キャベツなどの野菜は生食することもありますが、舞茸などのきのこは生食できないの?と疑問に思ったことはありませんか?本記事では舞茸は生食できるのかどうか解説します。
舞茸は生食できるのか解説します。
野菜は、トマトやきゅうりなど生食できるものが多いですが、舞茸などのきのこ類は基本的に生食することはできません。
栄養素を流出させることなく摂取したり、舞茸そのものの風味を楽しむには生食するのが良いのではないかと考える方もいるかと思いますが、決して生食してはいけません。
必ずしっかりと加熱してから食べましょう。
舞茸はただ加熱すればOKというわけではありません。豚肉や鶏肉と同様に生焼けの状態で食べるのもNGです。
中までしっかりと火を通すことが重要です。焼く際には、適切な時間をかけて焼きましょう。ただし、加熱しすぎると焦げてしまったり、苦味が出てしまうことがあります。また、加熱しすぎると栄養も損失してしまうので、注意しましょう。
しっかり火が通っているか確認するポイントは後述しますので、そちらを参考にしてください。
基本的にスーパーなどで購入した舞茸は、水洗い不要です。
例えば、じゃがいもなどの土壌で育つ野菜は水洗い必須です。これは、綺麗に見えても土壌由来の細菌が必ずといっていいほどついているためです。土壌で育つ野菜は水洗いして土汚れや泥汚れ、細菌を綺麗に落とす必要があります。
一方、市販の舞茸は菌床栽培(きんしょうさいばい)という、木材に米ぬかなどの栄養を混ぜて高温殺菌した菌床にきのこの種菌を植え付けて培養する栽培方法が用いられています。この方法だと清潔な環境で舞茸を育てることができるため、洗わないで大丈夫です。
舞茸を生食してしまうとどうなってしまうのか、解説します。
舞茸などのきのこ類を生の状態で食べると、下痢や嘔吐といった食中毒の症状が出る可能性があります。
実は舞茸などのきのこ類には「シアン化合物」と呼ばれる青酸を含む天然の有害物質が含まれていることがわかっています。シアン化合物は加熱をする分解され消滅しますが、生の状態はもちろんのこと生焼けの状態ではまだ残っていることがあるため、食中毒の症状が出てしまうことがあるのです。
また、きのこ類は清潔な環境で栽培されていますが、非常に痛みやすいです。店頭に並べられて購入し食べる頃には収穫してから時間が経っている状態で、鮮度が落ちて細菌が繁殖している可能性もあるのでしっかりと加熱しましょう。
出典:キノコ中のシアン含有量及び調理による消長(J-stage)
舞茸にはたんぱく質を分解する酵素「プロテアーゼ」という成分が含まれています。
プロテアーゼはたんぱく質を分解しお肉を柔らかくする効果があることで知られていますが、生の状態では人体に有害であるといわれており、生の状態で食べると口内の粘膜や喉が荒れてしまいイガイガとした違和感が出ることがあります。
この酵素は80℃〜100℃でしっかりと加熱することで失活させることができます。そのため、きちんと加熱して酵素を壊すことが大切です。
舞茸は生食できないことがおわかりいただけたかと思いますが、どのぐらい加熱すれば良いのか疑問に思いますよね。続いて、舞茸の加熱時間の目安を紹介します。
舞茸を鍋で茹でる場合の加熱時間の目安は1分〜2分です。
鍋を使って茹でる場合は、加熱時間が長すぎてしまうと水溶性の栄養素がどんどん流出してしまいます。旨味成分も出ていってしまいますし、食感がクタッとしてしまうので1分〜2分にとどめましょう。
舞茸を茹でる場合は汚れを軽く拭き取り、石づきを切り落として(あれば)ほぐし、沸騰したお湯に入れて加熱していきます。
電子レンジを使って舞茸を加熱する場合の加熱時間の目安は600W2分ほどです。
レンジ加熱するときは、ワット数によっても加熱時間が異なります。500Wと低めのレンジを使う場合は2分半〜3分半ほど加熱しましょう。
様子を見ながら柔らかくなるまで加熱してください。
レンジ加熱は鍋で茹でて加熱するのとは異なり、水溶性の栄養の流出を最小限に抑えられるメリットがあります。お湯をわかす手間もかかならいため、時短したいときにもぴったりです。
炒めものにする場合などフライパンで舞茸を加熱する場合は、2分〜3分が目安です。
舞茸は火が通りにくいきのこではないため、強火でさっと火を通しましょう。舞茸をフライパンで加熱するときは、加熱中に触ってしまわないようにするのがポイントです。加熱中に触らないようにしておくことで、水分が出て水溶性の栄養や旨味成分が繊維から出ていってしまうのを抑えられます。
加熱中の舞茸から香りが立ってきたら、水を少々加えて蒸し焼きにするとよりしっかりと火を通すことができます。
舞茸が生焼けかどうかのチェックポイントは、カサの裏にあります。
舞茸は火が通ってくると、舞茸から水分が出てきてカサの裏に水分がつきます。そのため、カサの裏に水分がついていたらしっかりと火が通っています。反対にカサの裏が乾燥した状態であれば火が通っていないので、再加熱しましょう。
万が一舞茸を生や生焼けの状態で食べてしまい、下痢や嘔吐、皮膚炎などの症状が出たら速やかに病院へ。
症状が出た場合は、自己判断で市販の下痢止めなどの薬を飲むのはやめたほうが良いとされています。自己判断で市販の薬を使うと、症状の原因である細菌やウイルスの排出を邪魔してしまい病状が悪化してしまうことがあります。
何も症状が出ない場合は、大丈夫です。次回からはしっかりと加熱してから食べるように注意しましょう。
出典:食中毒かな?と思ったら(農林水産省)
当たり前ですが、腐ってしまっている舞茸は加熱をしたとしても食べることはできません。腐敗した舞茸の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
溶け出している箇所がある
カサが黒ずんでいる
全体的に変色している
酸っぱい臭い・味
生ゴミの臭い
カビ臭い
ぬるぬるしている
糸をひくような粘りがある
ぐにゃっとしていて柔らかい
触ると簡単に崩れる
腐敗した食材には雑菌が増殖していることが多く、食べてしまうと食中毒の症状が出ることがあります。加熱をしても死滅するとは限りませんし、美味しく食べることができないので破棄しましょう。
舞茸やしめじ、じいたけなど、基本的にきのこは生食することができません。ただし、生食できるきのこもあります。
生食できるきのこは、マッシュルームのみです。薄くスライスしてサラダなどにも入っていますよね。ただ生食する場合は、鮮度の高いものを選びましょう。カサが丸く、また硬く閉じて締まっていれば新鮮な証拠です。また表面がすべすべしています。
カサが開き黒っぽく変色したマッシュルームは、生は避け加熱して食べましょう。
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