この記事では、お菓子作りにも使われるラム酒を使ったカクテルのうち、鮮やかな青が特徴的なカクテルを紹介します。
ラム酒はサトウキビから造られる、カリブ地域原産の蒸留酒(スピリッツ)の一種です。蒸留酒はアルコール度数が高く、火をつければ燃えることから、「火酒(かしゅ)」と呼ばれることもあります。映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズで海賊たちがラム酒を飲んでいたことで人気が急上昇しました。
ラム酒は、甘い香りや味わいが特徴ですが、製法でテイストが大きく異なっています。最新技術で蒸留され、熟成期間が短く、濾過されているものは他のスピリッツ(ウォッカなど)に近いすっきりとしたテイストです。一方、伝統的な方法で蒸留され、オークの樽でじっくりと熟成されたものは色も褐色で、味わいもウイスキーやブランデーに近いまろやかなテイストになります。
飲み方・使い方は多岐にわたり、ストレートやロックで飲んだり、カクテルのベースとして用いたりする以外にも、ケーキ、タルトなど焼き菓子、紅茶の風味づけにも使用されています。レーズンをラムに漬け込んだ「ラムレーズン」がよく知られていますよね。
蒸留酒なので高めのアルコール度数となっており、基本的に40~50度のアルコール度数で売られている製品が多くなっていますが、飲む人の好みに合わせて37度前後、75.5度のラム酒も販売されています。
「カクテル(cocktail)」とは、ウイスキー、ウォッカなどのアルコール度数の高いお酒をベースにして、ジュースや果汁、リキュール、薬味などを加えた混合酒のことです。
ロングとショートには度数やグラスの大きさ、氷の有無など様々な違いがあります。
「ショートカクテル」は、脚の長い逆三角形の「カクテルグラス」などが使われるカクテルで、グラスに氷が入っていないので時間が経つとぬるくなってしまい、風味が劣ってしまうため、早めに飲むのが良いとされているカクテルです。
ショートカクテルの多くはラム酒などのスピリッツをベースにリキュールや果実・卵・香辛料をミックスして作られるカクテルで、量は少なめで、アルコール度数が高めなのも特徴です。
飲み切る時間の目安としてはお酒の温度が変わるまでの15分とされており、バーでは「ショートカクテルは3口で飲め」という教訓もあります。
一方、「ロングカクテル」は大きめのグラスに氷が入っているカクテルで、居酒屋などでもよく見かけるカクテルが多いです。氷が入っているのでショートカクテルよりも長く楽しむことができますが、時間が経つと氷で味が薄まってしまいます。
ロングカクテルも、ラム酒などのスピリッツをベースにトニックウォーターや炭酸水、柑橘類、ジュースなどをミックスして作られるカクテルで、アルコール度数は低めなのも特徴です。
飲み切る時間の目安としては30分とされており、それ以上時間が経つと氷が解けて風味が変わってしまうでしょう。
青いカクテルに必ず使われているのが「ブルー・キュラソー」というリキュールです。
ブルー・キュラソーは、「ホワイト・キュラソー」と呼ばれるオレンジ・リキュールを、合成着色料で青く着色したリキュールです。ブルー・キュラソーを材料に使うと、カクテルを青くするだけでなく、オレンジの持つコク深い甘みや微かな苦みがカクテルに加わるので、カクテルに深みが出ます。
「ブルー・ハワイ」は、ハワイの青い海と青い空をイメージしたカクテルです。ブルーキュラソーの鮮やかな青がとてもおしゃれなだけでなく、トロピカルテイストで飲みやすいですよ。アルコール度数は約15度です。
ホワイト・ラム …30ml
ブルー・キュラソー …10~15ml
パイナップルジュース …30ml
レモンジュース …10~15ml
「ブルー・ハワイアン」は、トロピカルでクリーミーな甘さが楽しめるフローズンカクテルで、夏の暑い時期にぴったりです。水色の見た目もかわいらしいですよ。アルコール度数は約15度です。
ホワイト・ラム …30ml
ブルー・キュラソー …15ml
