トマト缶は加熱せずそのまま食べられないのかと疑問に思ったことはありませんか?本記事ではトマト缶はそのまま食べれるのかどうか解説します。
トマト缶はトマトソースにするなど加熱調理して食べられることが非常に多いですが、そのまま食べることができます。
缶詰めに入っているトマトは、加熱処理することにより滅菌された状態で密閉されています。そのため、加熱せずに食べても衛生面上何の問題もないのです。
ただし、トマト缶の開封後は食品の空気中の酸素に触れて酸化したり細菌が侵入してしまうため、開封後すぐに食べるのが良いでしょう。
トマト缶には、大別して固形のままトマトを残したホールトマトと、ダイス状(サイコロ状)にカットしたダイストマトの2種類あります。
種類によってそのまま食べられない場合もあるのでは?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、種類によってそのまま食べられないということはありません。
トマトの品種やカットしてあるのかしてないかの違いのみなので、どれもそのまま食べて問題ありません。
近年紙パックに入っているトマトもありますよね。紙パックに入ったトマトもそのまま食べて大丈夫です。
紙パックに入ったトマトも同じように加熱滅菌した状態で密封しており、紙パックも食品を劣化させる原因となる酸素や光を通しにくい構造になっているので劣化・腐敗しにくくなっています。そのため、衛生面上何の問題もなくそのまま食べることができます。
ただし、紙パックも開封すると缶詰と同様に日持ちしないので注意しましょう。
トマト缶はそのままでも食べられるのに、加熱調理をすることが多い理由は下記の通りです。
トマト缶に使われているトマトは、一般的にスーパーで販売されている生のトマトとは品種が異なります。
生のトマトがピンク系(桃色系)の品種であるのに対し、加工用のトマトは赤系の品種が用いられます。
ピンク系のトマトは酸味やトマト臭が少なく、また皮が薄くて果肉が柔らかい特徴があります。サラダなどとして生のまま食べたり、加熱料理として食べても美味しくいただけます。ピンク系の品種には、日本で最もメジャーな桃太郎やファーストトマト、フルティカ、サターン、おどりこ、ピッコラルージュなどがあります。
一方でトマト缶に用いられる赤系トマトは、酸味と甘味の両方が強く、果実の内部まで真っ赤な色をしています。加熱することで美味しさが増すのが特徴で、生食には適さないことが多いです。加工用に用いられる赤系トマトには、サンマルツァーノやローマトマト、かごめ77、ふりこま、くりこまなどの品種が使われます。加工用トマトは加工メーカーが独自に育成しているものや、契約栽培されているものがほとんどなので、一般に入手することは難しいです。
そのため、トマト缶はそのままでも食べられないわけではありませんがしっかりと加熱してから食べられることが多いです。
トマト缶を使った料理が酸っぱくて食べにくいと感じたことがある方も多いのではないでしょうか。上述したようにトマト缶に使われているトマトの品種は、酸味が強いものが多いです。
トマトの酸味となっているのはクエン酸です。さらにメーカーによっては酸度を調節したり食品の安全性の観点からクエン酸をさらに加えていることもあります。クエン酸は体に悪い成分ではありませんが、酸味が強すぎて美味しくないと感じる方も多いです。
クエン酸は加熱すると分解され酸味が軽減される性質があるため、酸味を軽減し食べやすくするためにも加熱調理をして食べることが多いです。
トマトにはリコピンと呼ばれる成分が入っています。リコピンは抗酸化作用のある栄養素です。リコピンの抗酸化作用は同じ抗酸化作用を持つβ-カロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上と言われています。肌や血管の老化を防いだり動脈硬化などを予防する効果が高いことがわかっています。
特にリコピンは細胞壁の中に多く含まれているのですが、生のトマトを咀嚼で壊せる細胞壁はごくわずかであることがわかっています。
リコピンはトマトを加熱し細胞壁を壊しておくことで、より効率的に吸収することができます。
上記の理由からトマト缶は加熱調理して食べられることが多いですが、トマト缶をそのまま食べるメリットもあります。
トマト缶はそのままトマトソースとして使ったり、スープにすることができます。加熱してももちろん美味しく食べられるのですが、そのままであれば加熱する時間が省けるので、時短になります。
簡単にささっと1品作りたい忙しい日などにとても便利です。
トマト缶の賞味期限は未開封だと1年〜2年と長いので、トマト缶をストックしている方も多いでしょう。自宅にあるものですぐに一品完成させることができるのは嬉しいですよね。
上述したように、酸味が強く食べにくいという方も多いですが、酸味がアクセントになって料理が美味しくなるという方もいます。
酸味は食欲増進の効果があり、夏などの食欲が出ないときにもさっぱりと食べることができるのでおすすめです。
クエン酸は食べた物を体内でエネルギーに変えるときに必要な栄養素です。そのため疲労回復に効果的と言われています。筋肉痛の予防にも役立ちます。さらに代謝アップにもつながるので、ダイエット効果も期待できます。また、カルシウムや鉄、マグネシウムなどの吸収しにくいミネラルを吸収しやすくする働きもあるので、吸収されにくいと言われるミネラルと一緒に摂取するといいでしょう。この効果をキレート効果と呼びます。
