唐揚げが生焼けの場合、何が原因でどのような対処法があるでしょうか。この記事では、唐揚げが生焼けの場合の対処法や、生焼けにせずに仕上げる方法などを解説します。
生焼けのまま食べるのはとても危険です。そのまま食べるのは避けましょう。
唐揚げの材料である鶏肉は、食中毒を引き起こす病原性の細菌を保有している可能性が高いため、しっかり火を通し、細菌を死滅させる必要があります。
生焼けのまま食べると食中毒(腹痛、下痢、嘔吐、発熱など)の原因となってしまうので、生焼けだった場合は必ず火を入れ直しましょう。
特にカンピロバクターと呼ばれる細菌は市販鶏肉から20~100%という高い確率で検出されており、上記の食中毒の症状以外にも筋力低下や運動麻痺の後遺症が残ることもあるので要注意です。
出典:カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)(厚生労働省)
仮に食べてしまった場合、100%症状が出るわけではありません。症状が出た場合も嘔吐や腹痛、下痢などの症状が出てすぐに収まることが多いです。
ただし、症状が重い場合には病院に行くことをおすすめします。症状は食べてから2~3時間経ってから出ることが多いですが、数日経ってから症状が出ることもあります。
唐揚げは衣があって生焼けか判別するのが難しいです。温度計が無い場合は割って確認するのが確実です。
唐揚げが生焼けかどうか心配な場合、揚げた唐揚げのうち、一番大きなものを半分にカットして中身を確認してみましょう。見た目は損なわれてしまいますが、一番確実な方法です。
大きいものは中心まで火が通りにくいので、一番大きなものに火が通っていれば他の唐揚げにも火が通っている可能性が高いです。
元々、生の鶏肉は表面がピンク色がかっていて、質感が柔らかめです。一方、タンパク質は60℃から凝固し始め、80℃で完全に白く凝固するため、十分に調理された鶏肉は白くなり、質感がしっかりとしたものに変わります。
そのため、中身がピンク色の場合は加熱が十分ではないことを意味するので、再加熱してしっかり火を通しましょう。ただし、よく火を通しても薄いピンク色のままのことがあります。これには下記の原因が考えられます。
たれや下味などの亜硝酸に反応して赤く発色してしまった
元々赤色が濃い部位で、加熱しても赤色が抜けなかった
これらが原因でピンク色の場合は食べても問題ありませんが、加熱不足ではないと言い切ることも難しいので、心配な方は更に加熱することをおすすめします。
中身がうっすらとピンク色の場合、少し力を加えて肉汁を出し、その色と透明度も確認してみてください。
生焼けの鶏肉から出る肉汁は、血液が混ざっているために赤みがかった色をしていますが、十分に調理された鶏肉の肉汁は、透明な色をしています。
生焼けの唐揚げはまだ中が柔らかいので、手や箸でつまんで力を加えてみたら柔らかく感じる場合は生焼けの可能性があります。
ただし、唐揚げは衣が固めの仕上がりになるので触感で見極めるのはとても難しいです。より確実性を求める方は割ってみるか、温度計を使うことをおすすめします。
料理の温度を測ることのできる調理用温度計を使えば火が通っているかを確実に見分けることができます。調理用温度計は、スティックタイプと赤外線タイプがありますが、鶏肉の中心部の温度を測ることのできるスティックタイプを使いましょう。体重計で有名なタニタなどのメーカーの製品があります。
使い方は簡単で、揚げているから揚げに調理用温度計を中心部分まで刺し、75℃以上になっていたら、中まで火が通っている証拠です。そこから1分以上揚げることで生焼けは確実に防止することができ、カンピロバクターなどの食中毒の原因となる細菌も死滅させることができます。
唐揚げの火の通りが悪い場合、揚げ方に起因していることが多いです。
鶏肉を揚げる際の油の温度は160~180℃が基本です。温度が高いと焦げやすく、衣がきつね色になっていても中までしっかり火が通っていないことが多いです。
ただし、温度が低くてもなかなか火が通らず、揚げる時間が長くなってベチャベチャな仕上がりになってしまいます。最適な温度を保って短時間で揚げる必要があります。
