冷凍したしめじの臭いが気になったことがある方は多いのではないでしょうか。しめじは正しく冷凍・解凍できていないと臭いがきつくなってしまうことがあります。本記事では、冷凍したしめじが臭い原因や臭くならないしめじの冷凍のコツを紹介します。
冷凍したしめじが臭い原因は下記の通りです。
しめじにはきのこ特有の臭いがありますが、冷凍することできつくなってしまうことがあります。
冷凍すると、細胞間の水分が膨張します。この膨張によって、細胞壁が破壊され、臭いの元となる成分が露出されます。これが冷凍したしめじの臭いがきつくなる原因であると考えられます。
また、詳細が記載された資料などがないため科学的根拠はありませんが、臭いの成分が露出された状態で酵素が働くことで、新たな香り成分が合成され、しめじの香りが変化し臭いがきつくなるとも言われています。
冷蔵庫に入っている他の食材の臭いがしめじについてしまい、臭くなってしまうこともあります。
例えば、長ネギや玉ねぎ、にんにくといった臭いのきつい食材をしっかり密閉せずに冷凍庫に入れていると、冷凍庫内に臭いがこびりついてしまい、他の食材に臭い移りしてしまいます。
また、冷蔵庫内が清潔に保たれていないことが原因で雑菌の臭いがついてしまうこともあります。
冷凍庫内の臭いが食材に移ってしまう現象はしめじ以外にもよく起こるので注意が必要です。
冷凍保存していれば、食材の鮮度が落ちてしまうのを防ぐことができるため、基本的には冷蔵保存よりも長持ちさせることができます。
しかし、冷凍しれいれば食材は腐敗しないのかといえばそうではありません。単に劣化のスピードを遅らせることができるだけであって、長く冷凍庫に入れておけば腐敗します。
酸っぱい臭いがする場合は、腐敗していると考えて良いでしょう。
冷凍して臭くなってしまったしめじは食べることができるのでしょうか。解説します。
冷凍して細胞壁が壊れてしまったことによって臭いがきつくなってしまったり、冷凍庫の臭いが移ってしまったしめじは、食べにくさはあると思いますが、食べても問題ありません。
しかし、腐敗が原因で臭くなってしまった冷凍しめじは当たり前ですが食べることはできませんので破棄しましょう。味も食感も悪くなっているはずですので、無理して食べたところで美味しくありません。
腐敗した食材には雑菌が増殖していることが多く、食べてしまうと下痢や嘔吐などの中毒症状が出てしまうことがあるので注意しましょう。
腐敗していて食べられない冷凍しめじの特徴は下記の通りです。
酸っぱい臭い・味
カビ臭い
全体的に変色している
溶け出している
ぬめりがある
上述したように、冷凍すれば腐らないといわけではありません。冷凍していないしめじと同様に腐敗すれば腐敗のサインが出てくるので、長く冷凍保存してしまっているような状態の場合にはきちんと食べられるかどうか判断してから食べましょう。
冷凍したしめじが臭くなってしまっても、腐敗が原因でなければ食べることはできます。しかし、臭くなってしまうとやはり美味しくないので、臭くならないよう正しく冷凍することが大切です。
臭くならないしめじの冷凍のコツは下記の通りです。
冷凍庫は様々な食材を入れているため、食材の臭いや保存袋の臭いなどが混ざり合い、異臭になることがあります。冷凍した食材が腐敗していて雑菌の臭いがついていることも。しめじに限らず様々な冷凍食材が臭くなってしまう原因になるため、冷凍庫は常に清潔に保つことが大切です。
冷凍庫の臭いが食材についてしまわないように、こまめに除菌効果のあるアルコールスプレーなどを使って冷凍庫を拭きましょう。アルコールスプレーを使うことで、食材の臭いを軽減することができるだけではなく除菌もできるため雑菌の臭いがついてしまうのを防ぐことができます。
また、冷凍している食材で腐敗しているものはないかこまめにチェックし、腐敗しているようであればすぐに破棄することも大切です。
しめじなどのきのこ類は鮮度が落ちやすいです。鮮度が落ちてしまうとどうしても臭いがきつくなってしまったり変色してしまいます。すでに鮮度が落ちてしまっている状態で冷凍すると、解凍するときに臭くなってしまったり、変色してしまうのを防ぐのが難しいため、新鮮な状態で冷凍するのが望ましいです。
新鮮なしめじの特徴は下記の通りです。
カサに丸みがありハリがある
カサが小さめ
カサが密集していて重みがある
軸が太く、短い
色が濃すぎない
冷凍する前に一度洗ったほうが良いのではと思う方もいらっしゃると思いますが、水洗いするのはNGです。
水洗いしてしまうと、余計な水分まで一緒に凍ってしまうことになります。余計な水分も一緒に凍ってしまうと解凍されたときにべちゃっとしたり水っぽくなってしまい、食感や風味が悪くなってしまいます。また旨味成分の流出にも繋がります。
そもそもしめじなどのきのこ類の多くは、洗わずに調理をしても衛生面上問題ありません。しめじの場合は、水洗いをすることで苦味を感じやすくなってしまうことがわかっているので、水洗いは避けるのがベストです。
汚れが気になる場合は、キッチンペーパーで優しく拭き取る程度に留めましょう。
しめじを冷凍するときは、石づきを取ってバラバラにします。
丸ごと冷凍してしまうと、くっついた状態で凍ってしまい、細胞の損傷が大きくなるため臭いがきつくなってしまいますし、食感が悪くなってしまいます。また、丸ごとの状態だと調理をするときに、どうしても一度解凍しなければいけなくなってしまうため、水っぽくなったり風味が悪くなる原因になります。
手間はかかりますが、石づきを取ってバラバラにしてから冷凍するようにしましょう。
冷凍保存には直接冷凍する(ダイレクトフリージング)という方法がありますが、家庭用冷凍庫では急速凍結(瞬間冷凍)ができないため、味や食感、色が悪くなることが多いです。また、緩慢冷凍(徐々に冷凍すること)する過程で身の中に氷結晶ができ、開け閉めで冷凍庫内の温度が上がったときに、それが水蒸気となり身がスカスカになってしまいます。
