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アスパラガスは生で食べられる?メリットと注意点、美味しい食べ方を解説

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アスパラガスは生で食べられる?メリットと注意点、美味しい食べ方を解説

アスパラガスは生食することができる野菜であることをご存知でしょうか。本記事ではアスパラガスを生食するメリットや注意点、美味しく生食する方法などを詳しく解説します。

アスパラガスは生で食べれる?

野菜には生食することが多いものと、茹でたり加熱調理してから食べることが多い野菜がありますよね。アスパラガスは加熱してから食べられることが多いですが、生では食べられないのかと疑問に思ったことがある方は多いのではないでしょうか。

アスパラガスは生食可能

アスパラガスは、サラダにする場合も茹でてから使われることが多いですが、実は生食可能な野菜です。

野菜には、加熱を推奨されているものもあります。例えば、たけのこやほうれん草はアクが強く、さらに結石を作る原因となったりカルシウムの吸収を阻害するといわれているシュウ酸とよばれる成分が含まれているためアク抜きは必須となります。

アスパラガスにもシュウ酸は含まれていますが、たけのこやほうれん草ほど含有量が多いわけではないので、大量に食べなければ問題ありません。ですが、心配な方はアク抜きをしてから食べるのが良いでしょう。

生食に適した品種もある

一般的にスーパーなどで販売されているアスパラガスは「グリーンアスパラガス」と呼ばれる緑色のアスパラガスですが、アスパラガスには様々な品種があります。

特に真っ白い見た目が特徴の「ホワイトアスパラガス」や紫色の「パープルアスパラガス」は、グリーンアスパラガスと比較して柔らかくみずみずしさがあり、甘みも強いため生食にも適しています。どちらもあまり市場に出回っていない品種ではありますが、ネット通販でも購入することができるのでぜひ試してみてください。

アスパラガスを生食するメリット

アスパラガスを生食するメリットとしては、下記の2点があげられます。

食感を楽しむことができる

アスパラガスはみずみずしくしゃきしゃきとした食感が特徴の野菜ですが、茹でたりすると柔らかくなるので食感が変わってしまいます。

アスパラガスに限らず野菜の細胞壁はセルロースからできた繊維が重なっており、その間をペクチンが塗り固めて固い壁をつくっています。加熱をするとペクチンが分解されるため野菜は柔らかくなります。

アスパラガスは固いため加熱して柔らかくしたほうが食べやすいので、サラダにするときも茹でたりレンジで加熱してから使うことが多いですが、新鮮なアスパラガスであれば加熱しなくても固くて食べられないということはありません。

アスパラガスのシャキシャキとした食感は、満腹中枢を刺激し満腹感を得やすくなるためダイエット中の方にもおすすめです。

水溶性の栄養素を無駄にしない

アスパラガスには、ビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素も含まれています。茹でることで、水溶性の栄養素は流出してしまいますが、生食であれば水溶性の栄養素も無駄なく摂取できるメリットがあります。

アスパラガスに限らず水溶性の栄養素は含まれていますし、レンジで加熱したり炒めたりすることで一部が破壊されてしまう栄養素もあるため、栄養価を少しでも下げたくない方は生食するのが1番良いです。

アスパラガスを生食するときの注意点

アスパラガスを生食するときの注意点は下記の通りです。

アスパラの生食は鮮度が重要

アスパラガスを生食するときは鮮度が重要です。鮮度が落ちてしまったアスパラガスは固くなってしまっているため、生食には不向きです。また鮮度が落ちていると、味も風味も悪くなってしまいます。

新鮮なアスパラガスの特徴は下記の通りです。

  • 穂先がふっくらしていて、濃い緑色のもの

  • 緑が鮮やかで全体にハリがあるもの

  • 切り口が丸くて白く、みずみずしいもの

  • はかまの形がほぼ三角形で均一に並んでいるもの

  • 縦筋があまり見立たないもの

切り口が変色しているものは、鮮度が落ちているので避けましょう。

食べる量

アスパラガスは低カロリー低糖質の野菜ですので、食べすぎても太る心配はほぼありませんが、食べすぎはよくありません。

例えばアスパラガスには不溶性食物繊維が水溶性食物繊維より3倍多く含まれています。アスパラガスに含まれる不溶性食物繊維は摂りすぎると大腸を刺激しすぎてしまい、大腸の収縮が強くなって起こる痙攣性便秘の原因になります。