揚げる際の火力が不十分なこともしっかり火が通らない原因となります。揚げる際の火力は中火(コンロの火がフライパンの底に当たるか当たらないかくらい)ですが、油の状態に合わせて調整しましょう。
ただし、火力を強くしすぎると油の温度が上がりすぎて逆に上手く仕上がらず、フライパンのコーティングを劣化させる原因になってしまいます。
しっかり火が通らない場合、単純に揚げ時間が短いことが原因としても考えられます。から揚げは適度な火力で油の適温を保ち、比較的短時間で揚げるのが基本です。
しかし、長く焼きすぎると焦げてしまったり、火が通りすぎて鶏肉が固い食感になったりすてしまいます。しっかり火を通すには余熱も活用しましょう。
鶏肉のサイズを大きくすると唐揚げは食べ応えが出ますが、大きいと中心部分までしっかり火を通すのに時間がかかってしまいます。
揚げ焼きの場合は特に揚げるよりも火を通しにくいので、標準サイズか小さめにカットすると良いでしょう。
唐揚げが生焼けだった場合の対処法について解説します。
揚げ終わった後にカットして確認してみた場合や、食べている時に中身が赤かった場合には、電子レンジで加熱するのがおすすめです。短い時間でパパっと加熱し直すことが出来ます。
サイズや量にもよりますが、とりあえず500~600Wの設定で1分程度温めてみましょう。ピンク色の部分が白くなっていれば安全に食べられます。まだピンク色のままであればさらに30秒ずつ時間を増やして加熱してみましょう。
ただし、加熱しすぎはお肉が固くなってしまうので要注意です。
オーブンやトースターのみを使う場合、温めムラが少なく火を通すことができますが、外側からヒーターで温めるので、内側まで温めるのにかなり時間がかかってしまい、外側を焦がす失敗が起きることもあります。
200℃~250℃の設定で2~3分温めましょう。まだ中が赤かった場合は1分程度時間を追加して温めてみてください。
少し手間はかかりますが、フライパンで焼き直すこともできます。ただし、フライパンに接している面しか温まらず、かなり時間がかかるので、オーブンやトースターがある方はそちらで温め直すのがおすすめです。
油を引かずにフライパンに並べ、中火(フライパンの底に火が届かない程度)で両面を2~3分ずつ焼きましょう。焼き終わった後は、中身が白くなったか再度確認してみてください。
揚げ方はもちろん、揚げる前の一工夫で火が通りやすくなります。
唐揚げはもも肉1枚なら6~8等分くらいにカットすることが多く、大きくカットすると食べ応えが出ますが、火の通りが心配な方は10等分くらいにカットするのがおすすめです。
小さくカットすると火が通りやすくなり、生焼けになってしまう失敗が起きにくくなります。ただし、小さくしすぎると加熱によって身縮みが起きてかたくなりやすいです。バランスの良い大きさに切るのが美味しく仕上げるポイントです。
また、サイズは揃えてカットしましょう。サイズがバラバラだと火の通りの差もバラバラになってしまい、大きいものは生焼けになりやすく、小さいものは火が通りすぎてかたい仕上がりになってしまいます。
唐揚げに使う鶏肉は、調理する少し前から冷蔵庫から出しておいて常温に戻しておくと火が通りやすくなります。30分ほど常温でならしておくのがおすすめです。
ただし、冷たいまま揚げることで油との温度差で衣をカリッと仕上げられるので、慣れている方は冷たいまま揚げるのがおすすめです。
鶏肉を揚げる際はしっかり温度を確認してから揚げることで最適な時間で揚げることができ、油っぽい仕上がりになりません。
温度の確認は調理用の温度計を使うのが手っ取り早いですが、温度計が無い場合は、菜箸を油に入れてみましょう。細かい泡が箸全体にくっついてくる状態であれば揚げるのにちょうどよい温度(170℃)です。
なお、ポツポツと泡が箸につくくらいなら160℃程度で、少し大きめの泡も箸にくっつくようになれば180℃くらいです。
唐揚げを一度にたくさん揚げてしまうと油の温度が一気に下がってしまい、上手く揚げることができず、仕上がりがイマイチになる原因になります。
鍋の大きさにもよりますが、一般的な20cm程度の揚げ物用の鍋であれば、鍋の半分くらいの5~6個が適量です。
鶏肉を油に入れたら衣が色づくまでは触ってはいけません。触った部分や鍋底にくっついてしまっていた衣が剥がれてしまいます。また、触ることで油の温度も変化してしまい、美味しく仕上がらなくなってしまいます。
