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ステアで作るウイスキーのカクテル10選。材料と作り方を紹介

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ステアで作るウイスキーのカクテル10選。材料と作り方を紹介

この記事では、ウイスキーを使ったカクテルのうち、ミキシンググラスを使ってかき混ぜる技法「ステア」で作ることのできるカクテルを紹介します。

ウイスキーとは

ウイスキーは、大麦、ライ麦、トウモロコシといった穀物を発酵・蒸留し、樽熟成することで造られる蒸留酒の一種です。発祥はスコットランドとアイルランドの2説あるようですが、はっきり決着はついていないようです。
 
原料によって「モルト・ウイスキー(大麦)」、「グレーン・ウイスキー(穀物全体)」、「コーン・ウイスキー(トウモロコシ)」といった呼び名で分類されており、さらに産地によっても「スコッチ・ウイスキー(スコットランド)」、「アイリッシュ・ウイスキー(アイルランド島)」、「バーボン・ウイスキー(アメリカ・ケンタッキー州バーボン郡)」といった分類がされています。
 
ウイスキーは、木製の樽で熟成するため、ウッディーな香りとビターな風味が特徴的ですが、原料や熟成に用いる樽によって風味が大きく異なります。香りもスモーキーなものからフルーティーなものがあり、味わいも軽いもの(ライト・ボディ)から重たいもの(フル・ボディ)まで様々です。
 
欧州連合(EU)がウイスキーの最低度数を40度と定めていることもあり、ウイスキーの度数は基本的に40~43度の製品が多くなっています。イギリスでは43度、アメリカでは40度が標準度数と定められていますよ。
 
飲み方はストレートやロック、ソーダ割りといった飲み方が好まれていますが、ウイスキーを使ったカクテルもあり、「マンハッタン」「オールド・ファッションド」などの有名なカクテルがあります。

カクテルとは

混合酒を指す

「カクテル(cocktail)」とは、ウイスキー、ウォッカなどのアルコール度数の高いお酒をベースにして、ジュースや果汁、リキュール、薬味などを加えた混合酒のことです。

ロングとショートの違い

ロングとショートには度数やグラスの大きさ、氷の有無など様々な違いがあります。

ショートカクテル

「ショートカクテル」は、脚の長い逆三角形の「カクテルグラス」などが使われるカクテルで、グラスに氷が入っていないので時間が経つとぬるくなってしまい、風味が劣ってしまうため、早めに飲むのが良いとされているカクテルです。
 
ショートカクテルの多くはウォッカやジンなどのスピリッツをベースにリキュールや果実・卵・香辛料をミックスして作られるカクテルで、量は少なめで、アルコール度数が高めなのも特徴です。
 
飲み切る時間の目安としてはお酒の温度が変わるまでの15分とされており、バーでは「ショートカクテルは3口で飲め」という教訓もあります。

ロングカクテル

一方、「ロングカクテル」は大きめのグラスに氷が入っているカクテルで、居酒屋などでもよく見かけるカクテルが多いです。氷が入っているのでショートカクテルよりも長く楽しむことができますが、時間が経つと氷で味が薄まってしまいます。
 
ロングカクテルも、スピリッツをベースにトニックウォーターや炭酸水、柑橘類、ジュースなどをミックスして作られるカクテルで、アルコール度数は低めなのも特徴です。

飲み切る時間の目安としては30分とされており、それ以上時間が経つと氷が解けて風味が変わってしまうでしょう。

ステアとは

「ステア」の技法は、混ざりやすい材料を、氷を入れたミキシング・グラスに注ぎ、バー・スプーンなどで手早くかき混ぜる技法で、素材の味わいや香りを活かす際に用いられる技法です。
 
ミキシンググラスを使わずに、カクテルを入れるグラスで直接かき混ぜる手法は「ビルド」と呼ばれます。

ステアで作るウイスキーのカクテル【中度数:20度~30度未満】

飲みやすいカクテルから辛口のカクテルまで、20度~30度未満の中度数のカクテルを紹介します。

アフィニティ

アフィニティ」は、2種類のベルモットのフルーティーで複雑な味わいが楽しめるカクテルです。ビターズもアクセントになっていて、後味はとても複雑なものとなっています。

材料

  • ウイスキー …1/2

  • ドライ・ベルモット …1/4

  • スイート・ベルモット …1/4

  • アロマチック・ビターズ…2dash(2振り、10~12滴)

