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カリフラワーの食べ過ぎはNG?一日の摂取目安量は?

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カリフラワーの食べ過ぎはNG?一日の摂取目安量は?

冬が旬で栄養価の高いカリフラワーですが、食べ過ぎとどんな症状が出るのでしょうか?カリフラワーを過剰摂取した場合のリスクを解説していきます。

カリフラワーの食べ過ぎはNG?

食物繊維

カリフラワーには食物繊維が豊富に含まれています。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類がありますが、カリフラワーには不溶性食物繊維が豊富です。

不溶性食物繊維は摂りすぎると大腸を刺激しすぎてしまい、大腸の収縮が強くなって起こる痙攣性便秘の原因になります。

どのくらい摂取すると過剰摂取になるかの明確な数値はありません。逆に食物繊維に関しては摂取目安量が設定されています。厚生労働省が発表してる日本人の食事摂取基準(2020年版)における、18〜64歳の食物繊維の1日あたりの摂取目標量は女性が18g以上、男性が21g以上です。キャベツなら2玉以上分の食物繊維です。

出典:

栄養の偏り

カリフラワーばかり食べてることで、栄養の偏りも懸念されます。

カリフラワーはビタミンCが特に豊富ですが、一切含まれていない栄養素もあります。例えば、ビタミンDやビタミンB12などです。ビタミンDは骨の形成を助け、ビタミンB12は赤血球の中のヘモグロビンの生成を助ける働きがあります。

また、同じ栄養素でも複数の食材から摂取した方がよいと考えられているので、一つの野菜だけをたくさん食べるのは控えるようにしましょう。

出典:農林水産省「食事バランスガイド」

アレルギー

カリフラワーにもアレルギーが存在します。

カリフラワーの場合は遅延型アレルギー(潜在型アレルギー)といって、すぐには症状が出ず時間が経ってからアレルギー反応が出るため、原因がカリフラワーであることに気付きにくくなります。

また、口腔アレルギー症候群の場合、もともと発症の原因となった野菜が違くても、カリフラワーを食べることでアレルギーを起こすことがあります。

出典:厚生労働省|食物アレルギー

シュウ酸

カリフラワーはシュウ酸の多い野菜に分類されます。

いわゆるえぐみの正体がこのシュウ酸で、人間にとって栄養素というよりも老廃物です。シュウ酸は、摂取しすぎると尿路結石症を引き起こす原因になるため摂りすぎには注意が必要です。

シュウ酸は茹でることで減らせます。3分茹でると1/3〜1/2は取り除けるといわれています。茹でることで水溶性の栄養素は損失してしまいますが、シュウ酸はなるべく摂取しないほうがいいです。

他にシュウ酸が含まれる食材は、ほうれん草やたけのこ、ブロッコリー、チョコレート、バナナなどがあります。

出典:日本医師会|尿路結石

ゴイトロゲン

ゴイトロゲンはヨウ素の取り込みを阻害して、甲状腺腫を引き起こすものの総称です。このゴイトロゲンがカリフラワーをはじめとしたアブラナ科の野菜に含まれているため、過剰摂取には気をつけましょう。 ただし、高濃度のゴイトロゲンが含まれている芽キャベツを、4週間毎日150g食べても甲状腺機能には影響がなかったという報告もありますので、相当な量を食べない限り問題視する必要はありません。

出典:

体臭

カリフラワーなどのアブラナ科には、コリンという物質が含まれています。このコリンは、体内でトリメチルアミンという物質に変わり、このトリメチルアミンが多くなると体臭が強くなります。ちなみに臭いは魚が腐ったような生臭さです。

とはいえ、数百グラムのカリフラワーを毎日食べたところで、トリメチルアミンが増えすぎるという心配はありません。ただ、肝臓機能が低下していたりトリメチルアミンを分解しづらい体質の場合は、注意が必要です。

出典:Dietary Reference Intakes for Thiamin, Riboflavin, Niacin, Vitamin B6, Folate, Vitamin B12, Pantothenic Acid, Biotin, and Choline.