パイナップルジュース …60ml
ココナッツミルク…30ml
クラッシュド・アイス...カップ半分
カット・バナナ...1個
カット・パイナップル...1個
「カリビアン・アイスバーグ」は、トロピカル系でもキウイやライチといった、一風変わったフルーティーさが楽しめるカクテルです。底に沈んだブルー・キュラソーの青がとてもおしゃれですよ。アルコール度数は約20度です。
ゴールド・ラム …30ml
キウイ・リキュール …30ml
パイナップル・ジュース …45ml
ライチ・リキュール …10ml
ブルー・キュラソー…10ml
マラスキーノ・チェリー…1個
「ブルー・ダイキリ」は、人気カクテル「ダイキリ」にブルー・キュラソーを加えて青く仕上げたアレンジカクテルです。さわやかさとほどよい甘さで飲みやすいテイストです。アルコール度数は約25度です。
ホワイト・ラム …3/4
ライムジュース …1/4
ブルー・キュラソー…2tsp(小さじ2)
「スカイ・ダイビング」は、1967年に開催された、全日本バーテンダー協会主催のカクテル・コンペティション優勝作品です。真っ青な透き通る爽快な空を感じさせるような色と味わいが特徴的なカクテルです。アルコール度数は約30度です。
ホワイト・ラム…30ml
ブルー・キュラソー…20ml
ライム・ジュース…10ml
甘いテイストからすっきりとしたテイストまで、様々なカクテルがあります。
「キューバ・リブレ(ラム・コーク)」はラムベースの伝統的かつ人気カクテルで、コク深い甘さのラムとコーラがよくマッチしているカクテルです。とても飲みやすく、ゴクゴクと飲めてしまいますが、ラム酒ベースなので度数が高く、コーラは糖分量が多いので、飲みすぎに注意です。
ラム(ホワイトまたはゴールド)…45ml
コーラ...適量(120ml)
ライム・ジュース...10ml
「ソル・クバーノ」は、グレープフルーツとトニックウォーターのさわやかな味わいが楽しめるカクテルです。トロピカル系が多いラム酒のカクテルの中でもさっぱりと飲むことができ、夏の暑い時期にぴったりです。
ホワイト・ラム…45〜60ml
グレープフルーツジュース…60ml
トニックウォーター…60ml
「モヒート」は、ラムベースのカクテルで一番人気のカクテルです。すっきり爽やかに楽しむことができ、暑い時期にぴったりのカクテルです。
日本ではソーダ水を使った「カリビアン・スタイル」のレシピが人気ですが、ソーダを使わないレシピ「ジュレップ・スタイル」もあります。
ホワイト・ラム…45ml
ライム…1/2個
シュガー …1tsp(小さじ1)
ソーダ水 …適量
ミントの葉 …3~4 枚
「ダイキリ」は、19世紀末にキューバのダイキリ鉱山の技師たちが、ラム酒をライムジュースで薄めたドリンクを飲んでいたことから命名されました。さわやかさとほどよい甘さが人気の、ラムベースの代表的カクテルです。
ホワイト・ラム …3/4
ライムジュース …1/4
シュガーシロップ …1tsp(小さじ1)
「X.Y.Z(エックス・ワイ・ジー)」は、これで終わり(=これ程おいしいカクテルはない)という意味のカクテルです。すっきりとした味わいで、バーなどでも最後に注文されることの多いカクテルです。
ホワイト・ラム (ライト・ラム)…2/4
ホワイトキュラソー …1/4
レモンジュース …1/4
「ガルフ・ストリーム」は、北大西洋の狭く強い海流「メキシコ湾流」を意味するカクテルで、ブルー・キュラソーによる爽やかな水色の見た目と、トロピカルな風味が楽しめる甘口のカクテルです。アルコール度数は約20度です。
ウォッカ …15ml
ピーチ・リキュール…15ml
ブルー・キュラソー…5ml
フレッシュ・グレープフルーツ・ジュース…20ml
パイナップル・ジュース…5ml
「ブルー・ラグーン」は、フランス生まれの王道カクテルで、ブルー・キュラソーの青が鮮やかで、華やかなおしゃれな雰囲気のある、さっぱりとした味わいのカクテルです。アルコール度数は約25度です。
