ハンバーグ作りで使う塩の適量はいったいどのくらいなのでしょうか。この記事ではハンバーグ作りで使う塩の適量や、黄金比と言われる量、入れすぎた場合の対処法などを解説します。
ハンバーグ作りにおいて、塩にはハンバーグを美味しく仕上げる適量とタイミングがあります。
お肉に使う塩の量は、ひき肉に対して0.8~1%くらいが一番効果を発揮し、お肉の旨味を引き出すことができるとされています。
具体的な量は200gのひき肉に対して塩1.6~2g(小さじ3分の1程度)が適量となります。
塩以外を使う場合、
塩コショウ:2~2.4g(小さじ2分の1程度)
塩麹:15g(小さじ2.5杯)
が適量となります。
ハンバーグのタネをこねる際、まずはよく冷やしたひき肉と塩だけでこねましょう。塩の働きでひき肉から「アクチン」と「ミオシン」というタンパク質が溶け出し、くっつきあって網目状になるため、肉の粘り気が増えて肉同士がくっついた状態になります。これによって焼いたときに肉汁(肉の脂や水分、旨味成分)が出るのを防ぎ、肉汁がハンバーグの中にしっかりと残って、ジューシーな仕上がりになります。
タネから粘り気が出るまでしっかりこねましょう。ある程度粘りが出てきたら溶いた卵を追加し、よく混ぜたらパン粉や牛乳などの具材を追加してください。
また、料理の具材の量に対して0.8~1%の塩分量が人間にとって料理が最もおいしく感じる、ちょうどよいと感じる黄金比の塩分量と言われることがあります。0.8%という塩分濃度が人間の体液の塩分濃度とほぼ同じためと主張している説もあります。
ただし、日頃の生活習慣や小さいころからの家庭での食事の習慣や味付けの違いが、好みの差を生むとも言われます。とはいえこの0.8~1%の塩分量が一般的な料理で多くも用いられている塩分量であり、美味しいと感じるストライクゾーンの中心辺りであることは間違いなさそうです。
塩分控えめにしたい場合、上記のタネに使う塩を減らしてしまうとハンバーグの旨味を大きく損なってしまことになるので、おすすめできません。塩分を減らす場合、ソースの塩分を減らすか、タネのお肉の一部を豆腐に置き換えるのがおすすめです。
ソースの塩分を減らす場合、一番手っ取り早いのが減塩製品を使う方法です。定番のデミグラスソースを作る場合でも、ソース作りに使うケチャップ、ウスターソース、コンソメはいずれも減塩製品が出ており、これらを活用することで塩分控えめにすることができます。
また、ひき肉の一部を豆腐に置き換えるのも有効です。タネに使う塩の量は使うひき肉の量で増減するため、ひき肉を減らして豆腐を増やすことで塩を使う量も減らせます。豆腐は価格も低く、お財布にも優しいです。使う豆腐の量はお好みで構いませんが、豆腐を増やしすぎるとお肉の風味が弱まってしまいます。
ハンバーグ専門店では塩だけでハンバーグを食べるメニューもあり、良いお肉を使ってジューシーなハンバーグを作ることが出来たら塩だけで食べてみるのもおすすめです。
使う塩にもこだわってみましょう。お肉と相性の良い岩塩がおすすめで、ブラックペッパーも挽いてみると香ばしさがアップします。
ハンバーグを作る際に塩を使いますが、実はこの塩がハンバーグのタネづくりにおけるもっとも重要な材料と言われています。
塩はハンバーグの下味の基本である塩気をつけるために使われます。また、塩を揉み込むことでお肉から余分な水分や旨味も引き出されます。
洋風や和風、煮込みハンバーグなどさまざまな種類のハンバーグがありますが、どんなハンバーグでも塩は基本的に使います。
塩でお肉の独特な臭みも幾分か和らぎます。ハンバーグを作る際はまずひき肉に塩を揉み込みましょう。
塩は下味だけでなく、ハンバーグを崩れにくくするつなぎとしての役割も大きいのです。