カリウム

カリフラワーにはカリウムが含まれています。

カリウムは普通の食事で摂りすぎることはあまり考えられませんが、腎機能が低下している方がカリウムの多い生野菜や果物、いも類、海藻類などを過剰摂取したり、腎機能に問題ない方でもサプリメントで摂りすぎた場合は「高カリウム血症」という症状になる恐れがあります。

塩や醤油、味噌を多く使う日本人は塩分を摂りすぎる傾向があり、塩分に含まれるナトリウムの摂取量が多くなるため、腎機能に問題がなければカリウムを食材から積極的に摂ることが推奨されます。

参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス

ビタミンC

カリフラワーはビタミンCが豊富に含まれています。

ビタミンCは大量摂取すると、吐き気や下痢、腹痛などが生じることがありますが、通常の食事でビタミンC過剰症になることは基本的にありません。ビタミン過剰症はサプリメントの過剰摂取などから引き起こることが多いです。

参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス

カロリー・糖質

カリフラワーと主要野菜のカロリー・糖質の含有量を比較した表

カリフラワーは低カロリー・低糖質の野菜なので、食べ過ぎによって太ってしまうという心配はあまりありません。100gあたりカロリーは28kcalで糖質は2.3gです。他の野菜と比べても、カロリーも糖質も低いのがわかります。

カリフラワーに限らず野菜は基本的にカロリーや糖質が低いのでたくさん食べて太ることはないでしょう。

ちなみに、ごはん100gあたりカロリー156kcal、糖質35.6gです。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

カリフラワーの摂取目安量

カリフラワーの1日の摂取目安量は明確に定まっていませんが、厚生労働省が発表している各栄養素などの摂取目標量などを基準に目安を把握することはできます。

野菜の摂取目安量

大人の野菜の摂取目安量は1日あたり350g以上と設定されており、緑黄色野菜は120g以上、淡色野菜は230g以上です。

緑黄色野菜とは、原則として可食部100g中に600μg以上のβ-カロテンが含まれている野菜を指します。600μg未満の野菜は淡色野菜です。600μg未満でも、食べる量や回数が多いと緑黄色野菜に分類されます。

カリフラワーは淡色野菜に分類されるので、他の淡色野菜と合わせて230gを目安にするとよいでしょう。淡色野菜には玉ねぎや大根、レタス、もやし、れんこん、きゅうりなどがあります。

他の淡色野菜を食べることを考慮すると、カリフラワーの1日の摂取量は100gくらいが妥当といえます。

出典:厚生労働省|健康日本21(第二次)

カリフラワーの栄養と効能

摂取過剰はよくありませんが、適量を食べればカリフラワーには素晴らしい効能が期待できます。カリフラワーに豊富に含まれる栄養素を解説していきます。

ビタミンC

カリフラワーはビタミンCがとても豊富です。花蕾よりも茎の部分が豊富なので、茎もなるべく食べるようにしましょう。含有量はキャベツの2倍です。

ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。

そのほか、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせない栄養素です。

カリウム

カリウムはミネラルの一種です。

カリウムはナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。
そのほか、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。

リン

リンの約80%はカルシウムやマグネシウムと結合して歯や骨の構成成分となっています。体内でビタミンB1やB2と結合して補酵素になり、糖質の代謝促進をします。さらに、エネルギー代謝にも関わり、エネルギー発生やエネルギーの貯蓄に関わっています。さらに筋肉や神経などの機能を正常に保つ効果もあります。

リンとカルシウムは血液中で一定のバランスを保っているため、この2つの成分のバランスがとても大切です。カルシウムとリンの割合は1:1で摂取するのが理想的な比率とされていますが、加工食品や清涼飲料水をよく飲食する人はリンを多く摂取しがちですので、カルシウムもバランスよく摂取するようにしましょう。

鉄分はミネラル成分のひとつです。体に必要な栄養素で、成人のからだには約3〜5gの鉄が存在しています。

鉄は大きく分けて2種類あります。ひとつは機能鉄といって赤血球のヘモグロビンの材料となり、酸素を運びます。

もうひとつは貯蔵鉄といって肝臓や骨髄、筋肉などに蓄えられており、機能鉄が不足すると体内に放出されます。また、酵素の構成成分で、エネルギー代謝を助ける働きがあります。

参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス