舞茸はお味噌汁の具材として使うこともできますが、舞茸をお味噌汁にしたらまずかったという経験はありませんか?本記事では舞茸の味噌汁がまずい原因や美味しい舞茸の味噌汁を作るポイントなどを紹介します。
舞茸の味噌汁がまずいと感じる原因は下記の通りです。
舞茸といえば旨味成分がたっぷり含まれていることで知られていますが、味噌汁やスープにしてしまうと単に味が薄まって美味しくないと感じる方が多いです。
これは調理法に問題があり、うまく旨味成分を引き出せていないことが原因であると考えられます。
また、加熱しすぎてしまい舞茸が水分をたっぷり含み舞茸の風味が薄まってしまっていることもあります。これは舞茸に限らず様々な食材で起こります。
舞茸などのきのこ類には、きのこ特有の匂いがあります。特に舞茸が臭いと感じてしまう原因は、舞茸がもつ匂い成分にあります。
舞茸の匂いの元になっているのは「ベンゾチアゾール」と呼ばれる臭気成分です。舞茸を調理する際には、その特有の香りを楽しむことができる一方、苦手な方も多いです。
味噌汁にすることで匂い成分も味噌汁に溶け出すことにより、より匂いがきついと感じる方が多いようです。
また、きのこ類は収穫後鮮度が落ちてしまうのが早いです。パック詰めのまま保存しているなど湿度対策ができていないと舞茸から出る水分で湿ってきてしまい、雑菌が増殖し、異臭を放つこともあります。
舞茸を味噌汁に入れると汁が黒くなってしまうことがあります。
これは、舞茸に含まれているポリフェノールが原因であるといわれています。ポリフェノールとは植物などがもつ苦味・渋みを感じさせる化合物の総称です。構造の違いによって様々な種類があり、例えば紫色の色素となるアントシアニンなどがあります。舞茸に含まれているポリフェノールについては、詳しく記載された資料がないため不明ですが、黒色の色素となるポリフェノールが多く含まれているためであると考えられています。
ポリフェノールは水溶性であるため、茹でたり煮たりすると水に溶け出してしまうのです。
味には大きく影響はないものの、見た目が悪くなってしまって美味しそうに見えなくなってしまいます。
舞茸の味噌汁がまずいと感じる原因はおわかりいただけたでしょうか。では、舞茸の味噌汁を美味しく作るポイントを紹介します。
舞茸に限らず鮮度が落ちている食材は味や風味、食感、風味が鮮度が高いものと比較して劣ります。また、上述したように異臭を放ってしまうこともあるため、新鮮な舞茸を使うことが大切です。
新鮮な舞茸の特徴は下記の通りです。
肉厚で茶色が濃くカサが密集している
ハリや弾力がある
軸の断面が真っ白
柄がしっかりしている
一株にまとまっているもの
触るとパリッと折れそうなもの
基本的にスーパーなどで購入した舞茸は、水洗い不要です。
洗ってしまうと旨味成分が流れ出ていってしまうデメリットもあるので、そのまま使いましょう。水洗いせずに使うことでカリウムなどの水溶性の栄養素の流出も防げるので栄養面的にも多きなメリットがあります。
例えば、じゃがいもなどの土壌で育つ野菜は水洗い必須です。これは、綺麗に見えても土壌由来の細菌が必ずといっていいほどついているためです。土壌で育つ野菜は水洗いして土汚れや泥汚れ、細菌を綺麗に落とす必要があります。
一方、市販の舞茸は菌床栽培(きんしょうさいばい)という、木材に米ぬかなどの栄養を混ぜて高温殺菌した菌床にきのこの種菌を植え付けて培養する栽培方法が用いられています。この方法だと清潔な環境で舞茸を育てることができるため、洗わないで大丈夫なのです。
舞茸の味噌汁を作る場合は、水から茹でたほうがしっかりと旨味成分を出すことができます。旨味成分をしっかり出せれば、味が薄いと感じたり物足りなさを感じることがないので、美味しく召し上がれます。
ただし、水から茹でることで汁が黒く変色しやすいです。これは、水につかっている時間が長ければ長いほど変色の原因となるポリフェノールが流出してしまうためです。変色を防ぎたい場合はある程度温まってから舞茸を入れても良いのですが、しっかりと旨味を出したい場合は水から茹でましょう。
舞茸に含まれている旨味成分をしっかりと活かすためには、沸騰させないことが大切なポイントです。