ウォッカ...30ml
ブルー・キュラソー...20ml
レモン・ジュース...20ml
スライス・レモン…1枚
マラスキーノ・チェリー…1個
「月曜日の憂鬱な気分」を表現して作られたと言われる「ブルー・マンデー」は、ブルー・キュラソー由来の爽やかな青い見た目が特徴的なカクテルです。憂鬱な気分とはいうものの、高いアルコール度数の辛口カクテルとなっています。アルコール度数は約35度です。
ウォッカ …45ml
ホワイト・キュラソー…15ml
ブルー・キュラソー…1tsp(小さじ1)
「スカイ・アンド・シー」は、パイナップルジュースのトロピカルな味わいが楽しめる、南国の美しい空と海をイメージした青色のカクテルです。アルコール度数は約25度です。
ドライジン…30ml
ブルー・キュラソー…15ml
パイナップル・ジュース…15ml
「サファイアン・クール」は、その名の通り綺麗な青色をしたカクテルで、グレープフルーツジュースと2種類のキュラソー(オレンジ系リキュール)の柑橘類のすっきりとした味わいが楽しめるカクテルです。アルコール度数は約30度です。
ドライジン...25ml
ホワイトキュラソー...15ml
グレープフルーツジュース...15ml
ブルーキュラソー...1tsp(小さじ1)
レモンピール...適量
「コルコバード」は、ウイスキーベースのリキュール「ドランブイ」とテキーラが組み合わさった独特な味わいのカクテルです。青い見た目がとても美しいですよ。アルコール度数は約20度です。
テキーラ...30ml
ドランブイ...30ml
ブルー・キュラソー...30ml
ソーダ水...適量
カット・ライム...1枚
「ブルー・トリップ」は、ブルー・キュラソーの青と、メロン・リキュールの緑が生み出すターコイズブルーがとても鮮やかなカクテルです。程よい甘みで飲みやすいカクテルですが、材料がすべてスピリッツやリキュールなので度数が高くなっており、アルコール度数は約35度です。
テキーラ …4/5
ブルー・キュラソー…1/5
メロン・リキュール…1tsp(小さじ1)
カクテルを作る際、レシピに登場する専門用語を紹介します。
容量180~300ml。「ロックグラス」という名称の方が一般的で、主にオンザロックススタイルの強めのカクテルに用いられます。口径が広く、大きな氷がそのまま入るため、ロック向きとされています。
容量90mlが標準。ドラマや映画によく登場する、脚の長い逆三角形のグラスで、主にショートカクテル用です。逆三角形の部分(ボウル)が鋭角なほど強いカクテルに合います。ちなみに、グラスの形には理由があり、長い脚の部分「ステム」を持つことでカクテルの温度が上昇するのを防ぐことができます。
容量300ml程度。グラスの脚が短く安定感のある形状で、グラスのフチにカットフルーツを飾るようなトロピカル系のカクテルでよく使われています。
容量300~360ml。トールグラスとも呼ばれます。細長い形状が特徴的で、炭酸が抜けにくいことから発泡性のカクテルに向いています。背の高いものは、材料のグラデーションを楽しむおしゃれなカクテルにも使われます。
容量120mlが標準。主に柑橘類を使ったサワースタイルのロングカクテルに用いられます。日本では脚付きのものがほとんどですが、外国では平底のタイプも用いられています。
容量60~75ml。スペイン産ワインの「シェリー酒」を飲むために作られたグラスで、ストレートにもカクテルにも応用ができる用途の広いグラスです。
飲み口が大きく背の低い「ソーサータイプ」と、飲み口が小さく背の高い「フルートタイプ」があります。ソーサータイプは泡立っているカクテルやクリームを浮かべるカクテルに、フルートタイプは発泡性のカクテルに向いています。
10オンス(300ml)が標準。用途は多様で、カクテルでは、氷をたくさん入れるロングカクテルでよく使用されます。二重構造で保冷力が長持ちするタンブラーもありますよ。