鶏肉を鍋に入れてからは、中火のまま2分〜2分半は触らずに揚げましょう。油の表面に近い部分まで色が変わってきたら裏返すタイミングです。鍋の底にくっついていないか心配かもしれませんが、衣が色づく頃にはくっついていた部分もペロッと剥がれるようになります。
唐揚げが中までしっかり火が通った状態になったかは、唐揚げを菜箸で持ち上げたときの振動で分かります。
鶏肉がきつね色になって油の泡や音が細かくなってきたら、菜箸で持ち上げてみましょう。箸を通して油が「ジジジジ…」と細かく沸騰しているような振動が手に伝わってくれば、中心まで火が通っているサインです。
唐揚げなどの揚げ物で中まで火を通すには余熱を活かしましょう。高温の油で揚げるとどうしても外側の温度が上がりやすいですが、鍋から揚げてバットに置いておくことで余熱によってじわじわと中まで火が通ります。
唐揚げの場合は揚げてから3~5分は余熱で火を通す時間を設けましょう。
唐揚げを失敗しにくくする下ごしらえでのポイントについて解説します。
鶏肉の表面には身から出た水分や、加工から時間が経つと出やすいドリップと呼ばれる赤い液体が出て濡れていることがあります。これらの液体はキッチンペーパーでしっかり拭きとってから臭み消しや下味をつける作業をしましょう。
ちなみに、鶏肉は水やお湯で洗うのはNGです。お肉を洗うことでうまみ成分が落ちてしまうことに加え、水っぽくなってしまいます。また、洗う際にキッチンのシンクに雑菌が飛び散ってしまうので、不衛生な状態をそのままにしてしまうと菌が増殖してしまい、とても危険です。お酒や調味料を使った臭み消しの方法がおすすめです。
表面の水分を拭き取らないと水っぽくなってしまい、下味が染み込みにくくなります。また、ドリップは臭みの原因でもあるので、臭み消しの効果が弱くなってしまいます。
鶏肉の余分な皮や脂肪、筋は臭みやしつこさの原因となるので、しっかり取り除きましょう。特に鶏もも肉は脂肪分が多いので劣化が進みやすく、脂肪の塊の部分は臭みの原因となっていることが多いため、切り取ることで臭みを抑えることができます。黄色く変色している部分は必ず取り除きましょう。
ただし、お肉のうまみは脂肪に集中しているため、取り除きすぎると旨味も減ってしまいます。取り除くのは必要最低限にとどめましょう。
唐揚げは鶏肉の臭みを取ることで雑味が減り、美味しく仕上げることができます。
臭み消しの一般的な方法は、ボウルなどに入れた鶏肉に塩をふり、軽く揉みます。次に料理酒をふりかけたら、ラップをかけて冷蔵庫で30分〜1時間ほど休ませます。この時、醤油やみりんも少し入れてしっかり下味をつけましょう。生姜やにんにくのすりおろしも入れると臭み消しの効果が高まり、よりコクのある味わいになります。
鶏肉を塩で揉むことで肉の旨みを引き出し、火を通した時に水分が逃げだしにくくなるので、味もしみ込みやすくなります。また、料理酒は鶏肉の臭みを取り除いて香りを良くし、お肉を柔らかくする効果があります。
唐揚げは下味用の調味料に漬け込み、よく揉み込んだら冷蔵庫に入れて寝かせましょう。お肉にしっかり味が染み込み、美味しく仕上がります。
寝かせる時間は5〜10分ほどでも構いませんが、よりしっかり味を染み込ませたい方は1~2時間、または一晩寝かせてみましょう。ただし、寝かせすぎは鶏肉内の雑菌の繁殖による劣化を招くのでほどほどにしましょう。
なお、鶏肉を冷やしておくことで揚げ油との温度差が大きくなり、カラッと仕上がりやすくなります。
唐揚げの衣(小麦粉、片栗粉)は揚げる直前にまぶしましょう。まぶしてから寝かせてしまうと鶏肉から出た水分でべちゃっとした仕上がりになりやすいです。
また、鶏肉の汁気を切ってから衣をまぶしましょう。汁気が残ったままだと衣がダマになりやすく、付き方にも差が出てしまうので、うまく衣が付きません。キッチンペーパーなどで表面をやさしく拭き取るのがおすすめです。
唐揚げの美味しさをアップできるコツを解説します。
唐揚げは鶏もも肉または鶏むね肉で作りますが、それぞれで味わいが異なり、カロリーなどの違いもあります。
鶏もも肉は脂肪が多く、コクがあってジューシーな味わいが楽しめます。ただし、カロリーが高く、脂質も多めなのでダイエット中の方はむね肉を選ぶか、皮の部分を切り取って調理しましょう。また、ジューシーな分、冷めて水分が飛んでもパサパサ感が気になりにくいので、お弁当に入れる唐揚げはもも肉で作るのがおすすめです。
鶏むね肉はもも肉よりも脂肪が少なく赤身部分が多いので、さっぱりとした味わいが楽しめます。カロリーも低く、脂質も少なめなのでヘルシー志向の方はこちらがおすすめです。ただし、さっぱりとした味わいは言い換えるとパサパサとした食感でもあるので、パサパサ感が苦手な方はもも肉を選びましょう。
下味をつける前に鶏肉の皮と赤身にフォークを刺して穴を空けておくことで、加熱によって起こる焼き縮みを穏やかにし、固い食感になるのを抑えることが出来ます。
また、繊維の一部が切れることによってもお肉が柔らかくなる効果も期待でき、穴を空けることで下味が入りやすくもなります。
唐揚げ用の鶏肉の下ごしらえには、鶏むね肉を柔らかくするのによく使われる、砂糖と塩と水を混ぜた「ブライン液」に漬け込む方法が人気です。お肉の筋肉を構成するたんぱく質が塩によって分解され、水分が入り込むことでお肉の保水性が上がってお肉が柔らかくなります。
また、砂糖は水分子と結合しやすく、砂糖水となってお肉の繊維に入り込むことで保水効果が高まり、お肉がジューシーに仕上がります。ブライン液の適度な塩加減はお肉の下味としての役割も果たします。
基本的な作り方は、水200mlに対し、塩と砂糖をそれぞれ10gです。お肉とブライン液を保存袋などに入れ、冷蔵庫で1~2時間漬け込みましょう。じっくり漬け込みたい方は一晩寝かせてみても良いでしょう。
唐揚げに使う衣は片栗粉または小麦粉が主流ですが、それぞれで違った味わいが楽しめます。
片栗粉を使う場合、比較的固めでカリカリの衣に仕上がります。見た目も白っぽい仕上がりになり、竜田揚げに似た見た目となります。冷めても美味しいので、お弁当向きとも言えます。より粒子の細かいコーンスターチを使うとカリカリ感が強くなります。
小麦粉は比較的しっとりとした仕上がりになりやすく、身の部分の柔らかさやジューシーさが際立つ仕上がりになります。カリカリ感も捨てがたいという方は片栗粉とブレンドしてみるのもおすすめです。
この2つ以外にも米粉やおからパウダーや、砕いたコーンフレークを使うレシピもあります。また、市販の唐揚げ粉を使えば調味料などを混ぜ合わせる必要がなく、簡単に作ることが出来ます。
他の揚げ物で使う卵は唐揚げの基本的なレシピでは使いませんが、衣の材料として使うことで衣が付きやすくなって厚みが増し、食べ応えのある仕上がりになるほか、ふんわりとした仕上がりになります。
また、衣がしっかりする分、水分が抜け出しにくくなり、ジューシーに仕上げやすくなるといった効果も期待できます。卵のタンパク質が壁となってお肉の水分が外に出にくくなるので、時間が経ってもジューシーさがキープされやすいです。
卵を使う場合はよく溶いて使いましょう。よく溶かないと絡まり方にムラが生じてしまい、そのあとにつける小麦粉などがダマになってしまい、衣がしっかりつきません。また、衣が厚くなる分カロリーや糖質量も増えるので要注意です。
二度揚げはとんかつや唐揚げなど、大きいサイズの揚げ物を作る時に用いられる調理手法の一つです。サイズが大きい揚げ物は、一度揚げただけでは外がサクサクで中まで火が通っている状態にするのが難しいため、二度揚げをします。
揚げ物は長時間揚げてしまうと焦げてしまったり、お肉が硬くなってしまったりするので、揚げた後に余熱を利用して中までじっくり火を通しますが、時間の経過とともに水分が外に出るので、衣がしなしなになってしまいがちです。そこで再度短時間だけ揚げる二度揚げをすることで衣の水分を飛ばし、サクサクの状態に戻せます。
二度揚げの手順は下記のとおりです。
鶏肉を裏返して1分ほど経ったら、箸で持ち上げて数秒の間鶏肉を空気に触れさせて油に戻してみましょう。これによって余分な水分が蒸発し、二度揚げするようなサクサク感が得られます。
二度揚げは手間と時間がかかるので、一度揚げるだけで美味しく仕上げたいという方はぜひこの方法を試してみてください。
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