前述の通り、塩の働きでひき肉からタンパク質が溶け出し、くっつきあって網目状になるため、水分が抜け出すのを防ぎ、肉汁がハンバーグの中にしっかりと残って、ジューシーな仕上がりになります。
また、塩は熱が加わるとお肉のタンパク質を固まらせる作用があるので、ハンバーグを焼いている過程で肉同士がより結着します。このように、塩は下味だけでなく、つなぎとしてのハンバーグには欠かせない役割があります。
ハンバーグのタネを捏ねる際、塩コショウと書かれているレシピもありますが、塩には上記の通り様々な役割があるものの、コショウは単なる下味としての役割がメインです。味を引き締める効果も期待できます。
ただし、コショウの持つスパイシーな香りがお肉の臭みけしとして働くので、塩と一緒に混ぜ込むことでお肉の臭いをかなり軽減できます。
ハンバーグは様々な材料がつなぎに使われ、代用できる材料は多くありますが、塩の代わりとなるような材料はなく、ハンバーグ作りでは欠かすことのできない材料です。
上記の通り様々な役割を持つので、塩分を控えているという方も塩は決まった量を入れることをおすすめします。上記の通り、ひき肉の一部を豆腐に置き換える方法を試すか、ソースの塩分量を減らしてみるのがおすすめです。
塩を切らしてしまっていて塩コショウがある場合、代用は可能です。
ただし、塩コショウは塩の分量が少ないので、多めに入れる必要があり、スパイシーさがやや強いテイストになります。
使う分量の目安前述の通りで、200gのひき肉に対して2~2.4g(小さじ2分の1程度)です。
塩の代わりに塩麹を使うことも可能です。
塩こうじは塩と米麹、水を合わせたものを発酵して造られる調味料です。ハンバーグのタネ作りに使うことで塩としての役割はもちろん、米麹由来の旨味や深いコクをハンバーグに加えることができます。
使う分量の目安は200gのひき肉に対して15g(小さじ2.5杯)です。米麹や水を含んでいる分、塩や塩コショウよりも多めに使います。
ハンバーグに塩を入れすぎてしまった場合、タネの状態と焼いた後ではリカバリーの方法が異なります。
当たり前ですが、塩を入れすぎたハンバーグを水で洗うのは絶対にやってはいけません。洗ったとしても塩が流しきれず、旨味などの成分を流してしまうだけです。
下記の項目で紹介する別の方法でのリカバリーをやってみましょう。
塩を入れすぎた場合、タネの状態ならひき肉や他のつなぎ、野菜などを加えてしょっぱさを抑えてみましょう。
ハンバーグの風味の方向性を保ってリカバリーできるのが、ひき肉を増やす方法です。ひき肉を増やす場合、難しいかもしれませんが、塩の割合が1%前後になるように分量を調節してみましょう。ひき肉を増やした分、他のつなぎの材料も追加するのも忘れないようにしましょう。
ひき肉のストックがない場合は、パン粉や牛乳、卵といった基本のつなぎの材料や、玉ねぎなどの材料を増やすことで、塩気を薄くすることができます。豆腐やみじん切りにしたきのこ類を加えるのもおすすめです。豆腐や野菜、きのこ類は水分量の多い具材なので、塩気の多さを感じにくくなります。また、豆腐を入れれば柔らかくなり、野菜やキノコ類を入れればシャキシャキの食感が楽しめます。
ただし、ひき肉以外の材料の分量を増やすとタネのバランスが悪くなり、ハンバーグが固くなったり、ゆるくなりすぎて焼いた時に割れたりするので注意しましょう。
分量を増やしてハンバーグがたくさんできてしまった場合、冷凍保存がおすすめです。焼いてから冷凍すれば1ヶ月程度保存しておくことができ、解凍すればすぐに食べることができて便利です。タネのまま冷凍する場合は2週間程度保存できます。ハンバーグ以外にもひき肉として使うこともでき、下味が付いているのでとても便利です。
ハンバーグがしょっぱく焼き上がってしまった場合、ハンバーグ自体から塩気を抜くのは不可能です。他の料理であれば具材の追加やスープの追加でしょっぱさを軽減できますが、ハンバーグがそれ自体で完結している食べ物なので、リカバリーが難しいのです。