食物繊維は消化するのに消化器官に負担をかけるため、消化器官が未熟な小さなお子様や胃腸の調子が悪い方は加熱をして食べるほうが良いです。

また、上述したように人体に害のあるシュウ酸も含まれているため、生食する場合は特に食べすぎないように注意しましょう。

虫・汚れ

アスパラガスに限らず、野菜を生食するときは、しっかりと洗ってから食べることが大切です。

アスパラガスは茎が伸びて実がなるトマトなどの野菜とは異なり、土に接した状態で成長します。そのため綺麗に見えても穂先などに土汚れがついていることがあります。

土がついているということは土や堆肥(たいひ)に含まれる細菌がついている恐れがあります。食中毒といえば生肉や生魚などを食べることによって起こることが多いですが、実は土や堆肥にもボツリヌス菌などの食中毒の原因となる細菌がいる可能性があります。

また、野菜は害虫の被害にあいやすく、虫がついていることもあります。白菜やブロッコリーのように見えない部分に隠れているということはほとんどありませんが、しっかりと洗ってから食べたほうが安心です。

しっかり洗うことは農薬を落とすことにも繋がります。

出典:「食品衛生の窓」(東京福祉保健局)

アスパラガスを美味しく生食する方法【下ごしらえ】

アスパラガスを美味しく生食する方法を紹介します。まずは下ごしらえの方法です。

よく洗う

アスパラガスを食べる前に流水でよく洗う

まず、アスパラガスをよく洗います。

アスパラガスを洗うときは、丸ごと流水で洗います。農薬も単に水の流れる勢いで物理的に取り除かれるということもありますので、流水で洗うようにしましょう。

特に穂先の部分やはかまの部分は、汚れが入り込みやすいので念入りに洗ってください。

根元を切り落とす

アスパラガスの根元が硬い場合は包丁で切り落とす

アスパラガスをよく洗って汚れを落としたら、根元を1〜3cm包丁で切り落とします。根元の部分は硬いので、切り落としたほうが食べやすいです。

等間隔に皮を剥く

アスパラガスの皮を包丁またはピーラーを使って等間隔に剥く

根元を切り落としたら、ピーラーまたは包丁を使って等間隔に皮を剥いていきます。皮は剥かなくても大丈夫なのですが、皮があると口当たりが悪くなってしまうので、生食するときはとくに皮は剥いておくのがおすすめです。

等間隔に剥くことで、程よい食感を楽しむことができます。

はかまを取る

アスパラガスのはかまを包丁で削ぎ落とす

アスパラの茎についている小さな三角形の葉のようなものは「はかま」といいます。はかまは取り除かずに調理をしても良いのですが、はかまには苦味成分が多く含まれていることがわかっているため、少しでも苦味を軽減したい場合ははかまを取りましょう。

はかまを取り除いておくことで口当たりが悪くなってしまうのを防ぐこともできます。

はかまは、ピーラーを使って皮を剥くようにとっても良いのですが、削る必要のない茎まで削れてしまうので、包丁を使って取るのがおすすめです。包丁の刃をはかまの先と茎の間に入れて、親指ではかまを挟み手前にひっぱれば綺麗に取り除くことができます。

塩をもみこむ

アスパラガスをまな板の上で板ずりすると青臭さが軽減される

アスパラガスは板ずりをすると、アスパラガスの青臭さが抜けて食べやすくなります。また、アスパラガスから水分が出てくるので、アクが抜けて苦味を軽減することができます。