舞茸を含めたきのこ類の旨味成分は、60〜70℃あたりで急増するといわれています。沸騰させてしまうことで一気に60℃〜70℃を過ぎてしまうと、旨味をうまく出すことができません。
60〜70℃の温度をゆっくり通過するよう、沸騰しない程度の火加減で1分〜2分ほど加熱していきましょう。舞茸などのきのこ類は生食できないためしっかりと火を通す必要がありますが、火が通りにくい食材ではないので1分〜2分程度茹でるのがちょうど良いでしょう。
そもそも味噌汁は沸騰させてしまうと味噌の風味が飛んで美味しくなくなってしまいます。沸騰させないように常に注意してください。
舞茸特有の匂いが気になる場合は、バターで一度炒めてから味噌汁にするのがおすすめです。
バターには濃厚な風味があり、舞茸の匂いをマイルドにして食べやすくしてくれます。ベーコンなども一緒に炒めて具だくさんの味噌汁にしてもOKです。
バターで炒めてから味噌汁にすると、舞茸の匂いも軽減されますし、味噌汁にバターのコクと風味が加わって普段の味噌汁とは異なる味わいを楽しむことができます。
味噌ラーメンにバターをトッピングするのが人気のように、味噌とバターの相性は抜群です。
ごま油を使って舞茸を炒めてから、味噌汁にするのも良いでしょう。
ごま油の風味と舞茸の風味がマッチし、舞茸特有の香りを楽しみながら食べることができます。
ただし、炒める場合は過度に加熱しないよう注意が必要です。加熱しすぎると焦げてしまったり舞茸の風味を軽減してしまうことになるため、程よい加熱時間を保ちましょう。
どうしても色移りが気になる場面もあるかと思います。特にお客様のおもてなし料理として作りたい場合などは見た目が悪くなるのは避けたいですよね。
そんなときは、白舞茸を使うのも一つの手です。白舞茸とは、その名と通り白色をしている舞茸の品種で、一般的に販売されて食べられている舞茸とは異なりアクが少なく色落ちすることがありません。そのため、白舞茸を使えば見た目を美しく仕上げることができます。
白い見た目から栄養がなさそに思えますが、含まれている栄養は舞茸とほぼ同じです。白舞茸を使ったからといって栄養価が下がってしまうこともないので、ぜひ利用してみてください。
味噌汁といえば一つの食材だけではなく、様々な食材と組み合わせて栄養満点にすることができるのが魅力の一つですよね。舞茸の味噌汁にピッタリのおすすめの組み合わせを紹介します。
まずおすすめするのが、長ネギです。
長ネギにはツンとした臭いがあるのが特徴です。これはアリシンと呼ばれる成分によるもので、アリシンの独特の香りはマスキング効果で舞茸の臭いを軽減する効果が期待でき、味噌汁全体がより食べやすくなります。
また、長ネギのシャキシャキとした歯ごたえが良いアクセントになります。
わかめは、味噌汁に海の香りと風味をプラスしてくれます。また、コリコリっとした食感で食べごたえもアップ。さらに、ヨウ素やミネラルが豊富なので栄養もたっぷり摂取することができます。
わかめは舞茸と同様にごま油との相性も良いので、舞茸の匂いがきになる方は、ごま油を垂らして食べるのがおすすめです。
キャベツを味噌汁に加えると、優しい甘みをプラスすることができます。また葉物野菜のシャキシャキっとした食感も楽しめるので、舞茸との食感の違いが出て食べごたえ抜群です。
舞茸をキャベツと一緒にバターで炒めてからお味噌汁にしても美味しいですよ。献立のメニューに野菜が足りないなと感じるときにおすすめの組み合わせです。
舞茸の味噌汁に加えておすすめの食材として、かぼちゃも挙げられます。
かぼちゃにはビタミンAやカロテンが豊富に含まれており、健康面にも嬉しい良い栄養素が豊富です。また、かぼちゃの甘みが味噌汁にほのかな甘さをプラスし、舞茸とのコンビネーションを楽しむことができます。
舞茸の特有の香りをかぼちゃの甘みが引き立て、バランスの取れた一品に仕上がるでしょう。
たまごを舞茸の味噌汁に加えることで、舞茸の匂いが軽減され、まろやかな味わいに仕上がります。
また、たまごにはたんぱく質やビタミンDが豊富に含まれており、食事の栄養価を向上させます。舞茸の風味とたまごのクリーミーさが絶妙に組み合わさり、満足感のある一杯の味噌汁が楽しめるでしょう。
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