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テキーラとウイスキーの違い。原料・製法・味・度数・飲み方を比較

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テキーラとウイスキーの違い。原料・製法・味・度数・飲み方を比較

この記事では、蒸留酒のテキーラとウイスキーの原料や製法、味や香りといった視点から両者の違いを紹介します。

テキーラとウイスキーの違い①原料

テキーラ

テキーラはメキシコ発祥の蒸留酒で、サボテンから造られるお酒とよく勘違いされていますが、アガベ(リュウゼツラン)という多肉植物から造られています。産地や原料、製造方法は認定機関の規則によって厳格に決められています。
 
アガベは、メキシコ原産のサボテン科の植物で、テキーラの原料には、主にブルーアガベという品種が使われています。収穫までに最低でも6年かかることから、テキーラは造るのに手間がかかる貴重なお酒としても知られています。
 
100%ブルーアガベから造られるテキーラを「プレミアムテキーラ」、原料の51%以上がブルーアガベで、蜂蜜や砂糖などの副原料も使われているテキーラを「ミクストテキーラ(ただのテキーラとも呼ばれる)」と区別しています。市場に流通しているテキーラのほとんどは後者の「ミクストテキーラ」です。

ウイスキー

ウイスキーは、大麦、ライ麦、トウモロコシといった穀物から造られています。発祥はスコットランドとアイルランドの2説あるようですが、はっきり決着はついていないようです。
 
原料によって「モルト・ウイスキー(大麦)」、「グレーン・ウイスキー(穀物全体)」、「コーン・ウイスキー(トウモロコシ)」といった呼び名で分類されており、さらに産地によっても「スコッチ・ウイスキー(スコットランド)」、「アイリッシュ・ウイスキー(アイルランド島)」、「バーボン・ウイスキー(アメリカ・ケンタッキー州バーボン郡)」といった分類がされています。

テキーラとウイスキーの違い②製法


どちらも蒸留酒の一種

テキーラ・ウイスキーのどちらも穀物などの原料を発酵させたものを蒸留し、樽で熟成させることで製造される蒸留酒の一種です。
 
テキーラは熟成期間や、熟成に使う樽の種類によって5つの種類(ブランコ(Blanco)、ホーベン(Joven)、レポサド(Reposado)、アネホ(Anejo)、エクストラ・アネホ(Extra Anejo))に分けられています。

ウイスキーは樽で熟成したものをいくつかブレンドする「ブレンデッド」が主流ですが、単一の樽で熟成されたウイスキー原酒のみをボトリングしたウイスキーは「シングルカスク」と呼ばれます。

スピリッツと他の蒸留酒の違い

蒸留酒は高温で熱して造る「火の酒」であり、火の酒は人間の魂にはたらきかけ、肉体を目覚めさせ、また活力を与えることから、蒸留酒はスピリッツ(spirits)と呼ばれるようになったようです。
 
ジン以外にもブランデー、ウイスキー、焼酎、ウォッカ、ラム、テキーラも蒸留酒であり、広い意味ではこれら全て「スピリッツ」と呼べますが、日本において「スピリッツ」とはウォッカ、ジン、ラム、テキーラを指すことが多く、この4種類のお酒は「世界4大スピリッツ」とも呼ばれています。
 
日本における狭い意味での「スピリッツ(ウォッカ、ジン、ラム、テキーラ)」という呼称は、1953年に制定された酒税法における分類によって形作られたようです
1953年当時、蒸留酒のうち、既に日本である程度の知名度があった「ブランデー」、「ウイスキー」、「焼酎」は個別の分類とし、それ以外(ウォッカ、ジン、ラム、テキーラ等)が「スピリッツ」に分類されました。
ちなみに、日本の酒税法における分類としての「スピリッツ」は、やや複雑な定義にはなりますが、「焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール以外の蒸留酒類で、エキス分が2度(2%)未満のもの」とされています。
 
なお、海外では蒸留酒は専ら「liquor(リカー)」と呼ばれています。

テキーラとウイスキーの違い③味・香り・度数

テキーラ

テキーラは、アガベのフルーティーでフレッシュな香りとともに、甘い香りが混ざり合った濃厚なテイストが特徴ですが、熟成度の具合いによって味や香りが変化します。
 
熟成期間が短いものほどすっきりとキレのある味わいと苦みがあり、長いものほどトロっとした甘みや旨味が感じられ、アルコールの苦みも薄くなります。
 
アルコール度数は、テキーラにおいては「35~55度」と認定機関の規則によって厳格に決められています。

ウイスキー

ウイスキーは、木製の樽で熟成するため、ウッディーな香りとビターな風味が特徴的ですが、原料や産地によって風味が大きく異なります。香りも、スモーキーなものからフルーティーなものがあり、味わいも軽い味わい(ライト・ボディ)のものから重たいもの(フル・ボディ)まで様々です。
 
ウイスキーはアルコール度数は40度前後の製品が多く、飲む人の好みに合わせて50度以上の製品も販売されています。

テキーラとウイスキーの違い④飲み方

テキーラ

日本ではバーなどでショットとして嗜まれることが多いほか、カクテルベースとしてよく知られていますが、現地ではストレートで少しずつ飲まれることが多く、ライムを口へ絞りながら楽しみ、最後にグラスにまぶした食塩を舐めるのが正統な飲み方とされています。
 
カクテルでは「マルガリータ」「テキーラ・サンライズ」などが有名で、原料のアガベの甘みはフルーツ系の相性が良いことでも知られています。

ウイスキー

ウイスキーは風味が強い分、その風味を味わう飲み方である、ストレートやロック、ソーダ割りといった飲み方が好まれていますが、ウイスキーを使ったカクテルもあり、「マンハッタン」、「オールド・ファッションド」などの有名なカクテルがあります。