  • レモンピール...1片

作り方

  1. ミキシンググラスに材料を入れてステアする
  2. カクテル・グラスに注ぐ
  3. レモン・ピールを絞りかける

オールド・パル

オールド・パル」は、「古い仲間」「懐かしい仲間」を意味する名前のカクテルで、100年以上前から飲まれているカクテルです。ドライ・ベルモットとカンパリのハーブ由来の複雑な味わいが楽しめ、食前酒として飲まれることの多いカクテルです。

材料

  • ウイスキー …1/3

  • ドライ・ベルモット …1/3

  • カンパリ …1/3

作り方

  1. ミキシンググラスに材料を入れてステアする
  2. カクテル・グラスに注ぐ

ステアで作るウイスキーのカクテル【高度数:30度以上】

30度以上の強めのカクテルを紹介します。強めでも飲みやすいカクテルもありますよ。

シャムロック

シャムロック」は、ベルモットとミント・リキュールのさっぱりとしたテイストと、緑色の鮮やかな見た目が特徴的なカクテルです。控えめな甘さで食前酒向きです。

材料

  • ウイスキー …1/2

  • ドライ・ベルモット …1/3

  • クレーム・ド・ミント・グリーン(ミント・リキュール) …1/6

作り方

  1. ミキシンググラスに材料を入れてステアする
  2. カクテル・グラスに注ぐ

スコッチ・キルト

スコッチ・キルト」は、スコッチ・ウイスキーを原料とするリキュール「ドランブイ」を使ったカクテルで、コク深い香りと甘みが楽しめるカクテルです。

材料

  • スコッチ・ウイスキー …40ml

  • ドランブイ …20ml

  • オレンジ・ビターズ…2dash(2振り、10~12滴)

  • レモン・ピール(レモンの果皮)

作り方

  1. 材料をミキシンググラスでステアして、カクテル・グラスに注ぐ
  2. レモン・ピールを絞りかける

ドライ・マンハッタン

ドライ・マンハッタン」は、人気のカクテル「マンハッタン」のアレンジレシピで、マンハッタンよりも辛口でドライなテイストとなっています。

材料

  • ウイスキー …3/4

  • ドライベルモット …1/4

  • アロマチックビターズ …1dash(1振り、5~6滴)

  • オリーブ …1個

作り方

  1. オリーブ以外の材料をミキシンググラスに入れる
  2. 氷を入れてステアする
  3. ストレーナーをかぶせてカクテル・グラスに注ぐ
  4. カクテル・ピンを刺したオリーブをカクテルに入れる

ハンター

ハンター」は、ウイスキーとチェリー・ブランデーだけを使ったシンプルなカクテルで、古くからあるクラシックカクテルです。チェリー・ブランデーの甘酸っぱい香りと味わい、ガツンと来るアルコール感を楽しむことができます。

材料

  • ウイスキー …2/3

  • チェリーブランデー …1/3

作り方

  1. 材料をミキシンググラスに入れる
  2. 氷を入れてステアする
  3. ストレーナーをかぶせてカクテル・グラスに注ぐ

バーボネラ

バーボネラ」は、1930年代に考案されたクラシックカクテルで、ドライ・ベルモットとオレンジ・キュラソーがバーボン・ウイスキーの香りを引き立てているカクテルです。コク深い甘みも楽しめます。

材料

  • バーボン・ウイスキー …2/4

  • ドライ・ベルモット …1/4

  • オレンジ・キュラソー …1/4

  • グレナデン・シロップ …1dash(1振り、5~6滴)

作り方

  1. 材料をミキシンググラスに入れてステアする
  2. カクテル・グラスに注ぐ

ボビー・バーンズ

ボビー・バーンズ」は、スイート・ベルモットとベネディクティンのハーブ由来の複雑な香りと味わいが楽しめるカクテルです。1930年には存在していたカクテルで、当時のレシピブックでは「最高のウイスキーカクテルのひとつ」と絶賛されていたそうです。

