薄力粉とホットケーキミックスの違いをご存知でしょうか。本記事では薄力粉とホットケーキミックスの違いを解説します。
薄力粉は小麦を原料に作られる小麦粉の一種です。小麦粉の種類は原料小麦の品種によって決まり、薄力粉の原料になるのは粒が柔らかい軟質小麦(なんしつこむぎ)です。
ちなみに「薄力小麦粉」といわれる場合もありますが、全く同じものを指し、違いはありません。「薄力小麦粉」を略して生まれたのが「薄力粉」という言葉です。
ホットケーキミックスは、薄力粉をベースに砂糖、ベーキングパウダー、食塩などが配合されたパンケーキやドーナツなどを簡単に作ることができる粉です。
具体的な原料や分量は製造メーカーによって異なりますが、ふんわりとした食感や甘みを出すために砂糖やベーキングパウダーなどが加えられているのが大きな特徴です。
薄力粉の見た目は白色です。
薄力粉の原料である軟質小麦は粒が柔らかいため、製粉すると小麦粉の中で最も粒子が細かくなり、触ると手にまとわりつく感覚があります。
一般的にホットケーキミックスは白色またはクリーム色をしています。
薄力粉にベーキングパウダーや砂糖など様々な材料を混ぜて作られているため粘り気があり、触ったときにもっちりとした感触があると言われています。ただし、上述したようにメーカーによって原料や分量が異なるためメーカーによって微妙な違いがあることもあります。
薄力粉に味はありません。
そのため薄力粉を使う場合は砂糖などを加えて味を自由に調節することが可能です。
ホットケーキミックスの味はメーカーによっても異なりますが、砂糖などが加えられているため甘みがあり、薄力粉とは異なる独特の味がします。
そのため、見た目で区別できなくなってしまったとしても少し舐めればどちらが小麦粉でホットケーキミックスなのか判別がつけられるでしょう。
薄力粉をはじめとする小麦粉100gあたりに含まれている栄養素・カロリーは下記の通りです。
エネルギー…368kcal
水分...14~15g
たんぱく質...6~17g
脂質...2g
炭水化物...65~78g
灰分...1g以下
小麦粉のたんぱく質の量は、強力粉>中力粉>薄力粉の順で少なくなります。小麦粉に含まれるたんぱく質はグリアジンが約33%、グルテニンが約14%という割合で、その他の不溶性のたんぱく質とあわせて、約85%がグルテンを形成します。
グルテンとは、弾力に富むが伸びにくいグルテニンと、弾力は弱いが伸びやすいグリアジンの2種類のたんぱく質が、水分によって結びついたものです。グルテンの量に生地の硬さが決まります。パンなどの「ふわふわ、モチモチ」という食感はこのグルテンによってもたらされます。
小麦粉にはビタミンB群とEが少量含まれていますが、1%以下です。
灰分は外皮や胚芽部分に多く含まれるミネラルや食物繊維のことです。小麦粉は調理過程で加熱されると、たんぱく質や脂質は燃えてなくなってしまうのですが、一部のミネラルや食物繊維は灰として残るため、このように記載されています。
ホットケーキミックスに含まれている栄養素やカロリーはメーカーによって異なりますが、参考に森永で製造・販売されているホットケーキミックスの栄養素とカロリーを紹介します。
エネルギー…379kcal
たんぱく質…7.3g
脂質…3.2g
炭水化物…80.2g
食塩相当量…1.2g
ホットケーキミックスは薄力粉に砂糖などを加えて作られているため、薄力粉よりもカロリーが高いことが多いです。ただし、ブランドや製造元によって異なるため具体的な数値は商品の栄養成分表を確認しましょう。
薄力粉はグルテンの含有量は6.5~8%(原料小麦によって違いがあります)と、小麦粉の中でも最も少ないです。そのため水でこねたときに粘りが出にくく、ふんわりした生地になり歯切れがよくなり、クッキーなどのお菓子作りに使われることが多いです。
また、ほとんど味がなく食材の味を邪魔をすることがないので、焼き菓子の他にも揚げ物の衣やあんかけなどのとろみ付けなどに使われるなど様々な用途があります。
ホットケーキミックスはその名の通り、ホットケーキを作るのに使われます。
ホットケーキ以外には、ドーナツやワッフルなどふわっとした食感に仕上げたい焼き菓子を作るときの小麦粉の代用品として使うことができます。
一般的に、薄力粉などの小麦粉は製造コストが比較的低い傾向があります。一方、ホットケーキミックスは、小麦粉の他にも、砂糖や膨張剤、乳製品、香料などの添加物が含まれるため、原材料のコストが高くなる傾向があります。
そのためホットケーキミックスのほうが値段が高いこともありますが販売価格はブランドや商品によって異なるため、一概にホットケーキミックスのほうが安いとは言えません。薄力粉のほうが需要が高いぶんスーパーなどではホットケーキミックスよりも安く販売されていることもあります。
一部のレシピでは薄力粉をホットケーキで代用することは可能ですが、完全に同じ仕上がりになるわけではありません。
薄力粉はグルテンの含有量が少ないため例えばクッキーを作るとサクっとした歯ごたえがある食感に仕上がりますが、ホットケーキミックスは砂糖やベーキングパウダーが元々加えられているためふんわりしっとりとした食感に仕上がります。元々砂糖が加えられていることも考慮して材料の分量を調節する必要もあります。またホットケーキに似た味や風味になります。
揚げ物の衣やとろみ付けに使いたい場合にはホットケーキミックスは不向きです。
ホットケーキミックスがない場合に薄力粉で代用することは可能です。ただし、この場合もホットケーキミックスを使ったときと同じようになるわけではありません。
例えば薄力粉を使ってホットケーキを作ることももちろんできますが、小麦粉の中でもグルテンの含有量が少ない分ホットケーキミックスを使ったときのようにふんわりとは仕上がりません。そのため、ふんわり仕上げるためにはベーキングパウダーを加えるなどの工夫が必要です。
また、薄力粉で作ったホットケーキはやはり風味が異なるため、違和感を抱くこともあるでしょう。
薄力粉とホットケーキを混ぜて使うことを推奨するレシピなどはありませんが、混ぜて使うこと自体は可能です。例えば、ホットケーキミックスを使ってホットケーキを作りたいときに、ホットケーキミックスの量が足りなくなってしまった場合は薄力粉を加えて大丈夫です。
ただし、上述したように薄力粉を加えることで膨らみにくくなったり、味がぼけてしまうこともあります。そのため、入れる量によってはベーキングパウダーや砂糖を加えて調節したほうが良いでしょう。
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