チキン南蛮につける衣には順番や材料に決まりはあるのでしょうか。この記事では、チキン南蛮を作る際の衣をつける順番や、衣に使える材料などについて解説します。
基本的に小麦粉→卵の順に衣を付けます。
まずは小麦粉を浅いバットに広げ、鶏肉にまぶします。大きめのバットを使うとまぶしやすいです。満遍なくまぶすことで揚げた時に衣が剥がれにくくなります。
小麦粉は米粉や片栗粉、おからパウダーでも代用が可能です。それぞれの特徴は後述の項目で紹介しています。
小麦粉をまぶした鶏肉を卵液に浸します。卵はよく溶いておかないと衣の付き方にムラが生じてしまい、揚げている最中に衣が剥がれやすくなるので要注意です。
卵を切らしてしまっていた場合は片栗粉や小麦を水に溶いたもので代用が可能です。また、あえて卵なしでから揚げ風にするレシピもあります。
衣を卵→小麦粉の順番につけると、から揚げに近いカリっとした固めの衣に仕上がります。から揚げでも卵に浸してから小麦粉や片栗粉をまぶして揚げることがあります。
卵が主体の柔らかい衣よりもカリっとした衣が好みという方は、この順番でつけてみても良いでしょう。
二度付けやバッター液の活用、片栗粉を使うといった方法でよりしっかりと衣をつけることができます。
衣を厚くサクサクにしたい方は、小麦粉と卵を二度付けすることでより満遍なく衣をつけることができます。ただし、材料をたくさん使ってしまい、糖質量やカロリーも増えてしまいます。
また、衣が厚すぎると大きくなり、衣も固めの仕上がりとなるので、小さなお子様やお年寄りはかなり食べにくく感じてしまいます。食べやすくするために鶏肉を小さめにカットするのも良いでしょう。
小麦粉と水、卵を混ぜて作る「バッター液」で衣を付ければ、衣を付ける手順が少なくなり、粘度が高いので小麦粉と卵を別々につける場合よりも厚めに衣が付けることができ、ムラなく衣が付きます。
ただし、バッター液にもデメリットはあります。二度付け同様に衣が厚めにつく分、糖質量やカロリーが増加してしまいます。また、よく混ぜないとダマになってしまって衣が上手くつかず、剥がれてしまうことがあります。
鶏肉に小麦粉と卵で衣をつけた後、更に片栗粉をまぶすことで竜田揚げ風のサクサク・カリカリの衣に仕上げることができます。食べ応えも抜群です。
ただし、衣が厚めにつくので、やはり糖質量やカロリーが増加してしまいます。
代用することでグルテンフリーやヘルシーになるといったメリットがあります。
米粉は小麦粉の代用として使うことができます。グルテンフリーのチキン南蛮を作りたい方におすすめで、小麦粉やパン粉を使うよりももっちりと柔らかい衣に仕上がります。
ただし、米粉はお米同様に時間が経ってしまうとぼそぼそとした食感になってしまいます。冷めてから食べるようなお弁当のおかずとしてはやや不向きでしょう。
から揚げや竜田揚げの衣で使用される片栗粉も小麦粉の代わりに使うことができます。後述の項目で紹介しますが、水溶き片栗粉は卵の代用にもなります。
既に解説しましたが、卵を付けた後に片栗粉をまぶすと、竜田揚げ風の衣がしっかりしたチキン南蛮になります。
大豆から豆乳を搾った後の絞りかすであるおからを細かくして乾燥させたおからパウダーは、食物繊維が豊富な上にカロリーが低い特徴があります。近年ではスーパーでも豆腐コーナーなどでよく見かけますよね。
チキン南蛮作りでは小麦粉の代わりとして使うことができます。粒が粗く鶏肉にくっつきにくく、揚げている際に衣が崩れやすいので、卵とおからパウダーは二度付けすると良いでしょう。
キッチンにある調味料で簡単に代用できます。
原料に卵を使ったマヨネーズを使うことで卵に似た味わいにできます。ただし、卵アレルギーを持つ方が食べる場合は別の方法を試しましょう。3~4人前の分量は以下のとおりです。
