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ココット・グラタン・キッシュの違い。調理法を比較

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ココット・グラタン・キッシュの違い。調理法を比較

ココットとグラタン、キッシュの違いをご存知でしょうか。本記事ではココットとグラタン、キッシュの違いを解説します。

ココット・グラタン・キッシュの違い

ココットは、オーブン調理などに使うことができる耐熱性のお皿または鍋です。また、ココットを用いた料理全般を指すこともあります。

グラタンは、料理の表面をオーブンなどで焼き多少焦がすように調理する調理法のことをいいます。また、その調理法を用いて作られた料理を指す言葉でもあり、日本でグラタンといえば料理そのものを指します。グラタンを作るときに用いられるグラタン皿もありますが、ココットのようにお皿自体を指す言葉ではありません。

キッシュは、卵や生クリーム、チーズ、ベーコン、野菜などを混ぜた卵液をパイ生地やタルト生地の中に流し入れてオーブンで焼いた料理のことをいいます。ココットやグラタンとは異なり、お皿や料理法を指す言葉ではありません。

ココットを用いてグラタンやキッシュを作ることもでき、その他にはスフレなどのデザートを作ることもできます。

ココットとは

ココット

ココットは耐熱性の皿または鍋

ココット(cocotte)は、オーブン調理などに使うことができる耐熱性のお皿または鍋です。また、ココットを用いた料理全般を指す言葉でもあります。

一般的には直径5~10cm程度、高さ5cm程の円形の小型耐熱容器を指すことが多いですが、ハート型のものなど形や大きさ、カラーは様々あり、材質は陶器またはガラスです。

スフレを作るときに使われることが多いことから「スフレ皿」「スフレ型」「スフレカップ」と呼ばれることもあります。

また、蓋がついた厚手の両手鍋も「ココット」と呼ばれます。鍋は鋳物の鍋で直火で加熱することができる他、オーブンに入れて加熱することもできます。

ココットの由来

ココットは、フランス語で「鍋」を意味します。そのため、フランスではココットといえば鋳物の蓋付き鍋を指し、お皿は「ラメキン」または「ラムカン」といいます。

フランスでは古くから鋳物の鍋を使って煮込み料理をするのが一般的でした。この鋳物の鍋がココットであり、20世紀初頭に北米へ渡り、ジビエなどの固い肉を野菜を使った煮込んだものに米などの主食を混ぜてオーブンで焼く「キャセロール」と呼ばれる料理が誕生したといわれています。

そのため「キャセロール鍋」ともいわれます。そこからお皿などができ、加熱可能の万能調理容器として広く使われるようになりました。

ココットの使い方

ココットは上述した通り、耐熱性があるので加熱調理をするときに使います。お皿や鍋が本記事では日本で一般的に使われることが多いココット皿の使い方を紹介します。

ココット皿は具材を入れて加熱調理をそのまま食卓に並べられることが多いです。例えばココット皿を使ってグラタンやキッシュポットパイ、お好み焼きなんかも手軽に作ることができます。

また、スフレやプリンなど材料を入れて冷やしてデザートを作るのにも使うことができます。デザートの場合も冷やしたらそのまま食卓に並べて食べることができるので非常に便利です。

グラタンとは

調理法であり料理名でもある

グラタンは、元々容器に入れた食材の表面をオーブンなどで焦がすようにして仕上げるフランス料理における調理法を指す言葉です。

本場フランスでは、加熱していない食材の上にソースをかけて焦げ目がつくまで焼く「グラタン・コンプレ」やマカロニやニョッキなどのパスタにソースを絡めてから溶かしたバターとパン粉をふりかけて焼く「グラタン・レジェ」、加熱調理した食材にソースをかけて軽く焦げ目がつくまでやく「グラタン・コンプレ」などがあります。

現在日本では肉などの食材にホワイトソースをかけ、さらにチーズを乗せてオーブンで焼いた料理を指すのが一般的で、調理法を指して使うことはあまりありません。

ですが、オニオングラタンスープがホワイトソースを使ったグラタンとは違うのに名前に「グラタン」と入っているのは、オーブンで表面を焦がす調理法を表しているためなのであると考えるとわかりやすいですよね。

グラタンの由来

グラタンの元になったのはフランスのドーフィネ地方の郷土料理です。誤って焦がしてしまったチーズ部分を食べてみたところ、美味しかったことからグラタンが誕生したといわれています。

「グラタン」の語源はフランス語で「掻き取る」を意味する「gratter(グラッター)」です。調理した際に、鍋や皿についてしまった焦げを取る様子が由来となっていて、フランスでは「鍋についたおこげ」を指す「Le Gratin」と呼ばれています。

キッシュとは

キッシュは料理名

キッシュとは、卵や生クリーム(または牛乳)、チーズ、ベーコン、野菜などを混ぜた卵液をパイ生地やタルト生地の中に流し入れてオーブンで焼いた料理を指します。

キッシュはいろいろな具材を使って作ることができ様々な種類がありますが、日本ではほうれん草とベーコンを使ったキッシュが多いです。

卵と生クリームをベースに作られたまろやかなソースの味わいと、パイ生地やタルト生地のサクサクとした食感を楽しむことができます。ケーキのように切り分けて食べることが多く、おかずながらもスイーツのように楽しめる料理です。

キッシュの由来

キッシュはフランスのロレーヌ地方で食べられている家庭料理です。15世紀以前から食べていたといわれている歴史ある食べ物で、春の訪れを祝う5月のお祭りなど祝の席には欠かせませんでした。

「キッシュ」という名前の由来はドイツ語で「ケーキ」を意味する「クーヘン」であるといわれています。ローレルがドイツと隣接していることから、ドイツ語が関係していると考えられます。「クーヘン」からローレル語の「キューシュ」と変化していき、「キッシュ」と呼ばれるようになったといわれています。

日本語で見ると「クーヘン」と「キーシュ」は全く別の言葉であるため、なぜ変化したのかわかりにくいですが、英語で表記するとクーヘンは「kuchen」、キーシュは「Quiche」なのでわかりやすいかと思います。