板ずりはまな板の上にアスパラガスを置き、塩をまぶしてこすれば完了です。

板ずりをしたら、流水でアスパラガスについた塩を落として水気をきりましょう。

<塩もみすると水分が出るのはなぜ?>

異なる物質同士の細胞の成分濃度が違うと、成分が薄い方から濃い方へと水が移動して、両方の濃さを揃えようとする力が働く。これを「浸透圧」という。野菜を塩でもむと、野菜の水分に塩が溶け濃い塩水ができ野菜の外側の塩分濃度が高くなるため、濃度を調整しようと浸透圧が働き、野菜の内側から水分が出てくる。

アスパラガスをカットする

アスパラガスを細かくカットする

最後に、アスパラガスを料理や好みの大きさにカットしたら下ごしらえは完了です。

穂先は細かくカットし、茎は薄切りにするのが食べやすいのでおすすめです。

アスパラガスを美味しく生食する方法【調理法】

生のアスパラガスのおすすめの食べ方を紹介します。

サラダ

野菜の生食といえばやはりサラダですよね。生のアスパラガスは他の野菜と一緒にサラダにして食べるとしっかりと栄養を摂取することができるのでおすすめです。

アスパラガスに含まれているβカロテンは体内でビタミンAになりますが、体内で吸収されにくいと言われています。このβカロテンの吸収率を上げてくれるのは油です。また、ビタミンA・Kは脂溶性なので、ドレッシングをかけて食べると栄養価が高くなります。

和え物

生のアスパラガスは和え物にしても美味しく食べることができます。ごま油と塩コショウなどと和えてナムルのようにして食べても美味しいですし、マヨネーズと和えて食べても美味しいです。

マヨネーズと和えることで、アスパラガスの青臭さも軽減されて食べやすいです。

浅漬け

アスパラガスは茹でてから浅漬けにすることが多いですが、生のアスパラガスで浅漬けをするとよりシャキシャキとした食感を楽しむことができます。

カットしたアスパラガスをポリ袋に入れて昆布と塩や醤油、砂糖、などの調味料と水を少々入れて漬けておくだけで即席の浅漬けが簡単に作れます。お酒のおつまみにもぴったりなのでぜひ試してみてください。

アスパラガスの栄養素

アスパラガスはビタミンA・B1・B2・C・葉酸・Kなどのビタミン類をバランスよく含み、カリウムなどのミネラルも多く、非常に栄養価の高い野菜です。

β-カロテン(ビタミンA)

β-カロテンが、アスパラガスには豊富に含まれます。β-カロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換されます。

ビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。そのため、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぎ感染症を予防する効果が大きく、免疫力を高めます。

また、β-カロテンには強い抗酸化作用もあるので、アンチエイジング作用があります。

ビタミンC

他の野菜にも豊富に含まれるビタミンCも、アスパラガスには比較的多く含まれています。

ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。また、ビタミンCはシミのもとになるメラニン色素の生成を抑えたり、肌に弾力やハリをもたらすため、美肌づくりにも重要な栄養素です。

アスパラギン酸

アスパラギン酸は非必須アミノ酸のひとつで、その名の通りアスパラガスから発見されたアミノ酸です。酸味を含むうま味成分で、日本人が古くから重宝している醤油や味噌などの発酵調味料のうま味の正体だと言われています。

アスパラギン酸はうま味成分としてだけでなく、人の体調を整える働きもあります。疲労回復効果があることから医薬品や栄養ドリンクにも使われています。さらにカリウムやマグネシウムを細胞に取り込みやすくし疲労回復の働きをしています。

人間の体液のバランスを整えたり、アンモニアを解毒して肝臓の負担を減らす働きもあります。
また新陳代謝を活発にし角質の水分を保持してくれるので、肌の保湿効果もあります。そのため化粧品にも使われています。

ルチン

ルチンはポリフェノールの一種で、ビタミンPと呼ばれている水溶性のビタミン様物質のひとつです。ルチンを含むポリフェノールは強力な抗酸化作用を持つので生活習慣病予防に効果的です。

主に毛細血管を強化する働きがあります。歯茎の止血の効果や、脳卒中を改善する効果があります。さらに毛細血管の弾力性を保ち、血流を良くする働きがあるので動脈硬化や脳血管障害予防、心臓疾患の予防や改善に効果的です。また血管収縮作用もあることから、血圧降下作用による高血圧予防や、痔の予防効果もあります。