マヨネーズ:大さじ2
薄力粉:大さじ2
水:大さじ2
薄力粉と水を混ぜることで卵に近い粘度が生まれ、衣の付きが良くなります。足りなくなった場合はそれぞれの材料を同じ分量ずつ足しましょう。
キッチンに常備されていることも多い片栗粉や薄力粉を水に溶いたものでも卵の代用ができます。3~4人前の分量は以下のとおりです。
小麦粉(片栗粉):大さじ3
水:大さじ3
こちらも足りなくなった場合はそれぞれの材料を同じ分量ずつ足しましょう。薄力粉を強力粉に変えると粘度が上がるため、より多くのパン粉がくっついて衣が厚くなります。
水溶き片栗粉の場合は薄力粉に比べて粘性が低いのでパン粉のくっつき具合は少し劣ります。また、片栗粉は沈殿しやすいので、タネをくぐらせパン粉を付ける作業は手早く行い、定期的にかき混ぜて沈殿をなくしましょう。
チキン南蛮は鶏肉にひと手間加えると失敗しにくいです。
チキン南蛮に使う鶏肉は調理する少し前に冷蔵庫から出して常温に戻しておきましょう。30分ほど常温でならしておくのがおすすめです。
冷たい状態のまま揚げると中まで火が通りにくく、生焼けになってしまう可能性があります。また、しっかり火を通すために揚げる時間が長くすると焦げやすくなります。
チキン南蛮は揚げてから鶏肉をカットするイメージがある方もいると思いますが、小さくカットしてから揚げると火が通りやすくなり、失敗する可能性を下げることができます。
ただし、小さくカットすると衣がたくさんつくので、糖質量やカロリーが増加してしまいます。
鶏肉を揚げる際の油の量は、鶏肉がしっかり浸かるくらいのたっぷりの油で揚げると崩れにくいです。鍋底から3cm程度の深さがちょうどよい量とされています。
少ない油で揚げることもできますが、鶏肉を入れる際に油の温度が変わりやすいのでうまく揚げにくく、底にくっついて衣が剥がれる失敗も起きやすいです。
チキン南蛮の鶏肉を揚げる際の油の温度は170~180℃が基本です。温度が低いと衣がサクサクに揚がりにくく、揚げる時間が長くなってベチャベチャな仕上がりになってしまいます。一方で温度が高いと焦げやすく、衣が色づいても中までしっかり火を通っていないことが多いです。
温度の確認は調理用の温度計を使うのが手っ取り早いですが、温度計が無い場合は、菜箸を油に入れてみましょう。細かい泡が箸全体にくっついてくる状態であれば揚げるのにちょうどよい温度(170~180℃)です。
また、衣のかけらを油に落としてみると大体の温度がわかります。油に落とした衣が一度下に落ちても、すぐに上がってくれば適温になっています。落として沈んだままなら170℃以下、一度も落ちずにそのまま浮かんで揚がるようなら180℃よりも高温に油が熱せられています。
鶏肉の下ごしらえや甘酢だれ、タルタルソースを工夫するのがおすすめです。
チキン南蛮の発祥がむね肉を使ったまかない料理であり、基本的には鶏むね肉を使うことが多いですが、脂肪分が多くジューシーなもも肉や、むね肉よりもさらにヘルシーなささみを使うレシピもあります。
ジューシーな鶏もも肉は冷めて水分が飛んでもパサパサ感が気になりにくいので、お弁当に入れるチキン南蛮はもも肉で作るのがおすすめです。
チキン南蛮は鶏肉の臭みを取ることで雑味が減り、美味しく仕上げることができます。
一般的な方法は、ボウルなどに入れた鶏肉に塩をふり、軽く揉みます。次に料理酒をふりかけたら、ラップをかけて冷蔵庫で30分〜1時間ほど休ませます。この時、醤油も少し入れて軽く下味をつけることでしっかりとした味わいにもなります。
鶏肉を塩で揉むことで肉の旨みを引き出し、火を通した時に水分が逃げ出しにくくなり、味もしみ込みやすくなります。また、料理酒は鶏肉の臭みを取り除いて香りを良くし、お肉を柔らかくする効果があります。