材料

  • スコッチ・ウイスキー…40ml

  • スイート・ベルモット…20ml

  • ベネディクティン…1tsp(小さじ1)

  • レモン・ピール...1片

作り方

  1. ミキシンググラスに材料を入れてステアする
  2. カクテル・グラスに注ぐ
  3. レモン・ピールを搾る

マンハッタン

マンハッタン」は、カクテルの女王とも称される人気カクテルで、19世紀の終わりに誕生したクラシックカクテルでもあります。複雑で華やかな香りと控えめな甘さが楽しめます。ベースをスコッチ・ウイスキーに変えたカクテルは「ロブ・ロイ」と呼ばれます。

材料

  • ライ・ウイスキー(カナディアン) …3/4

  • スイート・ベルモット …1/4

  • アロマチックビターズ …1dash(1振り、5~6滴)

  • レッドチェリー …1個

  • レモン・ピール...1片

作り方

  1. ミキシンググラスに数個氷を入れる
  2. アロマチックビターズ、ライ・ウイスキー、スイート・ベルモットの順に入れる
  3. ミキシンググラスに入れた材料を軽くステアする
  4. ミキシンググラスにストレーナーをかぶせて、カクテル・グラスに注ぐ
  5. カクテルピンで刺したレッドチェリーをカクテルの中に落とす
  6. レモン・ピールを絞る

ロバート・バーンズ

ロバート・バーンズ」は、副材料がスコッチ・ウイスキーの旨さを引き出していて、香り豊かでキリッとした口当たりが楽しめるカクテルです。同名のスコットランドの詩人が名前の由来となっています。

材料

  • スコッチ・ウイスキー …45ml

  • スイート・ベルモット …15ml

  • アンゴスチュラ・ビターズ …1dash(1振り、5~6滴)

  • ペルノ …1dash(1振り、5~6滴)

作り方

  1. 材料をミキシンググラスに入れる
  2. 氷を入れてステアする
  3. ストレーナーをかぶせてカクテル・グラスに注ぐ

【参考】カクテルの専門用語

カクテルを作る際、レシピに登場する専門用語を紹介します。

グラス

オールド・ファッションド・グラス

容量180~300ml。「ロックグラス」という名称の方が一般的で、主にオンザロックススタイルの強めのカクテルに用いられます。口径が広く、大きな氷がそのまま入るため、ロック向きとされています。

カクテル・グラス

容量90mlが標準。ドラマや映画によく登場する、脚の長い逆三角形のグラスで、主にショートカクテル用です。逆三角形の部分(ボウル)が鋭角なほど強いカクテルに合います。ちなみに、グラスの形には理由があり、長い脚の部分「ステム」を持つことでカクテルの温度が上昇するのを防ぐことができます。

ゴブレット・グラス

容量300ml程度。グラスの脚が短く安定感のある形状で、グラスのフチにカットフルーツを飾るようなトロピカル系のカクテルでよく使われています。

コリンズ・グラス

容量300~360ml。トールグラスとも呼ばれます。細長い形状が特徴的で、炭酸が抜けにくいことから発泡性のカクテルに向いています。背の高いものは、材料のグラデーションを楽しむおしゃれなカクテルにも使われます。

サワー・グラス

容量120mlが標準。主に柑橘類を使ったサワースタイルのロングカクテルに用いられます。日本では脚付きのものがほとんどですが、外国では平底のタイプも用いられています。

シェリー・グラス

容量60~75ml。スペイン産ワインの「シェリー酒」を飲むために作られたグラスで、ストレートにもカクテルにも応用ができる用途の広いグラスです。

シャンパン・グラス

飲み口が大きく背の低い「ソーサータイプ」と、飲み口が小さく背の高い「フルートタイプ」があります。ソーサータイプは泡立っているカクテルやクリームを浮かべるカクテルに、フルートタイプは発泡性のカクテルに向いています。

タンブラー

10オンス(300ml)が標準。用途は多様で、カクテルでは、氷をたくさん入れるロングカクテルでよく使用されます。二重構造で保冷力が長持ちするタンブラーもありますよ。