容量30~45mlと小さめです。本来はストレート用ですが、見た目の美しいプースカフェスタイルのカクテル(食後に飲むカクテル)に使われることがあります。
ワインの色・香り・味を余さず楽しむためのグラスです。赤ワインは大ぶりのもの、白ワインは小ぶりのものが適しています。カクテルでも時々使われることのあるグラスです。
カクテルの中に沈めるフルーツに刺したり、花やフルーツをカットして作る「ガーニッシュ」を飾る際に使用するピンです。
その名の通り、シェイクする際に使用する器具で、トップ(蓋)、ストレーナー、ボディの3つのパーツに分かれています。ボディの中に材料と氷を入れ、ストレーナーとトップを被せて、強く振って中身をかき混ぜて使います。
また、ボディとティンの2パーツからなるボストンシェーカーも存在し、より激しいシェイクをする事が出来ます。主に、卵白やクリーム系、フルーツなどの材料を扱う場合に使用します。
シェーカーの形にもいくつか種類があり、一般的な「スタンダード型」、細長い「バロン型」があり、ボストンシェーカーにはティンがスケルトンになっているおしゃれなものもあります。
シェーカーの部品ではないストレーナー単体は、へら型のステンレス板に、らせん状のワイヤーを取り付けた道具です。ミキシンググラスやボストンシェーカーと一緒に使用される事が多く、氷を取り除き液体のみを注ぐ事が出来ます。
長い棒状のスプーンで、中央の棒部分はらせん状にねじれているので、スムーズに液体を回転させ材料をかき混ぜる事が出来ます。また、スプーンの反対部分は様々な形があり、フォーク、重し、氷よけなどになっています。
一般でいうミキサーのこと。シェーカーでは混ざらないカクテルを作る際に使用されます。カクテルの用語で「ミキサー」とは「割り材」、すなわち、水、炭酸水、トニックウォーター、ジンジャーエール、コーラ、オレンジジュース、トマトジュースなど、割るために用いる飲料の総称を指します。
かき混ぜる「ステア」の技法の際に使用するグラスです。主に円柱型の大型のグラスの形状で注ぎ口が付いており、内側はバースプーンが回転しやすいように丸くなっています。
「シェイク」の技法は、シェーカーの中に氷と材料を入れ蓋をし、強く振って中身を混ぜ、グラスに液体を注ぐ技法です。混ざりにくい材料を混ぜる際や、アルコール度数の高いカクテルベースやリキュールの角を取り、飲みやすくするために用いられます。
「ステア」の技法は、混ざりやすい材料を、氷を入れたミキシング・グラスに注ぎ、バー・スプーンなどで手早くかき混ぜる技法で、素材の味わいや香りを活かす際に用いられる技法です。
「ブレンド」の技法は、ブレンダー(ミキサー)を使用して、機械の強い力によって材料を混ぜ合わせる技法。
主に、フレッシュフルーツを混ぜ合わせる際や、氷と材料を混ぜ合わせてフローズンカクテルを作る際に使用されます。
「ビルド」の技法は、シェーカーやミキシンググラスなどを使用せずに、グラスの中に直接材料や氷を入れかき混ぜて完成させる技法です。
水割りやソーダ割り、ロングカクテルで主に使用されます。
「スノースタイル」は、グラスのフチをレモン汁で濡らし、食塩や砂糖を付着させるデコレーション技法です。なお、スノースタイルという呼称は和製英語で、英語では、「rimmed with salt」、「rimmed with sugar」といいます。
「コーラルスタイル」は、グラスのフチをシロップやリキュールで濡らし、塩や砂糖を付着させるデコレーション技法です。グラスのフチに幅広くデコレーションするのが特徴です。
バースプーンのスプーンすりきり1杯分の量で、小さじ1杯と同量の約5mlです。
ボトルを逆さにし、1振りで落ちてきた液体の量で、およそ5~6滴とされ、約1mlです。
1オンス=約30mlです。アメリカとイギリスで量が微妙に異なり、米ガロン法では1/16パイント(約29.57ml)、英ガロン法では1/20パイント(約28.41ml)です。
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