一方、加熱してから冷凍する方法(ブランチング)は、加熱して野菜の持っている酵素を不活性化させることにより変色を防いだり、組織を軟化させることにより冷凍によって組織が破壊され食感を損なわれるのを防ぐことができます。また、食品表面に付着している微生物の殺菌にもなります。
しめじの場合は、上述したように冷凍保存するときに水分を含んでしまうと、食感が悪くなったり旨味成分が流出してしまったりするため生の状態で冷凍するのが望ましいです。しかし、細胞が破壊されると臭いがきつくなってしまうため、臭いを軽減したい場合は一度加熱してから冷凍するのが良いしょう。
加熱してから冷凍する場合は茹でても良いのですが、どうしても水分を含んでしまいますし、水溶性の栄養素や旨味成分が流出してしまうためレンジでの加熱をおすすめします。
出典:冷凍食品Q&A冷凍食品の基礎知識(日本冷凍食品協会)
茹でたりレンジで加熱してから冷凍する場合は、保存袋に入れる前にしっかりと水分を拭き取ります。
上述しているように余計な水分がついていると、食べるときに水っぽくなってしまったり、食感がべちゃっとしてしまって美味しくなくなってしまいます。
キッチンペーパーなどでしっかり水分を拭き取ってから保存袋に入れることが大切です。
バラバラにしたしめじを保存袋に入れたらしっかり空気を抜いて密閉します。
空気を抜いて密閉することで、空気中の酸素に触れて酸化して劣化してしまうのを防ぐことができます。また、冷蔵庫の臭い移りもしないので、しめじそのものの風味や味を損ねてしまうことがありません。
しめじに限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をした方が旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。
金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。
冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いたほうが早く冷凍することができます。
冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、どんなに長く保存しても1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。
冷凍しても長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいます。冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。
冷凍しめじが臭くなってしまうのを防ぐためには冷凍方法も重要ですが、解凍方法も重要です。
冷凍した食材はレンジを使って解凍することも多いですが、レンジで一気に解凍してしまうとどうしても水分が出てきてしまい、水っぽくなってしまいますし、臭いがきつくなったり風味が損なわれてしまいます。旨味成分も流出してしまうため、レンジ以外の解凍方法がおすすめです。
しめじはそもそも生食することができません。生の状態で冷凍している場合、必ず加熱料理をする必要がありますが、冷凍しめじは解凍せずに加熱調理をしてOKです。
一度解凍してしまうと水っぽくなってしまったりするなどのデメリットがありますが、そのまま加熱してしまえば水っぽくならずふっくら仕上がりますし、旨味も風味も逃すことなく美味しく食べることができます。
解凍せずにそのまま炒めものにしたり、汁物にして食べるのがおすすめです。
解凍して使いたい場合は、冷蔵室に移して自然解凍が最もおすすめです。
冷蔵室に移し低温でゆっくり解凍していくことで、一気に解凍されて水分が沢山でてきてしまうのを防ぐことができます。時間はかかってしまいますが、前日の夜に冷蔵室に移しておけば、次の日に使うことができます。
茹でたしめじを冷凍し、マリネなどに使いたい場合は自然乾燥するのが良いでしょう。
冷凍しめじを解凍せずに使えるおすすめの調理法を紹介します。
冷凍しめじは、おひたしにして食べることができます。
冷凍しめじを解凍せずに、鍋に適量の水を沸かし、沸騰したらしめじを入れ、約1分茹でます。茹でたら醤油などお好みの調味料で味付けをすれば簡単に美味しいおひたしを作ることができます。
冷凍しめじは調味料が染み込みやすいので、しっかり味がしみこんだ美味しいおひたしに仕上がります。
冷凍しめじは、オリーブオイルやバターを使って炒めものにしても美味しく食べられます。炒めることで苦味も軽減することができるので、苦味が気になる方は炒め物にするのがおすすめです。
炒めものであれば、解凍されて水分が出ても蒸発するので水っぽくなってしまう心配もありません。
冷凍しめじは、解凍せずにそのまま味噌汁やスープにしても良いでしょう。
冷凍しめじを味噌汁やスープに加えることで、旨味がプラスされて美味しく仕上げることができますし、流出してしまいがちな水溶性の栄養素も汁ごといただけるので栄養面的にも◎
栄養素を無駄なく摂取したい方は、汁物にしていただくのが最もおすすめです。
上述したように、しめじは冷凍すると旨味成分であるグアニル酸やアスパラギン酸などが3〜4.5倍にアップします。しめじの旨味を最大限に活用するなら、炊き込みご飯がおすすめです。
炊飯器に研いだお米と水を入れたら、醤油やみりんなどの調味料を加え、お米の上に冷凍しめじを乗せて炊くだけで美味しい炊き込みご飯を作ることができます。
栄養も無駄なくご飯と一緒に食べることができるので、ぜひお試しください。しいたけやエリンギなど他のきのこも合わせて作っても美味しいのでおすすめです。
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