リキュール・グラス

容量30~45mlと小さめです。本来はストレート用ですが、見た目の美しいプースカフェスタイルのカクテル(食後に飲むカクテル)に使われることがあります。

ワイン・グラス

ワインの色・香り・味を余さず楽しむためのグラスです。赤ワインは大ぶりのもの、白ワインは小ぶりのものが適しています。カクテルでも時々使われることのあるグラスです。

道具

カクテル・ピン

カクテルの中に沈めるフルーツに刺したり、花やフルーツをカットして作る「ガーニッシュ」を飾る際に使用するピンです。

シェーカー

その名の通り、シェイクする際に使用する器具で、トップ(蓋)、ストレーナー、ボディの3つのパーツに分かれています。ボディの中に材料と氷を入れ、ストレーナーとトップを被せて、強く振って中身をかき混ぜて使います。

また、ボディとティンの2パーツからなるボストンシェーカーも存在し、より激しいシェイクをする事が出来ます。主に、卵白やクリーム系、フルーツなどの材料を扱う場合に使用します。
シェーカーの形にもいくつか種類があり、一般的な「スタンダード型」、細長い「バロン型」があり、ボストンシェーカーにはティンがスケルトンになっているおしゃれなものもあります。

ストレーナー

シェーカーの部品ではないストレーナー単体は、へら型のステンレス板に、らせん状のワイヤーを取り付けた道具です。ミキシンググラスやボストンシェーカーと一緒に使用される事が多く、氷を取り除き液体のみを注ぐ事が出来ます。

バースプーン

長い棒状のスプーンで、中央の棒部分はらせん状にねじれているので、スムーズに液体を回転させ材料をかき混ぜる事が出来ます。また、スプーンの反対部分は様々な形があり、フォーク、重し、氷よけなどになっています。

ブレンダー(ミキサー)

一般でいうミキサーのこと。シェーカーでは混ざらないカクテルを作る際に使用されます。カクテルの用語で「ミキサー」とは「割り材」、すなわち、水、炭酸水、トニックウォーター、ジンジャーエール、コーラ、オレンジジュース、トマトジュースなど、割るために用いる飲料の総称を指します。

ミキシング・グラス

かき混ぜる「ステア」の技法の際に使用するグラスです。主に円柱型の大型のグラスの形状で注ぎ口が付いており、内側はバースプーンが回転しやすいように丸くなっています。

技法

シェイク

「シェイク」の技法は、シェーカーの中に氷と材料を入れ蓋をし、強く振って中身を混ぜ、グラスに液体を注ぐ技法です。混ざりにくい材料を混ぜる際や、アルコール度数の高いカクテルベースやリキュールの角を取り、飲みやすくするために用いられます。

ブレンド

「ブレンド」の技法は、ブレンダー(ミキサー)を使用して、機械の強い力によって材料を混ぜ合わせる技法。

主に、フレッシュフルーツを混ぜ合わせる際や、氷と材料を混ぜ合わせてフローズンカクテルを作る際に使用されます。

ビルド

「ビルド」の技法は、シェーカーやミキシンググラスなどを使用せずに、グラスの中に直接材料や氷を入れかき混ぜて完成させる技法です。
水割りやソーダ割り、ロングカクテルで主に使用されます。

スノースタイル

「スノースタイル」は、グラスのフチをレモン汁で濡らし、食塩や砂糖を付着させるデコレーション技法です。なお、スノースタイルという呼称は和製英語で、英語では、「rimmed with salt」、「rimmed with sugar」といいます。

コーラルスタイル

「コーラルスタイル」は、グラスのフチをシロップやリキュールで濡らし、塩や砂糖を付着させるデコレーション技法です。グラスのフチに幅広くデコレーションするのが特徴です。

単位

tsp(ティースプーン)

バースプーンのスプーンすりきり1杯分の量で、小さじ1杯と同量の約5mlです。

dash(ダッシュ)

ボトルを逆さにし、1振りで落ちてきた液体の量で、およそ5~6滴とされ、約1mlです。

oz(オンス)

1オンス=約30mlです。アメリカとイギリスで量が微妙に異なり、米ガロン法では1/16パイント(約29.57ml)、英ガロン法では1/20パイント(約28.41ml)です。