家庭のオーブンに合わせて調節してください。)

マコロンのアレンジレシピ

マコロンには、さまざまなアレンジレシピがあります。

黒糖マコロン

材料(20個分)
粉末ピーナッツ…150g
粉末黒糖…40g
塩…ひとつまみ
米粉…40g
卵白...2個分
シナモン…適量

作り方

  1. 全ての材料をボールに入れて混ぜる。
  2. 一口大に丸めたら真ん中に窪みを入れる
  3. クッキングシートを敷いたトレイ並べる
  4. 150℃のオーブンで20分位焼く

白砂糖または三温糖を黒糖にすると、黒糖マコロンになります。

きなこマコロン

材料(15個分)
薄力粉…50g
上白糖…30g
バター…50g
卵黄…1個分
きなこ…20g
すりごま…10g

作り方

  1. ふるった薄力粉と砂糖、常温に溶かしたバターを合わせて混ぜる。
  2. きなことすりごまを加えてよくこねる。
  3. ラップで包んで冷蔵庫で30分程度冷やす。
  4. 冷やしたら、丸く一口サイズに形成する。
  5. クッキングシートをひいた天板に一つずつ並べる。
  6. 溶いた卵黄を丸めた生地に少量塗る。
  7. オーブンで、180度20分焼く。

ピーナッツ粉を使わずにきなことすりごまにすると、きなこの風味が広がる和風のマコロンになります。