トマト缶のトマトは加熱することで柔らかくなりますが、生のままだとある程度の食感が残ります。特に細かくカットしてから缶詰にしているカットトマトは、そのまま食べるほうがしっかりとした食感が楽しめます。
しっかりとした食感は料理のアクセントにもなりますし、満腹中枢が刺激され満腹感を得ることができるのでダイエット中の方にもおすすめです。
トマト缶をそのまま美味しく食べる方法を紹介します。
生のトマトの変わりにトマト缶を使ってサラダを作ることができます。
新鮮なサラダにトマト缶を加えることで、トマト缶独特の風味と鮮やかな色をプラスできます。そのままでもドレッシングのようになるので野菜をさっぱりと食べることができます。
そのままでも美味しいですが、オリーブオイルや塩コショウを混ぜ合わせても◎
ただし、そのままだと水っぽいので汁は取り除いてトマトだけを使いましょう。
ブルスケッタは、オリーブオイルで軽く炒めたまたは焼いたバゲットやイタリアンブレッドの上に、トマト、ニンニク、バジル、塩、そしてさらにオリーブオイルをトッピングする料理です。
生のトマトの変わりにトマト缶を使っても美味しく食べることができます。
ブルスケッタは前菜や軽食として供されることが多く、またパーティーや集まりの際にも人気のあるフィンガーフードです。変わり種として、モッツァレラチーズやプロシュート(生ハム)、さらにはマッシュルームやアボカドなども一緒にトッピングすると美味しいのでおすすめです。
トマト缶はそのままパスタソースにすることもできます。
トマト缶、オリーブオイル、ニンニク、ハーブ、オリーブ、チーズを混ぜ合わせるだけです。これを冷たいパスタに絡めて食べると、夏にピッタリの冷静パスタが出来上がります。
とっても簡単なのでぜひお試しください。
トマト缶を使ってガスパチョを作るのも一つの方法です。
トマト缶、キュウリ、パプリカ、タマネギ、ニンニク、オリーブオイル、ビネガーをミキサーにかけて冷蔵庫で冷やします。冷たいまま飲むと、さっぱりとした美味しい一品になります。
未開封のトマト缶は、直射日光の当たらない場所で常温保存可能です。
未開封のトマト缶の賞味期限は製造メーカーによっても異なりますが、だいたい1年〜2年です。缶詰や紙パックの場合は、しっかりと殺菌された状態で完全に密封されているため鮮度が落ちるのを防ぐことができるので、常温でも長持ちするのが特徴です。
万が一賞味期限を過ぎてしまっていても、開けてみて異臭がするなどの異変が見られなければ食べることができます。ただし、缶詰めが膨らんでしまっていたり、穴が空いてしまっている場合は細菌が繁殖している可能性が高いので破棄するのが無難です。
<消費期限と賞味期限の違い>
消費期限・・・定められた方法で保存した場合において、腐敗などの品質の劣化に伴い安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日。開封前の状態で保存すれば、食品衛生上の問題が生じないと認められるもの。そのため、消費期限を過ぎた食品は食べるべきではない。急速に品質が劣化しやすい食品に表示される。
賞味期限・・・定められた方法で保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日。賞味期限を超えた場合でも品質が保持されることもある。そのため、賞味期限を過ぎた食品は必ずしもすぐ食べられなくなるわけではなく、消費者自身で判断する必要がある。比較的品質が劣化しにくい食品に表示される。
開封したトマト缶は常温保存不可です。開封後は冷蔵または冷凍保存する必要があります。
冷蔵保存だと2日〜3日日持ちします。未開封の場合は1年〜2年と長持ちしますが、あくまでも未開封の状態である場合なので、開封したら早めに食べきりましょう。
開封後のトマト缶はそのまま冷蔵庫に入れるのではなく、清潔な容器に移し替えて冷蔵庫に入れます。
開封後のトマト缶をそのまま冷蔵庫に入れてしまうと、空気中の酸素に触れて酸化し鮮度が落ちてしまいます。また、缶自体の開口部や内部が腐敗する恐れがあります。缶が金属製であるため、食品の酸と反応して酸化しやすくなり、缶自体が錆びる原因となりえるのです。
さらにそのまま保存してしまうと鉄などの金属イオンがトマトに溶出し、その結果として食品の味が変わることがあります。これは、金属イオンがトマトの自然な風味を変えてしまう可能性があるからです。
そのため、開封後のトマト缶はできるだけ早くガラス製やプラスチック製の容器に移し替えてから冷蔵保存することをおすすめします。
開封後のトマト缶は冷凍すると1ヶ月保存可能です。すぐに使い切れない場合など長く保存したいときは冷凍保存がおすすめです。
冷凍保存する場合は保存袋に入れたら、できるだけ平らにしてしっかり空気を抜き密閉します。しっかりと密閉したら急速冷凍しましょう。
トマト缶に限らず、食材を冷凍する場合は急速冷凍をしたほうが旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。
金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。
冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いたほうが早く冷凍することができます。
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