この場合、ソースで調整するか他の料理にリメイクするしかありません。
焼き上がったハンバーグがしょっぱかった場合、ハンバーグにかけるソースを少し薄めの味に仕上げ、塩気を目立たなくする方法もあります。塩の入れ具合によってはソース無しで食べるとちょうどよいこともあるので、焼き上がったものを味見してみましょう。
かなりしょっぱい場合、薄めのソースで煮込むのがおすすめです。煮込みハンバーグとしてのリカバリー方法は下記の項目で紹介します。
しょっぱくなってしまったハンバーグは他の料理にリメイクすることができます。タネの状態はハンバーグとしてリカバリー可能ですが、リメイクでも汎用性が高く、コロッケのタネやチャーハン用のひき肉とすれば下味が付いた状態なので美味しく仕上げられます。
焼いてしまったハンバーグは上記で紹介した煮込みハンバーグはもちろん、スープに入れる、崩してひき肉として使うといった方法でリメイクができます。
しょっぱくなってしまったハンバーグは、リメイクでしょっぱさを誤魔化して食べてみましょう。
上記の通り、しょっぱいハンバーグは多めのソースで煮込むことでハンバーグが柔らかくなり、食べやすくすることができます。
ソースで調整する場合、牛乳やトマト缶を使って煮込みハンバーグにするのがおすすめです。少し薄めに作ってハンバーグのしょっぱさでちょうどよい塩加減にすることができます。味付けも減塩タイプのコンソメをベースにすれば味も濃くなりにくく、塩分控えめに仕上げることができます。
しょっぱいハンバーグを肉団子の代わりとしてスープや鍋に入れるのもおすすめで、薄めのスープに入れることでスープとハンバーグがちょうどよい濃さになります。ハンバーグにスープがしみ込んでやわらかくもなります。ミネストローネやトマト鍋に入れるのがおすすめです。
キャベツをまいてロールキャベツにリメイクする方法もあります。キャベツの代わりに白菜を巻くのもおすすめで、白菜が美味しい冬の時期に鍋として食べるのもおすすめです。大量消費が難しい白菜を一気に使うこともできます。
しょっぱいハンバーグは、崩してひき肉として使うこともできます。麻婆豆腐、チャーハン、ボロネーゼ、ドライカレー、キーマカレー、タコライスなど幅広い料理に使うことができます。
既に下味が付いており、タマネギなどのつなぎに含まれる旨味も詰まっているので、ただひき肉を使うよりも美味しく仕上げることができます。ただし、ひき肉が濃いので味付けには注意が必要です。
タネの作り方や焼き方にひと工夫加えることでハンバーグを美味しく仕上げることができます。
ひき肉はこねる直前まで冷蔵庫に入れておきましょう。ハンバーグのタネは温度が上がることでひき肉の脂肪が溶けてタネがゆるくなるほか、焼いた時に肉汁が流れ出て固い仕上がりになってしまいます。
また、タネをこねる際に室温が高いとタネの温度が高くなり、タネがゆるくなってしまうこともあります。夏場は冷房をつけ、冬場は暖房を切ってタネをこねるのがおすすめです。
ハンバーグのタネをこねすぎてしまうと脂が溶けて肉汁が少なくなるので、ハンバーグが固くなってしまいます。ただし、こねることで具材が良く混ざる以外にも、肉の粘り気が増えて肉同士がくっついた状態になり、焼いたときに肉汁が出るのを防ぐ役割もあるのでよくこねるようにしましょう。目安は白っぽくなっていて、粘り気があり、肉を突いてみた時にボウルが浮くくらいです。
ハンバーグをこねる際はこねすぎにも注意ですが、手が温かいと脂肪が溶けやすいため、手を冷やしてからこねると良いでしょう。手ではなくすりこぎ棒や木べら、割り箸などを使っても良いでしょう。こだわる方は牛乳の代わりに氷を使ったり、タネの入ったボウルを氷水の入った大きなボウルで冷やしながらこねたりしているようです。