鶏むね肉を柔らかくするのによく使われる、砂糖と塩と水を混ぜた「ブライン液」に漬け込む方法も人気です。
お肉の筋肉を構成するたんぱく質が食塩水に溶けやすいため、お肉の保水性が上がってお肉自体も柔らかくなります。砂糖は水分子と結合しやすいため、肉の繊維に入り込むことで保水効果を高めてくれる働きがあり、お肉がジューシーに仕上がります。お肉の下味としての役割もあります。
基本的な作り方は、水200mlに対し、塩と砂糖をそれぞれ10gです。お肉とブライン液を保存袋などに入れ、冷蔵庫で1~2時間漬け込みましょう。じっくり漬け込みたい方は一晩寝かせてみても良いでしょう。
二度揚げはとんかつやから揚げなど、大きいサイズの揚げ物を作る時に用いられる調理手法の一つです。サイズが大きい揚げ物は、一度揚げただけでは外がサクサクで中まで火が通っている状態にするのが難しいため、二度揚げをします。
揚げ物は長時間揚げてしまうと焦げてしまったり、お肉が固くなってしまったりするので、揚げた後に余熱を利用して中までじっくり火を通しますが、時間の経過とともに水分が外に出るので、衣がしなしなになってしまいがちです。そこで再度短時間だけ揚げる二度揚げをすることで衣の水分を飛ばし、サクサクの状態に戻せます。
チキン南蛮の鶏肉を二度揚げする場合、手順は下記のとおりです。
カットせずに鶏肉を丸ごと揚げる場合は火が通るまでに時間がかかるので、要注意です。切ったら中が生だった場合は電子レンジで温めましょう。
チキン南蛮を作る際、衣のサクサク感を活かすためにあえて甘酢だれには漬け込まず、後からかける方法もあります。味の染み込んだ美味しさはありませんが、代わりにサクサク感を楽しめます。
味が絡まりにくいと感じる方は甘酢だれに少量の片栗粉を混ぜてみましょう。甘酢だれにとろみがつき、鶏肉に絡みやすくなります。
鶏肉を漬ける甘酢だれの基本材量はお酢、醤油、砂糖ですが、ここに様々な調味料を加えることで味わいを豊かにすることができます。
コクや旨味をプラスしたい方は料理酒やみりん、バルサミコ酢を加えてみると良いでしょう。定番の穀物酢を米酢や黒酢に変えてみる、砂糖をきび砂糖やてんさい糖、蜂蜜に変えてみるといった方法でもコクが生まれます。
スパイシーな風味が好みという方はおろしにんにくやおろし生姜、一味唐辛子、鷹の爪などを加えるのがおすすめです。入れすぎる辛味が強くなってしまうので要注意です。
タルタルソースを工夫するのもおすすめです。定番の具材であるマヨネーズ、玉ねぎのみじん切り、ゆで卵以外にも様々な調味料や具材を加えてみるのがおすすめです。
玉ねぎは他の野菜でも代用でき、酢漬けになっているラッキョウやピクルスはとても相性がよく、旨味たっぷりな仕上がりになるのでおすすめです。
ケチャップや牛乳、みりんはコクをプラスすることができ、レモン汁やワインを加えれば風味豊かになります。
Most Popular
中が茶色いじゃがいもは食べられる?空洞や輪になってる場合は?
食品事典
大根は中身が茶色に変色しても食べられる?原因と対処法を解説
食品事典
スカスカなかぶは食べてOK?スが入る原因は?
食品事典
ハンバーグが固くなる原因と柔らかく作るコツを徹底解説
食品事典
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
トマト缶は一缶でトマト何個分?サイズ別に解説
食品事典
冬におすすめの天ぷら具材36品。冬野菜や冬が旬の魚介類を紹介
食品事典
エリンギが水っぽい...食べられる?濡れてる原因と対処法は?
食品事典
冷凍したじゃがいもが黒っぽく変色...食べてOK?原因と対処法を解説
食品事典
里芋は生で食べられる?生食のメリットと注意点を解説。
食品事典