また強い抗酸化作用もあるので、認知症の予防にも効果が期待できます。他にもルチンは膵臓に働きかけ障害をもたらす物質の働きを弱めたり、インスリンの分泌を促すので、糖尿病予防も期待できます。

そしてルチンの特筆すべき働きに、ビタミンCの吸収の促進があります。またビタミンCと一緒に摂ることで体内でコラーゲンの合成などをサポートします。

このルチンはアスパラガスの穂先によく含まれています。

腐敗したアスパラガスの特徴

腐敗したアスパラガスは生食はもちろんのこと、加熱しても食べることはできません。下記のような特徴があるアスパラガスは残念ですが破棄しましょう。

見た目

腐ったアスパラガスの見た目の特徴は下記の通りです。

  • カビが生えている

  • 全体的に黒・茶色に変色している

  • 溶け出している

アスパラガスにフワフワとしたホコリのようなものがついている場合は白カビ、黒く変色している箇所がある場合は黒カビが生えています。じゃがいものような根菜は表面のみにカビが生えていて中まで侵食していなければ、変色している箇所を取り除けば食べることができるといわれていますが、カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状を起こすこともあるため注意が必要です。

アスパラガスは変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に黒くなっていたり茶色くなっている場合は腐敗している可能性が高いです。腐敗がすすむと水分が出てきたり溶け出している箇所があることもあります。このような場合は破棄しましょう。

臭い・味

腐ったアスパラガスの臭いや味の特徴は下記の通りです。

  • 酸っぱい臭い・味

  • 生ゴミのような臭い

  • カビ臭い

酸っぱい臭いや生ゴミの臭い、カビ臭いなどあきらかに普段感じないような臭いがするときは腐敗しています。

アスパラガスに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。

また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は、見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。

食感

腐ったアスパラガスの触感の特徴は下記の通りです。

  • 柔らかい

  • ぬめりがある

アスパラガスを触ったときにグニュッとした感触があったり完全に張りがなくなっている場合は、腐敗が進み溶け出してしまっている状態です。また、表面がぬめぬめしている場合は雑菌が繁殖している可能性が高いです。新鮮なアスパラガスには切り口から水分が出てくることがありますが、ぬめりがでることはありませんので、ぬめりが出ているアスパラは破棄しましょう。

生のアスパラガスの保存方法

上述したようにアスパラガスを生食するときには、鮮度が大切です。ここではアスパラガスの鮮度を保つことができる正しい保存方法を紹介します。

基本的に生食する場合は、冷蔵保存がおすすめです。冷凍したアスパラガスは解凍すると食感が柔らかくなるので、解凍せずにそのまま加熱調理をするのが良いでしょう。

キッチンペーパーに包んで(2〜3日)

アスパラガスをキッチンペーパーに包みポリ袋に入れて立てて冷蔵保存する

アスパラガスをキッチンペーパーで数本ずつ包み(1本ずつ入れてもOK)、根元を下にしてポリ袋に入れ、口を軽く閉じます。カップなどに入れて(ドアポケットに入れてもOK)、穂先を上にして、冷蔵室へ。アスパラガスは低温を好むので野菜室には入れないようにしましょう。キッチンペーパーの代わりに新聞紙でもOK。

湿らせたキッチンペーパー(10日)

濡らしたキッチンペーパーで水分を補えば、もっと長く冷蔵保存が可能です。

アスパラガスの根元に水で湿らせたキッチンペーパーを巻いてから冷蔵保存すればより長持ちする

根元を5mmくらい切り、濡らしたキッチンペーパーを巻きます。ポリ袋に入れてコップなどに立てて冷蔵室へ。ひと手間を加えるだけで10〜12日間は保存することができます。1週間ほど経っても元の状態とあまり変わりません。ぜひお試しください。キッチンペーパーは毎日取り替えるのがおすすめです。

その他にも湿った砂の中で保存する方法もありますが、一般家庭では現実的ではありませんし、保存期間が2日ほどしかないので、おすすめしません。