タネをこね終わった後、寝かせることで水分と油分がなじみ、タネが柔らかくなるだけでなく、お肉が熟成して旨味が増します。ただし、タネを常温で寝かせたり、長時間寝かせたりしてしまうと、雑菌が繁殖する原因となります。冷蔵庫で1~2時間程度寝かせるようにしましょう。また、なるべく空気に触れないようにするため、ラップをかけて寝かせましょう。
なお、空気を抜いて成型した後に寝かせるとひびが入って割れやすくなってしまうので、必ず成型前に寝かせましょう。
タネを混ぜ終わってから空気を抜いて成型しますが、この作業が十分でないとハンバーグが割れやすくなってしまい、割れて肉汁が出て固くなってしまうので要注意です。
ハンバーグの空気を抜く作業はよく「両手でキャッチボールをするようにしながら」と言われます。しかし、この方法ではよくわからないという方も多いでしょう。分かりやすく簡単な方法は、利き手に載せたタネを、利き手ではない方の手を受け皿にして、3~4回軽く打ち付ける方法です。この時、手にサラダ油を薄く塗っておくと、ミンチ内の水分が蒸発するのを防ぎながら成形することができます。
ただし、この作業をやりすぎるとハンバーグが固めの仕上がりになってしまうので要注意です。
ハンバーグのサイズを大きくしてしまうと、焼く前の空気抜きの作業で空気を抜くのが難しくなるほか、火の通りが悪くなり、崩れやすくなってしまいます。真ん中まで火が通りにくく、生焼きになる可能性も高まります。
ハンバーグのサイズは手のひらに収まる程度に収めましょう。厚さは1.5~2cm程度が一般的なサイズです。
ハンバーグの厚い中央部分は火が通りにくいので、生焼けを防ぎ、調理時間を短くするために真ん中をへこませましょう。
ただし、最近はへこませる必要についての議論もあり、へこんだ部分に焼き目がつけられない、蒸し焼きにすれば中までしっかり火が通るといった理由からへこませる必要がないと言われることもあります。典型的なハンバーグのような形ではなく、薄めに作ることでへこませるのを省く方法もあります。
ハンバーグを焼く際、しっかり火を通すために弱火で長時間焼いている方が多いのではないでしょうか。長時間焼くことでハンバーグから肉汁が出すぎてしまい、ハンバーグが固くなってしまいます。
ハンバーグを焼く際は、まずは中火で表面を焼き、裏返したら弱火にし、中までじっくりと火を通しましょう。強火で焼くと焦げやすく、ハンバーグの外側ばかり焼けてしまって中心部は生焼けになってしまうことが多く、野菜に含まれる栄養素が分解されてしまったり、肉汁の水分と一緒に流れ出てしまったりします。基本的に中火以下で調理しましょう。
中火で焼き目を付けてハンバーグをひっくり返した後、フタをして弱火で加熱することで水分の蒸発を防ぎ、蒸し焼きにすることができるので、焼いている面以外にも熱を通すことができ、焼きムラを防ぐとともに、時短調理となります。
フタがない時はアルミホイルをフライパンを覆うサイズに成形して上から被せることで蓋代わりにできます。この時、フライパンが熱いのでフライパンに触ってやけどしないように注意しましょう。
アルミホイルを使って包み焼きにするのもおすすめです。熱がハンバーグに均等に伝わり、焼きムラを防ぐことができます。アルミホイルには遠赤外線効果という食材の内側に熱を伝えやすくする効果もあるので、生焼け防止にぴったりの調理方法です。付け合わせのブロッコリーやニンジンなどの野菜も一緒に包んで焼けば時短調理にもなります。
フタをして蒸し焼きにする際、少量の料理酒(小さじ1~)を加え、弱火で蒸し焼きにすることでハンバーグに旨味を加え、ふっくらと仕上げることができます。
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